「ワンランクアップの星野写真その9」最後のフラット処理
それでは、実際の画像処理方法を紹介します。題材の元画像はこれです。コンポジットと周辺減光補正が既に終わった状態です。ヒストグラムを見てください。山の幅が広いです。これだけ広いと後が楽です。これは4分×32枚もコンポジットした結果です。
この山が狭いと画像処理が大変になります。(現像時パラメータ0の場合)。一般に露出時間が長いほど、そして加算コンポジット数が多いほど、この山が太くなります。
フラットフレームによるフラット補正はすでに終わっていますが、カブリなどの背景の傾斜はまだ残っています。これらを最初に徹底的にフラットにしておかないと、後が続きません。ぱっと見、カブリはないように見えます。
そこで、レイヤー→新規調整レイヤー→色相・彩度で、彩度の調整レイヤーを作り、彩度を上げて見ましょう。右側が緑にカブっています。天頂付近なので、この程度で済んでいますが、補正しておきましょう。
背景レイヤーが選択された状態で、レイヤー→新規調整レイヤー→レベル補正とします。
そうすると、背景レイヤーと先ほどの彩度レイヤーの間に、レベル補正のレイヤーができます。このレイヤーが選択された状態で、
左側のツールパレットから、グラデーションツールを選び、カブリの方向にマウスでドラッグし、グラデーションマスクを作ります。
後は、レベル補正の調整レイヤーで、緑色のレベルを落とし、カブリを補正します。
同様に右下のカブリも補正します。
さて、ここで、カラーバランスを整えます。
1 まず、彩度の調整レイヤーをOFFにし、
2 レベル補正の調整レイヤーを作り、
3 ヒストグラムの左斜面が揃うように、レベル補正でカラーをいじります。
実は、これでは背景は正確なニュートラルになりません。正確なニュートラルにする方法は後々説明します。とりあえず今はこれで十分です。
さて、これで完璧なフラット化ができました。後は強調作業です。
画像を強調するためにトーンカーブを使います。
トーンカーブは初めて使うという方もいると思うので、またトーンカーブは画像調整の基本でもありますので、ぜひこの連載で説明したいと思っていました。
ただ、既に、使っている人は分かりきった説明が続きますし、話の流れが中断されますので、トーンカーブについて後から、ゆっくり説明することにします。
レイヤー→新規調整レイヤー→トーンカーブでトーンカーブの調整レイヤーを作り、トーンカーブで画像のコントラストを上げます。
最初のトーンカーブで強調処理する時は次のことに注意してください。星が美しく見えることを基準に強調してください。星雲は無視です。星雲は後から強調します。ここで星雲を出そうとして、無理に強調すると、星がカリカリになります。星雲は無視です。星だけ見て。
以上で、画像処理の第一ステップは終了です。ここで、いったん画像を保存し、レイヤー→画像を統合で、レイヤーを統合します。
次回は第二ステップです。星雲マスクの作り方と、星雲強調の方法を説明します。
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