「ワンランクアップの星野写真その21」フォトコン応募
この連載の最後の締めくくりに、天文誌のフォトコンについて、あれこれ書いてみたいと思います。
何が、言いたいかというと、
「フォトコンに応募しようよ」
ということです。
フォトコン応募の意義
やはり、フォトコン応募が前提だと、画像処理にしても全然、気合の入れようが違います。どんな事でも目標を持つことはいいことだと思います。だから、私は、どんどん応募しようよ、ということを言いたいのです。結局それが上達への近道だと思います。
フォトコンはレベルが高いから自分は無理
と考えるのは間違いです。
現在天文誌は2誌ありますが、どちらもフォトコンというより、単に読者の天体写真、あるいはギャラリーという色彩が強く、単純なレベルを競う場にはなっていません。
もし、これらが、単に天体写真のレベルだけを競う場なら、常連さんや、高価な機材をもつ人だけの作品で埋め尽くされるでしょう。しかし、そうはなっていません。(確かに多いことは事実だが。。。)
この点はどちらの天文誌も評価されるべき点と思います。
では、どんな作品が掲載されるのでしょうか?
私は選者でないので分かりませんが、おそらく、単に、選者が載せたいと思うものが載っているのでしょう。そして選者が載せたいと思う物は、読者を飽きさせないものです。(つまり来月も買ってねということ)
つまり、フォトコンと言っても、雑誌の一コーナーであり、一部分なのです。
だから、どんなにレベルの高い作品であろうと、毎月毎月M42の写真や、M31の作品が載るわけではありません。
そんなこと、当たり前じゃないかと言われそうですが、これがわかっていれば、メジャーた対象を何の工夫もなく、単に綺麗に出来ました、という理由だけで送っても入選しないのは当然のこととわかります。
編集部には毎月多くの作品が送られてきます。同じような写真がいっぱいあれば、その中から、一番レベルの高い作品が選ばれるでしょう。しかし、他にない唯一無二の作品であれば、多少レベルに問題があっても、これは載せたいと思ってもらえます。
では、そのような作品はどうすれば出来るのでしょうか? ここはその人それぞれのオリジナリティーやアイデアと思います。ですから、私がこうだ! みたいな事は言えません。人それぞれ頑張ってください。ということになります。
ただ、それでは面白くないので、次回から、私なりの作品づくりのポリシーというか、アイデアみたいなものを紹介してみたいと思います。参考になれば幸いです。
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コメント
ほんまかさんの写真を見てると、同じ空(じゃないかもしれませんが…)を撮ってるはずなのになぜ…と思わされることがしばしばです。次回の連載も楽しみにしています。実は締めくくりといいながら、まだまだ続くんですよね?(願望です)
で、立て続けに関係ないコメントばかり持ち込んで申し訳ないのですが…
自由雲台だと構図あわせにかける時間がもったいないので、前から持ってたビクセン製の微動雲台を使おうかなぁと思ったりするわけなのですが、縦位置撮影をする場合ってL型プラケットは国内で販売されてる安いやつじゃやっぱり厳しいですかね?(といってもエツミ製の3000円くらいのしか見つかりませんでしたが…)
2点目、ほんまかさんの写真の中にLPS-P2を使った画像をコンポしてあるものがありますが、一部だけ使ったのはカラーバランスの問題とかなのでしょうか?天の川が見えるような場所でもやっぱり使った方が効果ありますか?
最後に、ほんまかさんはローバスフィルター外されてるようですが、やっぱりこれって外さないと赤い星雲は厳しいですか?非改造のX3で35㎜画角で撮った白鳥座の画像でも北アメリカ星雲とか写ってるのは確認できますが、中望遠でどの程度写るのかはよく分からないので…。ネット上で非改造画像を探してると、改造しておられる方ばかりで逆に自信なくします…。
投稿: 崔亜真蒼 | 2010年9月21日 (火) 22時03分
崔亜真蒼さん、こんばんは。
この連載、もう息切れです。そろそろ、ほんとに締めます。
質問1
ベンロのLブラケットとクイックリリースがお勧めです。
http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001001199697/index.html
http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001001180960/index.html
高いですね~。と思うなら、Lブラケットくらい自作しましょう。
質問2
LPS-P2、よく見つけましたね~、「北天の分子雲」ですね。ちゃんとデータ調べているのですね。
LPS-P2を使ったのは、この対象は非常に淡いので露出時間を延ばすために使用しました。
しかし、LPS-P2は必ず色むらが出ます。北天の分子雲は相当な強調処理をすることが想定されていたので、ほんの僅かな色ムラも許されません。そこで、全部LPS-P2を使わないで、一部として、しかもR64と同じようにL成分として加算しました。
これにより事実上色ムラは出ないことになります。
ただ、実際はドーナッツ型の輝度ムラが出てしまいました。これはグラデーションマスクでせっせと修正しました。
結論から言うと、LPS-P2のような干渉フィルターは使わない方がいいですね。
ほんとはR64フィルターが最高なのですが、「北天の分子雲」はHアルファでないので、LPS-P2を使ったのです。
投稿: ほんまか | 2010年9月21日 (火) 22時36分
ローパスフィルターですが、赤外カットがあるので、Hαの写りは1/4と言われています。
私個人の意見としては、改造した方がいいですね。やっぱ、全然写りが違います。
一般写真も撮りたいなら、もう一台、天体専用機として買った方がいいです。キャノンのカメラなら一世代、二世代前でも、全然ノイズ少ないですし、あつ、でも、できればライブビューほしいですね。
中古で安く買って改造するのがいいと思いますが、金銭的な面もあるので、なんとも言えません。
天体写真って、お金かけようとすると、際限ないんでしょね。どこかで歯止めをかけないと、とんでもないことになります。その前にそもそもお金がないという歯止めがありますが、
私の場合は、スカイキャンサーという赤道儀が歯止めになっているようです。これに乗るシステムなんか高が知れていますからね。
いずれにせよ、同じ写真を撮るなら、安いシステムで撮った写真の方が価値が高いということは覚えておくといいと思います。
投稿: ほんまか | 2010年9月21日 (火) 22時51分
L型ブラケット、自分で作れりゃ世話ないですよ。そんな、技術も道具も持ち合わせてないです。いろんな機材を自作してる皆さんすごいです。たしかにBENRO製のは高いですね…。レンズに出費しちゃった今の状況ではすぐには買えないや…。やっぱり安物じゃばねになっちゃいますかねぇ。
ローバスフィルター、なるほど…1/4ですか~。改造したいなぁ…去年X3を買ったばかりなのに、さらに天体写真用のカメラを用意するような暴挙にでる金はもちろん持ち合わせていないので、たぶん本格的に働き始めて、しばらくして時間的に余裕ができたころまでお預けになると思います。ていうか今の医療環境でいつになったら暇な日とかできるのかよく分からないですが…かなわぬ夢です…。余計なこと聞きました。すみません。
R64の配合比率を変えたら少しはましになりますかね?あ…単に灰色になるだけか…う~ん…。ま、できることだけ地道にやっていきます。
投稿: 崔亜真蒼 | 2010年9月21日 (火) 23時34分
崔亜真蒼さん、まぁ、まぁそんな落ち込まないで。
崔亜真蒼さんのようなお気持ち、むしろそちらの方が多数派ですよ。
天体写真が、金に糸目をつけないおじさん達の独壇場になってしまった方が問題ですよ。あっ、これ問題発言かな?
実は、こんな状況を危惧して、「10万円で星雲星団写真撮ってフォトコン入選できるか?」みたいな企画も考えてるんですけどね。そのうちやりますよ。
投稿: ほんまか | 2010年9月22日 (水) 00時04分
いえいえ問題発言ではないと思います。誰もが思って、口に出さないだけでしょうから・・・・(^^;)
大作ご苦労様です。また、PDF化させていただき、じっくり読んで参考にさせてもらいます。(^^;)
それと、「10万円で星雲星団写真撮ってフォトコン入選できるか?」 は、大いに楽しみにして待ってます。
考えたら、私の中古Kiss D改+中古LS-12Dが該当するところでしょうね。(^^;)
投稿: 案内人 | 2010年9月22日 (水) 01時04分
案内人さん、フォローありがとうございます。
大作でもないです。なんか今回は内容が薄いです。
中古Kiss D改+中古LS-12D、いいじゃないですか。往年の銘機がデジタルでよみがえる、ぜひこのセットで入選を。
投稿: ほんまか | 2010年9月22日 (水) 17時50分
初めまして、higurasiasさんのブログでご紹介いただいて拝見させていただいております
つい最近、30年ぶりに望遠鏡で月を眺め始めた初心者です
本当に凄い技術や情報量でこれから色々と拝見させて下さいね
フォトコンに対しての考え、趣味全般に当てはまることですがまずは参加したり目標を持ったり楽しんだりこれが上達への一歩なんでしょうね
何だか凄く説得力のある言葉でした
投稿: mooncats | 2010年9月23日 (木) 10時34分
mooncatsさん、はじめまして、そして、ご訪問ありがとうございます。
月の写真に挑戦されているのですね。私は月の写真は撮らないのですが、ぜひ綺麗に撮れるように頑張ってください。
この趣味は天候次第で、フラストレーションがたまるのですが、目標をもつことで頑張れるのですね。
投稿: ほんまか | 2010年9月23日 (木) 21時26分