「めざせ10万円で入選」ガイドテスト
月が大きいのですが、晴れたのでガイドテストしてました。
検証したいことが2つほどありました。
1 MaxImDLが使えるか?
MaxImDLがSSAGに対応しているそうなので、さっそく体験版をダウンロードして試してみました。結論から言うと、まったくダメでした。まったく収束しません。過敏に反応しすぎるようです。
またこのソフトに一番期待したのはバックラッシュ時間を設定できることですが、これもほとんど無意味なことがわかりました。バックラッシュ時間というのは、あくまでも反転した場合の最大時間であって、いつも常に最大時間とは限らないからです。たとえば、バックラッシュが完全にキャンセルされない状態でさらに反転した場合は、実際のバックラッシュ時間が何秒になるかまでは分からないと思います。この状態でバックラッシュ分、修正時間が加算されたら明らかにオーバーシュートします。
2 2番目の検証は、PHDGuidingで、ガイドスタート時点からDECが発散する問題の原因追及です。
これは次のような仮説を立てています。
PHDGuidingがDECのキャリブレーションをするとき、まずN側にずらし、次にS側にずらします。もし、最初N側のバックラッシュが残っていたとすると、キャリブでまったく反応しなくなります。これでエラーが出ればよいのですが、そうではなく、ちょっとしたずれに反応して、キャリブが完了してしまいます。
この状態では、最悪、DEC+、DEC-を逆向きに解釈している可能性があります。これによりDECが発散したと思われます。
検証結果、この仮説は正しかったです。
よって、キャリブを始める前に、DECをN側に動かしておいて、あらかじめバックラッシュをキャンセルしておく必要があります。
また、ガイドスタート後、N側にずれやすいのか、S側にずれやすいのか、あらかじめ、傾向をつかんでおいて、その方向のバックラッシュをとっておくと、ガイドが安定するまでの時間を短縮できることも確かめました。
ただ、上図のように、DECのずれが大きいときは、PHDGuidingは修正信号を出しているのですが、なかなか追いつかないようです。これはわりと高度が低い場合のようです。
アルゴリズムをローパスから通常に戻すとこの問題は解消しますが、こんどはオーバーシュートの問題が出るようです。
解決策としては、ガイド途中でモータ倍速を上げるか、まだ試していませんが、ガイドカメラの露出時間を短くしてみるといいかもしれません。
結局は、
結局、ガイドで苦労しているのはバックラッシュが長いからです。4倍速では10秒以上あります。このため、MaxImDLには期待したのですが、ダメでした。
バックラッシュの問題ですが、原因は赤道儀ではありません。この赤道儀はかなり優秀です。小型の望遠鏡やカメラレンズにはちょうど良いコンパクトな赤道儀でいいと思います。問題は安物のモータです。
ただ、いろいろやっているうちに、だいたい癖も分かったきたし、PHDGuidingの動きも理解してきたので、ある程度制御できるようになってきたし、大きくずれた場合も原因がわかるようになってきました。だから、多少不安はあるものの、実用上はそれほど不便なく使えています。
今日も晴れたら、露出時間とガイド精度の関係を調べたいと思っていますが、また今度でもいいかな。
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コメント
キャリブレーションを始める前にN側にモーターを動かしておく、なるほどです。PHDは星がほとんど動かないのにエラーを出しませんから、バックラッシュが大きいモーターだとDecは大体ガイドエラーになってしまっています。ビクセンのSP時代のモーターが等速だと5秒くらいで大きいなあ、と思っていましたが4倍速で10秒は猛烈ですね・・・。
また、SXWのSTAR BOOKでキャリブレーション後にモーター速度を変更したところ見事にハンチングしました。早くしすぎたせいもあるとは思いますがどうでしょうか。
投稿: hana | 2011年5月18日 (水) 23時22分
hanaさん、こんにちは。
モータ倍速はおっしゃるように遅い方がいいですね。
しかし、バックラッシュが大きいので、遅くすると、
キャンセルに時間がかかります。
ただ、倍速を遅くして、露出時間を短くして、
修正回数を多くするようにして、今度やってみます。
露出時間を短くすると暗い星はガイドできなくなりますが、
なんとなくうまく行きそうな気がします。
投稿: ほんまか | 2011年5月19日 (木) 11時51分