「天文屋のためのマイコン入門」LEDを付けよう
インターバルシャッターの構成が決まったところで、実際の回路図を書きたいところですが、マイコン回路を理解する重要な2つのこと最初に書いておきたいと思います。
一つは、LEDの接続方法について、もう一つは「ハイインピーダンス状態」についてです。この2つのことを理解していれば、だいたいマイコン回路を理解できるのではないでしょうか?
今日はLEDの接続方法について説明します。マイコン(のポート)にLEDを付けて光らせる回路は簡単です。このような回路で大丈夫です。
この回路ですが、ポートの状態がデジタルの'1'の状態、あるいは'H'の状態ともいいます。この場合、ポートに電源電圧と同じ電圧がかかります。仮に5Vとします。そうするとLEDの両端に電位差が発生し、LEDが光ります。
このように、ポートの状態が'1'の時、何かがアクティブになる(今の場合LEDが光る)論理のことを正論理と言います。
出力ポートに何かを接続する場合は電流制限に十分注意する必要があります。
LEDに流す電流は通常20mAくらいです。この電流はどこから来ているかというと、図を見れば分かるとおり、ポートから流れ出しています。しかし、ポートからどれだけの電流が取り出せるのでしょうか?調べてみるとPICマイコンの場合25mA取り出せるようです。
これはマイコンの中ではかなり大きな値です。2mAくらいしか取り出せないマイコンはいっぱいあります。この25mAという値もおそらくLEDを意識していて、LEDを外付け部品なしで光らせようとするPICの設計思想だと思います。
ですから、もし電流制限に引っかかるようなら、間にトランジスタを入れたり、ドライバICを入れたりする必要があります。
もう一つ、制限があります。一つ一つのポートに25mAという制限がありますが、RAとかRBとかのポートグループごとにトータルの制限があります。たとえば16F88の場合、一つのポートグループでトータル100mAの制限があります。したがって、20mAのLEDなら5つしか接続できないことになります。(ただ後で説明するように20mAも流す必要はない)
さて、正論理のLED接続について説明したので、今度は負論理のLED接続です。この図の場合、ポートの状態が'0'、あるいは'L'あるいは0Vの時、電位差が発生し、LEDが光ります。電流の向きに注意してください。ポートに電流が流れ込んでいる状態です。ポートに電流が流れ込んでいるので、ポートの方向が入力と勘違いしてはいけません。ポートの方向と電流は関係ありません。ポートはあくまでも電圧0Vを出力しているのであって、その結果、電流が流れ込んでいるのです。
なんでわざわざ負論理の接続方法を採用するか、理由があります。マイコンの中には、ポートから電流を吐き出す場合と、流し込む場合で、電流制限に差があり、流し込む場合の方が制限値が大きい場合があるからです。(ちなみにPICの場合両方とも25mA)
さて、最後に回路図の抵抗の値を計算しておきましょう。先ほどLEDには通常20mA流すと書きましたが、最近のLEDはもっと少なくても明るく光るものがあります。また、天文用途の場合、夜間に使うので、それほど流さなくても大丈夫です。私はいつも5mAで計算しています。これだと、7セグメントLEDを全部つけても35mAなので、トータルの電流制限にも引っかかりません。
さて、抵抗値の計算です。LEDの両端の電圧は固定でだいたい2Vです。ですから、電源電圧が仮に5Vなら、LEDの両端に3Vかかります。したがって、オームの法則により、抵抗値Rは
R = 3V / 5mA = 600Ω
ということになります。ただ、電源電圧はまだ未定です。
今日はここまで。
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