BORG67FLピンボケ問題
今日は仕事もそこそこに、マルチフラットナーのバックフォーカスの最適値を探していました。大まかなテストで、300mmの印と、一番引き出した状態の2mmくらいの間に最適値があることがわかりました。
そこで、この区間を0.5mmずつ区切り、例のごとく鉄塔を撮影しました。
テスト結果は以下の通りです。鉄塔は右上隅にもってきて撮影しました。
300mmの印のところはまずいのは分かるのですが、他は微妙です。再現性がなく、良かったり悪かったり。
そこで、フルサイズ4隅、APS-C4隅それぞれ撮影して、トータルとして良い位置を探しました。
その結果、私の検証では、マルチフラットナーの最適値はここと判明しました。
ちょうど300の数字の底面が接する部分です。(BORGのHPでは引っ込めるといいような事が書いてあったのですが、逆でしたね。300の位置より伸ばさないといけなかった)
断っておきますが、バックフォーカスの調整は微妙です。これはあくまでも私の検証であって、他の人が他の機材でやって同じになるかはわかりません。
そのときの画像が以下の通りです。
まだ多少ピンボケ感が残っていますが、周辺部は最初の状態よりは良くなった気がします。これならいけそうな気がします。ただ、最終的な良し悪しはやはり星を撮影してみるまでは分かりません。(以前の画像と比べると逆に中心部分が悪くなったような気もします。ほんとに星を撮影するまでは確定的な判断はしないで下さい。)
もし、これでもダメな場合の時のためにF5.6絞りを作りました。
結果は以下の通りです。
ちょっと良くなった程度でしょうか。
いやぁ~、ほんと疲れました。とにかく微妙なんで、何度も何度も繰り返してテストしました。たまたま良かったのか、ほんとうに良いのかを見極めるため、何度も何度も繰り返しました。
先日の遠征では上の写真の300mmの印よりちょっと上側で合わせていましたが、こうして結果を見ると300mmの印よりだいぶ下でした。これだけずれていると、やはりピンボケになりますかね。でもまだ安心はできないです。だいぶずらしたので、他の収差が出る可能性もありますし、中心部分が悪くなったのも気になります。やはり最終的には星を撮影してみないとわかりません。もっと言えば、本気で星を撮影しないと評価はできません。
よく露出2分くらいの簡単画像でテストと称して星がシャープとか判断している例を見ますが、それじゃ分からないと思いますよ。収差というのは焦点を外しているわけですから、非常に淡いのです。ですから、たっぷり露出をかけ、画像処理をちゃんとして、強調処理をして始めて分かる収差もあります。今度、私が遠征できるのは1月8日です。まだだいぶ先なので、だれか星で同様の検証してくれませんかね。っていうか、メーカがやることじゃないか?これって???
補足
このブログ記事を「鳥屋さん」あたりが見たら、神経質な星屋がまた重箱の隅をつつくようなことやってるなって見えるかもしれません。まっ、そう思われても仕方がないのですが。
もしこの望遠鏡が適当に収差があってそこそこの性能なら、私はこんなもんだと思って、あきらめ、カメラレンズでも買っていたかもしれません。
でもこのBORG67FLですが、中心部分は非常にシャープで収差らしきものは見られません。周辺部にいたってもピンボケになるだけで、その他の収差は非常に少ないのです。
もし、ピンボケ問題が解決され、中心部のシャープさが周辺部まであったなら、こんな凄い光学系は私は今まで出会ったことがありません。しかも、コンパクトで軽量、そこそこ明るくて、周辺減光も少ない。まさに夢のレンズになる可能性があるんです。ようは素直にもったいないと思ったんです。
補足2
中心部分の結果も掲載します。中心はバックフォーカスには関係ないようにも見えますが。
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コメント
相当微妙な調整で苦労されましたね
FS-60CB&レデューサーと比べると、性能的どちらがよさそうでしょうか
投稿: sazabi | 2013年12月14日 (土) 00時01分
sazabiさん、この日は大気の状態も良くなかったようで、苦労しました。クリアな日にもう一度やりたいです。
FS-60CBとの比較ですが、今晩にも記事をアップします。
投稿: ほんまか | 2013年12月14日 (土) 08時26分
こんばんは。テストご苦労様です。絞りのテストも…効果薄ですか…。
良像範囲の狭さ、なまじ中心部が良いだけに悩ましいものですね。
昼間の写真だけ撮っている分には収差も「レンズの味」で片付けられる面もあるのですが、星像はそうはいきませんからね。
ボーグの中川さんだって、かつては天文雑誌に撮者として作品出されていたのですから、そのへんは承知の上で開発されているとは思うのですけど、
ボーグのフローライトシリーズはどうも中心番長で鳥屋さん向けのレンズと考えるしかないのでしょうかねぇ。
アイソン彗星向けに、ハイスピード鏡が一本欲しかったというのは解るのですが、主レンズと組み合わせる補正レンズの開発、テストが後手々々になっている感は拭えません。
メーカーにテスト結果と補正レンズの要望を出してみるのが良いのではないでしょうか。
投稿: えんどう | 2013年12月14日 (土) 19時31分
えんどうさん、こんばんは。
性能的な面は、専用フラットナーではなく汎用フラットナーなので、仕方がないかなと思います。しかも、仕様レンジ300mm~800mmの一番端で使用するわけですから。
ただ、納得いかないのは、もっと事前に調べて公表できなかったのかなと思うことです。
そうすれば、私も無駄な遠征しないですんだわけで。
要望は、出したところで、出てくるのは1年も先だとおもいますので。。。
ただ、バックフォーカスの調整で、完ぺきではないですが、前よりは良くなったので、少しは希望が持てます。
もう一回、星を撮影してみて、最終的な判断をしたいですね。
投稿: ほんまか | 2013年12月14日 (土) 22時34分