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2015年4月 3日 (金)

「理想のポタ赤を作る」試作機完成

大変お待たせしました。試作機がついに完成しました。これです。

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ポタ赤というより小型の赤道儀ですね。蓋は、塗装見本作成のためまだ業者にあります。まだ塗装していないので厳つく見えますが、白基調で塗装すればけっこう、かっこよくなりますよ。

コンパクトにまとまっています。ウエイトを着けたまま、このように立てられるのがポイントです。組み立てたまま運べるというコンセプトです。重い機材を載せる場合は延長シャフトをつけてウエイトを下に下ろせばいいだけです。このような心配りは長年ポタ赤を使い続けたほんまかだからこそですね。自画自賛。

もうひとつの工夫は、ガイド鏡テーブルをつけたことです。これがないとガイド鏡のためにプレートをつけたり、いろいろ工夫しないといけないので、システムが複雑になります。ただ、欠点もあって、気をつけないとぶつかります。これに関しては後で説明します。

FS-60CBを載せてみました。

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余裕で載ります。FS-60CBが小さく見えるほどです。プロミナー500や、今注目のウイリアムオプティクスの71mmを載せても大丈夫でしょう。8cm級鏡筒も大丈夫そうです。

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大きさに関しては、いろいろ議論のあるとこです。ただ、今回コストを重視し、1BOXの筐体に赤経、赤緯両方の機構を収める設計としました。このような設計にした以上、大きさは、事実上ウォームホイルの歯数で決まってしまいます。歯数は120枚ですが、歯数を20枚減らせば、縦横奥行きを1cm削ることができます。ただ、歯数100枚というのはちょっとさびしいので、ギリギリの選択ということです。また歯数120枚を切ると、極軸望遠鏡を赤経軸に内蔵なせることも難しくなります。

そう考えると、しっかりとした赤道儀を作るというコンセプトのもと、これがギリギリの大きさということになります。結果的にこれでよかったと思います。

次に、カメラレンズを載せてみました。

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電子極軸望遠鏡をつけた感じ。

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邪魔ですね~。現場で付けることになりそうです。

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モーターは両軸とも、ノンギヤードなのでバックラッシュはほぼないです。反応はすごくいいです。しかも、ノンギヤードなので安いです。今回は日本パルスモーターさんにコネがあったので安く仕入れることができました。最高導入速度は100倍です。

まだつけていませんが、明視野照明のLEDを内蔵させますので、ユーザ側で用意する必要はないです。

両軸ともベアリングを使っています。基本的な構造はタカハシを参考にしました。

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早速、FS-60CBフラットナーをつけて、近所の空き地に撮影に行きました。今日の晴れは貴重で今後1週間は曇りの予報です。

主に使い勝手を調べましたが、なかなか良好です。最近GP2を使うことが多かったのですが、やっぱりポタ赤は楽です。操作もこれくらいの大きさだと楽です。スカイキャンサーは小さいのですが、逆に操作しづらいところがあるのですが、これくらいの大きさがあると楽です。

いっぽう、マイナス評価は、ガイド鏡テーブルです。テレスコープイーストかウエストかで、ガイド鏡テーブルが上のほうに向くようにセッティングしないと、赤道儀のスタンド部分に干渉する恐れがあります。アリガタアリミゾや、アルカスイスのクイックリリースプレートみたいなものを使用しているなら、その場で逆向きにつければよいのですが、写真のように鏡筒バンド固定式で、しかも重心オフセットのついている場合は、その場で逆向きにというわけには行かないので、遠征前に十分考えて準備する必要があります。

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満月近いのですが、ISO100にして実際に撮影もしてみました。焦点距離370mmでは、さすがにノータッチは無理でした。星が斜めにずれていますが、これは極軸望遠鏡のセンター出しをまだしていないことによる赤緯軸のずれと、ピリオディックモーションによる赤経軸のずれの合成です。(縦方向のずれが極軸のずれで、横方向のずれがPMです。)

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ピリオディックモーション性能は歯数120枚なので、それほどよくありません。100mm以上はオートガイドしてください。もともとそのようなコンセプトなので。

2軸駆動の最大の利点は、前にも言いましたが、やはり構図の微調整ができることです。オートガイドや、自動導入はもちろんありがたいのですが、構図の微調整ができる。これがほんとにすばらしいことです。今までのポタ赤はここでほんとに苦労してきました。私もこれで7年も苦労してきたんです。「入選の題一歩は構図から」

「理想のポタ赤」と言いながら、唯一妥協したとこがあります。極軸調整のための水平上下微動装置がないことです。これをつけなかったことには理由があります。

まず、よくあるような、押しネジによる、水平上下の微動です。これは一番安上がりにできるのですが、私、これ大嫌いなんです。慣れている人もいるかも知れませんが、私はいつまでたっても慣れません。だからGP2で極軸合わせるときはほんと憂鬱になるんです。

自分が「理想」といっているのものに、自分の大嫌いな装置をつけるわけにはいきません。だからつけるならウォーム式と思うのですが、ただそうするとコスト的に大変高いものになってしまいます。それならいっそのことあきらめて、他社製品にゆだねるのがいいのではないかと思った次第です。

ただ、ウォームホイル式の傾斜スタンドも計画中なのでそのうち、オプションで出そうかと思ってます。

さて、テストした結果、さほど大きな問題もなくこれでいけそうなので、もうちょっとテストして量産のしたくをします。それと同時に販売の詳細発表と予約の受付もそろそろします。もうしばらくお待ちください。

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現在の私の目下の課題はオートガイドカメラをどうするかということです。先日話したソニーのCMOSセンサーなのですが、売ってくれることは売ってくれるのですが、少量だと、ぼったくり価格を提示されました。余剰在庫などを安く入手することもできるのですが、正規のルートでないと技術資料が手に入らないんです。

そこでソニーのセンサーをあきらめ、Aptinaのセンサーで探しています。いくつかサンプルを入手する準備をしています。

ところで、一からUSBカメラを作り、しかもスタンドアローンのオートガイダーを作るとなると、相当時間もかかることになります。それまでの間は、他社製カメラにPHD-Guidingなどを使ってもらうわけですが、一刻も早くSS1コントローラのオートガイドの良さを味わっていただきたいので、とりあえず、スタンドアローンは置いておいて、パソコンは必要ですが、市販のガイドカメラを使ったオートガイダーを計画中です。

候補のカメラはもう決まっていて、今サンプルを購入するため手続きをしています。このカメラだと、レンズとセットで3万円くらいで提供できそうです。赤道儀本体の価格が高くなってしまったので、ガイドカメラくらいは安くしようとがんばっています。こちらもお楽しみに。

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コメント

この時を待っていました、ついに形になりましたね!各部に工夫が凝らされており、まさに理想的なポータブル赤道儀と思えます。
ところで重量は何kg程度でしょうか?三脚と微動雲台にポタ赤を載せる予定ですが、三脚の耐荷重との兼ね合いがあるため、教えていただけると幸いです。

投稿: enif883 | 2015年4月 3日 (金) 19時07分

とうとう形になりましたねぇ
おめでとうございます!
完成を心待ちにしていた酔狂な皆さんも嬉しいでしょうが、ほんまかさんが一番嬉しいのではないでしょうか

最近三峰ヘリポートで初めて夏の天の川を撮ることができ感激していた自分ですが、中望遠以上ではアストロトレーサーの限界をヒシヒシと感じつつあります
なので「理想のポタ赤」で、どんな宇宙(そら)が撮れるのかが非常に楽しみです

WilliamOptics、巷ではWOStar71が評判良いようですが自分は80mmのGT81(3.7kg)+PENTAX K-5Ⅱs(760g)の組み合わせで運用しようと思っているのですが大丈夫でしょうか?

あ、あと余談ですが塗装無い方がカッコ良いと思うのは自分だけ?

投稿: KEN | 2015年4月 3日 (金) 22時11分

試作機完成おめでとうございます。
画像拝見すると意外と大きさあったんですね。

気になったところを質問させていただきます。
SS-oneのマウント部分はどうなっているのでしょうか?
enif883さんも質問されている重量も気になるところです。軽量三脚では頼りないかもですね。

投稿: RYO | 2015年4月 3日 (金) 23時22分

enif883さん、遅れてしまって大変すみません。実はいくつかの部品に加工ミスがあって、今は応急処置をしています。使えない状態ではないのですが、これらの部品の再加工をお願いしているところで、それでき次第、お渡しできる状況です。
重さですが、こんどちゃんと計ってみますが、たぶん3.5k~4kぐらいと思います。それプラス機材の重さ、ウエイトの重さになります。

投稿: ほんまか | 2015年4月 3日 (金) 23時40分

KENさん、
ほんと嬉しいですよ。この一年こればっかでしたから、何度も設計変更し、破産業者に当たってしまったり、紆余曲折の上の完成ですからね。
アストロトレーサーで、中望遠とは、がんばりますね。やっぱ、赤道儀は必須でしょう。

WOの8cmですか。WOの鏡筒は重いからなぁ。どうかな。まぁ、使えないことはないですが、重ければ重いほど寿命は減りますよね。

塗装に関しては、まったくこれは好みですね。塗装するにしてもどの色がいいか、これに関しては、私のまったく個人的な好みで決めさせていただきます。もし気に入らなかったらごめんなさいです。

投稿: ほんまか | 2015年4月 3日 (金) 23時50分

RYOさん、ありがとうございます。
私も最初見たとき、大きいいなと思いました。
ただ記事にも書いたとおり、いろいろ考慮すると、これが最小の大きさになるんですね。

マウント部分ですが、鏡筒取り付け部分は、M8×2(35mm冠間隔)つまりタカハシ規格です。いろいろなとこで販売されているビクセンのアリミゾを付けられます。
また、下部の三脚取り付け部分ですが、中心に3/8インチのカメラネジ(いわゆる大ネジ)があり、その両隣に、1/4インチの小ネジがあいてます。

投稿: ほんまか | 2015年4月 3日 (金) 23時58分

続き。

重量がウエイト抜きで3~4Kあります。こんど正確に測ってみます。
もちろん、小型の三脚では無理です。しっかりした大型三脚を使用してください。

投稿: ほんまか | 2015年4月 4日 (土) 00時00分

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