「ワンランクアップの星野写真その13」背景処理
今日は天体写真の背景処理について書いてみたいと思います。ぱっと見、美しい写真は背景処理に負うところが多いです。
では、背景はどのようにすればよいのでしょうか、以前出したヒストグラムを思い出しましょう。フラット領域と呼ばれる部分が背景です。
フラット部分は、山が切り立っていて、3色が一致していることが望ましいのでした。つまり、山が切り立っている→コントラストが低い。3色が一致→背景がニュートラルまたは彩度が低い。
これにノイズが少ないを加えたのが、背景の条件です。
背景の条件
1 コントラストが低い
2 ニュートラル(彩度が低い)
3 ノイズが少ない
今日は1と2について説明します。ノイズの除去については後日説明します。
背景のコントラストを低くする
前回までの画像にまたご登場願います。(落選作品ですみません)
トーンカーブの調整レイヤーを作り、下図のようにトーンカーブのシャドー部を持ち上げてください。
やりすぎに注意しましょう。コントラストを低くする処理は階調を圧縮しますので、後戻りできません、また星雲の淡い部分がのっぺりするようならアウトです。星雲の淡い部分に影響を与えない程度で済ませましょう。
また、この処理は階調を圧縮しますので、画像処理の初期の段階ではするべきではありません、最後の仕上げにしましょう。
背景をニュートラルにする
背景ニュートラルの重要性
天体写真の背景はニュートラルが基本です。必ずそうしなければならないことはないですが、ニュートラルが一番綺麗に見えて、3色がバランスよく見えます。背景がどれかの色に偏っていると、その色の表現が死にます。
構図と同じで、ベテランほど、背景ニュートラルに関しては完璧で、未習熟者ほど、無頓着な人が多いです。
構図のところでも言いましたが、基本に忠実であることに縛られることはありません、ただ、基本に従わないで、なぜ、「わざわざ不利になることをするのか」、なぜ、「わざわざ自分からハンディを作るのか」 と思ってしまいます。
さて、背景をニュートラルにする方法は、「グレー点の設定」といいますが、これは、レベル補正やトーンカーブのダイアログで矢印の部分をクリックして行うことがよく説明されています。
ただ、この方法は画像の一点しか抽出していないので、正確ではありませんし、画像のクリックする位置で色合いが変わってしまいます。
もう少し広い範囲を抽出して設定する必要があります。
そこで私は以下のようにしています。まず、「レベル補正」または「トーンカーブ」の調整レイヤーを作ります。そして、画像の背景部分をなるべく広く四角で囲みます。
そして、ヒストグラムの山の左斜面が揃うように色のレベルを整えます。この例では赤がちょっと低いので、赤のレベルを上げます。
調整レイヤーを使うところがミソです。画像ダイレクトにレベル補正すると、四角で選択された部分しか、レベル補正されません。
調整レイヤーを使うと、ヒストグラムは選択された部分だけ表示されます。つまり背景部分だけのヒストグラムが表示されます。しかし、レベル補正は画像全体に適用されます。この性質を利用しているわけです。
ちなみに背景の輝度レベルですが、ヒストグラムの「平均」のところを見てください。印刷が前提なら60~70くらいにします。モニタ上での作品公開だけなら、もう少し低くてもかまいません。(40~60)
背景ニュートラルに関してはこれで十分ですが、さらに徹底して、やるなら、以下のような方法もあります。
(イメージ)→(色調補正)→(色の置き換え)で、背景部分を選択し、彩度を落とします。
許容量を十分注意してください。星雲の淡い部分の彩度まで落ちてしまうとアウトです。この処理は気休め程度と思ってください。
さて、こうやって、背景を滑らかにした画像は強調処理しても色むら等が発生せず、綺麗に見えます。
さて、次回はノイズ低減処理についてお話します。
(題材の北アメリカ星雲周辺の写真の処理はこれにて完了です)
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