2008年5月30日 (金)
2008年5月28日 (水)
私も負けじと昔の画像で
近頃、大御所の方々、t_fixさん、コーチさん、よっちゃんさんと、続々とM8&M20の写真をアップされております。圧倒的なレベルの作品を前に、私は口をあけてポカーンとしております。
私も負けじと、2年前のボツ写真を引っ張りだしてきて挑戦。3分4枚の貧弱画像ですが、なんとか処理して見ました。
う~ん。大御所には足元にも及びませんね。だいたい星がでかすぎる。とりあえずデータは
Pentax istDS ISO800 3min×4コンポジット スカイキャンサーノータッチ
miniBORG60ED + AC2クローズアップレンズ+0.85レジューサ 合成f=240mくらい。
このころは、ミニボーグ買って、いろいろ遊ぶの楽しかったですね。9枚くらい撮ったのですが、星が流れて使えるのは4枚だけでした。istDSはひどいノイズでノイズリダクションかけないと使い物になりませんでした。そのため撮影時間がえらく長くかかったものです。当時の処理は単にコントラスト上げただけで、とてもお見せできるものではありません。
でも、天文初心者がミニボーグ買って、これだけ撮れれば楽しいですよね~。まだミニボーグ買ってない人はトミーテックのHPにGO!
2008年5月26日 (月)
2008年5月23日 (金)
2008年5月20日 (火)
広角モザイクって簡単にできるんだよ。その3
今回は撮影編。づばり、写野の切り替え。実は、広角モザイクをちゃんとやろうとすると、このような縦方向のパノラマ雲台が必要なのです。
(ピンボケなのはローパスはずしたD40で撮影したから。。。)
しかし、売ってないんですよね~。私のは以前から紹介している米国「Really Right Stuff」社のものですが、高いんですよね。カメラのL型ブラケットも含めて7万円近くかかっちゃいます。パノラマヘッド部だけでも手に入れば自作はできると思うのですが、パノラマヘッドも安くても丈夫なものが、なかなか売ってません。
そこで簡単に写野が切り替える方法としてお勧めなのが、赤道儀の赤緯軸を使う方法です。こんな感じです。
(こちらは奇跡的にピントが合った。)
これでもL型ブラケットが必要になりますが、これだけなら自作できるでしょう。市販品もあるようです。
ちなみに、赤道儀の赤経軸を使って写野をシフトすることは、広角ではできません。天の赤道付近でないとこんな風に傾いてしまいます。(望遠レンズ、望遠鏡の場合は写野が狭いので何とかなります。)
よって、モザイクは赤緯方向に限られますが、夏や冬の対象なら困らないでしょう。秋の天の川が赤経方向に伸びているのでちょっと困ってしまいますがね。
2008年5月19日 (月)
ディフュージョンフィルター自作
前作「天の川」で、LEEソフト1が、非常に有効であることが分かった。でもこのフィルターを標準、望遠レンズに使おうとするとやっぱ、効果が大きすぎる。でもこれより効果が弱いフィルターはたぶん、売ってないだろうな。これより効果が弱いと、一般撮影ではほとんど効果はないだろう、だから売ってるはずがない。
だったら、作るしかない。
で、用意したのが、プロテクターフィルターとクリアラッカー。
クリアーラッカーを遠くからプロテクターにスプレーしてやるのです。少しずつ、少しずつ効果を見ながら薄く重ねていくのです。そうすれば好みの効果のディフュージョンフィルターができるはず。相変わらず、ほんまか、頭いいです。
で結果はご覧の通りです。(レンズは100mmF5.6です。)ノーフィルターとLEEソフト1のちょうど中間のフィルターができました。
実写が楽しみです。
それにしても、望遠レンズで滲ませたいなんて思ってるの私だけだろうな、普通の人はシャープさを求めます。
2008年5月16日 (金)
広角モザイクって簡単にできるんだよ。その2
前回の記事で広角モザイクが簡単にできると思っていただけたでしょうか。特にカッティングだけで合わせることができることについては不思議に思われるかもしれませんね。しかし、同じ条件で撮影し、同じ条件で現像するれば合うのは当然です。
それでも明るさとかずれるのでは?
はい、ずれる場合もあります。実は前回の写真、やはり上側が少し暗いです。+5くらいがちょうどいいです。(あの写真は上下で時間差がありすぎるのです。)でもそのままでも十分です。ではなぜ、明るさの調整をしないで合わせることができたのか。その答えは。。。
背景に明るさの傾斜、ムラ、周辺減光があるためです。
完全にフラットな画像な場合、明るさが、色合いが完全に一致していないと、どこにつなぎ目を持ってきても合いません。
ところが、背景に傾斜、周辺減光がある場合、
よほど、違いがない限り、どこかに一致する部分があります。ですからこの一致する部分をつなぎ目にすればよいのです。
つまり、カブリや周辺減光を逆手にとって、合わせこんでいるのです。
強調処理のため、極限までフラットにしないといけない星雲星団の写真は無理です。ある程度背景のムラを許容できる「広角系星野写真」ならではの手法です。
結論は、周辺減光補正やカブリ補正など気にせず、現像したらすぐつなげればよいのです。下手な処理は不要です。即モザイク。
しかし、このようにうまく結合させるためには条件があります。(やっぱりあったのね)
簡単に言うと。。。
「絞り込んで短時間で撮る」
絞りは思い切ってF5.6まで絞っちゃいましょう。露出時間は、長くても5分程度。できれば保険の意味で2枚コンポジットがいいですね。
それでは、淡い星雲が写らないのではという疑問もあると思います。でも、
「写らなくていいんです」
星野写真の主役は「星」です。まず星を美しく表現することが第一です。よく淡いHαとか天の川の淡い部分を出そうとして強引にコントラストを上げている星野写真を見ますが(かつての私。。。) とても美しい写真とは言えません。
星中心に考えるなら短時間露出で十分です。それにモザイクするとノイズが目立ちませんので高感度撮影、強調処理ができますので、短時間でもそれなりに写ります。
まとめ
モザイクを困難にしている要因は3つあります。
モザイク3悪→ 時間差、周辺減光、カブリ
時間差、カブリに関しては、短時間露出でクリアです。周辺減光に関しては絞り込んで対処しましょう。もちろん腕に自身のある方はある程度絞りを開けて、フラット補正するのも良いでしょう。でもちゃんとやらないと、かえってムラになり、合わなくなります。どうしても絞りを開けたい人は、フォトショップの「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」の周辺減光補正が簡単便利です。星野写真の場合、それほど強調処理するわけではないのでこれで十分です。
それから、これも重要ですが、画像の重なり部分を多くとりましょう。周辺減光やケラレは重なり部分を多くするとほとんど影響を受けません。
最後に、これは当たり前のことですが、天体写真の基本として次のようなことを注意すると完成度が上がります。
1 なるべく暗い場所で撮影する。
2 対象が南中するのを待って撮る。
3 ピントはちゃんと合わせる。
4 構図は試写を繰り返して念入りに合わせる。
5 機材にある程度お金をかける。良いレンズは周辺減光も歪みも少ないです。
ワンポイントアドバイス
どうしてもつなぎ目が分かる場合は、輪投げツールで範囲指定し、部分的にあわせこみましょう。
PS3のフォトマージで「画像を合成」をチェックするとカッティングもちゃんとやってくれます。この機能はかなり正確で使えます。面倒ならフォトマージに任せちゃいましょう。(PS2以前にはないのが残念)
明るさや色合いがあまりに違う場合はやはり、ある程度の合わせこみが必要です。その場合、つなぎ目だけに注意しないで全体のバランスを大切にします。画像を小さくして見るのが有効です。
明るさや色合いが、ちゃんと合っているか見るには、調整レイヤーを作って、コントラストや彩度をアップしてみると楽です。必ず調整レイヤーで行ってください。元画像はそのままです。
現像はすべてのコマで同じ条件で現像しましょう。現像時、ヒストグラムの山を中央付近にもってきましょう。星野写真としては明すぎますが、画像が明るい方がモザイクしやすいです。
次回は(えっ、まだあるの)、写野の切り替え方法です。
2008年5月15日 (木)
広角モザイクって簡単にできるんだよ。(続きあり)
先日アップした天の川の写真が好評で浮かれているほんまかです。気を良くした勢いで、だれでも簡単にできる広角モザイク手法を紹介しちゃいます。
私がやっているイメージシフト方式は敷居が高いので、普通のカメラで普通の広角レンズでできる3枚モザイクを想定したいと思います。こんな感じです。
レンズの焦点距離は20mm~35mmくらいでしょうか、3枚モザイクで天の川のおいしいところがちょうど入ります。
その前に、モザイクって難しいと躊躇されている方が多いようです。しかし、これは完全に誤解です。そこで最初にモザイクにまつわる誤解を解いておきたいと思います。ただし、あくまでも広角系です。望遠鏡のモザイクとかは私の範疇外ですので、あまり大きいことは言えません。
1 モザイクって難しい。
全然難しくありません。
2 モザイクって、各コマの色合せとか難しいんでしょ。
先日アップした天の川の8枚モザイク。色合せなんて全然してませんよ~。ただつなげただけ。
3 つなぎ目は消しゴムツールで小まめに消すんでしょ。
そんなことしません。
4 広角系は、湾曲があるから、つながらないのでは。
変形すればつながりますよ。
5 でも難しいんでしょ。
簡単です。
6 フォトショップのフォトマージを使えば簡単ですか?
フォトマージはあまり賢くありません。こんなおばかさんな事をします。
7 フォトマージは湾曲も補正してくれる?
残念ながらしてくれません。でもマニュアルでも簡単にできます。
8 遠近法とか、円筒法を使わないとだめ?
遠近法や円筒法は直線を含む景色を自然につなげるパノラマ合成の手段で、天体写真では逆にひずみが大きくなるので使ってはいけません。
9 フォトマージの合成前に、色合いとか、ある程度合せこんでいたほうがいい?
そんな事したら、余計合わなくなります。
結合方法
「モザイクって簡単にできるんだ」と分かったところで、順番からすると撮影方法の説明ですが、ほんとに簡単にできることをアピールするために、モザイク結合の話を先にします。
広角系モザイクで一番やっかいなのは、「湾曲」です。広角レンズの場合、たる型に湾曲します。フォトショップの「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」である程度補正できます。天体写真の場合、写野に直線がないので、レンズ補正でどの程度補正すればよいか分かりません。そこで事前に建物などを撮っておいて、レンズ補正で補正して見ましょう。そのときの湾曲率を使えばオーケーです。
しかし、これで補正してもなかなか合いません。広角レンズの湾曲は実は複雑なのです。そこで、湾曲を完全に補正するのはあきらめ、とりあえず合成できれば良いとします。
さらに、接合面の面全体で合わせるのは事実上不可能です。そこでつなぎ目あたりの直線に沿って合わせる方法を紹介します。面全体で合わせる必要はまったくありません。つなぎ目だけ合っていればいいのです。
とは言っても、つなぎ目だけで合わせるのもかなりやっかいです。そこで、つなぎ目あたりの3点で合わせる超簡易方法を紹介します。実はこれでも鑑賞写真と割り切れば十分なのです。とりあえず、最初は3点だけで合わせるようにしてみてください。慣れてくれば4点、5点と増やしていけばよいのです。(3点で十分と思いますけどね~)
まずは、原理の説明。
上の絵は、たる型に湾曲した写真の合成の様子です。直線はつなぎ目です。つなぎ目が、接合面のちょうど中央なら、両方の歪みが一致しますので、これで難なくつながります。でもそんな都合よく行きませんよね。現実は、つなぎ目が下図のようにづれます。
上の図の場合、青い写真をつなぎ目付近で横に広げるか、赤い写真をつなぎ目付近で狭めれば良いことが分かります。(あるいは両方)これで両端は合います。しかし、中央付近はずれます。そこで、中央付近を歪ませて無理やり合わせるのです。これが「ほんまかの3点合成法」の理屈です。
実例
実例を紹介します。下の写真は、先日の天の川の写真です。これを結合しましょう。各写真はそれぞれ4枚モザイクなのですが、今はそれは重要ではありません。APS-Cサイズで言えば28mmくらいの画角に相当します。当然湾曲も周辺減光もありますが、つなげて見ましょう。
[ファイル]→[自動処理]→[Photomerge]を開きます。
上のように設定してください。自動や、円筒法、遠近法は使ってはいけません。「画像合成」をチェックすると、うまく結合してくれます。ただし、湾曲は補正されませんから当然ずれます。ここでは、モザイクがマニュアルでも簡単にできることを示すため、あえて「画像合成」のチェックをはずします。
このようにレイヤーが作成されます。レイヤーの順番を分かりやすいように入れ替えています。上のレイヤーが上の写真になるようにです。
接合面の重なり具合を見るために、上のレイヤーの「不透明度」を50%にしてください。
結構、ずれていますね~。
次に合わせる3点にマークします。なるべく、中央付近の直線状になるように3点を選んでください。もちろんほんとにマークしませんよ。頭の中でマークするんですよ。
次に、位置や傾きも多少ずれていますので、最初に位置と傾きを大まかに合わせます。
[編集]→[変形]→[回転]で、縦横移動、回転が自由にできますのでだいたい合わせます。リターンキーで決定です。
次に両端の2点をあわせます。上下どちらの画像でもいいです。[編集]→[変形]→[遠近法]で台形に変形できますので、この機能を使って両端の2点を合わせます。真ん中の点は虫です。
次に真ん中の点を合わせるため、[編集]→[変形]→[ワープ]を使います。丸い点や中の線をマウスでドラッグすると画像が歪みますので、それでなかば強引にあわせこみます。
このワープですが、これは大きな変形には向きません。真ん中の点が大きくずれている場合は、レンズの湾曲がかなり大きいです。あらかじめ「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」で補正しておきましょう。
さて、これで結合は終わり。不透明度を100%に戻します。上の写真が暗いですね。明るくしきゃと思ってはだめです。「モザイク=色合わせ、明るさ合わせ」と思っている人、間違えです。そもそも、同じ条件で撮影して、同じ条件で現像しているんだから、そんなこと必要ないのです。
そこで合成のために選んだ3点をなるべく通るようにして、下の図のように上側の画像を[編集]→[カット]してください。だいたいでいいです。
あら、不思議。だいぶ合ってきました。でも両脇が少しずれていますね。
それでは両脇をもうちょっとカットして見ましょう。
あらら、完全に合ってしまいました。モザイク完成です。
ということで、あっけなくモザイク完成!
ほんまかが、実は高度の画像処理技術があるのではないことがバレてしまった。。(汗)
何で、こんなに簡単にできるのか、次回少し詳しく説明して見たいと思います、実は撮影に秘密があるのですよ。
2008年5月 9日 (金)
本命完成すたよ(追記あり)
地上風景を入れた超広角モザイク。。。ほんまかの得意分野です。とりあえず完成したのでアップします。クリックしてね。
Hasselblad FE Distagon 50mmF2.8->4.5
EOS 5D ISO1600 2min×2コンポ×8モザイク (LEE ソフト1)
この作品のポイントはディフュージョンフィルターです。星が程よく潤んでいます。今まではモザイクすると星がただの点になってしまい。星座もわからん、星の色もわからん状態でしたが、これで解決しました。しかも、青ハロ、赤ハロも目立たず、カメラレンズの絞りによる光条もでません。いいことずくめです。
今までも、コッキンのフィルターやケンコーのソフトンを使用したことはあったのですが、どれも効果が大きすぎて、微光星が消えたり、天の川がざらついたりしましたが、このフィルターは、ほんとにちょうど良い潤み具合です。(ただし、広角での話です。望遠になるとやっぱ効果強すぎと思います。)
カブリがひどいですが、あえて残しました。カブリもいいアクセントになっていると思います。
もう少し手を加えたいと思いますが、締め切りまで時間があるので、しばらく放置しておきます。(後々見ると、気づかないおかしなところが見えてくるんですよね。)
==追記==
よっちゃんさんのリクエストに答えて、長辺1500の画像をアップします。
画像処理ですが、モザイク結合後の処理はほとんどしてません。トーンカーブ(S字にしただけ)とカラーバランスのレイヤーが一枚ずつ。カブリ軽減のマスクが数枚程度です。
微光星が青緑ががっています。フォトショップのカラーノイズ低減で白くなりますが、プリントするとそれほど目立たないのでそのままにしています。
この撮影手法で、夏の大三角を狙いたいですね。ただ短時間露出なのでHαが写りません。これでHαがエクタクロームなみにくっきり写れば最高なのですが。まだまだ試行錯誤が続きます。
2008年5月 8日 (木)
わし座付近の天の川
GW遠征の成果、まずは一枚目完成しました。「わし座付近の天の川」です。
Hasselblad CF Planar 100mmF3.5 -> F4.5
EOS 5D ISO1600 5min×2コンポ×8モザイク
今回の画像処理のテーマはずばり、「グリーン」です。今までグリーンは厄介者で、カブリと一緒に殺してしまっていましたが、注意深く処理し、グリーン成分をなるべく残すようにしました。その結果、透明感溢れる作品になりました。
それと、星も注意深く処理しました。露出オーバーで星が完全に白つぶれしていましたが、2ピクセルずらしコンポジットと、星マスクによる輝度アップで柔らかく、かつ、キラキラ感が出るように処理しました。
フルサイズ8枚モザイクの解像感は圧倒的です。これだけ情報量があるといろんな事ができます。ずらしコンポジットもそうですが、ダストアンドスクラッチ、ぼかし、などやりたい放題です。それでも画像のナチュラルさは失われません。
悪い点。。。
露出オーバーです。この作品と、もう一枚の作品を処理して思いました。はっきり言って「デジタル星野写真において、星だけの表現に限れば、露出時間は短いほど美しいです」。これは「星野写真一筋」にやってきたほんまかの結論です。ただ、天の川の中に点在するHαとか淡いものを出そうとすると、どうしても長時間露出したくなってしまいます。今後はHαなど星雲はR64フィルターとか使って別に処理した方がいいようです。
天の川の下の部分がS/Nが悪く、色もおかしいです。これはカブリの影響です。すこしトリミングしましたが、これ以上カットするとワイド感がなくなります。
このレンズ、解像度抜群ですが、周辺減光多すぎ。補正できるレベルじゃないです。減光というよりまったく光が来ていません。無理に補正せず、周辺減光を少し残しました。
この作品は本命ではありません。本命はもう一枚の「広角天の川」です。この作品は、来月撮影できなかったときのためにとっておきます。(笑)
2008年5月 4日 (日)
湯沢遠征大成功
2日間居座った湯沢遠征。二日目に一晩快晴に恵まれて大成功に終わりました。3日の晩はほんとすっきり晴れました。天の川が見事に見えました。ここ湯沢は、ゴールデンウィークの晴天率が非常に高いのです。空気も澄んで、ほんと綺麗な星空でした。
今回は2つの作品の撮影ができました。今回はテーマが2つあって、新レンズのテストと、新しいディフュージョンフィルターのテストです。どちらもすばらしく満足のいくものでした。久々にすばらしい作品をお見せできることになりそうです。画像処理が終わるまでもうちょっと待ってください。
作品その1
わし座付近の天の川を8枚モザイクでとらえました。新レンズのプラナー100mmF3.5 CFですが、すばらしい解像度です。一段絞りで青ハロもでず。モザイクの必要がないくらいシャープでした。8枚モザイクすると、星が消えてしまうほどシャープです。(笑) いかに星を太らせるか悩むところです。
作品その2
50mm広角レンズで、地上から立ち上る天の川をやはり8枚モザイクでとらえました。こちらは、星ナビで紹介されていたLEEのソフトフィルターを使いましたので、星が消えることはありませんでした。このフィルター実にいいです。結果的に言うと、今まで求めていた星像にやっとたどりつた感じです。今までデジタルのあのカリカリ感がどうも不満だったのですが、これでほぼ解消されました。完璧です。銀塩なみにソフトで、しかもデジタルならではの高解像度の写真が撮れました。
収穫の多い遠征でした。
ところで、関東地方は天気あまり良くなかったみたいですね。天文ファンには明暗が分かれた連休でしたね。
2008年5月 2日 (金)
イメージシフトとレンズのテレセントリック性
最近、光学ネタが多くてすみません。単なるほんまかの「知識ひけらかし講座」です。軽く流してください。
さて、私のようにイメージシフトやってると一番の問題はCCDへの光の入射角の問題です。入射角が直角近くでないと、ケラレやハレーション、感度低下、干渉フィルターのムラの問題が出てきます。ですから、私はレンズを購入するときにレンズのテレセントリック性を重要視します。
テレセントリックレンズというのは、下図のように光の主光線が像面に直角にあたるレンズのことを言います。
テレセンレンズは、被写界深度が深いという特徴がありますが、銀塩時代にはそれほど重要視されませんでした。しかし、デジタルの時代になって、レンズのテレセントリック性が重要視されるようになりました。テレセン性が悪いと、つまり直角近くでないと、CCDの感度低下や、CCDによる光の乱反射、ローパスフィルターのムラなどの問題が起こるからです。最近のデジタル専用レンズはこのあたりを考慮しているようです。
私のようなイメージシフト方式では、テレセン性が重要問題です。テレセン性が良いと以下のようにケラレません。
ところが、テレセン性が悪いとケラレます。
テレセン性の良し悪しの判断ですが、一般には公表されていませんので、後玉の大きさで判断するしかありません。後玉の大きさがイメージサークルにだいたい等しいのが良いと判断しています。
テレセン性の良いレンズは、LPS-P2フィルターや赤外カットフィルターをレンズ後方に挿入する場合に有利になります。
その前に干渉フィルターはなぜ、広角レンズで使えないのか、なぜ色ムラが出るのか説明します。干渉フィルターは、直進する光とフィルター内で反射した光を干渉させて特定の波長をカットします。
ところが、光が、斜めから入射すると光路長が伸びますので、効果がなくなってしまいます。干渉させるためには、波長と光路長が一定の比率にないといけないからです。たとえば入射角60度だと光路長は倍になります。そうするとこの波長に関しては効果はなくなります。しかし、逆に半分の波長の光が干渉してしまいます。つまり、フィルターの特性曲線が短波長側にシフトされるのです。
つまり、本来カットさせるべき波長の光をカットせず、カットさせてはいけない波長の光をカットしてしまうのです。ですから、干渉フィルターを使うと、あのように同心円状に色むらができるのです。
また、この図を見ればわかるように、入射角が0度でない限り、波長のシフトは必ず起きますから、入射角何度以内なら必ず大丈夫ということはありません。入射角が0でないかぎり必ず影響が出ます。
このような理由で入射角の大きくなる広角レンズでは干渉フィルターは使えないのです。ところが、干渉フィルターをレンズの後ろに持ってくれば、レンズの画角は関係なくなりますから広角レンズでも使用できる可能性が出てくるのです。ただし、最初に説明したようにテレセン性が悪いと影響が出ます。なるべくテレセン性の良いレンズを選ぶべきですが、仮にCCDに直角にあたるテレセンレンズだとしても、F値の問題が残ります。
F値が小さいと光束の周辺付近は光が斜めにフィルターを通過してしまいます。LPS-P2の場合推奨入射角は15度以内とありますが、カブリがひどいと15度以内でもけっこうムラが出ます。そこで厳しく10度として計算すると影響が出るぎりぎりのF値は2.8くらいになります。F4ならまず問題ないでしょう。F2.8ならカブリがひどい場合に影響が出るかも知れません。(この場合、CCD全面に等しく同じような影響が出ますので、色むらにはなりません。単に公害カットの効果が薄れるだけです。)
このようにテレセン性は、口径や収差特性と同じように重要なレンズの性能評価です。撮像素子の小さいAPS-Cではあまり問題になりませんが、フルサイズではもっと重要になってきます。フルサイズの普及がいまいち促進しないのはこのあたりの事情もあるかもしれません。
2008年5月 1日 (木)
Y1フィルター
青ハロ対策の最終兵器Y1フィルターがきました。
ネジのないフィルターでしたがラバーフードとステップアップリングの間にすっぽり入りました。つーか、Y1フィルターにしては色が濃すぎない? フィルター枠には「×1.5 Y -0.5」と書いてあります。露出倍数が1.5倍なので勝手にY1と判断しましたが。なんか濃すぎるような。
まぁ細かいことはおいといて、早速試写。
昨日の画像と比べてみてください。開放から、青ハロ完全に消えています。 まぁ、あれだけ黄色いんだから、当たり前ですね。
問題は黄色カブリ、、、というよりブルー欠乏症。
ブルー成分が足りない。ブルーを10倍に強調した画像がこれ。
夜空は完全にブルー成分ゼロ。ゼロは補正のしようがない。
だめだ、こりゃ。
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