2015年11月18日 (水)
2015年11月17日 (火)
2015年11月16日 (月)
SS-oneプロジェクトの今後
現在、開発中のスタンドアローンオートガイダーが完成まじかですが、これができれば、ほんとうに理想完結というところです。
しかし、これで終わりにしません。SS-oneのコンセプトをどんどん広げていきたいですね。せっかく色々作ったのだから。
それで、今後のSS-oneについて、予定というか願望に近いかも知れませんが、お知らせします。
1 SS-oneポータブル赤道儀
まずは、本家本元のポタ赤ですが、オートガイダーできれば、これで何でもできるから、あの青いコントローラは要らない気がしてきました。機能は落とさないで、コントローラなくてもいいように検討中です。
また、電子極軸望遠鏡は本体に内蔵したくなってきました。本体の蓋の部分にうまくカメラを付けられないか検討中です。
これが実現できれば、かなりすっきりするはずです。
それから、SS-oneポタ赤の再販ですが、とにかく数が揃わないと作れないので、ご要望があれば言ってください。
2 SS-one Mini
新製品のSS-one Miniです。
大きさは幅65mm、長さ107mm、高さ6cmです。CD-1より二周り小さく、ナノトラッカーなみ。
こいつは、3通りの使い方ができます。
1 1軸ポタ赤として
普通の1軸ポタ赤として使えます。ほんとにナノトラッカーみたいです。ただ、ナノトラッカーよりはしっかりしてます。モーターはハイブリッド型だし、ベアリングも大き目のを2個使っています。
2 既成ポタ赤の赤緯軸として
GPガイドパックや、スカイメモなど既成ポタ赤の赤緯軸にして、2軸駆動化できます。オートガイド信号は、本機のコントローラにいったんつないで、本機のコントローラから既成ポタ赤のコントローラにオートガイド信号を分岐させます。これで2軸駆動のオートガイドできます。
3 2つ組み合わせて2軸駆動のポタ赤として
2つ組み合わせて2軸駆動のポタ赤として使用できます。コントローラはSS-oneのものが使用できます。ですから、SS-oneでできることはすべてできます。もちろん、無線も自動導入も。
また現在開発中のタカハシ向け電子極軸望遠鏡が付けられます。2軸セットの値段はコントローラ込みで10万円くらい。
問題は、1と2の場合のコントローラをどうするか迷ってます。SS-one流用では、オーバースペックすぎるし、また基板おこすのもね、ちょっと。
あと、自作派向けにユニット単体の販売もしますし、自作向け記事も書きます。mbedやPICマイコンを使った製作記事も予定してます。たぶん、ユニット単体販売がもっとも早くなると思います。
3 全部一体化
オートガイダーできたら、モーターコントローラもオートガイダーも電子極軸望遠鏡もすべて赤道儀に内蔵して、iPadかなんかでリモートコントロールする。これが一番、すっきりした赤道儀運用方法ではないかと思ってます。まさに理想ですね。
一体化できそうな赤道儀としては、コントローラなどを内蔵できるスペースをもっているもので、EM-11、ビクセンAP、iOptronなんかが候補になると思います。SXもかな。
SS-oneはこれらかも、どんどん発展します。目が離せません。(経緯台がどんどん遠くなるなぁ)
2015年11月15日 (日)
星野写真のヒストグラム、その2
それでは、解答です。
1はあり得ないですね。1の位置はこの画像の一番暗い部分ですから、ここで分けても何も得られません。しかし、1より右側の部分なら、星の光の成分は入っていておかしくないです。しかし、今回の問題の場合は背景と星を区別できる明確な閾値がどこにあるかですから、どこか一か所決まるはずです。
それでは、実際にやってみましょう。題材はこれ。
これをフォトショップエレメンツのレベル補正で、下側のスライダーで区切ってみます。
まずは1の位置。
まだ、だいぶ背景の明るさが残っていますね。それでは、これよりちょっと右。3の位置。
中央付近が明るいですが、これは天の川で背景でないので、かなりいいせんいってます。
次に山の右端。4の位置。
ということで、正解は3か4です。理論的な正解は3。確実に背景と区別するなら4の位置ですね。
さて、何を言いたいかというと、すでに星々想々さんやラムダさんが、解答で述べてるように、画像処理前の星野写真のヒストグラムの山は、ほとんど背景、つまりカブリを意味してるんです。
星なんてものはすべて集めても、画像全体からすると微々たるもんです。ですからヒストグラムにはほとんど現れず、だいたいが背景なのです。この山はカブリのムラを表しているといっていいでしょう。
さて、理想的な背景の場合、ヒストグラムの山の左側は完全に垂直、絶壁になっているはずです。次の画像を見てください。
この例では、多少、傾いていますが、ほんとはもっと垂直になります。なぜか?
三段論法で証明してみましょう。
1 背景は画像の大部分を占める。したがって、背景レベルはヒストグラムの山のピークである。
2 背景は星も星雲も何もない。よって一番暗い部分だから、これより左側には何もない。
3 したがって、絶壁である。
三段論法使うともっともらしいですね。しかし、真実です。
では、なぜ、実際には山はなだらかなのでしょうか? これは主に周辺減光です。この傾きは周辺減光を意味します。つまり山の左端の部分は、画像の四隅の一番くらい部分の背景を表します。完全に背景がフラットなら垂直になります。
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話をさらに進めます。
この例でわかったように、天体写真の画像なんてものは、ほとんとが背景でつまりカブリなんですよ。このまま強調処理したら、カブリを強調するようなもんです。
ただ、カブリ自体はそれほど問題ではありません。完全に一様なカブリなら、天体の光はその上に乗っているので、カブリの分を減算すれば、天体だけの光が残り、あとは好きなように強調処理すればいいのです。
問題はカブリではなく「カブリのムラ」です。もっと端的に言うと、周辺減光です。なぜならカブリのムラで一番大きなウエイトを占めるのが周辺減光だからです。
カブリのムラは大波みたいなものです。。大波の上に乗った「さざ波」が天体の光です。大波を沈めない限り天体の光はどうにも処理できません。
よく、淡い星雲がカブリに埋もれてしまうというような表現を使いますが、正確ではありません。正確には、カブリの上に乗ってるのです。カブリがあるから淡い星雲が写らないことはありません。飽和しない限り、ちゃんと上にのっかてるのです。
この下の大波をしずめないかぎり、上に乗ってる小さな波は強調できません。
良く淡い星雲の強調方法を聞かれるのですが、それの解答は背景を徹底的にフラットにすることです。
淡い星雲を強調することと、背景をフラットにすることはほぼ同義語です。
なぜなら、完全に背景をフラットにできれば、だれでも初心者でも、トーンーカーブでもレベル調整でもなんでも使って簡単に星雲を強調できます。
マスクだとか、画像処理テクニックなんてものは、最後の味付けの部分だけです。ほとんどはフラットで決まってしまいます。
逆に、完全なフラットなのに星雲がいっこうに表れないのは単に総露出時間が足りないだけで、どんなベテランが画像処理したって出てきません。
もし、あなたが画像処理で奇麗に天体を処理できなかったり、淡い星雲がなかなか出てこなくて悩んでるなら、それは背景をフラットにする技術がないためです。ただそれだけです。それは単にフラット処理だけの話ではありません。背景には様々なムラがあります。これを根気よく取りのぞく技術や忍耐力。これがすべてです。
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背景をフラットにすることの重要性を分かっていただけたでしょうか。次回、暇があったら、「では実際にどうすれば良いか」説明してみたいと思います。
補足
SS-oneオートガイダーでは、星と背景を区別する閾値は以下の式で求めています。
閾値 = 輝度平均 + a×分散
統計学上はa=2なんだろうけど、たまに間違うので、経験上はa=4でうまく星を背景から分離できてます。
2015年11月14日 (土)
星野写真のヒストグラム
久々の画像処理講座です。
今回は星野写真のヒストグラムの見方について説明したいと思います。なぜ、いきなりヒストグラム? と思うかも知れません。
実は、私、いまオートガイダー作ってるじゃないですか。オートガイダーで一番重要なのは星と背景を分離することなんです。ある閾値があって、それ以上なら星と判断してるんですが(注)、この閾値はどうやって求めればよいか。
実に難しい問題ですが、ヒストグラムを解析して判断するのが正しい方法です。そこでヒストグラムについてちょっと話したくなりました。
そこでクイズです。
次のヒストグラムは、星野写真のヒストグラムで星雲はほとんど写ってなく、仮に写っていても画面全体からすると小さいとします。また画像処理する前のデータとします。
さて、問題です。星と背景を分離する閾値はどこにするのが正解でしょうか? 別の言い方をすると、星はヒストグラム上のどこにある?
ベテランの方はもう分かってますよね。初心者の方は意外と誤解してるんです。答えは明日。
(注)もちろん、明るさだけで判断してるわけではありません。面積、円形度なども考慮して星と判断してます。
エリダヌスバブル、左上
先日の水上遠征での成果です。
といってもこの領域は、エリダヌスバブルではなく、おうし座分子雲の領域ですね。明るい星はアルデバランです。
Apo Sonnar 135mmF2->F3.5(R64はF2.8)
EOS 6D ISO3200 2分50秒×128枚(半分はR64)
SS-one赤道儀、オートガイド
この領域はすべてガスで覆われています。しかも種類の違うガスが覆い重なっています。アルデバランの周りはにはHαもありますね。
以前撮った、右隣と重ねてみました。
ところで、エリダヌスの撮影は、11月までですね。12月だともう遅いんです。ということはもうあと一週間が勝負で、今年中の完成は無理です。ほんとに2~3年かかりそうな雰囲気になってきました。とにかく晴れてくれ。
2015年11月 5日 (木)
スタンドアローンオートガイダー、フィールドテスト
1台4役のオートガイダー、ついにフィールドテストできる段階まできました。
見事、自動キャリブレーション、それからオートガイドに成功しました。キャリブレーションも自動になりました。
ところで、ガイドカメラですが、4つのカメラに対応する予定です。ほんまかオリジナルカメラと、それから、ZWOのASIカメラにも対応予定です。ほんとは、ToupTekのカメラに対応できればよかったのですが、ARMドライバは作れないと言われてしまいました。x86ドライバはできて、ARMにできない理由がまったく分かりません。へんな会社。
対応予定のカメラの特徴は以下の通りです。
ほんまかオリジナルカメラ
AR0130センサー使用。小型で四角く、カメラをブラケットなしで直接プレートに固定可能。
とにかくシンプル、小型にしたい方、お勧め。
ZWO ASI034MC
高感度のセンサー使用。1/4インチサイズがちょっとネックだが、とにかく安い。
ZWO ASI120MM(C)
MT9M034(AR0130)センサー使用。現在、オートガイダーで一番使われているセンサー。価格も手ごろ。
ZWO ASI224MC
ソニーの超高感度センサーIMX224を使用。ちょっと高いが、とにかく高感度が良い人にお勧め。
あくまでも予定ですけど。上の2つは動作確認できました。
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