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2016年5月22日 (日)

進化するSS-one AutoGuider

今回のSS-one AutoGuiderのバージョンアップの目玉は先日お伝えしたとおり、フォーカスエイドのサポートですが、オートガイダー本体のバージョンアップ作業もしております。

そのいくつかを紹介します。

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この画面を見てわかるようにガイドパラメーターのところにボタンが付きました。このボタンを押すと次のように変化します。

Auto(感度自動)->Fix(感度固定)->Off(修正信号なし)

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Fixにすると従来通りです。Autoにすると、感度設定を自動で探索します。次のように感度が決められます。

1 ガイドを始めると感度が0.1に初期化される
2 ずれが大きくなる方向に変化すると感度が上がる
3 原点周りで振動するようなら感度が下がる

その時々の状況に応じて、感度が自動で設定されるようになります。

Offにすると、修正信号を出しません。ただし、星が2ピクセル以上ずれると、画面からはみ出さないように追従します。1軸ガイドや、ドラフト法極軸合わせに使用できます。

また、ユーザからあまり見えないところの改良ですが、移動平均法ガイドを進化させました。かなり良くなっています。

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ユーザから見えるところの変化としては上図のように移動平均の回数の他にどれくらいの割合で混在させるか調整できるようになりました。従来は0か100なのですが、混合させることができます。実際問題、この混合割合はあまり機材に依存しないので、こちらでテストをして最適な割合をデフォルトとします。

移動平均によるガイドは長焦点のガイド鏡の場合、特に有効です。ガイド鏡の焦点距離が長いとシンチュレーションの影響を受けやすいのですが、移動平均により細かい振動に反応しなくなります。

ガイドアルゴリズムですが、今回の改良で、漸近的にゆっくり原点に近づくようにしており、オーバーシュートが極力発生しないようにしています。これは、修正は一方向にしか発生しないので、バックラッシュ対策としても有効です。

ただし、赤道儀のガタや、ギアのかみ合わせ、風や振動など、がくんとずれるような変異には弱く元にもどるのに時間がかかります。ただ、がくんとずれるということは、ガイドとしては既に失敗しているので、そこで多少早くもどろうが、あまり関係ないという判断でそうしました。

そして、もうひとつ改良の目玉として、ガイド星の選択ができるようになりました。

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キャリブまたはガイドボタンを押すと、上図のように[Preview][Next][OK]のボタンが出ますので、ガイド星が選択できます。

3秒以内にいずれかのボタンを押さないとボタンが消えて勝手にガイドがはじまります。

ガイド星の良否によってガイド精度が決まるところもあるので、選択できるようにしました。

この変更によって、以下の点が変更になります。

従来はキャリブレーションや、ディザリング終了後にガイド星の再検索をしていましたが、今回から最初に選択したガイド星で最後までいきます。それにより、ガイド星が画面からはみ出すことが懸念されるので、あまり端っこのガイド星は選ばないようにしてください。デディザやらないなら関係ないですが。

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コメント

ほんまかさん、こんにちは。

 バージョンアップ作業お疲れ様です。また、ユーザーの意見を反映して頂きありがとうございます。内容はまさに「進化」ですね。
 私が勉強不足で知らないだけかもしれませんが、オートガイダーの感度設定の自動化は初めて耳にしました。皆同じ機材を使っている訳ではありませんから、この部分の設定は必要なものと認識していましたが、できてしまうんですね。
 また、ガイド星の選択機能は本当に助かります。ガイドカメラの買い替えしなくて済みそうで、貧乏天文屋には有難い限りです(笑)
 フォーカスエイドの方も楽しみにしております。

投稿: 天文部部長 | 2016年5月23日 (月) 14時54分

諸事情により未だ実践投入できていませんが、ガイドテストなどは一通り問題なく出来、高精度の追尾ができると確信しました。
バージョンアップは、いつ頃、どのような形態で提供されるのか、目途が立ちましたらご案内下さい。
楽しみにしています。

投稿: もっちゃん | 2016年5月23日 (月) 21時52分

リリースが待ち遠しいですね。
電子極望ですが極軸合わせてしまえば使わないので付け替えて電子ファインダにならいないかと思っています。
ソフトはPolerで使えるんですが星をタップすると中心に持ってきてくれれば...なんて。

投稿: Bergamot | 2016年5月24日 (火) 11時05分

天文部部長さん、ありがとうございます。

SS-oneオートガイダーはまだ発展途上なので、これからもユーザの意見を取り入れて進化させたいと思ってます。
ガイド星選択機能は、感度の悪いカメラのほか、ガイド性能もよくなるので、この機能を取り入れました。

投稿: ほんまか | 2016年5月24日 (火) 20時58分

もっちゃんさん、
6月上旬にSS-oneオートガイダーの第3次ロッドを発売するので、それに合わせてバージョンアップします。

既存ユーザ様には、ファイルをダウンロードして頂き、マイクロSDカードに書き込んで頂ければバージョンアップできます。

投稿: ほんまか | 2016年5月24日 (火) 20時59分

Bergamotさんも電子ファインダーご希望組ですか。

確かにオートガイダーよりポーラーソフトの方がまだボタン配置の余裕がありそうなので、ポーラーソフトの方が現地的かも知れませんね。どうしよう。

投稿: ほんまか | 2016年5月24日 (火) 21時02分

ほんまかさん
ファインダって姿勢によっては極望より覗きにくいですよね。
ポーラー2は視野角が11度あるんなら(でしたよね?)立派にファインダーになりそうです。
ズームもできるし。

投稿: Bergamot | 2016年5月24日 (火) 22時59分

Bergamotさん、
ポーラーのカメラに広角レンズだと2等がやっと、ファインダーの役目しないです。ASI120MMでないとダメですね。

投稿: ほんまか | 2016年5月24日 (火) 23時08分

ほんまかさん
2等星くらいちょうど良いです。
僕がファインダ使うのは自動導入タイプの赤道儀EQ5 GOTOのアライメントの時だけです。
アライメントには明るい星しか使いませんから。
これだけのためにほんまかさんに対応していただくわけにはいきません。
ポーラー2のカメラを取り付けられるファインダアダプタ製作中です。
Poler画面を使ってテストしてみます。

投稿: Bergamot | 2016年5月25日 (水) 07時38分

ほんまかさん

RA、DECをワンタッチでガイドを止められるのは便利そうです。今は手動でDECを0にしてドリフト合わせをやっています。
RA、DECの文字色がグラフと同じになるように改良されてますね。

昨日、AutoGuiderを使っていて挙動が変な状況がありました。
低空の対象を撮影するために、Star bright levelを-40くらいに設定したところ、ガイドを開始してもグラフが全く動かず、ガイド信号も出なくなりました。
具体的な手順は下記です。
・南中付近のM8に向ける
・No StarになるためStar bright levelを-40くらいに設定
・ガイド開始
・ガイドグラフが動かない、ガイド信号も出ない
・Moter Testではガイド信号は出る
・設定値は全てデフォルト
・再起動しても同じ
・Star bright levelを0に戻すとガイドは正常(0でガイド可能な方向に向ける)


画面では星が映っていても、低空の場合No Starになることが多いためなんとかしてガイドしたいのですが、どのように設定値を変えればよいでしょうか。

投稿: minoji | 2016年5月29日 (日) 18時34分

minojiさん、
Star bright levelを下げすぎだと思います。たぶん、星との閾値が下がってので、背景がすべて白になって星野区別ができなくなって、ガイド信号が出なかったと思います。

-40というのが微妙なので、ガイド開始した時点では星と背景が区別できていても、ちょっとした明るさの変化ですべてが真っ白になったと思います。

ちなみに、star bright lebelの画面は、白か黒の2値画面で、これがオートガイダーが見ている画面になります。ガイドが出てないとこは、たぶんこれが真っ白になっているはずです。

投稿: ほんまか | 2016年5月29日 (日) 18時52分

背景が明るい場合でも、背景が一様なら、背景と星の区別はつくのですが、背景の明るさに傾斜がある場合は背景の明るい部分が全体の明るさを上げてしまって、星の明るさを超えてしまい、星との区別ができなくなります。

対策は、以下のパラメーターを使って、コントラストを上げるしかないです。
露出
ゲイン
ガンマ
明るさ/コントラスト
ビニング

スターゲインの値は星の認識には関係ありません。

背景と星を区別しやすくするなら、Star bright lebelはむしろ上げるべきです。
Star Bright Levelの画面は、オートガイダーが見ている画面そのものですから、この画面を見ながら、値を調整すれば良いと思います。

投稿: ほんまか | 2016年5月29日 (日) 18時59分

ほんまかさん

なるほど、ガイド後に真っ白になっているわけですね。
Star bright levelは画面を見ながら、-35で黒、-45で細かいノイズあり、-40で星だけが数個表示されるのを確認して決めてました。
-45で細かいノイズありだと、星が多すぎるのメッセージが出るので、ガイドが始まりません。

M8付近はそんなに低いわけではないと思いますが、ガイド画面で星が見えていても、ガイドできない時点でそもそも撮影に向いていない空模様なんでしょうね。

投稿: minoji | 2016年5月29日 (日) 19時06分

ほんまかさん

コメントが入れ違いになってしました。
パラメーターの値を変えてコントラストを上げてみます。

ちなみにパラメーターの値を初期値に戻す機能はないですよね。
初期値は通常のガイドではベストな値なので、元に戻すにはマニュアル見ながら戻すしかないですから。

投稿: minoji | 2016年5月29日 (日) 19時18分

minojiさん、
元に戻す機能はないですね。
覚えてる他ないです。

投稿: ほんまか | 2016年5月29日 (日) 19時35分

ほんまかさん

次回出荷されるSS-one AutoGuiderはこの新しいバージョンですか。

あとひとつ気になっている事があります。
シャッタ制御ですがAutoGuiderの画面になっていないとき「押したまま」になっています。
こういう仕様ですか?

投稿: Bergamot | 2016年6月 2日 (木) 16時52分

Bergamotさん、
はい、新しいバージョンで出荷します。

シャッターですが、仕様というか設計ミスです。今思えば、失敗しました。

いちおう次回バージョンでは、オープニング画面まで起動すれば、シャッターがオフになりますが、電源が入っていないとシャッターオンになってしまいます。
これはハードの問題なので、ソフトではどうにもならないです。

投稿: ほんまか | 2016年6月 3日 (金) 10時07分

ほんまかさん

電源切れているときでもシャッタONのままでしたのでハードの問題かなと思っていました。
新バージョンではランチャ起動後OFFになるのですね。
カメラ電源入れるのは起動してからにします。
私的にはUSB経由で撮影できるようになるなら電気的なシャッタ信号は必要ないです。

投稿: Bergamot | 2016年6月 3日 (金) 14時06分

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