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2016年9月 5日 (月)

天文用CMOSカメラをデジカメのように簡単に扱うアプリ

天文用CMOSカメラが出揃ってきました。(非冷却もあるので冷却CMOSとはあえて言わない)

私も非常に興味をもっています。というのは、いずれはナローバンドをやってみたいからです。ナローバンドなら多少の光害地でもなんとかなりそうだし。ただ、冷却CCDはまだ高いし。ほんとうはモノクロのデジカメがあればいいのだけど。それも無理そう。

ところが、最近は天文用のCMOS、特にフォーサーズサイズが割と安く出てきました。

そこで注目していたのですが、天文用CMOSカメラはパソコンを使うのがネックでした。なにしろ、SS-one AutoGuiderのようにパソコンレスを推進してきたものとしては、ここでパソコンに逆戻りするわけにはいきません。

ということで、SS-one AutoGuiderのハードを使い、ASIシリーズのCMOSカメラを簡単にまるでデジカメのように扱えるソフトを開発しています。

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これがオープニング画面です。

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下の方のメニューに注目、
Shootは普通にシャッターボタンです。ライブビューボタンにPlay(再生)、メニュー、Info(情報表示)などデジカメでおなじみのボタンを並べました。

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これは、ライブビュー画面、天井を写しています。今、拡大表示になっていますが、右下にエリアポジションが表示されるのもデジカメと同じです。

さらに、天文用ということで、デジカメ以上に扱い易くなっています。

インターバル撮影はもちろん、フォーカスエイド内蔵。高倍率拡大表示、ダーク、フラット撮影および自動ダーク減算、フラット補正。自動コンポジットなど。

特に、ダークやフラットがこの一台で完結してできますので、専用のソフトを買う必要もありません。これはかなり天体写真の敷居を下げるのではないでしょうか。

また、露出中に再生画像を見られるもデジカメにはない魅力です。(パソコンにつなげばできますが)もちろん、スマフォからも見られます。

ということで、デジカメ以上に簡単に天体写真が撮れるということで、さらには、非冷却ならこんなにコンパクトです。

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いちおう、仕様としては、

●ASIカメラ全対応 モノクロ、カラー、冷却、非冷却。
●画像の保存は、USBメモリ。保存形式は、DNG、Fits、tiff、JPGなど。
●冷却温度設定可能。

ただですね。一つ残念なのが、オートガイダーとは、たぶん一緒には無理そうです。まだやっていませんが。

ソフトの負荷もそうですし、二つのカメラとUSBメモリ、さらにはWiFiを接続してとなるとハード的にもきつそうです。とういことで、SS-one AutoGuiderとは別の製品として販売する予定です。ごめんなさい。

完成をお楽しみに。

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コメント

ほんまかさん、こんばんは。
ホントに次々とおもしろいものを考え出して、しかもすぐに(すぐじゃないのかも知れませんが)作りだしてしまうほんまかさんはすごいです。

まだオートガイダーも消化し切れていないので、ここでこんなもの(失礼)に手を出すわけにはいきませんが(笑)・・・楽しみです。

ブログを見ているだけでもワクワクしますね。

投稿: 星くり | 2016年9月 5日 (月) 23時11分

星くりさん、ありがとうございます。

必要は発明の母で、ほんとに必要なものを作ってるだけですが、いろいろ出てきます。

私もまだCMOSカメラは使ってないので、どんな写りをするのか楽しみです。

投稿: ほんまか | 2016年9月 6日 (火) 00時37分

こんばんは!
「CMOSカメラは良さげだけど、PC必須がな~」
なんて思っていた自分には、まさに目からウロコてきな機材!
しかもワクワクな機能満載じゃないですか

理想のポタ赤に始まり、SS-oneポーラー、SS-one AutoGuider
これまでも敷居を下げまくり、その恩恵に預かって来た自分ですが
コレでさらに敷居が下がったまま、CMOSカメラを運用できるかもしれません
商品化、楽しみにしてます!

投稿: KEN | 2016年9月 6日 (火) 01時37分

やりたいことがどんどん湧き出て実現が追っつかない状態ですね。
うらやましい限りです。
いろんな機能を詰め込むと結局「PCでも良くね」ってことになりかねません。
ちょうど良いバランス保ってくださいね。

タッチパネルLCD搭載も良いと思いますがここまで機能が多くなるとあの小さい画面では反って操作性が悪化しますよね。
思い切ってVNC専用機も作ったらいかがでしょうか。
ラズパイ3で表示無し、操作はタブレットで。

投稿: Bergamot | 2016年9月 6日 (火) 11時21分

ほんまかさん、こんばんわ。
 常に先を見据えた開発の視点は流石ですね。私自身は惑星撮影時ぐらいしかCMOSカメラを使用していないので、星景でどの位のスペックが必要になってくるのかはこれから勉強するとして、撮影現場でダーク、フラットやコンポジットが出来る、システム全体の減量が可能、となると非常に魅力を感じます。先輩諸兄には怒られるかもしれませんが、天体写真をもっと簡単に、という方向性は本当にありがたいです。
 さて、私はまた繁忙期でこちらへのお顔出しができなくなりますが、陰ながら進展を楽しみにしております。

投稿: 天文部部長 | 2016年9月 6日 (火) 20時25分

ほんまかさん、こんばんは。

以前、ASIのドライバーが対応すればとおっしゃっていたので、もしかするとと思っていたところの発表で嬉しいです。
デジカメのような操作方法になるようなので、非常に楽しみです。
フィルター操作なんかもできるようになっていくのでしょうか。

いろいろな部分で、敷居を下げていただいて、ありがとうこざいます。
私自身がSS-one miniで撮影していて本当に楽しいです。

お体も気をつけて、開発してください。

投稿: やっぷ | 2016年9月 7日 (水) 00時44分

おや。
大変魅力的な取り組みだこと。
SBIG使ってますがパソコン電池が持たないので
困ってます。
どうしてもパソコンがいるのでその代わりが
できるものがあると
大変うれしいです。
オートガイダーとは今のところ共用できないのですか。
Linuxのマルチセッションで何とか解決できませんでしょうか。
いずれにしても楽しみにしています。

投稿: もりやす | 2016年9月 8日 (木) 13時42分

KENさん、いつもありがとうございます。

KENさんも、ちゃくちゃくと腕を上げられていますね。
レデューサーもやっと買ったようで、これからの星雲星団写真もどんどん撮ってく体勢ができましたね。私も楽しみです。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 14時30分

Bergamotさん、

さすがに、Bergamotさん、なかなか本質的なことをあっさり提起されていますね。
大事なことなので、ちょっと、ここで私が考えていることを説明させていただきたいと思います。

まず、誤解があるといけないので、ここははっきりさせておきますが、

一つ一つの機能が独立しており、それぞれの機能はボタン操作主体で小さな画面に最適化されていますので、
多機能だからと言って、操作が面倒だとか、ごちゃごちゃしているとか、そうゆうことはないです。
強いて挙げれば、自動導入はやっぱ、大きい画面がいい。
しかし、それ以外の機能については、反応が遅いのは除外して、それなりに扱い安いです。

むしろ、パソコンの方が、マウス操作が主体で、プルダウンメニューやスライドバーなど、夜中にフィールで扱うには、ちょっとと思ってしまいます。

液晶画面の大きさやパソコンかどうか、といったことは関係なく、夜の野外で使いやすいようにGUIが設計されていることが重要と思います。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 14時42分

しかしながら、そう思われてしまうのは、そうだと思います。
ここは私も重要視しています。

ですからあまり多機能であることは前にださず、名前もSS-one AutoGuiderのままで行くつもります。

しかし、星図マッチング電子ファインダーまで行ってしまうと、流石にマシンパワーが物をいいます。
これたぶん、パソコンで作ったら、小気味よくうごき、すごく気持ちよく天体を導入できるのではないかと思っています。

私は、天文用デバイスとしては、Windowsタブレットぐらいがちょうどいいのではないかと思っています。
だからタブレット版を作ろうかなと本気で思っています。
あまり、あからさまに言うと、SS-one AutoGuideが売れなくなるので、あまり大きくは言えませんが。

そもそもスタンドアローンにそれほどこだわっていません。SS-one AutoGuiderを作ったのは、SS-oneポタ赤を作る段階で公言したのと、
当時はM-GENが出て、スタンドアローンの優位性を主張する人がけっこういて、スタンドアローンに対する期待は高かったです。(最近はそうでもないが)
そういった声に後押しされました。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 14時52分

また、これは忘れてはいけないことですが、SS-one AutoGuiderはあくまでもSS-oneポタ赤のオプション品です。
ですから、撮影システムも、300mmとかせいぜい500mmの小規模システムを想定しています。
ハードの設計においても、SS-oneコントローラのUSBポートから電源をとれることを最優先に考えました。
そういった事情で今の仕様に落ち着いたのですが、最近は、非SS-oneユーザからの要求があって、すこし戸惑っています。
たとえば、ST4経由で1000mmのガイドしたいとか、しかも安いPMモーターで。
こういったことにも少なからず答えなくてはいけないので、しかも、小さな画面で扱いやすくしなきゃいけない、
そういったバランスをとるのが大変です。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 14時58分

営業的にには、小機能高性能の方がマニアック市場には売れそうですが、理想の追求で言えば、SS-oneシステム全体で統一感、完成度を追求していきたいとは思っています。

まぁ、いろいろ言ってきましたが、そう考えると、このラズベリーパイを使ったシステムはちょうどいいとこに収まってるかんじはします。
スタンドアローンを主張するなら、電源入れて3秒で使えないと、ちょっと不完全に思いますが、もしラズパイを使わなければ、これほど高機能にはならなかったと思います。
まぁ、結果論ですが、これがちょうどよかったかなと。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 15時03分

で、VNC専用機ですが、
これは私は一時考えましたが、反対です。

まず、結局ユーザに2つデバイスの所有を強要します。選択ならいいのですが。それこそ、パソコンでいいのではないかと。
あと、現在SS-one AutoGuiderを購入する人の半分しか無線アダプターを購入していません。VNC接続はそれほど一般的ではないかと。
もし、VNC専用でやるなら、本体側は赤道儀内蔵なら面白いと思います。ただこれはユーザの赤道儀を制限するので、あまり現実的ではない。

ラズパイ3の話もでましたが、これ電流1.5Aも使うんですよ。1.5Aはちょっと多すぎですよ。処理能力は魅力的なのですが。

おしまい。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 15時12分

天文部部長さん、

私も、CMOSが星雲星団にどれほど有効なのかまったくわからない状況です。まだとにかくサンプルが少なすぎです。

「天体写真をもっと簡単に」という思想はほんと大事と思います。
天体写真を完成させる過程は画像処理も含めてどんどん複雑化してるような気がします。
簡単にできることは簡単にしないと、いけませんね。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 15時19分

やっぷさん、

電動フィルターホイールは制御できませんでした。
手動ホイールを使って頂くことになります。

SS-oneが楽しいと言っていただき、励みになります。

ありがとうございます。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 15時21分

もりやすさん、

オートガイダーとの共用ですが、技術的にはできないことはないです。
特に露出中は制御は、カメラ側にあるので、ラズパイ側の負荷は0です。

ただ、露出中でも再生画像は見たいだろうし、オートダークやオートコンポも取り入れたいです。
無理して共用しても、いろいろごちゃごちゃするし、トラブルも増えます。ユーザ側みても制約が多いのは分かりにくいと思います。

ということで、別製品として考えていますが、まだ開発初期段階なので、ユーザの意見をどんどん取り入れていきたいと思ってます。

投稿: ほんまか | 2016年9月 8日 (木) 15時37分

Bergamotです。
「ほんまかさんのお気持ち表明」読ませていいただきました。
最初にお断りしておきます。
僕が最初にほんまかさんのブログを見たのがちょうどオートガイダの話題が出始めの頃でした。
なので僕の視点がss-one-autoguider中心になっていたことは確かです。
ほんまかさんにはss-oneあってのss-one-autoguiderですもの。
お考えはよく分かりました。
初めてss-one-autoguiderを触ったときもよく考えられていると感心しました。
ボタン一つ一つが大きくスピンボタンですら指で操作できる事を念頭に置かれています。
開発者は往々にして一つの画面にすべてを詰め込みたくなるものですが機能毎に画面が分けられています。
ss-one-autoguider単体としてすばらしいものであり他の赤道儀にも使える汎用性の高さ故に非ss-oneユーザの目を引いてしまったのでしょうね。

最近になってss-one-autoguiderも極軸カメラや電子ファインダなどと接続できるものが増えてきました。
僕の懸念はケーブル地獄になる事です。
設置も時間かかるし暗闇でケーブルが絡んでしまう事も怖いです。
僕がVNCの話を出したのはss-one-autoguiderのみでなく赤道儀やコントローラ(ss-one)を含めすべてのものを一つにまとめてケーブルレスになればという思いです。
ほんまかさんがお考えのようにWindowsタブレットで実現した方がスマートでしょうね。
そんな素晴らしいものができたらな迷いなく購入します。
僕のいうことは「ほんまかさんファン」1ユーザの戯言ですので聞き流してください。
長文失礼しました。

投稿: Bergamot | 2016年9月 8日 (木) 22時43分

Bergamotさん、
ありがとうございます。

いえ、Bergamotさんの言うことは、確かに奥が深い問題なんですよ。簡単に肯定も否定もできない問題で、私は常に悩んでいます。
理想を言えば、すべての機能はまとまっていた方がいいんですよ。でもそれは、ユーザの自由度を奪うことでもあるんで、その辺の按配が難しいとこです。

配線も、モーターコントローラとオートガイダーを一緒にするのが一番すっきりした解決方法で、しかも、それを赤道儀に内蔵してしまえば、こんなすっきりしたシステムはありません。
しかし、初心者なら、まだしも、ある程度自分のシステムを持ってる人が、すべてをクリアにして新たにこれを買おうとは思わないと思います。
ほんと、難しいとこです。

投稿: ほんまか | 2016年9月11日 (日) 19時07分

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