「デジタル星野写真入門19」はくちょう座付近の処理その3
前回までで、コントラストアップと星マスクによる星の輝度アップが終わりました。ここでいったんレイヤーを統合します。
デジタルの特性ですが、星の輝度をアップすると星のエッジがたって、カリカリした印象の写真になります。これを緩和するには、星マスクにぼかしをかけることです。しかし、ぼかし系による星の軟化は星の芯が残らないという欠点があります。星の芯を残し、周辺だけぼかすことが必要になります。
そこで、ほんまかがいつもやっている方法を紹介します。簡単です。元画像をコピーして上下に1または2ピクセルずつ、ずらした4枚の画像を加算平均コンポジットするのです。↓こんな感じ。
これをフォトショップでやるのは簡単です。背景レイヤーをコピーして、不透明度を50%にします。
(イメージ)→(回転)→(レイヤーを自由に回転)をします。ビューをピクセル等倍にします。矢印キーで右に1ピクセルまたは2ピクセルずらします。リターンキーで確定です。
レイヤーを統合します。これと同じことを今度は下に1ピクセルまたは2ピクセルずらしてやります。これで完成です。
これで少しはカリカリ感が緩和されたはずです。
次に赤い散光星雲を強調するため彩度をちょっと上げてみましょう。(画質調整)→(カラー)→(色の置き換え)を選択します。
北アメリカ星雲あたりをクリックし、許容量を調整し、彩度を上げて見ましょう。あまりやり過ぎないように。
最後に天の川の色が赤に寄っていますので、補正します。これは「夏の天の川の処理」で説明しましたね。下のように元画像をコピーしてレベルを切り詰めてマスクを作ります。
後は、レベル補正で色合いを調整して終わりです。
完成です。記事には書きませんでしたが、(フィルター)→(ノイズ)→(ノイズを低減)も前回同様行っています。
次回は。。。「美しい星野写真の法則」です。美しいかどうか、ヒストグラムを見れば分かっちゃうんです。
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コメント
こんばんは。画像処理のこの連載すっごく勉強になっております。まったく新しいやり方に戸惑いながらも感心しつつ、自分のものにするにはかなりの実戦が必要かと思いますが、大変わかりやすくお馬鹿な私にもなんとかやれそうです。
投稿: 中途半端 | 2008年12月26日 (金) 23時03分
中途半端さん、こんばんは。
そうですね。画像処理はなかなか一朝一夕にはいかないですね。試行錯誤の積み重ねだと思います。でも、ある時、突然殻を破ったように上達するんですよ。気長にやりましょう。
私は明日から遠征です。おお犬座でも撮ってきます。それでは。
投稿: ほんまか | 2008年12月26日 (金) 23時33分
はい!頑張ります。
おお犬座狩りですかよいですね。私も近いうち伊豆方面に出かけるつもりです。
ハッセルのスーパーアクロマートもとうとう手に入れました。来年はこれを振り回したいです。
投稿: 中途半端 | 2008年12月27日 (土) 00時07分
あれれ、スーパーアクロマート買っちゃったんですか? もしかして、中途半端さん、お金持ち?
私は、SAは、オートガイダーないので、冬の暗い星雲は撮る気になれません。夏の天の川&5Dmk2待ちですね。
伊豆は、私は伊豆スカイライン上のパーキングや空き地で撮ってます。よかったら、ご一緒しましょう。
投稿: ほんまか | 2008年12月27日 (土) 00時22分
けしてお金持ちではありませんが、機材はそれなりに持ってはいます。未熟なので使い切れていないですが。
来年の前半は何度か伊豆に出向こうと考えています。
いつの日かほんまかさんとご一緒できたら大変嬉しく思っています。その時はよろしくお願いいたします。
投稿: 中途半端 | 2008年12月27日 (土) 17時30分
こちらこそ、よろしくお願いします。
伊豆は南側が暗いのと、それと暖かくていいです。それともう一つ、夜になると鹿だらけです。(笑)
昨日も鹿と一緒に星見てました。
投稿: ほんまか | 2008年12月28日 (日) 23時02分