「デジタル星野写真入門18」はくちょう座付近の処理その2
お待たせしました。はくちょう座付近の処理、やってみましょう。
手順1 コントラストアップ
まずは、コントラストアップしましょう。背景を荒らさないようにするには、ヒストグラムの山の右側だけ伸ばせばよいのでした。トーンカーブもしくは、前々回説明した比較明にるコントラストアップをしましょう。比較明コントラストアップを3回ほどこした状態がこれです。
まだ、天の川の微光星が淡いですが、大丈夫です。あとで強調します。
手順2 カブリ補正
下側にカブリがあるのでレベル補正の調整レイヤーで補正します。私の場合、2つの調整レイヤーで補正できました。
カブリの様子をはっきりさせるには、明るさコントラストまたは色相彩度の調整レイヤーを一番上に作っておくとカブリの様子がはっきりします。
手順3 微光星を明るくしよう。
さて、まだ天の川が眠たい感じですね。微光星の明るさが足りないのです。ここで、ほとんどの人がコントラストアップなど強調処理をしてしまって、背景を荒らしてしまいます。星だけを強調すればよいのです。画像全体を強調すると背景のムラやノイズまで強調されてしまいます。
星だけを強調するには、星だけを選択するマスクを作ればいいのです。 では、どうやって作るか説明します。まず、背景画像をコピーします。そして、(フィルター)→(その他)→(ハイパス)を選択します。
半径を2~4ピクセルぐらいで調整します。微光星だけが選択されるくらいの値にします。
次にコントラストを上げるため、レベルの切り詰めを行います。(画質調整)→(ライティング)→(レベル補正)を出します。
ここで上図のように3つのスライダーでレベルを切り詰め微光星がはっきりして、かつ背景が真っ黒になるようにします。
これで、星マスク完成です。(正確には星除外マスク)この星マスクがあれば、星だけ明るくすることや、星だけの色を変えるなんてこともできます。星野写真においては最強のツールです。
できた星マスクは、(選択範囲)→(すべて選択)、(編集)→(コピー)でコピーしておいてください。
星マスクを作るために作った背景のコピーレイヤーは用なしですから非表示にします。
星を明るくするために、明るさコントラストの調整レイヤーを作ってください。マスク画面を[Alt]キーを押しながらクリックするとマスク画面が出ます。
ここで(編集)→(ペースト)で星マスクを貼り付けます。
次に明るさコントラストのダイアログをダブルクリックして開き、明るさをアップしてください。
星がカリカリしすぎる場合はコントラストを下げてください。
明るさを最大にしてもまだ暗い場合は、この調整レイヤーを(レイヤー)→(レイヤーを複製)でコピーして2段がまえにします。
手順4 背景を暗くする
最後に背景が明るいので背景を暗くするため、レベル補正の調整レイヤーを作り調整してください。(背景だけ暗くするには明るさではなく、レベル補正を使うのでしたね。)
これで、完成ですが、星がカリカリして目に痛いです。次回、星を柔らかくする方法と、赤い散光星雲の彩度を上げる方法を説明します。
補足
●星の色が白ではなく偏っている場合は星の色も調整しましょう。方法は、
星マスクの「明るさコントラスト」の調整レイヤーをコピーします。次に、このコピーしたレイヤーを(レイヤー)→(レイヤー内容の変更)→(レベル補正)で変更します。そしてレベル補正で色合いを変えてください。
●星マスクをさらに加工すると、星の表現が変わり面白いです、試してみましょう。星マスクの部分をクリック(Altキーは押さないで)して選択状態にした後、以下のことを試してみてください。
- レベル補正でさらにレベルの切り詰める、つまりコントラストアップする。
- 星マスクにぼかしをかける。
- 星マスクにシャープ、ダストアンドスクラッチなどのフィルター処理をする。
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