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2010年8月27日 (金)

「ワンランクアップの星野写真その8」ヒストグラムについて

今日から、実際の画像で、具体的な画像処理方法を説明していきたいと思います。うんちくは終わりです。拝聴ご苦労様でした。

さて、それでは題材を紹介します。

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直近の画像ということで、これにしました。まずは、右上のヒストグラムを見て下さい。このヒストグラムは画像処理中に必ず表示させておいてください。これを見ないで画像処理するのはまったく話しにならないです。

「デジタル星野写真入門」で美しい星野写真には法則があると書きました。美しい星野写真のヒストグラムはRGBの山が揃っていて、山の左斜面は、切り立っている、そして右斜面は右端隅までなだらかに減衰してるということでした。

私はこの法則にさらに確信を持つようになり、最近では、このようなヒストグラムにすることを目的に画像処理をするようになりました。つまりヒストグラムは画像処理の結果ではなく、目的そのものにしてしまったのです。これには異論もあるでしょうが、少なくとも感覚だけで画像処理するよりは失敗が少ないです。

そこで、このヒストグラムをもう少し詳しく見ていこうと思います。まず、山の左斜面を「フラット領域」、右斜面を「色彩領域」と名付けることにします。

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フラット領域
  なぜ、フラット領域というか、それは画像のフラット度に関係しているからです。端的に言うと、フラット度が高いほど切り立っています。
 まず次の画像を見てください。この画像はフラット補正を一切していません。トーンカーブでコントラストアップしています。

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ヒストグラムの山がだいたい左右対称だと思います。そして画像を見ると4隅が僅かに暗く落ち込んでいます。この暗く落ち込んだ部分が、ヒストグラムの左斜面の左端の裾野部分に相当します。

次の画像はフラットフレームでフラット補正した画像を同じようにコントラストアップしています。

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左斜面が切り立っているのが分かると思います。そして、4隅の落ち込みが消えると同時に、左斜面の裾野もなくなっています。

フラット補正には、周辺減光の補正以外にも、カブリの補正なども含まれることに注意してください。周辺減光やカブリなどを徹底的に補正した画像はこのように左斜面が切り立ってきます。そのため、この左斜面をフラット領域と呼ぶことにします。

色彩領域
 いっぽう、右斜面を色彩領域と呼ぶのは、右斜面はいわゆる背景部分以外の部分で、写真の一番の見せ場になるからです。特にこの部分は色と関係して写真の印象を決める部分でもあります。最初の画像をもう一度見てみましょう。

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ヒストグラムの右斜面を見ると、すべての領域で赤が支配的です。このような写真は、ぱっと見インパクトがあり、人の目をひきつける何かがあります。ただ、ヒストグラム的に言うと、やはり赤が強すぎるきらいがあります。そこで、中間調部分を赤を弱め、青を強めにしてみます。

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ヒストグラムを見ると、赤、青、緑が交差しているのが分かります。このような写真は、色的には美しく、透明感や立体感があります。ただ、ちょっとおとなしくなります。

どちらが良いかはその人次第です。写真に何を求めるかの違いです。私は今回は前者を選び、さらに赤い星雲を強調したものを応募しました。

以上、ヒストグラムを説明しましたが、このようなことを意識しながら画像処理することが大切です。

次回からいよいよ画像処理始めます。

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