「天文屋のためのマイコン入門」インターバルシャッターの構成
少し、時間が空いてしまいましたが、インターバルシャッターについて、その構成、基本設計をしてみましょう。
ここで重要なのは、万能機能にこだわる必要はないと言うことです。たとえば、インターバルシャッターなら、露出時間が1~99分まで設定でき、インターバル時間や繰り返し回数が設定できるなどです。
こんな機能なら市販品を買えばいいのです。自作の良いところ機能を自分にとって必要なものだけに絞り、そのかわり、思いっきり使いやすくします。
たとえば、インターバル時間ですが、私はこの7年間、ずっと10秒です。ですから、インターバル時間を設定するスイッチなど必要ありません。また露出時間が10分を超えることもありません。
それでは実際に構成を考えてみますが、ここで重要なのはポートは16本しかないということです。
シャッターの信号にポートを一本使うでしょう。また、動作中であることを示すLEDでポートを一本使います。またスタート、ストップのスイッチでポートを1本使います。これだけでポートを3本使ってしまいます。残りは13本です。 インターバルシャッターで一番重要なのは、露出時間や繰り返し回数などの数値の設定方法です。良くある方法はアップスイッチとダウンスイッチで数値を設定する方法です。これでもいいのですが、使うのけっこう面倒ですよこれ。また電源を切ると前の設定は消えてしまいますし。
私が推薦したいのは、ダイヤルスイッチです。(デジタルスイッチ)
たとえばこのスイッチは1~10の値を設定できます。(正確には0~9)
ただし、ポートを4本使ってしまいます。なぜなら2の3乗は8で10通りを指定できませんが、2の4乗なら16通りを指定できるからです。(したがって、1~16を指定できるスイッチもある)
このスイッチを露出時間、インターバル時間、繰り返し回数にそれぞれ使用すれば16本のポートに納まります。
ここで、このスイッチは1~10までしか指定できないから、露出10分までしか使えないと思うのは早計です。ここが自作の良いとこです。何も1~10をそのまま露出時間に割り振る必要はまったくないということです。たとえば、2の倍数で
2,4,6,8,10。。。
と割り振れば、20分まで設定できますし、何も比例関係にする必要も、昇順に割り振る必要もまったくありません。たとえば一番良く使う露出時間を1番に割り振っても良いわけです。ここが、自作、あるいはマイコンの良いとこです。割り振りを変えたい場合はいつでもできます。
さて、このスイッチ3つの構成だと、表示機能がまったくないので、のこり露出時間も、撮影枚数も表示させることができず、実際に使用すると不便です。(実際私は以前使っていた)
そこで、7セグメントLEDを一つ付けてみます。ただし、ポートを7本も使ってしまうので、スイッチは一個だけで、インターバル時間は固定、繰り返し回数は設定できず、ストップボタンを押すまで永遠に繰り返すという仕様になってしまいます。だけと私はこれで十分と思います。この構成を採用することにします。
ちなみに、7セグメンントLEDは表示パターンが10通りあるので、論理的にはポート4本ですべて表示できるはずです。(2の4乗=16)
実際、7セグメントデコーダーというICを間に入れれば、4ポートで表示できダイヤルスイッチを一個増やすことができます。
ただ、外付け部品が増えてしまい、PICの良さがなくなるので、今回はこの構成は見送ることにします。最後余裕があれば作ってみますけど。
今日はここまで。
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