星野写真のポリシー、画像処理編
という訳で、「星野写真のポリシー」なるものを書くことになったが、ポリシーなんて、そんな大げさなことはなくて、まぁ、気をつけていることとか、気になることをだらだら、書いていこうと思う。
最初は、構図とか星景写真との関係とか、書こうと思ったが、そんなつまらん話を最初からしてもドン引きなので、最初は画像処理の話からしようと思う。
●どんな作品を目指しているか。
はっきり言って銀塩です。最近はデジタルらしさも追求するようになったが、基本は銀塩の真似。解像度ではデジタルの方が上を言っていると思う。解像度だけを比べるなら、
APS-C > 35mm
フルサイズ > 6×7
なのは明らか、でも透明感、空気感、臨場感といった抽象的な指標、および星の周りのニジミは、銀塩の方がはるかに上。前者は画像処理でなんとかなると思っているが、未だに銀塩レベルに到達していない。そのうち画期的な方法を見つけたいと思います。
星のニジミについては、どうにもならない。自作ソフトフィルターで少しは良くなったが、まだまだ。デジタルはどうしても星がシャープになりすぎて、ただの点になってしまう。これも、いずれ何とかしたい。
●画像処理で重視している点。
一つはカラーバランス。広角系の星野写真は写野が広いので、色の偏りが平均化されて全体でみるとニュートラル度が非常に高い。だから、ヒストグラムの山が3色で一致するはずだし、そうでなければおかしい。ヒストグラムの山の左側は完全に一致するように、右側は3色がほどよく交差するように調節している。
このようにカラーバランスを調節すると、写真に透明感がうまれ、立体的に見える、銀塩写真に少し近い発色になる。
天の川の場合はカラーバランスを特に注意している。デジタルでは天の川は赤に寄る傾向があるので、特に緑に気を使って、緑を強調するようにしている。
ただ、緑を強調すると、光害カブリが目立つので、カブリを徹底的に排除しないと、緑を強調できない、それでいつも苦労している。
今日はここまで
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コメント
こんばんは!さっそくのブログ復活嬉しい限りです。
> APS-C > 35mm
> フルサイズ > 6×7
これはプリント解像度のことを仰ってますね。
なるほど、考えたことなかったですがそうなのかもしれません。
星の表現については、確かに広角域になればなるほど苦戦するイメージがあります。(もちろん長くなれば今度はガイドで苦しむわけですが・・・笑)
>広角系の星野写真は写野が広いので、色の偏りが平
>均化されて全体でみるとニュートラル度が非常に
>高い。だから、ヒストグラムの山が3色で一致する
>はずだし、そうでなければおかしい。
これは、ほんまかさんに言われて気付いたことですが確かにその通りですよね!
広角というだけでなく、「銀河」という対象を超々広角で撮影しているだけに、色の平均はグレーでないと、何か銀河自体の均衡が崩れてしまうような・・・とか考えてしまいます。
そこへ行くと、地球は青いですよね。地球の存在自体が、歯車の一部だってことなんでしょうね。
あと、天の川のG要素って重要ですよね。
こいつが含まれる比率で、随分と透明感に貢献するような気が僕もします。
Gもそうですが、Labモード中のイエローの存在も大事だなって思ったりしたりしています。
天体写真専用のカメラをプロファイリングできないか?ってことを真剣に考えています。
デジカメは出荷時に各色の感度調整が内部エンジンでなされていますが、冷却CCDはそれがないので、それをどうやって再現させてコントロールするか考えていますが、まだ実現出来ずにいますよ。
投稿: よっちゃん | 2009年6月10日 (水) 23時41分
よっちゃんさん、早速のコメントありがとうございます。
>これはプリント解像度のことを仰ってますね。
プリント解像度もそうですが、見た目的にもデジタルの方がワンサイズ上という感じです。
>星の表現については、確かに広角域になればなるほど苦戦するイメージがあります。
広角だと、星像が小さいので表現の幅が狭いです。
>地球は青いですよね。地球の存在自体が、歯車の一部だってことなんでしょうね。
火星は赤いので、太陽系的にはバランスがとれていると。
>あと、天の川のG要素って重要ですよね。
Gは色の中心と思うのですよ。Gから外れた部分が色ということで。
赤い天体や、青い天体はあるけど、緑色の天体ってないですよね。それも関係しているかも。
>天体写真専用のカメラをプロファイリングできないか?
面白い試みですね。これができれば冷却もデジカメなみにお手軽になるかな。
投稿: ほんまか | 2009年6月11日 (木) 01時01分