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2013年12月11日 (水)

BORG67FLファーストライト

伊豆遠征から帰ってきました。

一晩晴れで、風も予報に反して無風で天候は最高でした。しかし、カメラトラブルで十分な成果は得られませんでした。

11時半、現地到着。月が沈むのを待って撮影開始。最初はコーン星雲。8分12枚の予定。無事撮影終了。次に、バラ星雲を狙う。やはり8分12枚にセット。ここでトラブル発生。

カメラのシャッターが切れません。EOSユーティリティーはビジーのエラー。しまいにEOSユーティリティも起動しなくなります。そこで、自作のリモートシャッターに切り替えますが、これでも同様の症状。手でシャッターボタンを押せば、シャッターは開きますが、今度は閉じなくなってしまいます。カメラ電源を切ると戻ります。

結局、パソコンを起動しなおしたら、EOSユーティリティが正常に戻りましたので、撮影を再開できました。これだと、パソコンの問題のようですが、パソコンとは関係ないリモートシャッターでも同様ですから、カメラが壊れかけているようです。もう長いこと使っていますから。

しばらく自宅で検証作業をして、問題ないようなら、もう一度遠征で使い。もしまた再発したらEOS 6Dに買い替えようと思います。

さて、そんなトラブルでバラは6枚しか撮れませんでした。

戦意喪失なのですが、でも、よく考えたら、
私も週に一回しか休みがありませんし、しかも撮影開始ができるのは早くても11時ごろ。昔みたいに一作品に10時間もかけるほど余裕がなくなってきました。
今までは、長時間露出で超強調処理で淡い星雲をあぶりだす作風が多かったのですが、これからはそうもいきません。露出がたとえ1時間でも、それなりに見応えのある作品を作れるようにならないといけないと思い始めています。

さて、それではBORG67FLのファーストライト画像です。

67fl1

67fl2

67fl2_3
BORG67FL+マルチフラットナー+EOD5DMk2
ISO3200 8min

フラットも、ダークも、コンポもしていないない、レベル補正だけの画像です。

中心部分は非常にシャープです。色にじみもハロもありません。周辺減光も少ないです。

ただ、見てもらえればわかるとおり、周辺に行くにしたがって、星が肥大していき、周辺部は完全にピンボケです。鉄塔写真のテストで周辺部が多少ボケるのは覚悟していたのですが、やはり星だとはっきり出ますね。

67fl3

これを許容範囲という人もいるかも知れませんが、私的にはちょっとNGですね。この写真は強調処理していませんが、強調処理したらもっと顕著に出ると思います。

はっきり言ってフルサイズは厳しそうです。APS-Cもどうかな。う~ん、ちょっと残念です。

それともマルチフラットナー最適位置が違うのかな~、300mmの位置ではないとか。

さて、どうしようか。現状このシステムでは、天体写真撮る気がおきません。今後の方向性としては。

1 マルチフラットナーの最適位置をひたすら探す。
2 BORG60ED+マルチフラットナーに変える。暗いけど。
3 それならFS-60CB+フラットナーでもいいや。重いけど。
4 やっぱりカメラレンズ。EF300mmF4L。ずいぶん寄り道したけど。
5 フルサイズは小型システムに向かないや。カメラも壊れてきたので、いっそのこと、冷却CCDへ。
6 もう天体写真はやめる。

追記

そんなに星が肥大していないと思う方のために、強調した画像を貼っておきます。天体写真は必ず強調処理することを忘れないでください。

67fl4
周辺部分は星がうるさく感じると思いますが、中心部分はそれほどでもないと思います。そもそも、「星がうるさい」という表現を使いますが、これは星に収差があったり、ピンボケだったり、ガイドが甘かったため、強調処理によって、それが顕著に表れるためであり、ちゃんとした画像なら、強調処理しても星はうるさくなりません。

上の画像ですが、中心部分の赤い星雲を見てください。細部の構造がしっかり映し出されているのがわかると思います。(コンポすればもっと綺麗になる)いっぽう、左側の星雲を見てください。肥大した星によって星雲がかき乱されているのがわかります。このように星が肥大すると、星雲にも影響するんです。これではまとま作品はできません。

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コメント

こんばんは
67FLのテストをやるってんで、数日前から楽しみにしてました
フルサイズ隅の星像が良いかどうかは
光学系を選ぶ重要ポイントですよね
確かにウーンとうなりたくなる結果です

次の人柱レポートをお待ちしています
6だけは選ばないでください!

投稿: sazabi | 2013年12月11日 (水) 22時24分

sazabiさん、楽しみにしてくださりありがとうございます。見てくれてる人がいると、やる気もがぜん出ます。

でも、もう人柱はいいや。新製品は十分評判が出そろってから買うことにします。
天体写真は止めないと思うけど、今はちょっと疲れたかな。BORG67FLショックが癒えるまでしばらくかかります。

投稿: ほんまか | 2013年12月11日 (水) 23時15分

 こんばんは、テストリポート参考になります。
 そもそも望遠鏡は中心部がシャープであることが第一で、星像の平坦さや周辺減光は二の次ですから、星野向けではないのかもしれませんね。

 星野撮影はデジタル用に最適化されたカメラレンズを使うのが一番の近道かもしれませんね。私はフィルム時代の古いレンズしか持っていないのですが、キヤノンなら最新の良いレンズがけっこうありそうな…。

 そもそも対物2枚のレンズでF4.5なんて無茶すぎます。
 幸い周辺減光は少ないみたいですし、絞ってF5.6くらいにすればギリギリ実用になるのではないでしょうか?

 開放の明るいカメラレンズの方がよほど楽ちんかもしれませんが、せっかく購入されたレンズですし、諦めてしまうのはなんだかもったいないですよね~。

投稿: えんどう | 2013年12月12日 (木) 22時21分

えんどうさん、こんばんは。
眼視用の望遠鏡はそうですね。ただBORGは写真用なので、周辺も大事になってきます。

カメラレンズとの比較ですが、望遠鏡は無限遠しか使わないわけだから、本来ならカメラレンズより設計が楽でカメラレンズを上回っていなければ困りますよね。
でも最近のカメラレンズはシグマの150mmに見られるように驚異的な性能があります。
望遠鏡を作っているのは中小企業ですが、カメラレンズは大企業ですから、その差でしょうか。
望遠鏡もたまによいものが出てくると、ものすごい値段がしたりします。

投稿: ほんまか | 2013年12月12日 (木) 23時11分

キャノンに同程度のスペックのレンズとして、EF300mmF4Lがあります。
でもこのレンズ、設計がちょっと古いんですよね。だから買うの躊躇しているんです。

おっしゃるように対物レンズ2枚でF4.5は無理してますよね。でもそのためにフラットナーがあるんですが、それが今回問題になってるわけです。バックフォーカスの調整でなんとかなればよいのですが。

絞りは、実は私も考えています。最悪どうにもならなければ。おっしゃるようにF5.6まで絞ってみます。

投稿: ほんまか | 2013年12月12日 (木) 23時16分

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