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2015年9月26日 (土)

ポタ赤あれこれ

中国からの部品がなかなか、こないので作業が滞っています。天気も悪いので、テストにも行けず。今日はポタ赤について思うことをあれこれ、書いてみようと思います。特に話の趣旨はないです。

ポタ赤といっても、コンセプトはいろいろあり、広角レンズ用の小さいポタ赤、望遠鏡も載せられる大きいポタ赤。SS-oneはもちろん、大きい方です。あまりに大きいので、ポタ赤とは言えないかもしれませんが、名称はともかく、持ち運びにコンパクトで、セッティングが容易になるように設計したつもりです。

SS-oneがこの大きさになったのは500mmでも安定したガイドができることを目指したからです。なぜ、500mmか? 理由があります。

星雲星団の写真を撮り始めると、だいたい500mmくらいまで焦点距離伸ばしたくなるものです。このくらいなら画面にそれなりの大きさで星雲星団が写ります。よく200mm~300mmくらいで良いという人がいますが、フルサイズならM31を写しても、豆粒のようで、これで満足はなかなかできないものです。そこでさらに焦点距離を伸ばそうとするのですが、ここで、新たな赤道儀でシステム組むか、従来の赤道儀でそのまま行こうか、分かれるところになります。SS-oneは後者の方を選択をしたわけです。

いっぽう、ポタ赤に小ささや、軽さを重視する人が居ます。徒歩で移動したり、登山のお供にしたり、あるいは星景写真であちこち撮影場所を変える人には重要な要素と思います。

ただ、車で移動し、その場で設営する場合、なぜそれほどまでに小型軽量にこだわるのか、私には理解できません。まぁ、理解できなくてもいいのすが、それなりの需要があるのは事実なので、私も小型のポタ赤について、あれこれ考えています。

小型のポタ赤の場合、まぁせいぜい焦点距離100mmくらいまでのカメラレンズが適用範囲かと思います。しかし、実際には200mmくらいまで追尾できたら嬉しいです。(実際には200mmでも満足しないと思いますが)

そこで重要になってくるのが、追尾性能です。

なんか「ポタ赤=追尾性能比較」みたいな図式も感じられます。一番、注目されるのが、ピリオディックモーション。

ただ、ポタ赤のほんとうの追尾能力は、三脚や雲台などもすべてを含めたトータルな性能として評価するべきで、ある一点だけ良いからといって安心できるものでもないです。ポラリエはピリオディックは良さそうですが、貧弱な三脚に載せたんじゃ、その性能を発揮できません。

私は、ピリオディック性能以上に、重要な要素は極軸の精度だと思います。

まず、容易に極軸をだせる赤道儀かどうかです。ただの通し穴では、200mmで長時間露光は難しいです。

あと、極軸望遠鏡の光軸と赤経軸の回転軸を一致させる、いわゆるセンター出しの精度と容易さです。

私は、極軸望遠鏡が外付けの場合、それほど精度良くセンター出しができるとはおもわないのですが、実のところどうなんでしょう?

仮に、合わせられたとしても、それは赤経軸の粗動回転軸の中心であって、微動回転軸の中心ではありません。

これはあまり注目されないのですが、赤道儀の粗動回転軸と微動回転軸は必ずしも正確に一致してません。EM-200のようなちゃんとした赤道儀なら、かなりの精度で一致してると思いますが、しかし、赤経軸が短いポタ赤はだいぶずれているのではないかと思います。SS-oneも正直自信がありません。

そう考えると、一番確かなのは、実際の星の動きで極軸を合わせる方法でなないでしょうか。ドリフト法でしたっけ?

ただ、これで合わせたとしても、小型のシステムの場合は、一度構図合わせをすると、一発で極軸がずれます。(どれだけずれるかはシステム全体の強度にかかってきますが)

そう考えると、小型のシステムで正確に極軸を合わせるのは無理とは言いませんが、かなりいろんなことに気を使わないと実現できないような気がします。

私は、ピリオディックモーションや、極軸精度を考えると、小型システムほどオートガイドを取り入れた方がいいような気ます。

むしろ、ノータッチやりたいなら大きな赤道儀を使うべきです。

とは言え、オートガイドの負担はかなり大きなものがあります。一番の負担はパソコンの導入と思います。タブレットの普及で、以前よりはパソコンの負担は軽減しましたが、それでもまだいやなものです。

そういった意味では、スタンドアローンオートガイダーの開発は重要性が高いのではないかと思います。オートガイドがもっと身近になれば、小型システムでもどんどん使われるのではないかと。

ピリオディックモーション性能や極軸性能はあきらめ、そのかわり小型で負担にならないオートガイダー内蔵みたいな小型ポタ赤があったら、それはそれでいいなと思うこのごろです。(それを作るとは言ってないです。あくまで妄想です)

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コメント

妄想だとはいえ、そんなことを聞くと、作りたくなります…そんなことができるほどの技術がないのが残念ですけどね(笑)

投稿: ブンブン | 2015年9月26日 (土) 19時56分

私は車の免許を持たずポタ赤に色々と無茶をさせていますが、ポタ赤に精度があることの一番のメリットは「それぞれのポタ赤に、別々の被写体を、安心して任せられること」ことではないかと思っています。

段ボール一箱に3~4セットのポタ赤や撮影機材や三脚等を詰め込み、宿泊先に宅急便で送り、現地で望遠・中望遠・標準~広角を一気に撮っています。
(最近、クロネコ便では25kgまでという制限があることを知りました(笑))

「淡いのが好き」という性分から、後で炙り出せるように大量にコンポジットする派なので、1つの機材で撮れる被写体は、一晩で多くて3~4個程度です。

ここ2~3年の晴れに恵まれない天候下で、たまの家族旅行の夜の部(笑)で1年遊べるだけの画像を得るのに、ポタ赤多数を同時展開する「サテライト方式」は非常に有効だと思います。

こういう方法論ならば、車を利用する人にも「精度の高いポタ赤」はメリットがあるのではないでしょうか。


外付け極望も、ちゃんとスケール中央が対物レンズの焦点位置に来ている極望を、赤経軸(微動軸)に対して垂直に固定できる構造の赤道儀に付けていれば、2時間余追尾させて赤緯方向に10秒角しかズレないことが確認できました。
http://simhuq.sytes.net/astro/kisei/SWAT-350/SWAT-350_NoTouchGuide.png

私も広角以外はオートガイドありき、と考えていたのですが、この結果を得てから、少し撮り方が変わりました。

f=200mm程度までは、多少重くても精度の良いポタ赤に完全に任せっきりにし、
f=300mm以上の望遠は、多少精度の悪いポタ赤にオートガイドを付けて一晩中その状態を監視し続ける、という撮り方です。

全ポタ赤でオートガイドさせていると、これまで監視の目が行き届かなくなることがありましたが、この方法に変えてから、集中すべきは1セットだけとなり、一晩の撮影が非常に楽になりました。

投稿: HUQ | 2015年9月26日 (土) 21時22分

ブンブンさん、
作ってくださいよ。
私は、ちょっと無理。
でもあればいいな。

投稿: ほんまか | 2015年9月26日 (土) 21時40分

HUQさん、始めまして。
今のポタ赤をとりまく環境だと、200mm以下はノータタッチというHUQさんの使い方は、とても合理的だし、私もそう思います。

ただ、もしですよ。カメラもレンズもとても小さくて、ポタ赤のちょっとした隙間に内蔵できるオートガイダーがあって、スイッチ一発でオートガイドをはじめ、監視する必要もないくらいエラーを起こさず、かりにエラーを起こしてもスマフォに知らせてくれる。オートガイドしているのも忘れるくらいスマートなオートガイダーがあるのなら、わざわざ、ノータッチする必要はないのでは、ないでしょうか。
そのようなオートガイダーがないから、仕方がなくノータチをしているのではないでしょうか。

投稿: ほんまか | 2015年9月26日 (土) 21時46分

そう。そうなんですよ。
ちっちゃくて、撮影機材重量を減らす必要がなく、なにより「ワイヤレスな」オートガイド環境があれば、最高だと思います。

私がオートガイドで一番イヤなのは、ワイヤーの「うどん地獄(笑)」です。
http://simhuq.sytes.net/astro/uni/KIMG0169.JPG

この有様、オートガイダーが主犯だ、とは言いませんが、電源線は諦めるとしても、せめて通信線だけでも全てワイヤレス化、もしくは配線がちっちゃくまとまっていてほしいものです。

そんなわけで最近は、Intel Computer Stick をガイダーに直接結束し、VNC経由でスマホから操作する、という方向で実験を始めています。
http://simhuq.sytes.net/astro/higlasi/2015-09-26_06-48-22_D4.jpg
http://simhuq.sytes.net/astro/higlasi/2015-09-26_07-14-42_D4.jpg

投稿: HUQ | 2015年9月26日 (土) 22時01分

HUQさん、写真まで送っていただき、ありがとうございます。何を求めてるのかよく分かります。

車使わないで、赤道儀3~4セット使うなら、ポタ赤もこのくらいの大きさでないと無理ですね。また、ウエイトを必要としない、フォーク式というのもとてもよく分かります。
ほんとに、赤道儀に求めるものは人それぞれですね。

オートガイダーは、ほんともっとスマートになってほしいですね。

コンピュータースティックは、私も最近、とある望遠鏡販売店のオーナーから存在を聞いて、興味をもっていたところです。使い方しだいによっては、天文で使えそうですね。

投稿: ほんまか | 2015年9月26日 (土) 22時22分

ComputerStick、処理能力は8inchタブレットと同程度あるので、オートガイドに使う分には処理速度面では全く問題ありません。

ただ、割と電力喰います。
5V 2A 以上を安定して供給してやらないと、突然リセットが掛かります。
6W/h ぐらいバッテリを喰うので、余裕で一晩保たそうと思ったら、3.7V 15000mAh 級の大容量リチウム系バッテリが必要です。
これ自体をバランスウェイトにできるなら、ドイツ式もアリだと考えています。

無線化の手段として、Miracast/Widi や、デバイスマネージャで USB をワイヤレス化、という方法も一通りやってみたのですが、Windows 環境であるかぎり、結局はガイダーとPCは直結で、それを VNC 経由で操作するのが最も安定していました。

Miracast も、それ自体をメインディスプレイにできれば使えるのですが…Win10ではあくまで「サブディスプレイ」の扱いなので、PC本体にモニタ無しの状態で Miracast することは出来ないんですよね~

投稿: HUQ | 2015年9月26日 (土) 22時50分

そうそう、ComputerStick はそれ自体が電力を喰って割と発熱するので、これを夜露ヒーターとして使わない手はありません。
そんなわけで、少なくともガイド鏡のヒータは ComputerStick で賄う方向で考えています。

なんだかエコライフの追求みたいになってきました。(笑)

投稿: HUQ | 2015年9月26日 (土) 22時52分

HUQさん、
電力問題も重要な問題ですね。
ComputerStick自体をヒーターにしてしまうのは笑えますが。

しかし、話を聞けば聞くほど、今、私の開発してるスタンドアロンオートガイダーはぴったしじゃないですか。消費電流はたぶん300mAくらいと思います。
VNC接続もできますし。

あっ、宣伝になってしまってすみません。

投稿: ほんまか | 2015年9月26日 (土) 23時22分

実はそこに期待して、こちらの Blog を愛読させていただいております。(笑)
ケーブル類を含めどのような形でまとまるのか、ワクワクしながら期待しております!

投稿: HUQ | 2015年9月26日 (土) 23時50分

HUQさん、そうでしたか。
じゃ、私も頑張らなくちゃですね。

投稿: ほんまか | 2015年9月27日 (日) 00時17分

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