スタンドアローンオートガイダーの概要
お待たせしました。スタンドアローンオートガイダーの概要の発表です。やっと発表できるレベルになりました。
まずは形。これです。
クレジットカードサイズ。これは試作機なので厚みがありますが、実機はこの半分くらいの厚さ。胸のポケットにすっと入るくらいの感じです。
オートガイド中の画面です。スタンドアローンオートガイダーの画面はちゃちいものが多いのですが、iPhone3と同じ解像度の画面です。星がちゃんと写ってるの見ると安心しますね。
なお、ガイド信号は、SS-oneコントローラとRS232C接続になります。あと、SS-oneユーザ以外の方のためにST-4ガイドポートもつけますが、実際にいつ対応するかは未定です。
さて、これだけだと、単なるオートガイダーですが、ここからがすごい。
まずは、デジカメとUSB接続し、デジカメをコントロールできます。
シャッター、露出、ISO感度、絞り、焦点などを設定できます。普通のインターバルタイマーの場合は、同じ条件で撮影を繰り返すだけですが、このコントローラの場合、ISO感度や絞りを変えながらのインターバル撮影もできます。
さらに、撮影した画像はダウンロードして、撮影中に見ることができます。撮影中に画像を確認できるのは安心できますね。
さて、この画像ダウンロード機能を使って、フォーカスエイドができます。
ピントを変えながら、連続撮影し、星を拡大表示します。星はユーザが設定したサイズの最小値と最大値の範囲にある星を自動選別し、400%に拡大表示します。
ピントの変え方は、次の3通りがあります。
1 オートフォーカスレンズ(自動)
2 手動
3 電動フォーカーサー(自動)
1と2は分かりますね。3の電動フォーカサーですが、パルスモーター用にパルス信号を出しますので、工作のできる人は自分で作ってください。もちろん、作例はこのブログで紹介します。市販のフォーカサーを改造してもいいですね。
天体写真もどんどん高解像度化してますからね。これからの天体写真はピントが命です。
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さて、まだまだ続きます。WiFiアダプタをつければ、スマフォからも制御できます。
車の中からの完全制御も夢でないです。
さらに、さらに、タカハシ赤道儀対応の電子極軸望遠鏡の表示もこいつを使う予定です。
つまり、これは
1 スタンドアローンオートガイダー
2 カメラ制御
3 フォーカスエイド
4 電子極軸望遠鏡
の一台4役なんです。
すごいですね。
さらに、さらに、モーターをコントロールするためのパルス信号を3チャンネルだし、すべての仕様を公開しますので、これだけで、モータードライバーができてしまいます。オートがイーダー付きのモータードライバーです。自作派の方へのサポートも欠かしません。
もう分かる人は分かってると思いますが、これだけ高機能にできるのは、LinuxというOSを搭載してるボードを使っているからです。Linuxボードは最近安くなってきて、ますます重要性が増してきました。これもそのうち紹介したいと思います。
さて、完成時期ですが、とりあえず、SS-oneユーザ向けに、今年中にはと思っていましたが、よくよく考えると、もう3ヶ月しかないんですね。でも頑張ってやります。
値段は、カメラ込みで5万円ちょっとくらいの予定です。高いですかね? SS-oneユーザでタイプAをお持ちの方は割引あります。しかし、これだけ高機能で、M-GENよりは安いですからね。納得はしてもらえると思います。(電子極軸望遠鏡だけのセットはもっと安くなります)
それでは、続報をお楽しみに
追記
ディザーガイドや、SS-oneのプログラム撮影との連動はもちろん対応します。
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コメント
本当にすごいですね。1台4役とは、すごいとしか言いようがないです…。実は今赤道儀のモータードライブを作ろうと思っていたので、すごく魅力的です。
投稿: ブンブン | 2015年9月20日 (日) 10時05分
待ちに待った最新情報を公開していただきまして、ありがとうございました。SS-oneポーラーに続いて、これも極めて実用的な便利ツールになりそうで楽しみです。
先日もメインとSS-oneの2台体制で直焦撮影したのですが、SS-oneはセッティングや撤収が楽です。微動装置やスタンドアローン等を追加したら、鬼に金棒です。
SS-oneを買って良かった!
投稿: あぶさん | 2015年9月20日 (日) 10時41分
ブンブンさん、ありがとうございます。
本機のモーターを付けて、モータードライブにする例はハードが完成しだい、ブログにて紹介したいと思います。
投稿: ほんまか | 2015年9月20日 (日) 19時27分
あぶさん、
「買ってよかった」という言葉は開発者として嬉しいですね。
SS-oneはまだ完成途中です。これからもどんどん進化します。ソフトも常に更新しますし、どんどん良くしていきたですね。
投稿: ほんまか | 2015年9月20日 (日) 19時28分
いえ、こちらこそ有り難いです。この高機能が5万円ちょっとですから。何百台とか量産したらすごいことになりそうですね(笑)ところで、ガイドカメラの感度はどうですか?
投稿: ブンブン | 2015年9月20日 (日) 20時57分
試作機はRasPiのように見えます。厚さが半分になるとだいぶコンパクトですね。
フォーカスエイド出来ちゃうのが個人的に魅力です。
SS-oneの理想まであと少しでしょうか。
しかし5万越え....。機能からすると仕方ないんでしょうね。
投稿: RYO | 2015年9月20日 (日) 22時42分
いよいよスタンドアローンのガイダーまで出てきましたね。しかも拡大してピントの確認までできてしまうとは、できるだけ遠征先でPCを使いたくない僕としては、欲しい機能でした。ディザリングなどにも対応しているとのことで、本当に高機能。まさにAll in one、ですね。
価格は、ちょうどカメラをα7sから5Dmk2に変えたので、その差額で何とか賄えそうです。これだけ機能があって5万ちょっとなら、僕は十分納得できます。
投稿: enif883 | 2015年9月20日 (日) 23時06分
ブンブンさん、
実はカメラもまだ開発途中で、最終的は評価はできないでいます。いちおう星は写ってます。センサーはスペック上は、ToupTekやQHYのカメラよりはいいので、期待はもてます。
投稿: ほんまか | 2015年9月21日 (月) 09時56分
TYOさん、
正解です。これはRasPiです。
量産機もコストを考えると、RasPiでいきたいです。
フォーカスエイドは私もほしい機能です。FS-60CBのようにF値が大きく、収差が少ないレンズは、ライブビューだけではどこでピントが合ってるかはっきりしないです。実写すれば確実ですからね。
5万円超えは申し訳ないの一言ですね。最小構成でもこれくらいの値段になってしまいます。私としては、この値段で十分納得して頂くよう機能を追加するしかないです。
投稿: ほんまか | 2015年9月21日 (月) 10時01分
enif883さん、ありがとうございます。
アルファ7sの件は残念でしたね。
小さくて軽量でよかったですけどね。天文用としては、ちょっとですね。
5DMk2は私も使っていますが、6Dに比べてそう劣らないので、長く使えると思います。
ガイダーの方は頑張りますので、できれば早い段階で渡しますので、またテストして頂きたいです。
投稿: ほんまか | 2015年9月21日 (月) 10時04分
ほんまかさん 凄いな!
ファームエンジニアの集中力爆発って感じですね。
RasPiにPICにSHまで使いこなしてアッと言う間に作って
しまいましたね。イヤほんとにすごいですよ。
頑張って下さい!
投稿: ☆男(hoshiotoko) | 2015年9月23日 (水) 16時31分
☆男さん、こんにちは。
2回目ですね。
私が今まで仕事でやってきたことの応用なので、
そんなに凄いことでもないんですが。
今後も応援よろしくお願いします。
投稿: ほんまか | 2015年9月23日 (水) 18時54分
Raspberry Piを活用したオートガイダーは考えたことがあったので大変楽しみです。
DD-3でも利用可能でしょうか?
1軸ガイドも可能でしょうか?
ドリフト法による極軸調整は想定していますでしょうか?
質問ばかりですいません。期待が大きすぎますw
投稿: ぽるん | 2015年9月27日 (日) 19時58分
ぽるんさん、始めまして?
ご質問にお答えします。
>DD-3でも利用可能でしょうか?
可能です。
>1軸ガイドも可能でしょうか?
可能です。
ただし、ガイドしない軸が4ピクセル以上ずれると
ガイド不能になります。
>ドリフト法による極軸調整は想定していますでしょうか?
想定していませんでしたが、今言われて、
あっ、あれば便利だと思うのでつけます。
期待が大きいのはけっこうです。
ご要望がある場合は早めに言ってもらった方が助かります。あとになると、やりたくてもできなくなります。
投稿: ほんまか | 2015年9月28日 (月) 00時18分
ほんまかさん、初めましてです^^
いつもblogを拝見させていただいていたのでこちらは存じ上げている感覚でした、、失礼しました。。
以下、要望です。
1軸のガイドずれ時の振る舞いで、シャッター停止/継続が選べると嬉しいです。
思い付きですが、ピリオディックモーション撮影モードなんてどうでしょう?
ディザリングは対応する予定だと思いますが、1軸ディザリングも可能でしたら対応をお願いしたいです。
画面表示は夜間モード(赤色モード)はあるのでしょうか?
今後の動向がめっちゃ楽しみです!
投稿: ぽるん | 2015年9月28日 (月) 23時09分
ぽるんさん、ご質問にお答えします。
>1軸のガイドずれ時の振る舞いで、シャッター停止/継続が選べると嬉しいです。
1軸でも2軸でもガイド不能になった場合は、ユーザ選択によって動作を選べるようになってします。
>思い付きですが、ピリオディックモーション撮影モードなんてどうでしょう?
これは、具体的にどのような動作をするのですか?
>ディザリングは対応する予定だと思いますが、1軸ディザリングも可能でしたら対応をお願いしたいです。
通常にディザリングでも1軸対応できます。
>画面表示は夜間モード(赤色モード)はあるのでしょうか?
赤色モードはありませんが、LCDのバックライトを
通常の1/10にしてまぶしくないようにします。
投稿: ほんまか | 2015年9月29日 (火) 11時18分
ほんまかさん、回答ありがとうございます!
>>思い付きですが、ピリオディックモーション撮影モードなんてどうでしょう?
>これは、具体的にどのような動作をするのですか?
ガイドとシャッターがコントロールでき、Raspberry Piで画像処理できることを活用するものです。
【前提】
極軸を合わせた後、極軸を水平にずらす。
天の赤道付近で撮影開始する。
時間(例)/シャッター状態/ガイド状態/画像枚数
10秒/Open/停止/1枚目
10秒/Close/追尾
任意(2~3周期分)/Open/追尾/2枚目
10秒/Close/追尾
10秒/Open/停止/3枚目
これらを画像ダウンロード機能で取得し、比較明合成して表示する。(保存も可能)
あんまり意味ないですかねー
投稿: ぽるん | 2015年9月29日 (火) 23時15分
ぽるんさん、
ピリオディックモーションを撮影する方法ですね。
たまにしかやらないことだから、わざわざ自動化することのほどでもないですね。
投稿: ほんまか | 2015年9月30日 (水) 23時59分
ほんまかさん、承知しました。
回答ありがとうございます!
ドリフト法による極軸調整については、極軸をどのように調整したら良いか(高度、方位角)、わかりやすく表示されるとうれしいです。
投稿: ぽるん | 2015年10月 4日 (日) 00時27分
はじめまして。
ちょくちょく参考にさせていただいてます。
Raspberry Pi2で実際にスタンドアロンガイドやってます。
lin_guider+DSLRコントロールをWifi経由でタブレットにて操作してます。
経緯台と完全にワイヤレス化できますよ。
こちらのオートガイダーはオリジナルのようですが、興味アリなのでレビューなどあれば助かります(^^)
投稿: のりきゅう | 2015年10月 6日 (火) 01時01分
のりきゅうさん、始めまして。
lin_guiderやopenPHDは、小さな液晶画面に最適化されていないことや、SS-oneの場合、モーターを直接コントロールしたり、プログラム撮影と連動させなければならないので、オリジナルでやってます。
もちろん、完成したらレビューもやりますし、ソースや拡張基板などの配布も行います。
投稿: ほんまか | 2015年10月 6日 (火) 10時49分