【ガチ検証】天体写真実験室 ダーク減算
お待たせしました。ダーク減算のデータがまとまりました。今回利用したデータです。
EOS 6D ISO1600 4分×16枚 気温15度
これを次のとおり比較します。
●ダークなし
●ダーク1枚
●ダーク8枚
●ダーク16枚
●ディザリング
注意事項です。
ディザリング以外は元データはまったく同じです。ダークの枚数だけ異なります。各フレームごとにレイヤーを作り、一つの画像に施した画像処理はレイヤーをコピーし、他のフレームにも適用しています。したがって、画像処理による差異はありません。ただし、
ダーク無しは、ダーク有に比べて、レベルや色合いが異なっており、それを調整する処理をしました。たぶん、オフセット分の違いだと思います。
あと、ディザリングは、元画像が他とは異なるので、(撮影時間が違う)やはりレベルや色合いを調整する処理をしました。
あと、ディザリングなしでも、ガイド鏡のたわみなどの理由でコマごとにずれています。1時間で数ピクセルくらいずれています。したがって、天然ディザリング状態です。ほんとは完璧に一致していないと、比べられないのですが、私は1時間にわたって1ピクセルもずれない赤道儀システムをもっていないので、これはしょうがありません。
それでは結果です。まずはダーク無し。
ダーク1枚。
ダーク8枚。
ダーク16枚。
ディザリング。
全体画像で見る限り、違いはまったく分かりません。プリントアウトしてみました。
プリントしても品質の違いはまったくわかりません。どっちがどっちだかわかんなくなってしまいました。
次に、ピクセル等倍で比較してみます。
gifアニメーション
ダークなしとダーク1枚を比べますと、違いは認められますが、良くなっているという印象はないです。
ただ、ダーク8枚と比べると、明らかに良くなっているのはわかります。特に星雲が滑らかになっています。黒く沈んでいる部分が均されている感じです。この結果はけっこうびっくりです。私は、ダーク減算というのはホットピクセルなどの除去するのに有効だと思っていましたが、星雲が滑らかになるような違いはないと思っていました。
8枚と16枚では特に違いはわかりません。
ディザリングも無しと比べると、良くなっているのがわかります。ただ、ディザーなしも天然ディザー状態なので、ほんとにディザリングの影響かは分かりません。いずれにせよ、どれも違いは微妙です。
私個人としては、A4プリントで違いが分からないレベルなので、ダーク減算もディザリングも必要ない気がしますが、どうでしょう。
もう少し、検証を続けてみましょうか。こんどはもっと暑い日に、ISO3200やISO6400ではどうか。
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コメント
ほんまかさん、検証ありがとうございます。
周辺減光やISO感度はこれまでの検証記事で自分なりの理解が出来たと思っていましたが、ダーク減算は本当に未知の領域で、私の眼だとディザリングよりダークなしの方が良く見えます。なぜかディザリングは画像がうるさく感じて見えているからではないかと思います。ダーク一枚は赤い粒子が荒く見え、ダーク8枚は全体にきめが細かくなっていると感じましたが、なにぶん素人の観察眼なのでなんともいえません。
ただ、今回の検証では私が思っていたよりピクセル等倍での大きな違いを感じるものではないようで、仰る通りプリントレベルなら必要ないのかなと感じています。
投稿: 天文部部長 | 2016年7月20日 (水) 22時57分
天文部部長さん、
まだ、もう一回テストしてみますが、
少なくてもISO1600なら、ダーク必要ないと思いますね。
デジカメの進歩は凄いです。
投稿: ほんまか | 2016年7月21日 (木) 17時58分