この連載も何回目だろうか、ポリシーというより単に注意点をだらだら述べる連載になってしまった。
ポリシーといえば、私はやっぱりイメージサークル分割撮影によるモザイク合成。略してイメージシフト方式。
今日は、イメージシフト方式がどんなに素晴らしいか書きたいと思う。ただ素晴らしいのは確かだが、いまいち普及していない。私の知ってるいる限り、中途半端さんの一人しか、やっている、あるいはこれからやろうという人を知らない。なぜだろう。
広角系ではイメージシフトは断然有利というか、それしか選択肢がないと思う。特に50mmより広角になると、モザイクは難しいと思う。良く広角レンズでモザイクをしている例を見るが、かなり無理があるのは否めない。少なくとも常用するための手段にはならないだろう。
にも関わらず、イメージシフト方式が普及しないのは、はっきり言って、「広角星野写真でそこまで面倒くさいことはやる気がしない」というのが本音だろうと思う。星雲。星団写真のクローズアップ写真なら、金をかけ血眼になって、良い作品を得ようとするが、広角系星野写真だとなぜか、そこまで行かない。まぁ、そのおかげで、私のような凡人が天文誌に入選でき、あげく最優秀賞まで頂いた。ほんと、だれもやらないことをやるのは得だ。
しかし、最近思うのだが、カメラがEOS 5D Mark2ほど高解像度、高感度(=絞って撮れる)になると、もうモザイクは必要ないだろうとも思う。やっぱ一枚撮りはいい。
望遠になると状況は一変し、イメージシフト方式は明らかに不利。望遠だと、開放で撮りたくなる。ところが、イメージシフト方式は広いイメージサークルをいっぱいいっぱい使うから、開放で撮ると周辺減光や収差の面で明らかに不利。それより、イメージサークルの中心部分だけを使って、レンズの向きを変えて撮ったほうが明らかに有利。
それでも私は、今後もイメージシフト方式にこだわりたいと思う。自分のオリジナリティーだし、やっぱ、一番の理由はモザイクが超簡単なこと。一度この簡単モザイクを覚えてしまうと、もう絶対他の方法でモザイクはやりたくない。
そこで、今日は、イメージシフト方式のモザイクがどんなに簡単かお見せいたします。
1 まず、フォトマージで、位置合わせだけしてもらいます。
もう既にこの時点でほとんど合っています。これがイメージシフト方式の凄いとこ。基本的にイメージシフト方式は色あわせとか、明るさ合わせとかしません。(フラット補正など前処理が一切不要なため、現像条件が同じなら同じ明るさ色合いになる)
2 次に重なり部分の中間を通るように、くねくね範囲選択します。
3 そして、レイヤーマスクの選択範囲以外をマスクを実行します。
4 もうこれでほとんど気にならないレベルですが、最後に重なり部分のマスクをぼかします。
もう、これでつなぎ目は絶対にわかりません。コントラストと明るさを上げて見ましょう。
どうです、わずか3ステップで完璧モザイクの完成です。モザイクで苦労してる人を尻目にもうこれは快感です。
カブリがあるとこう簡単にはいきませんが、それでも通常のモザイクよりはるかに楽です。カブリの影響の少ない望遠レンズでかつ光害カットフィルターを使っていると、ほんとさくさく合成できます。カブリがある場合も短時間露出なら、ほんと面白いようにさくさくつながります。
それと最近のフォトマージは高性能で、最後までモザイクを全部やらすこともできますが、フォトマージは枚数が多くなると、必ず成功するとは限りませんし、画像をかなり変形させます。やはりまだモザイクは手動が基本です。
どうです。これだけ簡単にモザイクできてしまうことが分かれば、イメージシフト方式ももうちょっと普及すると思うのですが。。。
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