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2007年10月18日 (木)

イメージシフト奮闘記 その5

今回はイメージシフト方式によるモザイク合成の問題点をまとめてみたいと思います。

1ケラレの問題
 中判レンズの大きなイメージサークルを、35mm判カメラの小さなミラーボックスで受けるわけですから、当然ケラレの問題が心配になります。ケラレはレンズやカメラの選択に関わってくる重要な問題なので、実写データもまじえて、こんど改めて説明したいと思います。

2周辺減光の問題
 中判レンズは、35mm判レンズに比べて周辺減光が大きいと思います。当然ですが、広角レンズの方が激しいです。イメージシフトの場合にはこれに加えてCCDに光が斜めから当たる感度低下も多少なりとも加わると思います。解決策は画像処理で修正するか、絞り込むことです。

3ハレーションの問題
 CCDとローパスフィルターの間で起こる反射によるハレーションは、デジカメ共通の問題点ですが、イメージシフトの場合は、光が斜めから当たるので、状況はさらに深刻です。下の写真を見てください。悲惨な状況です。

Photo26
解決策は、輝星を周辺にもってこないか、どうしても周辺になる場合は、輝星を真ん中にしたフレームを取り直すか、あるいは、ローパスフィルターを取っ払ってしまうかです。

4色収差の問題
 CCDは色収差に敏感で、周知のとおり、青ハロがでます。最近はデジタルに対応した高性能なレンズが出てきて、それなりに解決されているのですが、残念ながら中判レンズにはそのようなレンズはありません。青ハロは焦点距離が長いほど目立つので、望遠系の場合は深刻です。画像処理でなんとかするか、フィルターワークで少しでも軽減するしかないようです。

以上は、イメージシフトのハード的な問題ですが、撮影上の問題もあります。こちらの方がやっかいです。

5カブリの問題
 光害カブリは現代の天体写真においてはある程度仕方がないです。しかし、モザイク前提だと、カブリがあるとフレームが滑らかにつながらないです。特に広角の場合は難しいです。カブリを完全に補正してしまえば問題ありませんが、画像処理のテクニックがある程度必要ですし、広角や地上風景を入れた写真の場合はカブリをある程度残した方が自然です。
 私は、なるべく光害の少ないところ、あるいは天頂付近で撮影するか、地上を入れる場合は短時間露出を心がけています。

6光害カットフィルターが使えない。
 光害カットフィルターは干渉フィルターのため、斜めに入射する光では効果がありません。つまり広角レンズでは使用できません。イメージシフトの場合は写野が広がるので、使用できるレンズの焦点距離がさらに伸びます。6枚モザイクの場合はだいたい150mm以上です。ですから、広角系ではまず光害カットフィルターを使用できません。これは通常の方向をずらして撮るモザイク合成とは対照的です。通常のモザイクは望遠レンズを使って広角の写野を得るので、光害カットフィルターが使えるのです。

7一晩で撮影しなければならない
 もちろん、今日左側3枚を撮って、明日右側3枚をとることも可能です。しかし、方向をきっちり合わさなければいけませんし、せっかくのイメージシフトの利点が失われてしまいます。コンポジット枚数が多いときや、途中で雲が通過すような日は一晩で撮りきれない時があります。

 ケラレの問題も含めて、いずれの問題も、天体写真では普通に起こる問題です。しかし、イメージシフトの場合は、それらが顕著化するのです。このように問題点が多いのですが、それでも私は利点の方が上回っていると思います。それは、広角でも魚眼でもモザイクできること。いずれ全周魚眼で撮ってみたいと思います。それと、モザイク合成で、フラット補正やディストーション補正が要らないことです。特に空の状態が良いと、ほとんど補正の必要もなく結合できることがあります。これは快感です。写野をずらすのも一瞬です。目盛りを見る必要もなく一瞬にして写野をずらすことができます。ですから、画像処理が苦手な人、簡単に高解像度の写真を撮りたい人に最適な方法なのです。

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