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2016年7月19日 (火)

星図マッチング試験成功!

ここんとこ星図マッチングの試験をしていましたが、やっと成功しました。

壁に、SIで作ったオリオン座を張り付けて試験していました。

1607190こんな感じにオリオンを写して、

1607191
星図マッチングすると、こんな感じ。

1607194
完成品はもちろん、星座線や星雲星団が入ります。写野をずらすと、当然星図もずれます。

1607195
ここまでくるの大変だった。何が大変だって、広角レンズなので平面で近似することができず、すべて球面座標上の計算ばっかだったので頭がパニックです。三角関数のオンパレード。

いちおう、アルゴリズムが計算時間も含めて実用的なことが分かりました。ただ、妥協したところもあります。

以下の制約のいずれかは付けないと無理だろうなと予想していたのですが、その通りでした。

1 GPSや方位センサーを付けて、だいたいの方向を特定する
2 画像の縦横を経緯線に合わせる

1は、追加のハードを必要とするので、やめて、2の制約を設けることにしました。したがって、赤道儀オンリーです。また自由雲台はだめ。経緯台もだめ。ただ将来的には経緯台もやりたいので、1をやるか、なんとかアルゴリズムを考えて経緯台でもできるようにしたいです。

レンズですが、どんなレンズでもとはいかず、こちらで指定したレンズのみです。今考えてるのは、

1 コーワの9mm-90mmズームレンズ

ですが、高いので、広角の安い単焦点レンズを何か一つ、5000円くらいでないか探してみます。

星図マッチングにかかる時間ですが、今のところ10秒くらい。ただ遅いのは、最初の1フレームだけで、2フレーム目からは、だいたいの方向は分かっているので、検索範囲を絞ることができます。1秒あたり2フレームくらいの動画での実用を考えています。

また、RS232Cインターフェースがあるので、自動導入ソフトとの連携が可能です。この場合、同期なしで、PC上に現在位置が表示されます。そして、赤道儀を手動で動かしても、そのポインタが移動します。言葉はへんですが、手動自動導入みたいな感じ。

今のところ分かってるのはこんなとこです。まだまだ、最初の一歩の一歩です。これから頑張ります。

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2016年7月15日 (金)

PENTAX MS-3n赤道儀のSS-one化

久々にSS-one化赤道儀ネタです。

今回はPentax MS-3n赤道儀。あこがれの赤道儀だった。赤緯部が部分微動なのでSS-one Miniを使ってSS-one化しました。

1607157
う~ん、ほしいな。

「天文マイコン道」更新しました。

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2016年7月14日 (木)

【ガチ検証】天体写真実験室 ダーク減算

お待たせしました。ダーク減算のデータがまとまりました。今回利用したデータです。

EOS 6D ISO1600 4分×16枚 気温15度

これを次のとおり比較します。

●ダークなし
●ダーク1枚
●ダーク8枚
●ダーク16枚
●ディザリング

注意事項です。

ディザリング以外は元データはまったく同じです。ダークの枚数だけ異なります。各フレームごとにレイヤーを作り、一つの画像に施した画像処理はレイヤーをコピーし、他のフレームにも適用しています。したがって、画像処理による差異はありません。ただし、

ダーク無しは、ダーク有に比べて、レベルや色合いが異なっており、それを調整する処理をしました。たぶん、オフセット分の違いだと思います。

あと、ディザリングは、元画像が他とは異なるので、(撮影時間が違う)やはりレベルや色合いを調整する処理をしました。

1607141

あと、ディザリングなしでも、ガイド鏡のたわみなどの理由でコマごとにずれています。1時間で数ピクセルくらいずれています。したがって、天然ディザリング状態です。ほんとは完璧に一致していないと、比べられないのですが、私は1時間にわたって1ピクセルもずれない赤道儀システムをもっていないので、これはしょうがありません。

それでは結果です。まずはダーク無し。
1607142
ダーク1枚。
1607143
ダーク8枚。
1607144

ダーク16枚。
1607145
ディザリング。
16071452
全体画像で見る限り、違いはまったく分かりません。プリントアウトしてみました。

16071453
プリントしても品質の違いはまったくわかりません。どっちがどっちだかわかんなくなってしまいました。

次に、ピクセル等倍で比較してみます。

1607146

gifアニメーション
Darktest4_2
ダークなしとダーク1枚を比べますと、違いは認められますが、良くなっているという印象はないです。

ただ、ダーク8枚と比べると、明らかに良くなっているのはわかります。特に星雲が滑らかになっています。黒く沈んでいる部分が均されている感じです。この結果はけっこうびっくりです。私は、ダーク減算というのはホットピクセルなどの除去するのに有効だと思っていましたが、星雲が滑らかになるような違いはないと思っていました。

8枚と16枚では特に違いはわかりません。

ディザリングも無しと比べると、良くなっているのがわかります。ただ、ディザーなしも天然ディザー状態なので、ほんとにディザリングの影響かは分かりません。いずれにせよ、どれも違いは微妙です。

私個人としては、A4プリントで違いが分からないレベルなので、ダーク減算もディザリングも必要ない気がしますが、どうでしょう。

もう少し、検証を続けてみましょうか。こんどはもっと暑い日に、ISO3200やISO6400ではどうか。

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2016年7月12日 (火)

【ガチ検証】天体写真実験室 ISO感度比較最後の最後

まだ、梅雨明けはしていませんが、ここんと晴れていますね。

さっそく、水上に、ガチ検証企画で、もう一度、ISO感度比較の検証に行ってきました。ひつこいです。

条件はいつもと一緒です。ただ、気温が上がってきたので、ノイズがどう影響するか。

まずは、ISO400

1607122EOS 6D ISO 400 16分×4
ApoSonnar 135mmF2->F3.5 SS-oneポタ赤

次は、ISO1600

1607123EOS 6D ISO 1600 4分×16
ApoSonnar 135mmF2->F3.5 SS-oneポタ赤

ほとんど差はないですね。仮に差があったとしても、画像処理のちょっとしたあんばいで、どうにでもなりそうな程度の差です。

さて、ISO感度別の検証を続けてきましたが、分かったことをまとめてみます。あくまでもEOS 6Dでの話です。

●ISO6400は良くない
●ISO感度の違いによる差は微妙でほんのわずか
●適正露出をかければ、低感度が高感度より悪いことはない
●適正露出をかければ、低感度が淡い部分の写りが悪いということはない
●極短な露出アンダーなら、高感度にして適正露出にした方が写りは良い

で、この結果をもとに、じゃ、私はISOいくつを使うかというと、ずばりISO1600ですね。今まではISO3200でしたが、高感度でなくても淡い部分は写るということが分かったので、一段下げることにします。あまり下げると、一枚あたりの露出時間が延びるので、失敗率があがります。このF値ならISO1600くらいがちょうどいいのではないかと。分子雲とかもっと淡いものだともっと低くするかも知れません。

さて、このガチ検証企画。まだまだ続きます。次は、ダーク減算について調べたいと思います。ダークは昨晩、すでに撮ってきました。これからまとめます。

ダークフレームって、何枚撮ればいいの? そもそもダーク減算って効果あるの? ディザリングすればダークは要らない? こういったことを検証していきたいと思います。

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2016年7月 3日 (日)

いろいろ

お久しぶりです。まずはいろいろ、報告を。

●SS-one AutoGuiderのアップデータですが、ギガファイルの期限が切れてしまったので、再度置いておきます。

http://prt.nu/0/ssoneag111

アップデートすると、設定値とか初期化されます。電子極望のセンター情報もリセットされるので、再度、センター出しやってください。すみません。

●在庫切れのASI120MMですが、現在ご注文頂いている分に関しては、10日ごろまでには発送できそうです。ただ品薄感は依然解消されず、今後の注文分に関してはまだわかりません。

●さて、今まで何してたかというと、「星図マッチング電子ファインダー」の開発に没頭していました。もう少し没頭させてください。もうちょっと見えてきたらご報告いたします。

これができれば、自動導入ができない赤道儀でも簡単に対象を導入できます。画面に実際の星と星図の両方が写るので見たい対象に中心を合わせるだけです。ただ開発難易度は今までの比ではありません。絶対に成功させますので、お楽しみ。それでは。

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