「天文屋のためのマイコン入門」プログラム作成の流れ
それでは、実際にプログラムを作成してみますが、その前に全体的な流れを説明します。
まず、プログラムを作成するために開発ツールソフトをインストールしなければなりません。このソフトはPICKit3にもCD-ROMで付属してします。なお、このソフトはMPLAB IDEといいますが、メーカーのホームページを見るとMPLAB X IDEという新しい製品に生まれ変わっています。
今回は旧製品のまま、開発を進めます。
さて、この開発ツールはMPLAB IDEといいますが、IDEとは、「統合開発環境」の略です。何が統合されているかというと、プログラムを作成して書き込むための一連のソフトウェアです。たとえば、プログラムを記述するためのエディタソフト、プログラムを翻訳して、マイコンに読ませるための数字の列に変換するアセンブラというソフト。それを書き込むためのライターソフトなどです。これらを統合したソフトウェアということです。
統合されているのは当たり前ではないかと思いますが、大昔は別々だったのです。
MPLABでプログラムを作るには次の流れに従います。
●プロジェクトの作成
プロジェクトとは、プログラムを含む、そのプログラムの開発に必要なオプションや設定など、もろもろの状態を保存したファイル群です。プログラム作成中は、このプロジェクトを保存したり、開いたりして、開発を継続していきます。
プロジェクトを開くことにより、以前の作業状態は完全に復元されます。
プロジェクトは複数のファイル群からなりますから、必ずそのプロジェクト専用のフォルダを作成し、そのフォルダの中に作成します。
一つのフォルダの中に複数のプロジェクトを作らないようにします。
●ソースファイルの登録と作成
ソースファイルとは、プログラムを記述するファイルのことを言います。ソースファイルは一つの場合もありますし、複数の場合もあります。
ソースファイルは作っただけでは、プロジェクトの一員にはなれません。ソースファイルは作成したら、前述したプロジェクトに登録する作業が必要です。
●プロジェクトのビルド
ソースファイルにプログラムを記述したら、プロジェクトをビルドします。ビルドとは、プログラムを翻訳して、誤りがないかチェックし、問題がなければ、マイコンが読み込む機械語のファイルを作成することをいいます。
誤りがある場合はエラーメッセージが出ますが、エラーメッセージからエラーの内容を把握して、原因をつきとめるのは、けっこう実力がいります。中途半端にプログラムを理解している人は、ここでつまずきます。これに関してはまた後で詳しく説明します。
●プログラムの書込み
エラーなく、プロジェクトのビルドができたなら、最後にプログラムをPICマイコン内部に書き込みます。
最後に動作を確認して終了です。
次回はMPLAB IDEの使い方を説明しますので、インストールしておいて下さい。
| 固定リンク
コメント