« 「理想のポタ赤を作る」電子極軸望遠鏡の試作機ができました | トップページ | 「理想のポタ赤を作る」いよいよ明日 »

2015年4月22日 (水)

「理想のポタ赤を作る」湯沢テスト遠征

昨晩は、だめもとで湯沢まで遠征してきました。

到着すると、よく晴れていました。結局朝まで快晴で、久々に夏の天の川を堪能しました。さそり座が撮りごろで、じっくり狙いたい誘惑にかられますが、ここは我慢してテストに専念します。

最初のテストは電子極軸望遠鏡です。

1504221
北極星を導入したところ、分かりますか?

1504222
これが、時角円。

1504223
さて、電子極軸望遠鏡ですが、使ってみて、問題点がいくつか出てきました。

1 まず、最初の問題点は液晶が明るすぎです。北極星を見ながらの導入時にこの明るさは邪魔です。この問題は、液晶のバックライトをPWM制御して明るさをコントロールできるように改善します。

2 次の問題点は、視角度です。安物の液晶なので、画面に直角に見ないと、星の明るさが減光してしまいます。見えなくなることはないのですが、30度以上の傾きで見ると、星が分かりずらくなります。

この問題の解決は、液晶部を角度可変に動かせるようにすることですが、ケース代が高くつくので、実現はできなさそうです。

3 それと、一番の問題は、北極星の導入が難しいことです。センサーがついているのですが、地点登録していないと、あまりあてになりません。地点登録してなんとか、少し動かすだけで導入できる程度です。一発導入は難しいです。

現在、25mmのレンズをつけているのですが、写野角が短辺で4°しかありません。4°で一発導入ってけっこう難しいです。レンズを16mmまたは12mmに落としてみようと思います。この場合、写野角は短辺で、6°、8°になるので、普通の極軸望遠鏡と同程度になるで、かなり容易になると思います。

ただ、広角にすると、GP2の場合、4隅がけられます。SS1は問題ないです。また広角にすると当然ですが、精度が落ちます。ただ、導入できなければ意味ないので、この際、精度は多少我慢です。(それでも普通の極軸望遠鏡よりはいいと思います。)

導入に関しては多少問題がありましたが、一度、導入してしまえば、後はすごく楽でしかも正確です。特に撮影中、なんども極軸を再設定しても苦になりません。時角円は時間とともに動くので、なんど再調整して苦になりません。ポタ赤の極軸は撮影中ずれやすいので、ノータッチ派にはぜひお勧めしたいですね。

極軸望遠鏡のテストの後は、オートガイドのテストです。ガイドカメラタイプA、タイプBをそれぞれPHD2とSS1オートガイダーでテストしました。

これは、ガイドカメラタイプA+PHD2の組み合わせです。

15042242

このカメラ、星は良く写るのですが、写真のように画像が硬調すぎて、白黒2値画像のようで、星がまるで絵のようです。カメラパラメータを調整しても、直りません。ただ、ガイド上はこれで何か問題が出るかといえば出ないです。

また、PHD2ですが、突然ガイドが乱れることがあるのですが、原因不明です。ただ、写真に影響がでるレベルの乱れではありません。たぶん、デフォルトのままのパラメーターでやってるのが悪いのでしょう。

次は、ガイドカメラA+SS1オートガイダーの組み合わせです。画像はやはり硬調のまま。ガイドグラフを見ていただければ分かるように、ガイドは完璧です。ガイド星の面積が大きいからでしょう。ガイド星は大きければ大きいほど精度は良くなります。

1504225
ガイドカメラタイプBの方もテストしました。タイプBの唯一の利点は将来スタンドアローンに対応できることですが、まだまだ問題があって、かなり時間がかかりそうです。(コントローラICを変えてみようと思ってます)

さて、延々とテストしてましたが、せっかく湯沢まで来たのだから、何かまともに撮ろうと思い、コントローラのプログラムに北アメリカ2枚モザイクのプログラムがあることを思いだしました。そこで、北アメリカを撮ってみることに。

1504226

???失敗しました。南北を間違えました。北アメリカの下を撮るつもりが上にを撮ってしまいました。

実は、鏡筒を取り付けるとき、いつもとは逆向きにつけたのです。逆向きであることは知ってはいたのですが、この場合、テレスコープイーストとウエストの切り替えスイッチを逆に解釈するか、あるいは、コントローラでDECの回転方向を逆向きに設定するかのどちらかが必要なのですが、どちらもしなかったため、このような結果に。

このような失敗をなくす為に、SS1コントローラはテストモードがあります。テストモードでプログラム撮影を開始すると、写真は撮らないで、動作だけします。しかも動作が終了したら、ちゃんと元の位置に戻します。それさえもしなかったため、このような結果に。

ただ、北アメリカの北側の暗黒帯はこれはこれで良い被写体です。

最後に三脚アジャスターの使い勝手です。北極星の導入は雲台なので早いです。ただ、やはり水平微動がないので、水平方向はつらいですね。雲台の水平軸のクランプを締めると星が動いてしまいます。それを見越してクランプを締めてやる必要があります。上下方向の微動はスムーズです。それほど大変というわけでもないので、取り合えずの方法としてはいいかも。

|

« 「理想のポタ赤を作る」電子極軸望遠鏡の試作機ができました | トップページ | 「理想のポタ赤を作る」いよいよ明日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「理想のポタ赤を作る」電子極軸望遠鏡の試作機ができました | トップページ | 「理想のポタ赤を作る」いよいよ明日 »