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2014年6月22日 (日)

よっちゃんとのトーク解説2

今日は、トークのうち、もう一つの話題、カラーバランスについて解説します。こちらの方が内容は簡単だと思います。初心者の方も容易に理解できると思います。

トークでは、まず、私が次のように切り出しています。「最近のみんなの作品はグリーンが良く出ていてうまい」

昔は、グリーンが出ていなくて、赤みががった作品が多かったということですが、たとえばこんな感じです。

1406221

天の川が全体に赤みがかっています。理由として考えられるのは、

1 改造デジカメは一般に赤かぶりになるがうまく補正できていない
2 カブリを目立たなくするため、グリーンのコントラストを下げている

で、グリーンをちゃんと出した作品が↓です。

1406222

どうでしょうか、立体感が出たと思います。この作品は星ナビの入選作品ですが、我ながらうまくできたと思います。私、昔の方がこの辺はうまかったです。

それで、私の天の川の色ととり方についても語っていますが、下図のように天の川の周辺がちょっとグリーン、またはシアンぽくなるのが私の基準です。

1406223

次にこの画像を、青をちょっと強めてみました。

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寒色系なので、透き通るような透明感が出ます。各色の役割についてわかっていただけたと思います。

ここで、注意があります。たとえばグリーンが出ているとか強いとか表現していますが、これは色の絶対的な輝度が高いと言っているわけではありません。もし、そうなら、レベル調整で、いくらでも自由にカラーをコントロールできるからです。

そうではなく色の起伏です。(色のコントラストともいう) 色のコントラストが低いと、レベル調整でどんなに色の絶対値を上げてもやはりのっぺりした画像になります。一番分かりやすいのはヒストグラムの山の幅です。もし一色でも山の細いのがあると、美しい色表現はできません。過度にカブリ補正した画像などは、このような傾向になるので要注意です。

さて、トークですが、オリオン座南部の私の作品を例にいろいろしゃべっています。その作品です。

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この作品は意図的にカラーバランスを崩してます。まず、背景はニュートラルグレーではなくグリーンを弱めにしてます。そして、赤い星雲の赤を弱めています。こうすることによって、色の重なり具合いを分かりやすく表現しています。それが功を奏してか、これも天ガに入選した作品です。

よっちゃんはこれを「GB遊び」といって、もう時代遅れと言っていましたので、そしてこの作品の場合は赤をかぶせればよいと言っていました。その通りにしてみました。

1406226

よっちゃん曰く、同じ赤でも、グリーンぽい赤もあれば、ブルーぽい赤もある、いろいろな赤があるので、十分色を表現できるとのことでした。いかがでしょうか。

さて、2回にわたってトーク解説をしましたが、トークの他の部分についてはたわいない会話なので、説明してもしょうがないでしょう。

それよりも、ほんまかは、α7sを買うのでしょうか?それが問題だ。

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コメント

 こんばんは、件のトーク拝聴致しました。
 ベテランの方の技術的な話はとても参考になります。

 カラーバランスについては、その時々の自分の感覚で色をコントロールできてしまうのが画像処理の曖昧な部分で、自分でやっていてイマイチ確信のもてない部分で困ることが
多いです。
 うちの場合はどの方角を撮っても何かしかの公害カブリがあるので、もうその補正だけでバランスがグチャグチャになってしまい、何が正しい色なのか判断がつきません。
 なので、自分の場合はヒストグラムの左を揃えるだけで、それ以上の事はしないようにしています。
 結局、色味を弄る時点で、それが写真ではなくてCGになってしまうのではないかという気がしているからです。

 もっとも、フィルム時代は何でもかんでも真っ赤な時代も長くありましたし、それだってフィルムという素材上の都合でそうなっていただけなので、必ずしも正しい色とも言えなかったのだと思います。
 が、当時は赤い星雲はきれいに「感じた」ものですから、
 写真の色味というのは正確性よりも時代のトレンドというもので変化していくものなのかなとも思います。

 難しいですね。まず、最低限人口光の影響のない環境で撮影ができれば良いのですけどね。


 アルファ7については、いくつか気になっていることがあります。
 うちにはアルファNEXが一台あるのですが、けっこうマウント径が小さく、これで本当にフルサイズをカバーできるのか? という点です。
 特に星野写真のような広角レンズでの周辺光量の問題ですね。

 もうひとつは、やはりあれだけの小型ボディなので、熱の問題です。バルブ撮影に影響しない程度に抑えられているのかどうか?

 どちらも、ソフト的に制御することは可能のような気がしますが、物理的にはちょっと苦しいような気がしています。
 どうなのでしょう?

投稿: えんどう | 2014年6月22日 (日) 23時42分

えんどうさん、書き込みありがとうございます。

カラーバランスですが、私の場合は背景ニュートラルをまず基準にしていますが、それだけではどうしても星雲や天の川の色が偏ってしまうので、そこで画像処理をして色を変えています。
ここで、主観が入ってしまいが、さすがにもとのままだと写真としては面白くないで、これもしょうがないかなと思います。

あと、星雲を強調する場合、輝度だけで強調しようとすると無理が出るので、色で、目立たせるようなこともしてます。

カラーバランスは、何が絶対的に正しいとは言えませんね。私は、画像全体で三色がなるべき均等になるようには勤めていますが。

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 09時49分

α7sですが、ミラーレスなら確かにそのような心配がありますね。
私も、誰かのレポートをまって買いたいと思ってんるんです。値段が値段ですからね。

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 09時51分

ほんまかさん、お久しぶりです。
よっチャンネルのゲストがほんまかさんだったので凄く楽しく拝聴しました。ためになるお話ばかりでありがたかったです。途中のお話をもっと聞きたくて思わず話に割り込もうとマイクに向かってしゃべってしまいました。
2回にわたる解説ありがとうございます。ほんまかさんの色や諧調に関する考え方がよく分かり勉強になります。
私はやはり最近トーンカーブは補助的に使うのみですが、やはりマスクの作り方によっては諧調ジャンプしますよね。十分にぼかしたり一度に極端な強調をしないことにより諧調の反転は防げそうだと思います。
色のお話は今自分が悩んでいる事もあり聞き入りました。緑、確かにおろそかに出来ませんね。青と赤が織り成す天体写真もその中に緑の起伏があって初めてカラーとなるのですものね。緑のコントラストが重要と言うのは納得です。
天の川は黄色が出ないと何となく平板に感じてしまいますね。これを出すにはやはり緑のコントラストですか。私は最近青のコントラスト不良だと補色である黄色もうまく出ないのではと思い一生懸命青のコントラストを見ています。よっちゃんさんが仰っていたRGB各々の単色画像を切り替えて見てコントラスト不良を見決める方法です。仰るヒストグラムの幅でも分かりますが、より直接判る気がします。

私が一番おお!となったのはコンポジットとデジタル現像のお話なんです。
ほんまかさんのやり方はまさに目からうろこでした。
一度デジ現したものはもう一度かけられないと思い込んでいたんです。眠くなるだけだと。しかしデジ現したものをさらにトーナメント式でコンポジットした場合、またかけられるんですね!このような多段デジ現方式ならより強力に淡い部分を抽出できる可能性を秘めていると感じます。その成果があのすばらしい最優秀のおうし座分子雲なのでしょうか?
あの翌年何とか同様に出したいとチャレンジしたのですが、とてもあそこまでは出なくて撃沈しました。
ぜひ次回真似させていただきます。
とても有意義なお話ばかりで凄く短い時間に感じました。ありがとうございます!

投稿: T-Fix | 2014年6月23日 (月) 16時59分

T_Fixさん、拝聴くださりありがとうございます。
画像処理とカラーバランスに関しては、私よりT_Fixさんの方が、ずっずっと上手だと思いますので、私なんぞが何か影響与えるなんてことはないと思います。
T_fixさんはもう独自の世界を築かれていると思います。
青のコントラストはT_Fixさんのおっしゃるように重要ですよね。私は、バラ星雲の中心のように、赤の中にある青がうまくできないんですよ。

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 17時27分

コンポジット法ですが、ぜひ試してみてください。
一つアドバイスするとすると、
ノイズ、カブリ、ゴミなどもものすごく強調されますので、コンポジット/デジ現の1ステップごとにこれらの補正をすることをお勧めします。特にカブリは重要で、ちょっとでもカブリの傾斜があると、ものすごく目だってしまいます。
あと、デジ現のパラメータの調整ですが、全体的に眠い感じちょうど良く、あとからコントラストを調整くらいの感じで良いと思います。

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 17時31分

またこの手法は、特に淡い対象の場合で、
普通の星雲とかは、あまり利点はないように思います。(できることはできるが面倒くさいだけ)

最後に
T_Fixさんも、よっチャンネルに出てください!

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 17時35分

コンポジット時の注意点ありがとうございます。
注意いただいた部分、よく分かります。ほんのちょっとの輝度や彩度の揺らぎを強調していくわけですからごく僅かなかぶりやムラでも許されないのはよく分かります。高品質な元画像が絶対条件ですね。また多数枚必要ですよね。梅雨が終わったらじっくりチャレンジしていきます。

よっチャンネルってまるでその場に一緒にいる気持ちになりますよね。思わず話しかけて一人赤面していました。出演される方が皆個性的ですばらしい方だからでしょう。私は何も持っていないので一度の出演で十分すぎます。熱心なリスナーが似合っています。

投稿: T-Fix | 2014年6月23日 (月) 19時02分

おっと、T_Fixさん、一度ご出演でしたね。
何度でも出てください。
濃い~話聞かせてください。

投稿: ほんまか | 2014年6月23日 (月) 22時19分

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