「モザイク」という言葉をタイトルに使うと一般社会では、あれを連想しますのでちょっとちゅうちょしますが、もちろん天体写真の話です。風景撮影では「パノラマ合成」ですね。私はパノラマ合成の方が好きですが、パノラマというと横方向だけのようにも思われるので、天体写真の世界では「モザイク」というんでしょうか。
それはさておき、タイトルのモザイクの利点です。ほんまかがモザイク始めたのはもちろん、解像度、シャープさの向上です。もちろんこれが一番です。しかし、最近はシャープすぎていかに星を太らせるかいろいろ考えている有様で、当初の目的からはだいぶずれてきました。こないだのさそり座上部の写真では4方向に2ピクセルずつずらした4枚をコンポジットして星を太らせています。
むしろ最近はそれ以外の利点がけっこう重要になってきています。それをいくつか列挙してみます。
1 ノイズが目立たない
ノイズを減らすには、ISO感度を下げる、コンポジットする、冷却するなどいろいろありますが、ほんまかが思うにはたぶん、モザイクが一番効果あるんではないかとひそかに思ってます、もっとも何と比べるか、モザイク枚数などにもよりますが、いずれにせよ効果は大きいです。特に高感度時のあのザラザラ感はモザイクするとほんと滑らかになります。
2 見た目の感度が上がる
これは最近思い始めているのですが、モザイク枚数が増えると、なぜか淡い星雲とかはっきり見えてくるのです。一枚のときは気づかない淡い部分がはっきりしてくるのです。たぶん、モザイクで画素密度が上がっても人間の目は解像できませんので、数ピクセルを1ピクセルと判断してるためと思います。これはビニングと同じ効果だと思います。圧縮効果とでもいいましょうか。
3 画像処理で強処理ができる
これはノイズの話とダブりますが、画像処理による荒れが目立たないのでかなりの強調処理ができます。ある意味モザイクは画像処理が楽です。
4 光害を避けながら撮影できる
モザイクは分割して撮影できるので、各コマを常に最適な状態で撮影できます。例えば広角一枚撮りで撮影すると、よほど空が暗くない限り、必ずどこかしらカブリます。しかし、モザイクだと分割して撮影できますので、各コマが南中するのを狙って撮影することが可能です。ほんまかは広角星野写真が好きなのでこれはけっこう助かっています。
まぁこんなところでしょうか。モザイクは撮影枚数が増えますから、撮影時間が長くかかるように思われますが、ノイズは目立たない、見た目の感度が上がる、強調処理ができるなどの利点で、一枚あたりの撮影時間がとても短くできます。ですからトータルでは一枚撮りとそう変わらないと思います。もちろん露出をいっぱいかければいい作品ができることは間違えありません。
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