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2008年11月21日 (金)

「デジタル星野写真入門4」ソフトも揃えなきゃ

今日は、天体写真の画像処理に必要なソフトの話です。

現在、天体画像処理での主流ソフトはなんと言っても、フォトショップです。やはり天体写真を突詰めるとレイヤー処理など必ず必要になってきますのでフォトショップは必要かと思います。ただ高価なCSではなくエレメンツでも十分と思います。私もCSもっていますが、現在でもエレメンツだけで処理することも多いです。「デジタル星野写真入門」も画像処理編はエレメンツでやるつもりです。

Soft1

天体分野ではアストロアーツの「ステライメージ」も有名です。こちらは天体専門ソフトになります。最近バージョンアップされてかなり高度な処理ができるようになりました。ただ、レイヤーの概念はまだなく、処理も重いように感じます。やはりフォトショップの方がいいように思います。ただ、フィルター機能など部分的には優れた機能もありますし、コンポジット処理(後述)は0.1ピクセル単位でできますので、部分的に使うのが良いと思います。私はコンポジット専用ソフトとして使っています。

Soft2

それ以外に必要なソフトですが、天体写真は普通RAWで撮影しますので、現像ソフトが必要です。カメラメーカが提供するものでも良いですし、上記フォトショップ、ステライメージにも含まれています。ただフォトショップに含まれている現像ソフトが評判が良いようです。私もフォトショップで現像しています。色彩豊富で素晴らしく、一度フォトショップの現像に慣れてしまうと他の現像ソフトは使用する気になれません。

あと、忘れてはいけないのがダーク減算ソフトです。デジカメはご存知の通りノイズが出ます。天体写真は高感度長時間露出をしますのでノイズは無視できません。特にアンプノイズと呼ばれるノイズは出方が派手ですからなんとしてでも消さなければなりません。

ノイズは固定ノイズといって、決まった場所に決まったように出るノイズとランダムに出るランダムノイズがあります。固定ノイズはダーク画像といってレンズにキャップして撮った画像を減算することによりある程度消すことができます。そのためのソフトがダーク減算ソフトです。

ダーク減算ソフトは、ステライメージの機能にありますし。RAPと呼ばれる専用ソフトもあります。ダーク減算は現像前に行っておくのが基本です。ですから撮影もRAWで撮影する必要があります。

Soft3

それでは、どのソフトを買えばよいかといえば、結論から言うと全て買うのが無難です。ただ、そうも言ってられないので、ほんとに必要なものに絞ると、次のようなパターンが考えられます。

1 [ステライメージ]でダーク減算、現像、コンポジット、画像処理

 ステライメージはもともと天文専用ソフトですから、これ一本で全部できてしまいます。ただ、最後の画像処理だけはやはりフォトショップでやりたいですね。レイヤーの威力は絶大です。そうすると

2 [ステライメージ]でダーク減算、現像、コンポジット→[フォトショップ]で画像処理

 このあたりで妥協しておくのが無難か。ただ、ステライメージの現像はいまいちなところがあります。理想を言えばフォトショップで現像したいところです。ステライメージでダーク減算後、フォトショップで現像できないのがつらいのです。ダーク減算と現像は一体化していると思っていいです。ニコンのカメラなら、ダーク減算ソフトRAPを購入して次のようなフローが可能です。

3 [RAP]でダーク減算→[フォトショップ]で現像、コンポジット、画像処理

 ステライメージよりRAPの方が安いので経済的です。ただキャノンのカメラの場合、3のフローはできません。(現在ベータ版のRAP2では可能)したがって、フォトショップの現像はあきらめ

4 [RAP]でダーク減算、現像→[フォトショップ]でコンポジット、画像処理

 ステライメージのコンポジット機能を使いたいなら2のフローになりますが、ダーク減算はRAPの方が優秀と思うので、以下のフローがあります。

5 [RAP]でダーク減算、現像→[ステライメージ]でコンポジット→[フォトショップ]で画像処理

 これはすべてのソフトを買うことになります。

なお、私の場合はRAPでダーク減算、フォトショップで現像は絶対に譲れないので以下のようなフローでやっています。

6 [RAP2]でダーク減算→[フォトショップ]で現像→[ステライメージ]でコンポジット→[フォトショップ]で画像処理

まとめ

 最も経済的なのは、3または4になると思います、必要なソフトはRAPとフォトショップエレメンツになります。ですから。「デジタル星野写真入門」も3または4のフローで説明することになります。

それ以外にあると便利なソフト

 天文シミュレーションソフト(簡単にいうと星座早見板のパソコンソフト版)があると便利です。ぜひ購入しておきたいところです。単に現在見える星座の表示だけではなく、構図の確認や月齢、薄明開始時間(空が明るくなる時刻)の確認もできます。

 アストロアーツの「ステラナビゲーター」が有名です。

Soft4

次回は、「それでは全部でいくらかかるの?」購入シュミレーションをしてみたいと思います。

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