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2008年12月10日 (水)

「デジタル星野写真入門13」階調とヒストグラムだよ

今日は階調とヒストグラムという何やら難しい話ですが、しばし、がまんを。

階調とはこれです。

Photo209 

明るさを真っ黒を0、最も明るい真っ白を255として表したものです。

明るさのことを輝度といいます。輝度をこのように0から255までの256通りで表現したものを8ビットの階調といいます。なぜ8ビットかというと、ビットとはコンピュータの記憶単位で1ビットにつき0か1の2通りの情報を記憶できます。ですから8ビットでは2×2×2×2×2×2×2×2=256通りの情報を記憶できます。

ちなみにカラーの場合は3原色の赤、緑、青、それぞれに0~255の階調があります。つまり256×256×256=16,772,216通りの色と明るさを表現できます。

ヒストグラムって。

Kido1_2 

 画像の中の輝度の分布をグラフにしたのがヒストグラムです。一番左側が輝度0です。一番右側が輝度255です。真ん中が輝度127ですから、上図の場合、輝度90くらいの点がいっぱいある画像ということが分かります。山が右よりなら明るい画像、左よりなら暗い画像です。

さて、このヒストグラム。画像処理では非常に重要なのです。このヒストグラムを見ながら画像処理することが大切です。感覚だけを頼りに画像処理しているととんでもないことになります。あとでその例を出します。

フォトショップエレメンツでヒストグラムを見るには、(ウインドウ)→(ヒストグラム)をクリックすると上図のウインドウが出ます。常に表示させておくために、右側のパレットに入れちゃいましょう。ヒストグラムウインドウの(詳細)ボタンをクリックして、「閉じたときパレットエリアに格納」をクリックして、このウインドウを閉じます。そうすると下のように表示されます。ついでにカラー表示にしておきましょう。チャンネルをカラーにします。

Kido2

これだけで、あなたの画像処理のレベルが上がること間違いなし!。

[明るさ、コントラスト]の恐怖

 通常、画像処理の主役はトーンカーブです。しかし、フォトショップエレメンツにはトーンカーブないのです。まぁ、あったとしても使いこなすの難しいですがね。そこでこの「明るさ、コントラスト」または、次回説明する「レベル調整」を多用するわけです。実際、「明るさ、コントラスト」を使っている人も多いと思います。

実際に使って見ましょう。(画質調整)→(ライティング)→(明るさ、コントラスト)です。まずは明るくして見ましょう。

Kido3

ヒストグラムの山が右側に行きますね。逆に暗くすると、ヒストグラムの山が左側に行きます。次に明るさを0に戻しコントラストを上げて見ましょう。

Kido7

ヒストグラムの山が広がります。逆にコントラストを下げると、山が細くなります。コントラストと山の関係を覚えておいてください。

コントラストを上げるということは、明るいものはより明るく、暗いものはより暗くするということです。ですから、山が広がるのですね。ここで注意です。

明るいものを明るくと言いましたが、ここで言う明るいものとは、輝度が中間の127以上のものです。輝度が127以下なら暗くなります。もし山が全体的に左側によっている状態でコントラストを上げると、山は確かに広がりますが、全体的に山は左側によってしまい。暗くなってしまいます。

ですから、コントラストを上げるには、まず、明るさで山の頂点をだいたい中央にもっていってからコントラストを上げる必要があります。

まぁ、暗くなるだけなら大して害はないのですが、間違えるととんでもないことになります。それをやって見ましょう。

まず、ヒストグラムの山の左の裾野が左端になるように明るさを暗くしてください。

Kido5

この状態でコントラストを上げてみてください。

Kido6

ヒストグラムの山の左端がカットされてしまいました。この状態では、画像は荒く、やわらかさ、滑らかさがありません。こんな状態には絶対にしてはいけません。

一度ヒストグラムの山がカットされてしまうと、もう元には戻りません。

ヒストグラムの山の左側の裾野は、背景と画像のメインである中間調を滑らかにつなげる為の淡い部分の情報が含まれています。これは長時間露出してやっと得られる情報なのです。ここをあっさりカットしてしまうのはあまりにももったいない。

ヒストグラムを見ながら画像処理すればこんな間違いはしなくてすみますね。

次回はレベル調整の話しです。

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コメント

初めまして!星太朗です。
最近、本腰を入れて天体撮影をし始めています。
画像処理に関しては、悩みが多く、試行錯誤の連続です。
もし良かったら、つたないブログですが、写真を見ていただけるとうれしいです。
明るさのピークを中央に移動してから、コントラスト調整、目からうろこでした。いままで、意識したことがなかったので、次回以降、活用させていただきます!!!

投稿: 星太朗 | 2014年7月12日 (土) 19時59分

星太朗さん、はじめまして。
私のブログに来ていただきありがとうございます。
さきほど、星太朗さんのブログにて作品を拝見させていただきました。初めてなのにとてもすばらしい写真だと思います。いくつかアドバイスさせていただきました。
それではまたよろしく。

投稿: ほんまか | 2014年7月12日 (土) 22時26分

ほんまかさん!
たくさんの貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。後日、ほんまかさんのコメントを生かし、再処理して記事にします。
間違った処理をしていた部分もあったので、衝撃を受けました(笑)。きびし目のアドバイスのほうが、俄然やる気になりますので、これからも思ったままを教えてください!
これからもよろしくお願いします!

投稿: 星太朗 | 2014年7月12日 (土) 23時21分

ほんまかさん、レベル補正を使わず、トーンカーブのみで処理した記事を作ってみました。

実は、かぶり補正を行うために、フォトショップのレイヤーに関する勉強をしないといけないなぁ、と思い、近くの本屋さんに本を購入しに向かっていたのですが、そのときに、ほんまかさんからの貴重なアドバイスがたくさん舞い込みました。本を購入した後に、一目散に帰宅して処理してみました。

投稿: 星太朗 | 2014年7月13日 (日) 00時51分

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