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2018年1月19日 (金)

あなたの反射鏡をイプシロンに

いきなり大それたタイトルですみません。イプシロンと言っても、明るさだけの話なんですが。最近はF3前後の光学系も出てきましたよね。でも高いですよね。少しでも安く、明るい光学系を手にする方法はないか。そんな中、星見屋さんから新製品が出ました。

Ackermann 2インチコマコレクター・レデューサー×0.73
2KORRR

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焦点距離を0.73倍するコマコレクターだそうです。能書きは星見屋さんのページを見てもらうことにして、これを銀次15cm/600mm/F4に使うと、15cm/438mm/F2.92になります。明るい!!

星見屋さんから作例を作ってほしいと頼まれて借り受けました。

早速、使ってみるのですが、こういったコマコレやレデューサーはバックフォーカスが決まっています。こいつは、66.85mmだそうです。EOSに付けることを想定すると、EOSのフランジバックは、44mmなので、66.85mm-44mm=22.85mmで取り付けなければいけません。

そこで手持ちのリングを総動員して、ベストな組み合わせを探します。結果はこれ。

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M48-TアダプターでTリングを付けただけでは短すぎるので、M48アジャスターとTリングアジャスターを挟んで光路長を稼ぎます。アジャスターといっても唯の薄いナットです。がらくたボックスの中から探してきました。この辺は、販売店のサポートを期待したいですね。

さて、これでカメラを付けて、反射鏡に差し込むのですが、

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次に問題は無限遠でピントが出るかどうか。レデューサーなど焦点距離が短くなる補正光学系を入れるとたいがいは、ピント位置は内側に移動します。

測ってみると、ピント位置の移動は13.7mmでした。じゃ、ドロチューブの繰り出しに13,7mmの余裕があれば良いかと言うと、そうではなく、66.85mmのバックフォーカスを得るために入れたリングの光路長も考慮しないといけません。それは、TリングとTリング-2インチアダプターの光路長の合計を15mmとすると、余計な光路長は

66.85mm - 44mm - 15mm = 7.85mm

つまり、コマコレを使わない時に比べて、7.85mm余計長くなるので、この分もドロチューブを押しこまないといけません。結局、必要なドロチューブの繰り出し量は

13.7mm + 7.85mm = 21.55mm

これだけの繰り出し量が必要です。余裕を見て3cmは必要でしょう。

つまり、コマコレを付けない状態で、3cmくらいドロチューブが繰り出していればピントがでます。
ところで、銀次のホームページを見ると、デジカメでは35mmの2インチ延長筒を付けて合焦すると書いてあります。つまり、この延長筒を外せばコマコレでピントが出ることになります。

ただし、あくまでも机上の計算なので、保証はできません。

私の改造銀次は、CMOSカメラでドロチューブの繰り出しをぎりぎりに最適化しているので、このように主鏡フレームを移動させて対応しました。ただ、これだと計算上、斜鏡から光があふれてしまいます。まぁ、とりあえず、あふれる量もわずかなので、これでやることに。

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早速、本栖湖に実写してきました。結果はこちら。

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GINJI-150FN改造+2KORRR+ASI1600MM+SS-one CMOS Cap. 438mmF2.9
L: 2分×32 RGB 各2分×10 トータル2時間 ゲイン12/25
SS-oneトラベラー + SS-one AutoGuider Pro + ASI120MM-SS3

淡い、クリスマスツリー星雲が2時間でここまで写ってくれて、感動です。やっぱ明るいっていい。

コマコレとは話がそれますが、反射とモノクロの相性ってほんといいような気がします。なんかこういった奇麗な画像があっさり出てくるんです。理由は分からないけど。

コンポジットとフラットと、レベル調整だけのまったく画像処理していない画像がこちら。

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下処理でここまで出てくれれば後は楽勝です。まぁそれはさておき、コマコレに話を戻します。

コマコレなので、周辺星像が気になります。こちら。

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フォーサーズ4隅では、ほぼ完璧です。周辺減光も予想してたより少なかったです。今度はAPS-Cで撮ってみたいですね。

まぁちょっと高いのですが、銀次と合わせても20万以下なので、明るいのを求める人にはいいかも。

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