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2008年3月 4日 (火)

D40冷却改造奮闘記 その7

冷却D40も完成したので、コントローラ部の解説をしたいと思います。ここらの話は、興味のない人にはまったくつまらない話なのであしからず。

まず、全回路図のPDFファイルを掲載します。

「CooledD40.pdf」をダウンロード

それでは詳細を説明します。

Cooledd401

制御用マイコンはH8マイコンを使っています。H8/3664というマイコンです。マイコンはPICマイコンがちょっとした工作には有名ですが、私は仕事でH8マイコンを使っていますので、このマイコンにしました。このマイコンのCPUボードはイエローソフトから入手しました。ネットで購入できます。

必要なのはCPUボード本体であるYHN64-1 と、プログラムを転送するためのインターフェースボードYHN64-2、それとRS232Cケーブルの3点です。製品ページはこちら

開発ソフトウェアは、イエローソフトのYellowIDEの体験版がプログラムサイズ16Kバイトまでなら利用できます。

今回のプログラムは16Kバイトをちょっと超えてしまったのですが、なんとか16Kバイト以内に収まるようにして公開したいと思います。プログラムの組み込み方等についてはまた後日説明したいと思います。

LCDは秋月電子通商から購入したSD1602HUOBです。小型のLCDでオレンジ色のバックライト付きです。(使っていませんが) 今回、ほとんどの部品を秋月電子で購入しました。

Cooledd402

 温度センサーは秋月電子から購入したS8100Bというもので-8mV/℃というマイナスの係数を持つ温度センサーです。-40℃から測定できます。温度センサーからの入力はオペアンプLM358N(秋月)で増幅してマイコンに入力します。この回路図での増幅率は抵抗の値で決まります。

 増幅率=((1K+470) + 1K) / 1K = 2.47です。

この温度センサーの出力電圧は冷却D40の温度範囲内ではだいたい1V~2Vなので、2.47V~4.94Vになります。マイコンの入力上限が5Vなので、5Vを超えないようにします。オペアンプの電源電圧は5Vでは低すぎます。オペアンプの出力電圧は電源電圧-1.5V位なので、4.94Vを出力させようとしたらもっと高い電圧が必要です。そこでオペアンプにはカメラ電源からとった電源(約8V)を供給します。

 結露センサー(湿度センサー)ですが、このキットのものを利用しています。センサーの資料が入っていなかったのですが、たぶん、これと同じです。

 結露センサーは、湿度によって抵抗値が変わるものです。ですから10Kオームの抵抗と結露センサーで5Vの電圧を分圧し、オペアンプを通して、マイコンに入力します。オペアンプは抵抗を使っていないので増幅率1になります。

Cooledd403

 ペルチェ素子はデンシ電気店というところから購入しました。15V3Aのタイプのものです。ヒートシンクとファンはCPU用のものでパソコンパーツショップで購入しました。熱伝導グリスも一緒に買いました。

 さて、ペルチェ素子をON/OFFさせるのに、MOS FETという素子を使っています。H7N0308CFというもので秋月電子から購入できます。MOS FETはトランジスタの仲間のような素子ですが、電圧の大小で電流をコントロールします。このMOS FETの場合、だいたい4Vの電圧で電流をONさせることができます。マイコンの出力は5Vなので、ちょうど良いです。

 今回温度制御は、設定温度を下回ったらOFF、設定温度+0.2℃を上回ったらONするという簡単な制御方法にしました。これだと設定温度を中心に温度が波打つのですが、PWMというパルスを出力して、PID制御というフィードバック制御をすると非常に安定的に温度制御することができます。MOS FETという素子はこのPWM制御に向いた素子であることが選んだ理由です。必要であれば将来PWM制御に拡張できます。

Cooledd404

 リモートシャッター部です。アナログスイッチと呼ばれるIC(74HC4066)を使っています。このアナログスイッチICは単純で、Eの端子がHIGH(5V)になると、YとZの端子が導通するというものです。このICだけは秋月電子からは購入できず、千石電商から購入しました。

 スイッチは4チャンネル入っていますので、一つをシャッターへ、2つをLEDに接続しています。

Cooledd405

 最後に電源部です。今回必要なのは5Vのデジタル電源と、8Vのカメラ電源、赤外線リモコン用の3.3Vの電源で、合計3つです。すべて3端子レギュレータという安定化電源素子を使っています。5Vと3.3Vの電源は3端子レギュレータとコンデンサ2個を使った非常に簡単なものです。これで十分です。秋月電子からICとコンデンサがセットになったものが売っていますので、それをそのまま利用しました。

 カメラ電源だけは、電圧が特殊なので、可変型の安定化電源キットを利用しました。キットの基板を利用すると大きくなってしまいますので、部品だけ利用しています。

 次回は、プログラムの公開と簡単な説明をします。

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