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2009年11月28日 (土)

冬の天の川

すっかり公開が遅れてしまいましたが、先週の八千穂高原遠征のもう一枚の作品です。

モザイクなしの一枚撮りです。

091128

EF35mm F1.4L EOS 5D mark2 ISO3200
R64:  8min×8枚 F3.5
RGB: 8min×7枚 F4.5
(L+R64)RGB合成

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2009年11月24日 (火)

今さらカシオペア

とっくに旬を過ぎていますが、、、カシオペア座を撮影しました。

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Hasselblad Planar FE 110mmF2 EOS 5D Mark2 ISO3200
6min×4comp×4moz F3.5 R64フィルター
6min×4comp×4moz F4   自作ソフトフィルター
(R64+L)-RGB合成

小さい赤い星雲がけっこういっぱいありますね~。

まぁ、まぁの出来です。

もう一方の作品は明日公開。これが凄い。

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2009年11月17日 (火)

オリオン座完成

オリオン座完成です。

ここんとこ、しょぼい作品ばかりでしたが、久々の快心作。

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Hasselblad Planar 110mmF2 EOS 5D Mark2 ISO3200
R64: F3.5 6min×4コンポ×4モザイク ケンコーR64フィルター
RGB: F4 6min×4コンポ×4モザイク 自作ソフトフィルター
(L+R64)RGB合成

まずこのレンズ素晴らしいです。周辺までシャープです。同じF値なら、ハッセル随一高解像度と言われるPlanar100/3.5を越えてんじゃないかと思えるほどです。あまりにもシャープなので、もう半絞り開いて撮影したくなりますが、ただ周辺減光がひどい。。。

(L+R64)RGB合成は大成功です。R64フィルターを使わなくても、このような写真を撮ることは可能と思います。ただ、使った方がはるかに画像処理が楽です。秋冬の星座写真は、R64フィルターは必須アイテムになりそうです。

そてにしても、我ながら良くできた。。。(爆)

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2009年11月15日 (日)

一晩じゅう快晴

土曜の夜は、伊豆に遠征してきました。仕事が押して、0時ごろ到着、急ぎセッティングして撮影開始。雲が出ることはなく終始快晴。オリオン座をたっぷり時間をかけて撮ってきました。幸せです。

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Hasselblad planar 110/2 EOS 5D Mark2
R64 6min×4 ISO3200 F3.5
RGB 6min×4 ISO3200 F4
(L+R64)-RGB合成

新レンズ

 新レンズのプラナー110/2ですが、十分シャープです。青ハロも少ないです。これは意外でした。大口径だから収差も多く、ハロも多いだろうと想像していましたが、さすが、ハッセル。ただ、、、周辺減光が大きい、2段絞っても急激に落ち込む感じで、光量不足というより何も写らない。トリミングしないと使えないかも。ミラーボックスケラレの可能性もあり。

R64

 L-RGB合成でLにR64画像を加算しました。上の暫定即効処理の段階で赤い星雲がコントラスト良く写っています。モザイクして丁寧に処理すればいけるかも。カラーバランスも当然ですが、崩れていません。

ミニメシエマラソン

 テレビュー76とセレストロンC5で、撮影中ミニメシエマラソンしてました。観たのは。。。
M1、M34、M35、M36、M37、M38、M41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48、M50、M67、M78、M79、M93、M97、M108

テレビュー76とC5の組み合わせ最高です。

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2009年11月12日 (木)

入選作品の画像処理過程を全公開、最終回

前回までで、ほぼ完成なのですが。。。ここから先は完全に自己満足の世界です。

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まず、ハイライト部の赤を強調するために、ハイライト部だけ選択するマスクを作ります。

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作り方は、背景画像を複写して、レベル補正で下のスライダーをぐーっと右に寄せて作ります。マスクができたらコピーして、トーンカーブの調整レイヤーに貼り付けます。

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で、トーンカーブで赤のレベルを持ち上げてやります。

ここで、画像処理になれた人なら疑問に思うかもしれません。トーンカーブでハイライト部だけ持ち上げているのですから、わざわざハイライト部だけ選択するマスクは不要なのでは?

まったくその通りです。画像処理過程を単純化するなら、領域の選択と輝度のコントロールだと思います。トーンカーブはそれを同時にできますが、マスクを使うことによって、それぞれ独立に扱うことができます。つまり、やりやすいからです。ただそれだけです。

次に、天の川ですが、IR改造デジカメで撮るとどうしても赤によってしまいます。そこで、天の川のグリーン成分を増やして、透明感を持たせます。

そこで、やはり次のようなマスクを作ります。

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そして、レベル補正でグリーンを少し上げてやります。

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これで完成です!

3回にわたって全過程を公開してきましたがいかだだったでしょうか?

そんな難しいことではないと思うのですが、、、どうでしょう。

ただ、この作品の良さは、画像処理にあるのではなく、絞りを十分絞ったこと、8枚コンポジットしたこと、フルサイズカメラであること、空が暗いこと、これに尽きると思います。画像処理でできることは限られています。

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2009年11月11日 (水)

入選作品の画像処理過程を全公開その2

続いて、トーンカーブによる強調処理です。

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このようなS字が基本です。さらにトーンカーブかけます。

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強調処理は一度にしないで、何回かに分けて慎重にやります。

次に、ヒストグラムを見ると、カブリ補正でグリーンが弱くなったのが分かります。そこでレベル補正で、カラーバランスを整えます。

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ヒストグラムの左傾斜が一致するようにそろえるのがコツです。

ここでステップ1終了です。ファイルを保存して、レイヤーを統合します。そしてステップ2へ続きます。

ステップ2: まだ、眠たいので、またまたトーンカーブで調整

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これでよし、次に背景の色ムラやカブリをとるため、背景だけ選択するマスクを作ります。このようなマスクです。

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作り方は元画像を複写して、レベル補正の下のスライダーを上げてヒストグラムの下部を切り詰めます。そしてそれを反転させます。

マスクができたら、それをコピーして、調整レイヤーのマスク画面に貼り付けます。

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色相。彩度の調整レイヤーを作りマスクを貼り付けます。そして、彩度を落とします。

次にマスク画像を選択し、マスク画像に対してレベル補正をかけます。上のスライダーを下げると、マスクの白い部分が増えます。あまり増やすと、天の川の彩度がなくなってしまいます。

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天の川の彩度を落とさないで、背景の彩度だけを落とすぎりぎりのところを見つけます。上の例では背景だけではなく天の川の彩度まで落ちてしまっています。

これでステップ2は終了です。レイヤーを結合してステップ3へいきますが、また今度。

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2009年11月10日 (火)

真蒼さんのご質問にお答えして、その2

またまた真蒼さんから、答えが長くなりそうなご質問が来たので、新規記事としてお答えします。

>広角で使える光害除去フィルターってないんですかね。いいのが見つからないのですが・・・。

LPS-P2のような干渉フィルターは、光がガラスの中を通過するときの光路長によって遮断する波長が決まるので、光が斜めからあたると光路長が変わってしまって、波長特性曲線が短波長側にずれてしまいます。そのため、同心円上にカットされる周波数が異なり色ムラとなってあらわれます。

だから、何ミリ以上のレンズだから大丈夫とか、何ミリ以下の広角レンズはだめという閾値はありません。光害がひどいと、望遠レンズでも影響が出ます。ただ、だいたいおっしゃるように80mmくらいの中望遠以上なら使えると言っていいと思います。

さて、ご質問の広角レンズで使える光害カットフィルターはあるかということですが、たぶん満足のいくものはないと思います。LPS-P2はカットする帯域(バンド)が狭いので入射角の影響を受けやすいですが、昔の光害カットフィルターはバンドが広いので、入射角の影響は少ないです。ただ、カラーバランスがマゼンタよりになる傾向があります。

現実的な解決策としては、FFフィルターと言って、カメラマウント部に光害カットフィルターを挿入する方法です。つまりレンズ後方です。この場合、レンズの焦点距離は関係なく。レンズのテレセントリック性と言って、光の直行度に依存します。テレセントリック性は公表されていませんが、最近のデジタルレンズはみないいようです。

しかし、この場合でも完全に直角でないかぎり多少ムラは出ると思います。

2番目の方法としては、今まさに私がやろうとしているR64フィルターを使うことです。640nm以下の光を完全にシャットアウトしますので、光害の影響はうけません。干渉フィルターでないので、色ムラも出ません。ただ、R64フィルターだけでは、真っ赤な画像になってしまいますので、ノーフィルターの画像も撮って加算してやる必要があります。

私はこのR64フィルターがデジタル星野写真の本命と思っています。去年は失敗しましたが、今年はなんとか満足のいく写真を撮りたいです。

最後は、そして最良の方法は、暗い場所に行くことです。これにまさる光害対策はないです。

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入選作品の画像処理過程を全公開

私ね~、、、

「ほんまかさんの記事で画像処理を勉強しています。。。。更新楽しみにしています。。。」

なんて言われると、弱いのですよ、つい調子にのってなんかしたくなります。といっても画像処理ネタは既に、「デジタル星野写真入門」で言ったことが全てで、他に何もありません。う~ん、引き出しが小さい!

そこで、タイトルの通りとなったわけです。全公開というのがいいでしょ?包み隠さずすべて出します。といっても大した処理じゃないけど。

お題はこれ「天文ガイド10月号」入選作です。直近の題材であること、モザイクなしであることから、これにしました。

0911101

露出7分の8枚コンポジットです。

コンポジット直後の元画像がこれです。

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淡い。。。コントラスト低いですね~。天体写真ってみんなこんなもんです。

まず、最初のステップとして、周辺減光補正と、カブリ補正をします。そこで調整レイヤーで、画像の明るさとコントラストを上げて、周辺減光とカブリの度合いを調べてみます。

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F1.4のレンズをF4.5まで絞っているので、周辺減光は僅かです。画面右側、それから左下部分が若干緑色にカブっています。天頂付近とはいえ、湯沢の空の暗さがよく分かってもらえる写真です。

まず、周辺減光補正です。

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「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーで、円形グラデーションマスクを作り、周辺を明るくしてやります。これで、周辺減光補正は完了です。

フラットフレームによるフラット補正などしません。カメラレンズは絞りが付いているので、絞ればいいんです。

次に右側の緑色カブリを補正します。

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線形グラデーションマスクで緑のレベルをちょっと下げます。続いて、右下のカブリを補正します。

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これでカブリ補正は完了です。低空の対象の場合はカブリがもっと激しいですが、調整レイヤーの枚数としては3~4枚もあれば十分補正できます。

ここで、一時的に上げている「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーを解除します。

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元画像と比べてみて、大して変わっていませんね。ただ、このちょっとの差が後々の強調処理で効いてくるのですよ。強烈な強調処理をする「星雲・星団」写真の場合は、もっと厳しいフラット補正が要求されます。 「星雲・星団」写真で美しく仕上げられないと悩んでいる方はこのフラット処理やカブリ補正が十分でないかも知れませんね。

今日はここまで。次回はトーンカーブによる強調処理です。

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R64フィルターの情報ありがとうございました。

いゃ~ネットっていいですね~

案内人さん、gentaさん、善太郎さん、情報ありがとうございました。

おかけで、なんとかなりそうです。このお礼は素晴らしい作品を披露することで代えさせていただきます。でも晴れないとね。

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2009年11月 9日 (月)

真蒼さんのご質問にお答えして

前の記事「今年もやりますR64フィルター」にて真蒼さんからご質問がありました。このご質問のような感想はみんなもっているんではないでしょうか。

そこで、話すと長くなるので、ここで新たな記事として回答を書いておきたいと思います。

>画像処理はどこで勉強されたのでしょう。

ネットからの情報と試行錯誤です。

>天体写真の画像処理に関しては、あまり参考になる本も出版されてないようですが・・・。参考書等などあれば後教授ください。

天文ガイドと星ナビにそれぞれ画像処理の連載があります。実は私は読んでません。だからいいか悪いかも判断できないですが、私が今、天体写真はじめたら、たぶん読むと思います。

最初の質問ですが、参考になるかも知れませんので、私が画像処理を覚えた過程を詳細に書いてみたいと思います。

1 最初の一年は何も分からず悪戦苦闘していました。特にカブリの除去方法がまったくわかりませんでした。

2 こんな何も知らない状態でモザイクやり始めました。もちろん、綺麗につながるわけありません。

3 そこで考えたのが短時間露出。これならカブリが少ないのでなんとかなります。モザイクも運任せで、うまくつながれば完成みたいな状態でした。このころ初入選しました。

4 とにかくネットを検索して、少しでも情報収集しました。

5 確かコーチさんのホームページだったと思います。調整レイヤーとグラデーションマスクを覚えて、カブリ補正がやっとできるようになりました。

6 やはり、コーチさんだったと思いますが、モザイクするときに、調整レイヤーで画像を強調しておくとモザイクをしやすくなることを覚えました。

7 調整レイヤーを覚えたことで、カブリ補正と、モザイクに関しては問題なくなりました。作品レベルは格段に向上しました。

8 よっちゃんさんのブログで、カラーバランスの重要性を勉強しました。背景はニュートラルにすること、背景レベルは60くらいにすることを覚えました。

9 カラーバランスを意識するようになり、同時にヒストグラムを見ながら画像処理するようになりました。今までは感覚で処理していましたが、ヒストグラム見ながらやるようになり、作品レベルがまた向上しました。

10 よっちゃんさんのブログで、マスクについて勉強しました。また星マスクの作り方を教えてもらいましたが、このころになると他人の方法は真似してもうまくいかなくなりました。自分で試行錯誤して、自分なりの手法を身につけないと悟り、今は他人の方法は参考にしますが、そのまま真似することはなくなりました。

こうして振り返ってみると、作品レベルは少しずつ向上するのではなく、何かきっかけがあってそれを転機に飛躍的に向上すると思います。

私の場合、転機になったのは

1 調整レイヤーを覚えた
 カラーバランスを覚えた
3 ヒストグラムを見ながら処理できるようになった

この3点に尽きると思います。意外なことに「マスク」は作品レベル向上にそれほど貢献していないと思います。確かに使えばそれなりに利益はありますが、それほど重要でもないと思います。

あと、星野写真に限って言えば、以下のことをマスターしなければなかなか綺麗な作品ができません。これらを一つ一つクリアしていけば、いいんじゃないでしょうか。

1 カブリを補正できる ⇒調整レイヤーを覚える
2 背景をニュートラルにできる ⇒ヒストグラム&レベル調整
3 背景を荒らさないで、コントラストアップできる ⇒トーンカーブ
4 天の川だけ、星だけを強調できる⇒マスク
5 色が偏った天の川、星のカラーバランスを補正できる⇒マスク

どうでしょうか、参考になりました?

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2009年11月 6日 (金)

今年もやりますR64

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R64フィルターです。新しいレンズのフィルター径が77mmなので、ケンコーのR64フィルターを買おうとしたのですが、もう売ってない。。。どこにも売ってません。もう製造中止なのでしょうか?

仕方がないので、フジのSC64フィルターを丸く切って、2枚のプロテクターフィルターの間に挟んでいます。余計なガラスを2枚も通すので、なんだかなぁ~って感じです。だれか売ってるとこ知らない?

去年は、R64フィルターで撮ったR64画像をRGB画像に、単純に加算あるいは、比較明で合成していたのですが、完全に失敗でした。赤い星雲がほんとに真っ赤になってしまいました。赤といってもいろんな赤があるのですよ。

今年は、L-RGBあるいはLabに分解して、L->R64置き換え、あるいはLにR64を加算しようと思っているのですが、こうすればカラーバランスは崩れません。はたしてうまくいくかな。

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