新赤道儀の概要
新赤道儀ですが、今度は、中型の軽量赤道儀というコンセプトで設計しています。
まず、ターゲットとなる鏡筒ですが、私が現在メインで使用しているFSQ-85EDを筆頭に、ボーグの90FLや最近出た107FLなどが無理なく使える大きさということを目指しています。
やはり、これくらいの鏡筒になると、星雲星団の迫力ある写真が撮れます。また最近のCMOSカメラと組み合わせると、拡大効果によりさらに迫力のある写真が撮れるし、それに答えられるだけの性能もあります。
いっぽう、このくらいの鏡筒になると、しかりした赤道儀が必要になってきます。普通のポタ赤の延長では無理と思います。ということで、これらの鏡筒にぴったりな赤道儀でかつ軽量で運搬に優れたものという位置づけです。
私は、ポタ赤と言う名称は、大きさではなく、そのクラスの赤道儀としては可搬性に優れていればポタ赤だと思っています。しかし、最近はポタ赤というと、ポラリスみたいなものを想像すると思いますので、ポタ赤という名称はやめ、勝手ながら「トラベル赤道儀」という名称を使いたいと思います。別に旅行はしなくて良いのですが。
実はだいぶ前から試行錯誤していまして。第一試作機は作ったのですが失敗でした。この第一試作機もいずれ紹介します。で、今、第2試作機の設計が終わり、部品の発注をかけたとこです。今月中にはできると思います。こんな感じです。
一番の特徴は、望遠鏡を載せる位置が赤経中心軸に近いということです。このため、ウエイトが軽くてすみます。その代わり、前に付き出る形にして、鏡筒が当たらないようにしています。
赤道儀本体だけでなく、ウエイトも軽くなるようにしています。第一試作機の結果から、FSQ-85ED本体だけなら、ビクセンガイドパック用の1Kgのウエイトでバランスしました。もちろん、カメラやガイド鏡も載せるので、もうちょと必要で、SS-one Mini用の1.5kのウエイトでバランスするようにしたいと思います。ボーグなら1Kgです。
あとは分解してコンパクトになるように配慮しています。自動車で運ぶ場合はわざわざ分解する必要はありませんが、そうでない場合はやはり、パッケージングサイズが小さいことは重要です。上図のように分解すると、18cm×22cmで、B5サイズより小さく、厚みもわずか9cmで、アタッシュケースに入れられる大きさです。
重量は肉抜きするなどして、最低でも5k以下、できれば、4kgくらいにしたいところです。4kというと、SS-one miniがフルで3kですから、miniよりちょっと重いだけです。
あと、実は、この大きさでいくか、この1.2倍の大きさでいくか悩んでいます。1.2倍だと、イプシロン130EDなども視野に入ってきます。ただ、標準品を多用するメリットで両バージョン作ることも可能です。ということでとりあえず、最初はこのサイズでいこうかと思います。
気になるお値段ですが、「SS-one AutoGuider Pro」付きで、20万円を考えています。SS-one2軸コントローラを持っている人はもっと安くなります。
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コメント
赤緯赤経の駆動方式は、どのようなものになるのでしょうか?。どちらにせよ、ここまで来たら1.2倍サイズで余裕を持たせてもらった方が使いやすいと思います。それと、クランプもSS-oneより強力な物にしてもらいたいかなと思います。では試作機の完成を楽しみにお待ちしております。
投稿: いればひろし | 2017年3月 7日 (火) 23時39分
いればひろしさん、
駆動方式は普通にウオームホイルです。ただ、歯数が少ないです。1倍サイズが80枚で、1.2倍サイズが100枚です。
クランプ方式が現SS-oneと同じ構造なので、今とそう変わらないと思います。
どちらのサイズにするかは、とりあえず1倍サイズで試作し、実際使ってみて決めたいと思います。
投稿: ほんまか | 2017年3月 8日 (水) 21時51分
「トラベル赤道儀」の赤緯体の本命は、私もこの「変形エルボー型」だと確信しています。
北へ延びるアームの強度はあるにこしたことはありませんが、2軸ガイド前提だと5/8inch厚アルカプレートでも十分な強度がありました。(FS-60Q, PROMINAR500 + D810A)
変形エルボーなら、26800mAhのUSBバッテリ2~3本で十分に釣り合い、かつウェイト側も赤経軸のすぐ側に置けるため、結果的に風に強くなりました。
投稿: HUQ | 2017年3月10日 (金) 15時44分
HUQさん、
変形エルボー型というのですか、これは。
確かに、ウエイト少なくして、かつ鏡筒が当たらないようにするにはこれしかないですよね。
この形で行きます。あとは大きさだけですが。
投稿: ほんまか | 2017年3月11日 (土) 20時15分
http://www.showakikai.co.jp/jp/p_seihin/images/new20el_b.jpg
SHOWAの中型赤道儀によくあるこのタイプをポータブル用途にアレンジした形ですよね。
このSHOWAのも、鏡筒に対してバランスウェイトがかなり小さいです。鏡筒と赤経軸を近くした賜ですね。
あとは、赤緯軸を両側に貫通させて同期して粗動・ガイド微動することができると…BORG55FL等を2本差しで両方に載せて効率的にコンポジット枚数を増やしたり、片側L画像でもう一方はRGB,なんてこともできますね。
投稿: HUQ | 2017年3月12日 (日) 10時12分
HUQさん、
参照ありがとうございました。良くわかります。
両端同架は難しいな。コストや重量的に。
投稿: ほんまか | 2017年3月13日 (月) 18時50分