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2013年12月26日 (木)

本栖湖遠征とBORG67FLテスト結果

クリスマスイブに、本栖湖へBORG67FLのテストのため遠征してきました。

本栖湖の奥の、キャンプ場入り口付近にある登山者用駐車場に陣取りました。西側に街灯が3つあるのですが、それほど気になりませんでした。伊豆に比べると、やっぱり寒いですね。気温はマイナス3度でした。月が昇ってくるまでのわずか30分の撮影です。

機材をセッティングした後、ピント合せをしたのですが、色にじみがないためにピントの山がつかみずらいです。何回もライブビューでピントを合わせをし、その度にヘリコイドの目盛りを読みました。

その結果、だいたい半目盛り(50μ)くらいのバラつきがあったので、その中間でピントを合わせました。逆に言えば、50μくらいのズレでは大差ないとも言えます。(ピクセルに直すと2ピクセルくらいです)

最初に撮影したのが次の画像です。

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ISO3200 5分×2枚コンポ フラット補正後レベル調整で強調

右側の星が肥大しています。プレビュー画面で最初のこの画像を見た時、がっかりしたのですが、同心円状にボケてるのではなく、右側だけボケてるので、これは収差ではなく片ボケと直感しました。おそらく、鏡筒バンドの締め過ぎが原因と思われます。また全体的にピンボケです。

そこで、一度鏡筒バンドを緩め、中心ではなくやや右側でピントを合わせました。その結果がこれです。

1312242

ISO3200 5分×2枚コンポ フラット補正後レベル調整で強調

中心部と4隅のピクセル等倍画像です。

1312243

なかなかいいです。厳密に見るとまだ周辺部はちょっと肥大してるのですが、これなら十分使えます。いやぁ~苦労した甲斐がありました。

ちなみに他の領域も撮って見ました。(バラ星雲の下の方です)

1312244

さて、今回マルチフラットナーのバックフォーカスが問題となったのですが、結局ベストの位置はこの位置に決まりました。

1312245

フラットナーとカメラマウントの間に0.3mmのスペーサーを入れているので、実際はこの写真よりさらに0.3mm引き出したところということになります。300mmの線が全部出て、さらに0.5mmくらい引き出したところでしょうか。最初のテストの時より2~3mmずれていたことになります。

ただこれはあくまでも私の個体での話ですから、すべての場合でここが最適かどうかわかりません。自分で確かめてみてください。

それと、鏡筒バンドの締め付けの問題ですが、以下の点が良くないと思いました。

●ヘリコイドを挟む形で2つの鏡筒バンドがあります。これはヘリコイドに力が加わるので良くない。
●M57延長筒は肉薄なので、ここに鏡筒バンドがくるのは良くない。

帰宅後、さっそく、上の2点を改良し、このようにしました。

●フロントヘリコイド仕様にし、鏡筒バンドの外側にもってきました。
●鏡筒バンドの位置をM57ヘリコイドの根本の厚い部分と、フラットナーの部分にもってきました。

1312246 スケアリングズレに配慮した鏡筒保持方法

それにしてもBORGは微妙です。スケアリングとか気を使います。自分でいろいろ考えて調整しなといけないから、賢くなりますね。天体写真の知識や技術を深めたいなら、一度はBORGにどっぷり浸かってみるのもいいかも知れません。

さて、BORG67FLを購入して、いろいろありましたが、今までのことをまとめしてみました。

1 マルチフラットナーのバックフォーカスは、説明書の記述やBORGのブログなどを信用せず自分で調節する。私の場合は、300mmの線が全部でたところからさらに0.5mmくらい引き出した場所がベスト

2 BORGはスケアリングはかなりいい加減、カメラマウントの前にスペーサーを入れるなどして、カメラの取り付け角を変える、リングの種類を変えるなどして、ベストの位置を探す。(スケアリング調整機能付きカメラマウントがあればベスト)

3 ヘリコイドの位置はフロント部が力が加わらなくて良い。またフロントヘリコイドにしても周辺減光は悪くならない。

4 鏡筒バンドの位置は、薄い延長筒の部分にならないようにする。また、あまりきつく締めない。

5 以上の対策をしたうえで、4隅で若干ピンボケになるが、(鉄塔による測定では50~90μ程度)それほど気にならない。十分使えるレベル。

6 色収差、ハロ、色滲みはなく、他の収差もほとんどない。星の色を自然な状態で再現でき、画像処理が楽。

7 周辺減光は-15%程度で極めて少ない。

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コメント

お疲れ様でした~。
ようやく使えるレベルになってきましたね、個人的にはもう少し欲張りたいところですが、フルサイズだとこんなものでしょうかね。フラットナー込みで3群4枚の自由度では限界に近いのかもしれません。

フラットナーの目盛は私も信用していません。このタイプなら大丈夫だと思いますが、フラットナー目盛固定ネジを適当に締め付けるとそれだけでスケアリング不良になりますから、目盛調整は細心の注意が必要ですね。

投稿: hana | 2013年12月26日 (木) 21時37分

hanaさん、確かに完ぺきではないですけど、BORGにこれ以上求めるのは酷かなと思います。

フラットナーの一点締め付けは確かに問題ですね。あとヘリコイドも手で揺らすとガタガタします。この状態で、固定ねじは怖くて締め付けられません。今回はヘリコイドを挟んで、鏡筒バンドを締め付けたので、スケアリングずれが起こったと思います。

BORGは、レンズだけの性能を追求しても意味ないことをわかってほしいですね。

実はhanaさんから忠告受けた時も、BORGのこと軽く考えていました。なんとかなるだろうと。でもこんなに苦労するとは思わなかった。いい勉強になりました。

でもhanaさんのようにユーザが声をあげることも大事かもですね。71FLの専用レデューサー作るそうですよ。
やっぱ、あの青ハロはいただけませんからね。

投稿: ほんまか | 2013年12月26日 (木) 22時48分

ほんまかさん、お疲れ様です。
ようやく、67FLの良いところが出てきましたね。このフラットナーは私も持っていますが、調整が面倒であきらめました。取説に色々と書いていますが、ベストなポイントを探るのは、本当に大変にそうですね。
私もBORG鏡筒は、基本はフロントヘリコイドで撮影しています。肉薄のM57の鏡筒リングですが、2インチホルダーMやLは、M57のねじが切ってあり肉厚です。ただし余分な穴はふさぐ必要があります。

投稿: NIKON1957 | 2013年12月28日 (土) 09時46分

nikon1957さん、
フロントヘリコイドですが、これも問題が出ることが判明。
マルチフラットナーの一点固定も問題のようです。

なんかBORGを使いこなすのは辛抱さが必要ですね。

最初はこれも楽しんでいたのですが、だんだんやになってきました。

投稿: ほんまか | 2013年12月28日 (土) 21時46分

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