「天文屋のためのマイコン入門」PICマイコンの選択
さて、さて、マイコン入門、始めましょう。
まずは、PICマイコンの機種の選択です。普通はですね。要求仕様があって、それを満たす一番低コストのマイコンを選択するのが定石ですが、学習目的ですので、毎回機種が異なるのも覚えにくいので、何かひとつ機種を決め、これで何ができるかという逆の発想でやってみたいと思います。
それで、私もいろいろ調べたのですが、16F84Aという機種が定番中の定番らしいです。これでも良いと思ったのですが、この上位互換に16F88というクロック内蔵の機種があります。クロック内蔵なら部品点数も減るので、これがいいんではないでしょうか。
ということで、16F88にきまり。
ちなみにマイコンの選択方法ですが、もっとも初歩的な決め方は、まずはポートの数です。ポートというのは後で詳しく説明しますが、今のところマイコンのピン数と思っていただいてもさほど間違えではありません。
たとえば、7セグメントLEDを使うなら、それだけで、ポートを7本も使ってしまいます。したがって、ピン数の多いマイコンを選択するようにします。
ポートの数が決まったら、必要な機能、たとえば正確な時間間隔を必要とするようなアプリケーションなら、タイマー機能が必要とか、アナログ入力が必要ならADコンバーター内蔵とか、という具合に選択していきます。
ちなみにこれが、16F88のピン機能図です。
16F88のピン数は18本ですが、2本は電源なので、ポート数は16です。(単純にピン数-2がポート数とは限りませんのあしからず)
さて、マイコンのプログラムを作ったら、それをパソコンからマイコンに書き込むためのハードが必要です。これをPICライターといいます。
PICライターには、2つの方式があります。
ひとつは、PICマイコンを基板から取り外して、ライターに挿入して書き込む方式です。プログラム開発中はプログラムの書き換えは頻繁におこります。そのたびにマイコンを基板からはずしたり、さしたりするは、考えただけでもめんどくさそうです。
一方、マイコンを基板に挿入したまま書き込む方法を「オンボード」といいます。当然オンボードの方がよさそうです。
ということで、PICマイコンと同じメーカーが出している次のPicKit3というライターを購入すればオンボードで書き込みできます。
ところがですね。この「オンボード」ですが、よくよく考えてみるとですね。プログラムを書き込むためのICのピンがですね。他の機能と独立でないんです。これはピン数の少ないPICならでは問題ですね。つまり書き込むときに、PICマイコンにつながれた他の装置と干渉するおそれがあるし、最悪その装置あるいはPICマイコンを壊します。
ですから、そのへんはよく注意して設計する必要があります。
それを考えると、最初のうちは余計なトラブルを避けるため、面倒ですが、いちいちマイコンを基板から外し、書き込みしたほうがよさそうです。
ということで、上記PicKit3に以下のマルツパーツのアダプタも一緒に購入すれば、この方式で書き込むことができます。
さて、次回からは、いよいよ、インターバルシャッターを作ってみましょう。次回はマルツパーツで必要な部品の購入です。
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