ASI071MC-Coolで馬頭星雲
昨晩は天気がよく、月も出てなかったので、東秩父村に撮影にいってきました。秩父くらいだど空は明るいのですが、自宅から50分くらいでいけるのでちょい撮りにはいいです。
今回のセットはこれ。
カメラはASI071MC-Coolです。お客さんから借りてるやつです。鏡筒はFSQ-85ED、最初ボーグの0.85レデューサーを付けて撮ってみましたが、星像は流れまくってまったくダメでした。やっぱり純正のレデューサー買わないといけないみたいです。
仕方がなく、レデューサーを外して撮りました。結果はこれ。
FSQ85ED+ASI071MC-Cool(非冷却)+SS-one CMOS Cap.
2分×32枚 ゲイン10/25
SS-oneポタ赤 + ASI120MM + SS-one AutoGuider Light
納得の出来!、奇麗ですね。こんなうまく撮れた天体写真、はじめてかも。
まず、注目は、今回、ガイド鏡を親ガメ子ガメ方式にしたので、長らく悩まされてきたたわみの問題が解消されました。上の写真ですが、いつもはコンポジットした後は、画像がずれるので、切り抜きを行うのですが、上の写真はまったく切り抜きをしていません。一時間でほとんどずれていません。
しかし、そのため、ノイズが目立っています。ディザーしてません。また冷却もしていないし、ダークも忘れてしまいました。ノイズに関してはまったく何も対策しなかったので、拡大すると特に輝点ノイズが目立ちます。そこだけが今回残念です。でも逆にいえば、一切何もしないでここまで撮れるのも凄いかもしれません。
あと、やっぱ、CMOSカメラは青カブリします。その割には青があまりはっきり出ないので画像処理で強調してやる必要があります。
あと、秩父だと、オリオン座あたりはカブリがひどいのですが、カブリ処理はほとんどしていません。ちょっと信じられない感じです。デジカメだと、カブリがムラとなってけっこう画像処理が難儀するのですが、なぜか、この画像は簡単でした。
あと、もう一点感じたのは、デジカメだと、露出を伸ばすしたり感度を上げたりしてヒストグラムの山が中央付近くらいまで持ってこないと淡い部分の描写処理が難しいのですが、(以前のガチ検証企画を参照)CMOSカメラの場合はけっこう左端によっていて、明らかに露出アンダーでもけっこうなんとかなりますね。それは強く感じます。もちろん、難しいのは難しいのですが。CMOSの場合、あまり適正露出は考えなくていいのかも知れません。(もっともトータルでは長いに越したことはありません。あくまでも一枚の話)
それを裏付けるデータをBergamotさんが提供してくれました。Bergamotさんは、M42をASI1600MCで、30秒×10枚と、300秒×1枚で撮り比べてくれました。元データを入手したので比較してみました。機材はFSQ-85ED + reducer QE0.73xです。
まずは、淡い部分の描写を見るために、ハイライト部分は無視しておもいきり強調してみました。
もっともBergamotさんは、中央部の飽和を抑えるために短時間露出を試されたそうです。そこで、今度は高輝度部の諧調を残しながら処理した比較です。
当然ですが、短時間露出の方が、白とび部分は少ないです。それ以外の描写はあまり差がないようです。そうると短時間露出で撮っておいて、コンポジットや画像処理で最終的な輝度を調整する方法も有効かも知れません。
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コメント
ほんまかさん
ASI071MC-Coolでこんなに綺麗にとれるんですね。やっと届いたので撮影するのが楽しみです。
撮影構成に光害カットフィルターなど書いてありませんが、CMOSではフィルターなしでも問題ないのでしょうか。デジカメではすぐに真っ白に飽和するので光害カットフィルターは必須でしたから。
あとディザーをSS-one CMOS Cap.でやろうとすると、SS-one AutoGuiderと何らかの方法で同期しないといけないので、何かないかと考えています。せっかくディザーの機能があるので使いたいですね。
投稿: minoji | 2017年1月23日 (月) 22時36分
NGC2024(通称:燃える木)の色がとてもきれいですね。
Hαなどのフィルタなしですか。
投稿: Bergamot | 2017年1月25日 (水) 09時14分
minojiさん、
光害カットフィルターは使っていません。
CMOSでも、ゲインを上げれば、あっという間に真っ白になります。そこはCMOSもデジカメも変わらないと思います。
あえて言えば、デジカメを使う人は感度上げ過ぎなんだと思います。
ディザーの同期ほしいですね。同期のためにはつながなければならないのですが、難しいです。
投稿: ほんまか | 2017年1月26日 (木) 19時26分
Bergamotさん、
フィルターは一切使っていません。
燃える木はデジカメだと赤カブリするけど、CMOSだとちょうど良い感じになります。
投稿: | 2017年1月26日 (木) 19時28分
ほんまかさん
ディザーの同期のアイディアを思いつきました。
AutoGuiderのシャッターケーブルをCMOS CapのGPIO端子とつなぐ。
→GPIO端子から2.5mmのメス端子のケーブルを配線するのが簡単?
シャッターはケーブルのショートで制御しているので、GPIO端子でショート(通電)を検出すれば、シャッターの状態がわかる。
→GPIO端子をスイッチで通電させてラズパイのシャットダウンを実行させているので、理論上できるかと思います。
AutoGuiderは無改造で、CMOS Capはケーブルを追加するだけなので、最小限の改造でいけるかと。
あと、ASI071MC-Coolには保護ガラス結露防止用ヒーターのON/OFF制御ができるようなので、今後対応可能であればお願いします。
温度設定の画面にヒーターON/OFFボタンを配置するのが良いかと思います。
投稿: minoji | 2017年1月26日 (木) 20時21分
minojiさん、
それはやりたくないですね。
今でも出荷作業は面倒なので。できる人だけ、自分でやってという感じです。
ディザーは、AutoGuider Proの特典ということで。
ヒーターのON/OFFは知りませんでした。早速、調べてやってみます。
投稿: ほんまか | 2017年1月27日 (金) 18時26分
ほんまかさん
ディザーはAutoGuider Proで対応されるんですね。
それなら面倒な同期はいらないです。
ASI071MC-Coolを昨日はじめて使いましたが、デジカメより感度が高いためかピント合わせも楽ですし、Live viewで構図も確認できてしまうので試写もいらず。
撮影後のプレビューも便利でデジカメには戻りたくないですね。
ファイルサイズがカラーで80M、RAW30Mとでかいのが難点です。
投稿: minoji | 2017年1月28日 (土) 16時22分
minojiさん、ありがとうございます。
ほんと便利ですよね。
デジカメってこんなに面倒だったのと逆に思ってしまいます。
ファイルサイズは致し方がないですね。生のデータなので、圧縮するわけにもいかないし。
投稿: ほんまか | 2017年1月30日 (月) 20時25分