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2015年3月26日 (木)

テスト遠征の結果報告

24日の夜に伊豆に遠征してきました。伊豆まで行ったのに、気温はマイナス1°、寒かったです。でも空は澄んで奇麗だったです。

まずは、FS-60CBフラットナー仕様で春の銀河を次々に自動撮影するテスト。いざ、撮影を始めようと準備すると、なんとピントが出ない!

よくよく調べると、フラットナーには延長筒が必要なよう。全然知らなかった。レデューサーと同じと思っていました。仕方がないのでゾナー135mmで撮影。

計画ではレグルスで同期をとったあと、しし座トリオ、おとめ座銀河団付近、ソンブレロ、M53などを撮る計画。自動導入自体はうまくいきました。しし座トリオはご覧の通り。

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しかし、拡大してみると、星が流れています。赤緯方向に大きくずれているので、極軸を再度チェックしてみると、大きくずれていました。

実は、極軸を合わせるとき、赤緯体が逆さまになってしまうので、極軸を合わせた後に、機材を載せました。そのときずれてしまったようです。電子極軸望遠鏡ができれば、こんな失敗もなくなります。早く作ろう。

極軸を再調整して、今度はベガで同期をとり、初夏の対象を自動撮影。

最初にM13

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中心付近がかぶってます。ファインダー見口はふさいでいるので、どこから光が入ったか不明です。次はM10

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アンタレス

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有名なM8

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M17はコードが赤道儀に絡まって流れてしまいました。

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いずれも対象は中心にきています。

自動撮影の後は、オートガイダーのテストを行いました。

ガイド星自動選択はうまくいきました。ただ、優先順位の決め方は課題が残ります。キャリブレーション機能は、まったくうまくいきませんでした。これはやり直しですね。

ただ、ガイド自体は問題なかったです。作例をピクセル等倍で載せておきます。

1503262_23分オートガイド

まったく問題ないですね。

オートガイダーのテストの後は、アンタレスで同期をとり、さそり座付近を4枚モザイク。かぶりの原因が分からないので、カメラを5DMk2から6Dに変えました。

ご覧の通りです。

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赤道儀による構図移動なので東西で傾いてしまうのはしょうがないとして、まったく無駄がないですね。自動モザイクの威力です。南北方向はまったく無駄がありません。のりしろはもっと少なくても大丈夫そうです。

SS1コントローラの動作自体はまったく問題なかったですが、WiFi無線だけはちょっと不安定なとこがありました。特にiPhoneは問題が多かったです。iPhoneは受信感度も低く、5mくらい離れた車の中だと、通信ができなくなることがあります。ダッシュボード上ならOKでした。

アンドロイドやパソコンのWiFiは大丈夫でした。iPhoneはまたフリーズしてしまうなのどの問題が出てきて、まだまだ改良が必要です。

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2015年3月24日 (火)

テスト遠征

今夜は久々に遠征に行こうと思います。SS1コントローラのテストをしてきます。テストなので、遠くに行く必要はないのですが、温かい伊豆なら集中してできるでしょう。

さっそく、テストのための機材を組みました。

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メインは、FS-60CBのフラットナー仕様です。私の機材の中では長距離砲なので、プログラム撮影機能で春の銀河を次々に導入撮影する計画です。

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真ん中のゾナーはガイド鏡です。今、開発のオートガイドのテストです。カメラをセロテープで止めているのは何とも情けないですが。。。

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もう一本のゾナーは、明け方のアンタレス付近をモザイクするためです。

SS1コントローラの実践投入は初めてなので楽しみです。それでは行ってきます。

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2015年3月21日 (土)

「理想のポタ赤を作る」ガイドカメラの選定

オートガイダーの開発が着々と進んでいますが、実はまだガイドカメラが定まっていません。

スタンドアローンのオートガイダーを作るにあたって、マイコンにUSBカメラの画像を取り込めることは絶対条件です。そうすると、デバイスドライバの情報が公開されていることが必要ですが、そのようなドライバはWindows標準のドライバしかありません。

Windowsドライバ対応のUSBカメラというのはWebカメラが有名ですが、天体にも使える高感度タイプというものはほとんどなく、やっと見つけたのが以前紹介したあの小さなカメラです。

ただ、このカメラの欠点として値段が高いことです。100mmレンズとのセットでおそらく7万円くらいになります。今はやりのQHY5Lが100mmレンズとのセットで6万円で売られているのに比べれば、それほど高いわけではありませんが、やはり高いですね。

赤道儀本体の価格が20万円を超えてしまったせめてもの償いで、ガイドカメラくらいは安くしたいと思っていますし、CMOSセンサーや周辺チップの値段を知っている身としては、安くできることは明らかなんです。レンズとセットで3万円くらいにならないか検討しています。

ないなら、作るしかないですね。そこでUSBカメラを作ろうとしています。まずは入手しやすいセンサーとしてAptinaのMT9V034を選んでみました、。このセンサーはQHY5Lで使われているMT9M034の弟分みたいなセンサーで期待が持てます。

で、実はもう作って、喜び勇んで先週、行田の公園にテスト撮影に行ってきたのです。しかし、ノイズがひどい。特に輝点ノイズがひどく、星と区別できないほど。これではガイドカメラになりません。

このセンサーはあっさり撃沈でした。仕方がないので、あの小さなカメラでテスト撮影をしたのですが、けっこう性能いいです。

Test5
星のすくない北の方向ですが、露出1/2秒でけっこう写っていますし、もっとゲイン上げられそうです。

このカメラに使われているセンサーはソニーのCMOSセンサーでIMX222というものです。夜間の監視カメラなどに多く使われています。最近はソニーのCMOSは元気いいですね。毎年、倍々で感度が上がってます。裏面照射型も増えてきました。

で、このCMOSを使って、USBカメラを作ろうとしているのですが、ソニーがなかなかチップを売ってくれません。根掘り葉掘りいろいろ聞かれます。このチップを選定した理由や、2年後の購入数まで聞かれます。(そんなこと分かるか?) まぁ、ソニーの一次代理店を通す正規のルート以外にも購入ルートはあるので、買えるとは思うのですが、時間はかかりそうです。なんとか、USBカメラを作って、安く提供できればと思います。がんばります。

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2015年3月19日 (木)

「理想のポタ赤を作る」電子極軸望遠鏡モックアップ

電子極軸望遠鏡のモックアップを3Dプリンターで作りました。

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GP2に取り付けてみた感じ。

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ちなみに電源は5V USBモバイル電源です。ケースのくぼんだところにマジックテープで張り付けておけば良いと思います。

試作基板ができたら、実際にテストすることができます。

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2015年3月15日 (日)

理想のポタ赤を作る」オートーガイダーソフト作成中

ネタがないので、今日は開発中のソフトの話です。

本体のリリースが遅れているので、幸か不幸か、ソフト開発が進んでいます。オートガイダーソフトがだいぶ進んだので紹介します。

SS1コントローラは、パソコン不要のスタンドアローン・オートガイダーを内蔵する予定ですが、いきなりスタンドアローンはきついので、まずはパソコンで動作するオートガイダーソフトを作成しています。

まだ室内レベルのテストですが、いちおう動いてます。

このように、人工星を模したプリントを下げてテストしてます。

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これがガイドカメラ。小っちゃ。

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室内なので25mmレンズつけていますが、本番は100mmレンズつける予定です。

こんな感じでガイドしています。

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来週あたりには、フィールドテストできるレベルにもっていきたいです。

モーターコントローラとオートガイダーを一体化させるとメリットは大きいです。PHD-Guidingなどのオートガイド単独ソフトはガイド修正速度は恒星時に対して、0.5倍とか1倍とか2倍などの速度で修正しますが、これは、10倍から数十倍の超高速で修正出します。これだけ、速いとオーバーランを心配するかも知れませんが、大丈夫です。パルスモーターは出したパルス以上に回転することはありません。どんなにずれていても、ほぼ一発で、ガイド点に収束させることができます。何ピクセルずれたら、何パルス出せばよいか、対応がとれているからできる技で、モータコントローラとオートガイドソフトが分離しているとこうは行きません。(もういい加減、オートガイダーとモーターコントローラのインターフェースがデジタルになりませんかね?いつまでもST-4では)

また、このオートガイドはフルオートマティックにする予定です。ユーザは一切気にする必要はありません。撮影を開始すると、自動でガイド星を選択し、キャリブして、自動でガイドします。もちろん、モザイクなどで、写野が動くときは、オートガイドはいったん停止し、再度ガイドします。

次回はガイドカメラについてお話します。実は先週、ガイドカメラのテスト撮影をしてきたのです。

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2015年3月11日 (水)

ウイルスに感染してしまいました。

コンピュータウイルスのことです。

ランサムウェアという身代金要求型ウイルスです。パソコン中のすべてのデータファイル、たとえば画像ファイルとかPDFファイル、文章ファイル、ほぼすべてのデータファイルを暗号化してしまい、元に戻したければビットコインを払うように要求してきます。

ファイルを暗号化したすべてのフォルダにHELP_DECRYPTという警告ファイルを置いておきます。

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開くと、このようなメッセージが書かれています。

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これをやられるともう二度と開けません。恐ろしいです。

私は、パソコン上のデータファイルはほぼすべて、クラウドのDropboxに同期してあるので、難を逃れることができました。なぜ大丈夫だったかは後で説明します。ほんとDropboxにしておいてよかったです。Dropboxでなかったら、、、考えただけでもぞっとします。もちろん理想のポタ赤もパーになるとこでした。

ウイルスバスターのチェックには引っかからなかったです。Windowsも常にアップデートしています。JAVAは入っていないので、たぶん、AdobeFlashかAdobeReaderあたりのバージョンが古かったのを狙われたかも知れません。詳細は不明です。

ウイルス自体は、自分自身を消すので再発の恐れはないのですが、レジストリを書き換えるので、トレンドマイクロのHPに書いてあるのにしたがってレジストリを修正しました。ただ、セキュリティホールがあるのは確かなので、このパソコンをこのまま使い続けてよいかどうか。

とにかくこれほどあからさまウイルス感染は人生初めてなのでかなりショックです。

さて、Dropboxで同期をとってあったのでなぜ大丈夫だったかを説明します。Dropboxは複数のユーザが同一ファイルをアクセスしたときに競合が起きないように、競合コピーというコピーを作成します。このウイルスはファイル名もファイル日付も変えないでファイルを改変するので、Dropboxが競合と判断したのでしょう。改変されたファイルは競合コピーとして、コピーしたようで、元のファイルは無事でした。

また、競合コピーがなかったとしても、Dropboxはサーバー上に過去30日間の変更履歴をすべて保存しているので、二重に安全です。(ただし有料のプロプランに限る)

フィッシング詐欺といい、最近はほんと巧妙なので、十分注意しないといけないですね。

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2015年3月 4日 (水)

「理想のポタ赤を作る」リリース日延期&命令追加

加工業者を変えることにしました。この会社、潰れそうです。関連会社に未払いでもあるようで部材を止められています。ほんとについてない。もう信用できないので、加工業者を変えることにしました。これによりリリースですが、当初から3月末としてきましたが、1ヶ月半~2ヶ月くらい遅れる見込みです。4月の新月期は無理で5月の新月期には間に合うようにしたいです。

大変申し訳ございません。

生みの苦しみというか、畑違いのことやるってほんと難しい。

いっぽう、普通の業者の普通の価格のところに頼みますので、値段があがるのではないかと心配するかもしれませんが、ここは私の責任で、20万ちょっとの価格は変えないです。これはせめてものお詫びです。はっきり言って赤字ですが、電子ポーラーやコントローラ単体販売のほうで回収させて頂きます。すみません。

1503046回収してきた部品の一部

コントローラの組み込み命令ですが、地上のフレーミング位置を覚えておきたいという要求がありましたので、命令を追加しました。

「SS1_command.pdf」をダウンロード

これにより、地上での座標、天球上の座標を独立に覚えておくことができます。また、これらの命令を使用するのに、いちいち事前に命令を組み込んでおくのも面倒なので、スマフォ限定ですが、マニュアル操作ボタンを新設しました。

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これにより、固定、追尾合成の星景写真のほか、たとえばある対象を撮影して、別の対象を撮影してから、また先の対象を追加撮影することも容易になりました。ボタン一発で元の対象に戻ります。まぁ、普段自動導入やってればなんのことないですが、自動導入やらなくてもこれらのことができるようになることはすばらしいと思います。リリースが遅れる分、ソフトの余裕ができましたので、できる限り便利な機能を追加していきたいと思います。またご要求があれば今のうちどうぞ。

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