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2009年6月30日 (火)

夏の大三角、ソフトバージョン

今度は4枚モザイクです。ソフトに仕上げました。

Photo284

Hasselblad Distagon FE 50mmF2.8->F5.6 LEEソフト1フィルター

EOS 5D Mark2 ISO1600 7min×4comp×4moz

まだ高度が低く透明度が最悪でしたので苦労しました。ボツにしようと何度も思ったのですが、がんばって仕上げました。

昨日の一枚撮りと比べると、(モザイクは必要ないかもしれないと言いましたが、)やはりモザイクのほうが解像感はありますね。当たり前。

前言撤回。

ただ、一枚撮りには一枚撮りの良さ、つまりすっきり感がありますね。

それとモザイクの方が明らかに、彩度が高く、階調も豊富なような気がします。以前話したことがありますが、モザイクの圧縮効果と思います。

ソフトフィルターはちょっと効きすぎています。もうちょっと弱い方がいいのですが、元画像はもっとボケボケでシャープフィルターかけて、ごまかしています。

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2009年6月29日 (月)

夏の大三角、一枚バージョン

週末の湯沢遠征、一作品目完成です。モザイクなしの一枚バージョンです。

Photo2831

Canon EF35mmF1.4L->F4.5

EOS 5D Mark2 ISO1600 7min×8枚

大きいサイズはこちら。

Photo2832_2

自分で言うのもなんですが、う~ん、素晴らしい。間違えなくほんまかの最高傑作。ただでさえ高性能なLレンズを三段半も絞ってるので、そりゃもう、凄いことになってます。プリントをお見せできないのが残念。プリントをみると、星が一つ一つ分離して見えるんですよ。

前も言いましたが、私が以前やっていたAPS-C 6枚モザイクと比べても全然遜色ないです。もうこうなると、モザイクは必要ないかも。

で、2作品目は、まったく同じ構図で今度は4枚モザイク作品です。これから処理します。どれだけ差が出るか、楽しみです。

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2009年6月27日 (土)

湯沢遠征、晴れました

久々の撮影成功。

詳細はのちほど。

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2009年6月24日 (水)

星野写真のポリシー、やっぱりイメージシフト

この連載も何回目だろうか、ポリシーというより単に注意点をだらだら述べる連載になってしまった。

ポリシーといえば、私はやっぱりイメージサークル分割撮影によるモザイク合成。略してイメージシフト方式。

今日は、イメージシフト方式がどんなに素晴らしいか書きたいと思う。ただ素晴らしいのは確かだが、いまいち普及していない。私の知ってるいる限り、中途半端さんの一人しか、やっている、あるいはこれからやろうという人を知らない。なぜだろう。

広角系ではイメージシフトは断然有利というか、それしか選択肢がないと思う。特に50mmより広角になると、モザイクは難しいと思う。良く広角レンズでモザイクをしている例を見るが、かなり無理があるのは否めない。少なくとも常用するための手段にはならないだろう。

にも関わらず、イメージシフト方式が普及しないのは、はっきり言って、「広角星野写真でそこまで面倒くさいことはやる気がしない」というのが本音だろうと思う。星雲。星団写真のクローズアップ写真なら、金をかけ血眼になって、良い作品を得ようとするが、広角系星野写真だとなぜか、そこまで行かない。まぁ、そのおかげで、私のような凡人が天文誌に入選でき、あげく最優秀賞まで頂いた。ほんと、だれもやらないことをやるのは得だ。

しかし、最近思うのだが、カメラがEOS 5D Mark2ほど高解像度、高感度(=絞って撮れる)になると、もうモザイクは必要ないだろうとも思う。やっぱ一枚撮りはいい。

望遠になると状況は一変し、イメージシフト方式は明らかに不利。望遠だと、開放で撮りたくなる。ところが、イメージシフト方式は広いイメージサークルをいっぱいいっぱい使うから、開放で撮ると周辺減光や収差の面で明らかに不利。それより、イメージサークルの中心部分だけを使って、レンズの向きを変えて撮ったほうが明らかに有利。

それでも私は、今後もイメージシフト方式にこだわりたいと思う。自分のオリジナリティーだし、やっぱ、一番の理由はモザイクが超簡単なこと。一度この簡単モザイクを覚えてしまうと、もう絶対他の方法でモザイクはやりたくない。

そこで、今日は、イメージシフト方式のモザイクがどんなに簡単かお見せいたします。

1 まず、フォトマージで、位置合わせだけしてもらいます。

Imageshift1

もう既にこの時点でほとんど合っています。これがイメージシフト方式の凄いとこ。基本的にイメージシフト方式は色あわせとか、明るさ合わせとかしません。(フラット補正など前処理が一切不要なため、現像条件が同じなら同じ明るさ色合いになる)

2 次に重なり部分の中間を通るように、くねくね範囲選択します。

Imageshift2

3 そして、レイヤーマスクの選択範囲以外をマスクを実行します。

Imageshift3

4 もうこれでほとんど気にならないレベルですが、最後に重なり部分のマスクをぼかします。

Imageshift4

もう、これでつなぎ目は絶対にわかりません。コントラストと明るさを上げて見ましょう。

Imageshift5

どうです、わずか3ステップで完璧モザイクの完成です。モザイクで苦労してる人を尻目にもうこれは快感です。

カブリがあるとこう簡単にはいきませんが、それでも通常のモザイクよりはるかに楽です。カブリの影響の少ない望遠レンズでかつ光害カットフィルターを使っていると、ほんとさくさく合成できます。カブリがある場合も短時間露出なら、ほんと面白いようにさくさくつながります。

それと最近のフォトマージは高性能で、最後までモザイクを全部やらすこともできますが、フォトマージは枚数が多くなると、必ず成功するとは限りませんし、画像をかなり変形させます。やはりまだモザイクは手動が基本です。

どうです。これだけ簡単にモザイクできてしまうことが分かれば、イメージシフト方式ももうちょっと普及すると思うのですが。。。

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2009年6月19日 (金)

フォトショップエレメンツ4とCS3の違い

私は、画像処理のほとんどを「フォトショップエレメンツ4」でやっています。「フォトショップCS3」も、もってはいるのですが、いまいちしっくりきません。特に最終調整でCS3を使うとどうも階調のバランスが崩れるようで、仕上がりもビビットになります。

そこでCS3は使っても最初の段階だけで、最後の調整は必ずエレメンツ4でします。最近やっとエレメンツ5にしました。

どうして、差がでるかはっきりしています。CS3で重要なあることを見落としていたのです。私が良く使う「明るさ・コントラスト」コマンドを見てみます。

エレメンツ4の場合は、明るくしようとすると、ヒストグラムの山が平行移動します。

0906181_2

とても理にかなったアクションですね。ところがCS3だと、こうなります。

0906182

ヒストグラムの山が伸ばされますね。これは明るさアップというより、むしろコントラストアップです。ですから、CS3の場合は明るさを明るくしようとすると、同時にコントラストもアップし、せっかく調整した画像の調子が台無しになります。

なぜ、 CS3がこのような仕様になっているか、多分、ヒストグラムの山が平行移動すると、階調の切捨てが起こるためでしょう。階調の圧縮はしても切り捨ては起こさないというCS3のこだわりが感じられます。

で、上の図で、「従来方式を使用」というのがありますね、ここをチェックすると、平行移動方式になるのですが、全然気づきませんでした。

エレメンツとCS系は、他にも彩度とか、微妙に違うような気がします。

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今週末の星見はやっぱ無理そうですね。

ほ、ほしが見たい

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2009年6月15日 (月)

星野写真のポリシー、画像処理編3

今日は「星の表現」についてぐだぐだ書きます。

デジタルでは、特に広角系では星は美しく写らないですね。

Star1

星というより、唯の白い点。。。周辺のエッジが立っていて、星の周りに適度なニジミがないです。しかも丸くないし。

これは、元画像で、画像処理をした最終画像がこれ、

Star2

コントラストアップしたので、さらにエッジが立っています。このとげとげ感がデジタル特有で、銀塩に一歩譲るところですね。

周辺部では収差が入るので、さらに状況が悪化します。

Star3

解決策として、次のようなことをしてきました。

1 ソフトフィルターの使用  輝星には効果あります。しかし、微光星にはほとんど効果なし。

2 画像処理でなんとか コンポジットするとき上下左右に1ピクセルずつずらしてコンポする方法やマスクを使って周辺をにじます、あるいは、周辺の輝度を落とす方法を試しましたが、いまいち。

一番良いのは、望遠レンズで撮って、モザイクで写野を広げる。というのしかなさそうです。望遠レンズだと、星像もある程度大きく写り、それだけ表現の幅が広がります。ただ、モザイクするんじゃ、根本的な解決策になっていないような気がします。

モザイク以外で気をつけることは、やはりコントラストアップするとき星像のエッジが効き過ぎないように注意することぐらいでしょうか。とにかく悩ましい問題です。

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2009年6月12日 (金)

星野写真のポリシー、画像処理編2

前回に引き続き、画像処理についてぐだぐだ書きたいと思います。

色の問題なのですが、色域指定を使って部分的に色を修正したり、あるいはトーンカーブで各色をバラバラに修正するのは、難しくてカラーバランスを崩しやすいので、なるべくやらないようにしています。といっても以前はよくやっていたのですが、色は下手にいじると怖い。。。

次のべた塗りの2枚の画像、何が違うでしょうか?

Color

色が違う。。。

正解。もう一つ違いがあって、輝度(レベル)が違う。左の画像を[明るさ]コマンドで輝度を下げたのが右の画像ですが、元画像の赤が飽和しているので赤のレベルは255のままです。したがって、赤の強い画像になってしまいました。(CS系の[明るさ]コマンドは輝度0と255は固定されることに注意)

最近、色の違いは輝度の違いだということがやっと分かった。(その逆も)だから、輝度が足りない画像はどうやっても出せない色があるわけで、それを無理に出そうとすると、特定の色だけ不自然に輝度を上げることになるからどうしても画像が荒れてしまう。その上、各色の比率が変わるから、実際にあり得ない色になってしまう。彩度アップについても同様です。

(もっと、簡単に言うとこういうことです。「この星雲もっと赤くしたいな~」と思っても輝度が足りない以上無理です。ということです。)

というわけで、最近は色については特に注意してます。つまりその輝度にあった範囲内でしか、調整をしないようにしています。

●背景のならし処理

 色以外に重要視しているのが、背景の滑らかさ。こういうとノイズのことか思われるが、ノイズも含めていろいろなもんがあって、デジタル星野写真の背景はとっても汚い。

ノイズ、ケラレ、周辺減光、カブリ補正の跡、画像処理の色むら、モザイクの補正跡、IRカットフィルターによる干渉縞などなど。これらを綺麗さっぱり消さないと、綺麗な写真にはならない。私の画像処理の8割がたはこの背景のならし処理です。

 そこで、ありとあらゆる手を使ってこれを目立たなくした後に、セオリーどうりですが、トーンカーブで低輝度部分を思いっきり持ち上げてやります。

0906121

 星野写真は幸いにも、低輝度部の階調とかあまり関係ないので、かなり低輝度部分の階調を圧縮しても見た目的にはあまり変わりない。

 ただ、これでもすっきりしない場合は、もっと荒業を繰り出したりします。背景部分だけ選択するマスクを作り、コントラストを低くしたり、彩度を極端に低くします。あまりやりすぎると、のっぺりした、彩度の乏しい画像になってしまいます。

 まぁ、手法はどうであれ、背景が滑らかだと、透明感のある美しい星野写真に仕上がります。

 次回は「星の表現」について語ってみたいと思います。

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2009年6月10日 (水)

星野写真のポリシー、画像処理編

という訳で、「星野写真のポリシー」なるものを書くことになったが、ポリシーなんて、そんな大げさなことはなくて、まぁ、気をつけていることとか、気になることをだらだら、書いていこうと思う。

最初は、構図とか星景写真との関係とか、書こうと思ったが、そんなつまらん話を最初からしてもドン引きなので、最初は画像処理の話からしようと思う。

●どんな作品を目指しているか。

はっきり言って銀塩です。最近はデジタルらしさも追求するようになったが、基本は銀塩の真似。解像度ではデジタルの方が上を言っていると思う。解像度だけを比べるなら、

APS-C > 35mm

フルサイズ > 6×7

なのは明らか、でも透明感、空気感、臨場感といった抽象的な指標、および星の周りのニジミは、銀塩の方がはるかに上。前者は画像処理でなんとかなると思っているが、未だに銀塩レベルに到達していない。そのうち画期的な方法を見つけたいと思います。

星のニジミについては、どうにもならない。自作ソフトフィルターで少しは良くなったが、まだまだ。デジタルはどうしても星がシャープになりすぎて、ただの点になってしまう。これも、いずれ何とかしたい。

●画像処理で重視している点。

一つはカラーバランス。広角系の星野写真は写野が広いので、色の偏りが平均化されて全体でみるとニュートラル度が非常に高い。だから、ヒストグラムの山が3色で一致するはずだし、そうでなければおかしい。ヒストグラムの山の左側は完全に一致するように、右側は3色がほどよく交差するように調節している。

このようにカラーバランスを調節すると、写真に透明感がうまれ、立体的に見える、銀塩写真に少し近い発色になる。

天の川の場合はカラーバランスを特に注意している。デジタルでは天の川は赤に寄る傾向があるので、特に緑に気を使って、緑を強調するようにしている。

ただ、緑を強調すると、光害カブリが目立つので、カブリを徹底的に排除しないと、緑を強調できない、それでいつも苦労している。

今日はここまで

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