星野写真のポリシー、画像処理編2
前回に引き続き、画像処理についてぐだぐだ書きたいと思います。
色の問題なのですが、色域指定を使って部分的に色を修正したり、あるいはトーンカーブで各色をバラバラに修正するのは、難しくてカラーバランスを崩しやすいので、なるべくやらないようにしています。といっても以前はよくやっていたのですが、色は下手にいじると怖い。。。
次のべた塗りの2枚の画像、何が違うでしょうか?
色が違う。。。
正解。もう一つ違いがあって、輝度(レベル)が違う。左の画像を[明るさ]コマンドで輝度を下げたのが右の画像ですが、元画像の赤が飽和しているので赤のレベルは255のままです。したがって、赤の強い画像になってしまいました。(CS系の[明るさ]コマンドは輝度0と255は固定されることに注意)
最近、色の違いは輝度の違いだということがやっと分かった。(その逆も)だから、輝度が足りない画像はどうやっても出せない色があるわけで、それを無理に出そうとすると、特定の色だけ不自然に輝度を上げることになるからどうしても画像が荒れてしまう。その上、各色の比率が変わるから、実際にあり得ない色になってしまう。彩度アップについても同様です。
(もっと、簡単に言うとこういうことです。「この星雲もっと赤くしたいな~」と思っても輝度が足りない以上無理です。ということです。)
というわけで、最近は色については特に注意してます。つまりその輝度にあった範囲内でしか、調整をしないようにしています。
●背景のならし処理
色以外に重要視しているのが、背景の滑らかさ。こういうとノイズのことか思われるが、ノイズも含めていろいろなもんがあって、デジタル星野写真の背景はとっても汚い。
ノイズ、ケラレ、周辺減光、カブリ補正の跡、画像処理の色むら、モザイクの補正跡、IRカットフィルターによる干渉縞などなど。これらを綺麗さっぱり消さないと、綺麗な写真にはならない。私の画像処理の8割がたはこの背景のならし処理です。
そこで、ありとあらゆる手を使ってこれを目立たなくした後に、セオリーどうりですが、トーンカーブで低輝度部分を思いっきり持ち上げてやります。
星野写真は幸いにも、低輝度部の階調とかあまり関係ないので、かなり低輝度部分の階調を圧縮しても見た目的にはあまり変わりない。
ただ、これでもすっきりしない場合は、もっと荒業を繰り出したりします。背景部分だけ選択するマスクを作り、コントラストを低くしたり、彩度を極端に低くします。あまりやりすぎると、のっぺりした、彩度の乏しい画像になってしまいます。
まぁ、手法はどうであれ、背景が滑らかだと、透明感のある美しい星野写真に仕上がります。
次回は「星の表現」について語ってみたいと思います。
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