「天文屋のためのマイコン入門」ピン機能図について
ここでPIC16F88のピン機能図について少し説明しておきたいと思います。というのはピン機能図を見れば、そのマイコンのだいたいの機能がわかります。
いろんな記号がごちゃごちゃ、書いてあります。実はひとつのピンに複数の機能が割り当ててある場合はこのようにごちゃごちゃしてきます。
たとえば、1番ピンはRA2、AN2、CVref、Vref-の4つの機能が割り当ててあります。記号の意味ですが、正確にはマニュアルで調べますが、だいたい記号の相場は決まっていて、これを見る限る、このマイコンには次のような機能があることがわかります。
ポート RA0 RA1 RA2 RA3 RA4 RA5 RA6 RA7 RB0 RB1 RB2 RB3 RB4 RB5 RB6 RB7
外部割込み INT
シリアル通信 RX TX CK DT
アナログ入力 AN0 AN1 AN2 AN3 AN4 AN5 AN6 AN7
などなど
ポートというのは、マイコンとデータのやり取りをする基本的な機能で、ポートから0か1のデータ(つまり0Vか5V)を出力したり、逆にポートに0か1のデータを入力してやったりします。
ひとつのピンに複数の機能が割りついている場合は、それらの機能は同時には利用できません。たとえばシリアル通信を利用するなら、ポートのRB2やRB5などは利用できません。設計上注意してください。
また矢印が書いてありますが、この向きが重要です。主に、ポートとして使用する場合のデータの向きを表します。
●矢印が両方向の場合
このポートは双方向どちらでも設定できます。つまり、LEDでもスイッチでもどちらでもつけられます。
●矢印がマイコンから外側の向いている場合
データの向きはマイコンから外部です。つまり出力方向です。LEDはつけられますが、スイッチはつけられません。
●矢印が外側からマイコンに向いている場合
データの向きは外部からマイコンです。つまり入力方向です。スイッチはつけられますが、LEDをつけても光らすことはできません。
このマイコンの例で言えば、RA5が入力専用ポートですね。したがって、ここにLEDとか、モータとかをつけないようにします。スイッチならいいです。
また、RA7 RA6も片方の矢印ですが、これたぶん間違えですね。双方向が正しいと思います。
さて、この連載ではしばらくはポートの機能しか使用しないので、ポート以外の記号を省略してみましょう。
すっきりしました。ポートは全部で16本あるのがわかります。そしてRAという8本のグループと、RBという8本のグループがあるのがわかります。
VssとVddは電源です。
次回は、インターバルシャッターの機能設計をしてみます。
補足
ポートという言葉は、私がここで使っている意味よりももっと広い意味で使われる場合があります。たとえばシリアルポートとか、もっと厳密に言うなら、I/Oポートという言葉がいいのかもしれませんが、ポートと簡略化しています。ポートといったらIOポートのことと思ってください。
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コメント
マイコン入門いつも拝見しています。以前から疑問に思っていた事も書いてあって大変勉強になります。
最近は天候も不順で星見に行けないので、時間もありますし(苦笑)、しばらくは山より電気街巡りがメインになりそうです(^-^;
投稿: NOB | 2014年3月11日 (火) 21時35分
NOBさん、コメントありがとうございます。
前回のお返事もおくれてしまいました。
PICマイコンですが、そんな難しいものでもないので、
誰でも理解できるようにやさしく解説していきたいとおもいます。
ちょっと時間はかかりますが、じっくり本質を理解してもらうようにしたいとおもいます。
今後をお楽しみに。
投稿: ほんまか | 2014年3月11日 (火) 23時37分
天ガの最優秀賞(ぎょしゃ座)のお写真を拝見して以来,こちらのWebページも拝見しています。
まるで,トラ技に載っていそうな記事ありがとうございます。単に回路設計の知識があるばかりでなく,何がしたいか明確にされているから装置の構想や部品の選定ができるのだなと思いました。
また読みに来ます。時間作ってやってみたいとも
思いました。
投稿: なかばやし | 2014年3月19日 (水) 20時33分
なかばやし様、太古の昔からお付き合いくださりありがとうございます。
トラ技ですか、自慢じゃないですが、っていうかおもいっきり自慢ですが、トラ技やインターフェースの記事は良く依頼されて書きました。そのときの経験も踏まえて、わかりやすく解説していきたいとおもいます。
いつでもいいんで、ぜひ、時間を作って、やってみてください。
投稿: ほんまか | 2014年3月19日 (水) 23時45分