「ワンランクアップの星野写真その5」ピントと撮影パラメータについて
ピントについて
ピントって、奥が深いです。
ピントがちゃんと合ってると、天体写真ってほんとシャープです。
でもライブビューのおかげでだいぶ楽にはなりました。ところで、このライブビューですが、どこがジャスピンなのか良く分かりません。逆に私が聞きたいくらいです。今のところ経験則でこのへんだろうと決めていますが。
私はライブビューでピントを合わせるとき、大体以下のようなことを基準としています。
1 星像が一番小さくなる時
2 写らなかった微光星が一瞬見える瞬間
3 色ニジミが消える瞬間
ほんとは1の星像が一番小さくなる瞬間なんでしょうが、これはかなり幅があります。特にレンズの収差が大きい場合は幅がかなりあり、どこがジャスピンかわかりません。そこで2の微光星が一瞬見える瞬間で合わせています。これがきっとジャスピンなんだと思います。ただ、これで合わせると、星に赤ニジミができます。そこで私は、そこからちょっと回して赤ニジミが消える瞬間で合わせています。(ということはジャスピンではない?)
今のところ、これで結果はいいように思えます。ほんとのところはどうなんでしょう?
正確には、実写して、パソコンに取り込み拡大表示してみるのがいいのでしょうが、私は遠征中パソコンを使いませんし、カメラレンズの場合はピント位置がロックできないので、ヒーターの巻きなおし等でピントリングが回ってしまうことがあり、ライブビューのような、いつでも簡単に合わせ直せる方法があっています。
撮影パラメータについて
ISO感度、絞り、露出時間、コンポジット枚数、これらを撮影パラメータと呼ぶことにしましょう。では問題。
1 ISO800 20分1枚コンポジットなし トータル20分
2 ISO1600 10分2枚コンポジット トータル20分
3 ISO3200 5分4枚コンポジット トータル20分
どれがいちばんいい?
いいといった場合、ノイズの面なのか、淡い部分の描写なのか、いずれにせよ画像処理した最終結果の作品で判断した場合、どれが良いかです。つまり、こうです。
1と2を比べて1の方が2よりノイズが少ないとします。しかし、2の方が淡い部分が良く写っているとします。さてどちらがいい? ノイズが少なければ淡い部分を画像処理で2のレベルまで引き上げることができます。
この問題の結果を出すには、実際にやってみて、実際に画像処理してみて作品に仕上げてみることです。簡単ですね。しかしなぜか、この実験はあまり見ないですね。こんどやろうかな。ダークレベルならあるのですが、ダークレベルでノイズが少ないとかはこの際、あまり関係ありません。作品レベルで比べた場合です。それに結果は露出時間やトータルの露出時間、気温も関係すると思うので、ある1パターンの結果をもってすべてと言えないと思います。もちろんカメラによっても違います。
ということでこの答えはあいまいにしておきます。(私も激しく知りたい)
私の場合の撮影パラメータの決め方を書いておきたいと思います。私の場合は、スカイキャンサーでノータッチガイドなので、露出時間の最長が事実上決まってしまいます。最近はまっている135mmレンズならせいぜい5分がいいとこです。絞りは周辺減光や星像を考慮してだいだいF3.5かF4です。この条件で、ヒストグラムの山が中央くらいになるようにするにはISO感度は3200です。(光害の程度によって違う)幸い私のカメラはISO3200でもダーク減算、コンポすればそれほどノイズは醜くありません。
ヒストグラムの山が中央というのに理論的根拠がありませんが、この仮定を受け入れれば、撮影パラメータは自動的に決まり、あまりいじれる要素はありません。
コンポジット枚数ですが、できるだけ多い方が後々楽ですが、私の場合は最近、8の倍数(できれば8の累乗)になるように撮影しています。この理由は次回の「ほんまか流コンポジット」で説明します。
現像パラメータについて
撮影パラメータについて触れたので、現像パラメータについても触れておきます。私はフォトショップでRAWファイルを現像をしてしますが、その際、各種現像パラメータは0にするようにしています。明るさや露光量、コントラストなどを変えられますが、これらは現像後、変更できますので、現像時は0にするようにしています。
コントラストアップなどは後から画像処理でやるよりも現像時にやった方が情報落ちが少ないのかなとかも思ったりしましたが、実際はあまり関係ないようです。
次回は「ほんまか流コンポジット」について
| 固定リンク
コメント
ピントって本当に悩みますね。ε180EDの場合は収差が少ないので単に星が一番小さくなった所であまり悩まないですが、カメラレンズの場合は悩みます。仰るようにハロが少なくなる所までずらさないとだめですね。私はいつもそれで失敗します。
今回の講義で衝撃を受けたのは現像パラメータ。
全部0とは…私は適時動かして見かけが良いようにしていました。
仰るとおり現像後できるとは思いますがなかなか全部を0にする勇気がありませんでした。
しかし思い浮かぶ事があります。
明るい星雲を見掛け良く色々動かして現像したら、なんと言うか調節幅が減ったと言うか、一見良く出た画像の懐が狭くそれ以上淡い部分が出てこなくなったのです。おそらく淡い情報が切り捨てられてしまったのでしょう。
私も次回やる時は全部0、試させて頂きます。
投稿: T-Fix | 2010年8月26日 (木) 18時08分
T_Fixさん、こんばんは。
現像パラメータは理論的根拠がないのですが、現像時にあれこれいじるより、後からフォトショップで注意深く処理した方が、なんとなくですが、結果が良いような気がします。
投稿: ほんまか | 2010年8月26日 (木) 22時23分