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2010年8月20日 (金)

「ワンランクアップの星野写真3」レンズあれこれ

「おい、ほんまか、てめぇ~のうんちくはいいから、さっさと画像処理やれ」

って聞こえてきそうです。ごもっともです。しばらくお待ちを。

っていうか、うんちくたれたいから、この企画やってるんです!今回はひっぱりますよ~。

さて、レンズ選択のお話です。

フルサイズでのカメラレンズの選択
 私はフルサイズ派なので、私のレンズ選択の方針みたいなものを紹介したいと思います。
 フルサイズはイメージサークルが広いので、私の場合、開放で使うことは最初から考えていません。1~2段絞って使うことが前提です。そのため、明るい大口径のレンズを選ぶようにしています。悩みは大口径は価格が高いことです。そのため、あれもこれも買うことができず現在所有しているのは(中判レンズを除いて)2つだけです。

EF35mm F1.4L
EF135mm F2L

もう少しラインナップを増やしたいと思っているのですが、高いのでなかなか買えません。

 私はレンズを選択する上で、周辺の収差とかよりはむしろ、周辺光量を重視しています。周辺光量は開放ではどのレンズでもみな似たりよったりですので、一段絞ったときの周辺光量が多いものを選ぶようにしています。
 そのとき、参考にするのがガンレフサイトのデータです。

 周辺減光はフラットで補正できるからいいという考えもあります。被写体が画像の中心付近にくる星雲、星団写真なら、それでも良いのですが、画像全体に広がる星雲や星などの場合は、やはり影響が大きいと思います。仮に周辺光量が50%とします。この場合、フラット補正したとしても周辺部分だけ露出時間が半分になったことと同じです。画像処理する上では、一番悪い部分を基準に全体に適用しますから、結局、画像全体で露出時間が半分になったと同じことです。やはり周辺光量は大いにこしたことはありません。

 それにフラット補正するにしても、周辺減光が少ない方が、フラット精度が高いです。それに後日説明しますが、フラット精度は、画像をどこまで強調できるかの限界を事実上決めてしまうので、非常に重要です。 ですから、なるべく周辺光量が多いレンズを選ぶようにしています。

APS-Cでのカメラレンズの選択
 APS-Cはイメージサークルが狭いので、フルサイズよりレンズの選択が増えます。また開放で撮る機会も多いです。ただ、拡大率がフルサイズの1.5倍ですから、結像性能(=シャープさ)が重要になります。特に色収差には敏感になります。色収差の少ないレンズを選びたいです。ただし、色収差のデータはメーカが公表していない場合が多いので、他人の作品とかを参考にするのが良いのですが、これがけっこうあてにならず、だまされたりします。(別にその人が悪気があるわけじゃないですよ)

 よく青ハロが盛大に出ている写真を見かけますが、これはレンズが悪いというより、無理やり強調処理している画像処理に問題がある場合が多く、またそのような写真のほとんどは開放で撮っている場合が多く、一段絞るとだいぶ軽減される場合もあります。

 また逆に、一見、青ハロがないように見えて、実は画像処理で消していたりします。ですから、他人の作品で色収差の程度を判断するのは危険です。できれば生データで判断したいものです。 

 いずれにせよ、レンズ選びって楽しいです。レンズをたくさん買ってしまう人の気持ちはよく分かります。

機材編はこれにて終了。次回は撮影編です。まだまだうんちくは続きますよ~。

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