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2014年2月24日 (月)

「天文屋のためのマイコン入門」新連載スタート

またまた新連載スタートです。

「天文屋のためのマイコン入門」

この連載やりたかったのです。私、マイコン関連の仕事はもう20年以上続けてまして、いちおうマイコンに関しては詳しいと思っていますので、みなさんに知識をひけらかすため、いや、お役に立っていただくためにマイコンをやさしく解説したいと思います。

扱うマイコンはPICマイコンと言われるものです。

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私、今まで4bitマイコンからPowerPCまでありとあらゆるマイコンを経験してきましたが、このPICマイコンだけはやったことがないんです。あまりにも小さすぎるのでね。

そこで自分の学習も含めてこの連載を企画しました。(なにぶん初めてやるマイコンなので何か勘違いしてたら、誰か指摘してください。)

さて、マイコンを手っ取り早く簡単に習得する方法は何かと考えると、やはり、

「余計なことは覚えない」

に尽きると思います。

天文工作に必要と思われる機能と命令だけを厳選して、コンパクトにまとめ、解説したいと思います。マイコンの命令なんか10個も覚えれば立派に使えますから。ただ、「この命令はおまじないね」みたいな解説は絶対しません。必要ならきっちり解説したいと思います。

今考えてる製作予定は、天文用としてはありきたりのものばかりです。

インターバルシャッター
ヒーターコントローラー
スッテッピングモータードライブ
LX200コマンド処理

などなど。

今日のところはこれまで。

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2014年2月23日 (日)

「理想のポタ赤を作る」ノータッチガイドの限界は

これから、ポタ赤を作るわけですけれども、ポタ赤でよく問題になるのは、ノータッチガイドで何mmの焦点距離まで撮影できる? という問題があります。

もちろん、機材の性能(とりわけピリオディックモーション)によるので一概にはいえないのですが、私個人の感想を言わせてもらいたいと思います。

私は長いこと、スカイキャンサーでノータッチガイドをしてきました。できるだけ長い焦点距離でも撮影できるようにいろいろ試してきました。(赤道儀のオーバーホールや、極軸望遠鏡の調整など) で、そういった経験を踏まえて大雑把に言わせてもらえば、ノータッチガイドの限界は、

せいぜい焦点距離150mmくらいまでで、露出時間は5分以内

大型のしっかりした赤道儀なら、もっと大丈夫でしょう。しかし、小型のポタ赤ならせいぜいこの程度というのが実感です。

ですから、よく聞く「300mmで10分露出の可能」という言葉を、とりわけメーカーサイドから聞くと、ほんとかなぁ~と思ってしまいます。

まぁ実際にできていますよと言われると、「そうですか」と答えるしかないのですが、この「可能」という言葉をもっと深く掘り下げてみる必要はあると思います。

可能とは

まず問題としたいのは成功率です。この可能というのはどのくらいの成功率でしょうか?90%? 私は成功率90%のシステムなんかとても使う気になれません。一晩で5時間撮影するとして、10%失敗するとなると30分も無駄にするわけです。貴重な遠征を30分も無駄にしたくありません。ほぼ100%でないととても使う気になれません。

可能の判断基準は?

ノータッチガイドの成功基準として、星が点像というのがあります。昔の銀塩時代ならそれでも良いでしょう。このデジタル時代でも、星が点像というだけで成功と言えるのでしょうか?星が点なら星雲はぼけてもいい?
よく、シンチレーションの影響があるから、星が数ピクセルずれても大した影響はないとか言いますが、これはほんとにそうでしょうか? ブレているのもがさらにブレるわけです。この議論は、スケアリングの問題とよく似てます。一つスケアリングの甘いところがあると他の部分はそれよりも小さいから問題にならないような、そういった議論です。

メーカサイドから「300mm10分可能」という言葉が出てくる背景には、根拠があると思います。

つまり、ピリオディックモーションがXX秒だから、可能というわけです。

しかし、10分も露出すれば、赤緯側も結構ずれてきます。

そこで条件が付きます。

「極軸をちゃんと合わせれば可能です」

しかしですね。この「ちゃんと」が難しいんですよ。そもそもその機材がそんな正確に極軸をを合わせらるような精度や構成になっているかどうかです。

私も、今まで経験してきて、ちゃんと極軸を合わせたつもりなんですが、北極星を間違えたかと思うくらいずれたことがあります。あれはなんなのでしょうかね。とにかく言うのは簡単なのですが、実際にやるのは難しいものです。

ここでまた反論が出てきます。「それは赤経回転軸と極望のレクチルの中心が合っていないからです。ちゃんと合わせればできます。」

だからそのちゃんとが難しいんですよ。その赤道儀は簡単に合わせられるような機構になっているでしょうか。

私のスカイキャンサーはレクチルの調整は3本の芋ネジでできるようになっています。しかし、これが面倒なのですよ。特にまわしすぎちゃうと、芋ネジが中に落ちちゃうんです。それで一日かけて合わせたのですが、それでも完全ではなく、ほんとはもっともっと追い込みたかったのです。

ちなみに天体写真の世界では、この「ちゃんと」という条件付がいっぱい出てきます。言葉にすると簡単なのですが、実際やるのは大変で、奥が深い。

ちゃんとピントを合わせれば
ちゃんとスケアリング調整すれば
ちゃんとガイドをすれば
ちゃんとダークを引けば
ちゃんとフラット処理すれば
ちゃんと画像処理すれば
ちゃんとカラーバランス合わせれば

だから、それが難しいんですよ。これみんなちゃんとできれば、みんなフォトコンの常連です。

だから、「ちゃんと極軸を合わせれば、300mm10分も可能」みたいな言葉をそのまま鵜呑みにするのは注意が必要というのが私の主張です。

「平均台の上をちゃんとまっすぐ走れば、落ちませんよ」

といってる様にも聞こえるのです。

さて、なんでこんな話をしたかというと、これから作る「理想のポタ赤」なんですが、スペック的なことに偏るのではなく、実際の運用を重視した、本当に使う立場になったポタ赤を作りたいということなんです。

最後に「自動導入」について少し話しを。

自動導入というのは便利そうな機能で特に初心者にはありがたいような機能に見えます。しかし、ほんとうに自動導入を使っている初心者の比率って多いのでしょうか?私にはベテランほど使用率が高いように見えます。

自動導入は簡単です。

ちゃんと、極軸をあわせて、
ちゃんと、基準星を導入して、
。。。

もし、私が初心者向けに望遠鏡を贈るとすれば、自動導入よりも、正立ファインダーと正立プリズムと低倍率広視界のアイピースをつけた望遠鏡を贈ります。

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2014年2月22日 (土)

「理想のポタ赤を作る」新連載スタート

表題の通り、新連載スタートです。

●ことのおこり

 私、いろいろ事情がありまして、あまり遠征にいけません。ここのところ、作品数がぐっと減ってしまいました。少ないチャンスでたくさんの作品を残す。それには、機材一台体制では無理で、2台、3台体制で臨むしかありません。

 そうなると、ポタ赤の必要性が出てくるのですが、市販のポタ赤を見ても、満足できるものがありません。市販のポタ赤のどこが不満足かは後々話すとして、とにかくないのなら、作るしかありません。

●それで

 といった理由でこの連載をスタートさせるわけですが、いかにも手作りのようなポタ赤は作りません。一年かけて本格的なのものを作りたいと思います。アルミ加工とかも専門業者に頼んで、最低10台は作りたいですね。2~3台は私が使って、残りはほしい人に売りたいと思います。せっかく理想のポタ赤を作るのですから、私一人で使うのはもったいないと思うのです。別に10台とはいわず、もっとたくさん作ってもいいのですが、先立つものがなければどうにもなりません。

●どんなものができるか

 どんなものになるかは、これからじょじょに公開するとして、デジタル星野写真の第一人者ほんまかが、使う人の立場にたった本当に使いやすいポタ赤を作ることをお約束します。

 とりあえず、現在決まっているのは、この小さなモーターを使うことです。

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 それではお楽しみに。

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2014年2月20日 (木)

買いました

天体写真では評判の高いEF 100mm F2.8Lマクロを購入しました。

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さそり座あたりをこれでモザイクしようと買ったのですが、いつ出番がくることやら、、、気長に待ちます。

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2014年2月17日 (月)

いまごろ完成

1月下旬に本栖湖で撮影した写真が、やっと完成しました。

わし星雲

1402171BORG67FL+1.08フラットナー EOS 5D Mark2 ISO3200
スカイキャンサー+P25+LodeStar+PHD Guiding
7分露出×20枚

忙しかったものでやっと完成しました。とても入選レベルではないので、今回は応募しません。でも、この作品とても気に入っています。

前回の遠征で出たブレの問題点などすべて解決したようです。鏡筒バンド3本による支持が良かったようです。これでやっと安定運用できる体制になりました。

BORG67FLですが、あまりシャープではないですね。でも星に色滲みがないので、処理が楽ですし、星がとても綺麗です。上を見ればキリがないので、これはこれでとても気に入っています。ただ、私の今までの奮闘振りを見れば分かるように使いこなすのは大変だと思います。miniBORGすべてにいえることですが。

さて、新連載の予告です。あるものを一年かけて作ります。今年はこれで精一杯になるでしょう。次回内容を発表しますので、お楽しみに。

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