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2008年8月29日 (金)

夏休みの自由研究その2

よっちゃんさんから、自由研究用にM31とアイリス星雲の元画像頂きました。アイリス星雲を先にやろうと思ったのですが、難しい。。。トーンカーブもマスクも使わないで、できるのかぁ。というか、トーンカーブやマスク使っても難しい。。。

とりあえず、先にできたM31から公開です。元画像。

M311

で、ほんまかの新画像処理法によってできた画像が。これ、

M312

なかなかいいと思いませんか。これが、トーンカーブもマスクも使わないでできるのですよ。

手順

1 コントラストアップ

2 彩度アップ・ダウン

3 シャープフィルター

4 M31の青カブリ補正

使ったコマンドは、

「明るさ・コントラスト」、「色の置き換え」、「レイヤー複製」、「レイヤー合成」、「アンシャープマスク」、「レベル調整」だけです。

1 コントラストアップ

 普通に「明るさ・コントラスト」でコントラストアップするとこうなります。

M31fig1

ヒストグラムの山に注目して欲しいのですが、山の幅が広がります。つまり明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなります。M31の中心部は十分明るいので、ここがさらに明るくなったら困りますね。つまり、ヒストグラムの山を左側、暗い方に伸ばしたいのです。

そこで、まず、元画像のレイヤーを複製して、合成方法を「比較暗」にします。

M31fig2

そして「明るさ・コントラスト」コマンドをすると

M31fig3

ヒストグラムの山が、明るい部分はそのままに暗い方へ伸びていることが分かります。逆に明るい方に伸ばしたい場合は、比較明で合成します。淡い散光星雲などは比較明で処理します。

しかし、この方法には、落とし穴があります。トーンジャンプを起こしやすいのです。トーンジャンプの例はこちら。

M31fig4

トーンジャンプを起こさないためには

1 ヒストグラムを表示させ、常に見ながら行う。

2 一度にたくさんコントラストアップしないで、細かく何度も行う。

この2点に尽きます。

一度強調作業をしたら、画像を合成します。そして再度レイヤーを複製して同じことを何度も繰り返します。

基本的にこの画像処理法は以下の方法を繰り返し行います。

[レイヤー複製]→[強調、フィルターなどの処理]→[比較明(暗)合成]

ちゃんと作品に仕上げようと思ったら数十ステップから100ステップくらい繰り返します。一見、面倒そうですが、そんなことはありません。ほとんど機械的な作業です。

トーンンカーブやマスク処理は基本的に2次元パラメータの処理です。それに比べ、[明るさ・コントラスト]や彩度アップは1次元パラメータです。微妙な調整がやりやすいのです。それに比較明(暗)合成によって、常に強調処理の荒れを修復しながら少しずつ進みますので大きく失敗することはありません。

さて、コントラストアップを繰り返していくと画像はこのようになります。

M31fig5

やりすぎです。背景が暗くなりすぎました。こんな場合は最初の元画像と比較明合成すれば背景だけ元の画像の明るさに戻ります。

今日はここまで。

次回は彩度アップ、ダウンです。彩度アップダウンによって、彩度のコントロールだけではなく輝度もコントロールできるのです。ここをもっと明るくしたいとか、暗くしたいとか。画像の微調整ができます。

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2008年8月27日 (水)

夏休みの自由研究発表

夏休みも終わりに近づいてきましたので、これから、私の夏休みの自由研究の発表を連載でしたいと思います。

自由研究のテーマは「比較明(暗)合成を使った新しい画像処理法」です。

従来の画像処理法のトーンカーブやマスク処理といった微妙な調整を必要としない、簡単なコマンドでだれでもできる画像処理法です。

従来法を駆逐するような画期的な画像処理法と意気込みましたが、結果から言うと、かなり限定的で、またやはり微妙な調整は必要です。それに従来法のほうが逆に簡単な場合もあり、これだけですべてまかなえるものではありません。

しかし、一部の方式について、従来法より良い結果を得ています。特に、「彩度アップ、ダウンによる輝度アップ」は非常に良い結果を得ていいて、先日のアンタレス付近の写真もほとんどこれで仕上げました。彩度をアップすることによって、特定領域とりわけ淡い領域の輝度をアップさせるのです。不思議なことに彩度ダウンでも輝度をアップさせることができます。

ですから、従来法の補完として、またトーンカーブやマスク処理が苦手な人、フォトショップエレメンツで画像処理している人など限定的に使うには良いと思います。それにこれからの研究しだいではさらに応用範囲が広がるかも知れません。

とりあえず、私が試したことは以下の通りです。これから少しずつ、やっていきたいと思います。

1 ハイライトを飛ばさないで、コントラストアップ

2 シャドーをつぶさないで、コントラストアップ

3 彩度アップ、ダウンによる淡い部分の輝度アップ

4 バックグランドだけぼかしをかけ滑らかにする。

5 アンシャープマスクの荒れを緩和する。

6 微光星の輝度を落とす。

ところで、これらの記事にサンプル画像載せたいのですが、わたし、星雲星団の画像もっていません。以前ミニボーグで撮ったひどい画像ならあるのですが、どうせなら良い画像を使いたいのですが、だれかいただけませんか。

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2008年8月24日 (日)

胎内星祭りレポート

私、毎年楽しみにしているのです。胎内。指折り数えて待った胎内。今年は消化不良に終わってしまった。。。

Photo1641

天候が悪いせいか、午前中は閑散としてました。

Photo1642

まず、目に留まったのが話題のトースト。見るからにがっちりしてます。

Photo1643

ユーハンさんの大きな反射経緯台。シンプルな構造ですね。

Photo1644

同じくユーハンさんのポタ赤。面白い構造してます。

Photo1645

タカハシさんのブース。

Photo1646

これを見た瞬間思わず「ほしい」と思った。実にコンパクト。星雲星団写真を本格的にやろうとすると、このくらいのセットはほしい。でも、このセットにいろいろ必要なものを揃えると百万を超すな。一生無理そうです。鏡筒をもたせてもらいましたが、「重い」という印象はありませんでした。

Photo1647

餅つきです。祭りらしくていいです。

ペンタックスさんのブースでは、カメラの無料診断をやっていました。私のカメラも無料でCCD、ファインダークリーニングをしてもらいました。ラッキー。

Photo1648

ビットランさん。何十万とするものが無造作に置かれているのも星祭りならでは。BJ-41は意外と小さいのですね。

Photo1649

躍進中の趣味人さん。アルミプレートとか置いてありました。

Photo16410

今年初めて天文館の中に入りました。

Photo16411

SHOWAの60cm。

Photo16412

TOA130が、コバンザメのごとく貼り付いています。太陽観測専用鏡です。

Photo16413

祈りもむなしく。

胎内は消化不良に終わったので、石川町にでも出没するかな。

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2008年8月23日 (土)

胎内より->帰ってきました。

--12:50--

現在、胎内星祭り会場。天気、くもり。ときおり雨粒が落ちてきます。

いまいち活気がない。後で、写真アップします。

--16:30--

天気悪いので撤収します。

帰ってきました。明日、写真などアップします。

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2008年8月22日 (金)

胎内星まつり行ってきます。

今年も行きます。胎内星まつり。天気予報はくもり。

私はメイン会場から少し離れた芝生広場にいます。目印はこのドブちゃん。

Tainai62

いつものテント

Tainai63

気づいた方は声をかけてくださいね。

==追記==

胎内行く前にGENTAさんの画像完成。

124

ちょっと派手すぎ? やりすぎました。これじゃ「お絵かき」と言われても仕方がない。GENTAさんすみません。

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2008年8月21日 (木)

新しい画像処理法模索中

満月期ということで画像処理の勉強をしているおり、GENTAさんが、素晴らしい元画像を公開してくださいました。そこで早速処理。

見やすいサイズ

Take72

オリジナルサイズ

Take62

実はこの処理、強調処理するにあたって、トーンカーブもマスク処理も使っていません。(最後の仕上げの段階で一部マスクを使いました。)

今、トーンカーブやマスク処理など微妙なさじ加減が要求される手法を使わないで、だれでも簡単にできる画像処理法を研究中です。ある程度ものになりましたら公開したいと思います。

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2008年8月19日 (火)

はくちょう座Hαファインディングチャート

通常画像に、R64フレームをそのまま加算すると、こうなります。

Photo1621

赤強すぎ。でも、これはこれでいいかも。

ちょっと大きい画像。

Photo1622

何かの参考にでもしてください。

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2008年8月14日 (木)

前人未到の星野写真完成

●カシオペア

Photo1611

Hasselblad CF Planar 100mmF3.5->F5.6

EOS 5D ISO800 5min×4コンポ×4モザイク 自作ソフトフィルター

秋の天の川をこんなにうまく表現できたのは始めてです。湯沢の北東の暗い空のおかげで、画像処理は恐ろしくシンプルでした。この作品のポイントは自作のソフトフィルターです。これがないと、どれがカシオペアか分からなかったでしょう。市販のソフトフィルターでは効果が大きすぎて、これほどシャープには表現できません。

コントラストはもっと低い方が、星が綺麗に表現でき、私もそちらの方が好きなのですが、何せ地味な領域なので、泣く泣くコントラストアップして見栄えを良くしました。

●はくちょう

Photo1612

大きいサイズ

Photo1613

Hasselblad CF Planar 100mmF3.5 EOS 5D ISO800

4min×4コンポ×8モザイク F5.6 自作ソフトフィルター

4min×4コンポ×8モザイク F4 R64フィルター

R64フィルターのよるフレームを加算してHαの写りを良くしています。また自作ソフトフィルターによって、星座を分かりやすく、星をソフトに表現しています。R64フレームをそのまま加算すると赤一辺倒な画像になってしまいますので、コンポジット法を工夫しています。そのうちこの手法を紹介したいと思います。光害カブリの影響があってちょっとムラっぽいのと、RGBフレームが露出不足なのが、ちょっと惜しまれますが、画像処理を駆使してなんとか仕上げました。最初のカシオペアと比べて対照的です。

この2作品はどちらも、自分が目指した理想の星野写真に近いものです。ほぼ最終型といってもいいくらいです。デジタル星野写真の様々な問題点を、フィルターワークや、画像処理でほぼすべて解決しています。これ以上どんな問題があるのでしょうか?

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2008年8月13日 (水)

久々の冷却デジカメ星景写真

先週の湯沢遠征の画像処理をしています。最近は駄作ばっか連発していましたが、久々に納得の作品に仕上がりそうです。明日にはなんとか完成させたいです。

その前に、冷却D40で撮った星景写真の紹介です。

Photo1601

湯沢の西側はもの凄い光害

Photo1602

Cooled D40 Honmaka-Special 5℃

Sigma 10-20mmF4.5-F5.6->10mmF5.6 ISO400 30minくらい

夏場に30分一枚撮りでこの滑らかさ。たまりまへん。ただ、ISO800で撮った画像にノイズが見られました。春先はISO800でも問題なかったのですが、さすがに、夏場はISO400でないと駄目なようです。ちょっとこの点が気になりました。

結露ですが、外気温20℃くらいで、5℃まで冷えたところでリミッターがかかりました。この温度では全然結露の心配なしでした。リミッターを無視して0℃まで下げてみました。さすがに結露しました。

Photo1603

あえなく撃沈。ただ湿度計の正確さはこれで保証されました。リミッターを守っていれば結露しないようです。

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2008年8月 6日 (水)

秋の天の川を制するものは星野写真を制す。

と言われるくらい、難しい。とにかく淡い。今回はノイズとの戦いでした。

まず、最初は白鳥からカシオペアにかけて

Photo157

Hasselblad Distagon FE 50mmF2.8->F4.5

EOS 5D ISO800 5min×4コンポ×4モザイク

2ピクセルずらしコンポジット法により、星をまろやかに、ノイズを目立たなくしています。Hαは最初のテイクではもっと出していましたが、わざとらしいので最終段階で彩度を落としました。

次は、カシオペアからペルセウスにかけて

Photo158

Hasselblad Distagon FE 50mmF2.8->F4.5

EOS 5D ISO800 5min×2コンポ×4モザイク

こちらの方が出来がいいです。2コンポですが、最初の作品よりノイズ少ないです。この作品の直後にダークを撮ったため、条件が良かったのでしょう。寂しい領域なので、M31、Hα、明るい星、それぞれ丁寧に処理しメリハリをつけました。

どちらも、全体的に滑らかさにかけます。コンポジット枚数、ダーク撮影方法見直しが必要です。またHαの詳細を出そうとすると50mmレンズでは非力で今度100mmレンズで同じ画角を狙ってみたいですね。本格的な秋シーズンに向けていろいろ課題が分かってよかったです。

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2008年8月 5日 (火)

画像処理没頭中

淡い秋の天の川に苦戦中。

夏場のEOS 5Dノイズ多すぎ。。。閉口。。。

よっちゃんさん、コーチさん、GENTAさん、入選おめでとうございます。

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