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2015年10月10日 (土)

「誰でもわかるマイコン入門」LX200コマンドその3

それでは、LX200コマンドの残りを説明していきます。

:RC#
:RG#
:RM#
:RS#

これらのコマンドは導入速度を指定するコマンドです。このコマンド対する返答はいりません。具体的な速度の規定はありませんが、概ね次のような意味合いがあります。

:RC# センタリング用の速度ど移動(2番目に遅い)
:RG# ガイド用の速度で移動(一番遅い)
:RM# 導入用の速度で移動(2番目に早い)
:RS# 導入用の最高速度で移動(一番早い)

自動導入しか対応しないなら、これらのコマンドは無視してかまいません。オートガイドと自動導入に対応する、少なくとも2段階の速度に対応する必要があります。その場合はRC/RGはガイド用の速度に設定、RM/RSは自動導入用の速度にプログラムで設定する必要があります。

:Me#
:Mn#
:Ms#
:Mw#

これらのコマンドは、それぞれ東(Me)、北(Mn)、南(Ms)、西(Mw)に赤道儀を回転させる命令です。前回説明した:MS#コマンドは、赤道儀を目標天体まで回転させる命令でしたが、これらは、特に目標はなく、次に説明する停止コマンドを受け取るまで回転させます。

:Qe#
:Qn#
:Qs#
:Qw#
:Q#

これらは、前述した移動命令を停止させる命令です。最後のQは、すべての方向に対する停止命令です。
停止しているときにこれらの命令を受け取った場合や、たとえば西に移動しているときにQe命令を受け取った場合などの処理は仕様では規定されていないようなので、常識的な対応をすればよいと思います。

:U#

赤経赤緯座標の、高精度、低精度を切り替える命令です。高精度の場合は、

赤経 HH:MM:SS
赤緯  sDD*MM:SS

という書式になります。sは符号で+か-になります。低精度の場合は

赤経 HH:MM:T
赤緯 sDD*MM

となります。ここでTは1分の1/10になります。つまり6秒です。10秒でないので注意してください。高精度、低精度、どちらがデフォルトか、仕様からははっきりしません。

:SL~~~#

ホストからコントローラに時刻を設定するコマンドです。~~~の部分に時刻HH:MM:SSがきます。コントローラに時間を管理する機能がなければ、文字'1'を返して無視すればよいでしょう。

:GL#

このコマンドは、SLとは逆にホストに対して時刻をHH:MM:SSの形式で返してやります。コントローラがに時間を管理する機能がない場合は、適当な値を返すか、SLコマンドで受け取った文字列をそのまま返せばよいでしょう。

:SG~~~#
:GG#

ホストからコントローラにUTC時間に対する時差(日本の場合-9)をsHH.Hの形式で設定します。文字'1'を返して無視すればよいでしょう。GGは逆にコントローラからホストに返します。

:SS~~~#
:GS#

ホストからコントローラに地方恒星時をHH:MM:SSの形式で設定します。文字'1'を返して無視すればよいでしょう。GSは逆にコントローラからホストに返します。

:Sg~~~#
:Gg#

Sgはホストからコントローラに現在場所の東経をDDD:MMの形式で設定します。このコマンドを受け取ったら'1'を返します。Ggは逆です。

:St~~~#
:Gt#

Stはホストからコントローラに現在場所の北緯をsDD:MMの形式で設定します。sは北緯が+になる符号です。このコマンドを受け取ったら'1'を返します。Gtは逆です。

:GVP#

ホストからコントローラに製品名を問い合わせるコマンドです。適当な文字列を返してやればよいでしょう。

:GVF#

ホストからコントローラに製品のバージョンを問い合わせるコマンドです。適当な文字列を返してやればよいでしょう。

これらのコマンドに対応していれば、ほとんどの自動導入ソフトに対応できると思います。もちろん、ソフトによっては必要のないものもあります。実際にホストから受け取ったコマンドを表示させながら、対応していけばよいでしょう。

コマンドの説明はこれで終わりです。

次回は、自動導入アルゴリズムの大問題、モーター回転角の算出方法です。実はこれが難しい。

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