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2018年8月13日 (月)

SS-oneトラベラー HD版最終試作機完成

試作機ばかり作って、いっこうに世に出ないトラベラーですが、CNCフライスを手に入れ、やっとこさ、完成しました。

胎内に間に合った!

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今回、CNCフライスを使ったので、次のような立体的な設計が可能になりました。

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また、下写真のようなちょっとした構造が可能になり、前試作機に比べて、大幅な剛性アップを図っています。前作では、横方向の剛性に心配があったのですが、今回は完全に解消しています。

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大幅な剛性アップをしたにも関わらず、重量はわずか3kg(今のところ。)前作に比べて800gの軽量化です。ほんとに軽い。これがハーモニックドライブの良いところ。まじで、電車で星雲写真撮れに行けそうです。(星野じゃなくて)

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ラズベリーパイを完全に内蔵できるので、モータードライブから、オートガイダーまですべてこの一台でOKです。配線ゴチャゴチャからの解放。忘れものも少なくなります。ただ、今回の仮注文分に関しては、コントローラの製作は間に合いません。SS-one AutoGuider Proを使ってください。

塗装に関して。
塗装は、当初、塗装なしと塗装ありの選択にする予定でしたが、完全手作り加工なので、アルミ素材が傷だらけになります。よって、塗装は必須です。SS-oneのイメージカラーの青と、シルバーを予定しています。

塗装はアルマイトではなく、吹き付け塗装になります。いちおう次のような工程を経ています。
1 アルミ表面をヤスリで削り、塗料の定着性を良くする
2 脱脂
3 メタルプライマー処理で、定着性を良くする
4 アクリルカラー塗装を3度塗り
5 アクリルクリアー塗装を2度塗り
6 2液ウレタンコートを薄く6度塗り(4~6は塗料メーカーの指示通り)

これだけやっていますが、何せ自家塗装なので、ムラや傷が業者に比べ、つきやすくなっています。 指でひっかいたくらいでは大丈夫ですが、固いものをぶつけると、塗装が傷つきます。
シルバー塗装をお薦めします。シルバーならムラや傷が目立たないと思います。試作機の塗装が完全に定着したら耐久試験もしてみようと思います。

去年の胎内にトラベラーを展示して、まだ完成しないまま今度の胎内を迎えてしまいましたが、今度こそ、なんとかリリースしたいですね。

カギは、CNCフライス盤ですが、購入直後からトラブル続きで、苦労しています。何かの参考までに記しておきます。

買った直後から、Y軸の原点がずれるトラブルに悩まされていました。最初は自分が悪いと疑い、次に機械を調べて、問題なし。メーカーともやり取りしながら、結局、主軸モーターのノイズが原因であることを突き止めました。それまで何度も失敗加工を繰り返しました。

で、対処として、電源を複数の系統からとったり、下図のよようなノイズフィルターを3か所いれて、Y軸のずれは解消しました。

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これでしばらくは順調に加工していたのですが、やがて主軸モーターのヒューズがたびたび飛ぶようになり、やがて、主軸モーターのコントロールがPCから出来なくなりました。

メーカーは基板交換すると言ったのですが、根本の原因が分からないので、少し調べてみました。今はこんな状態です。

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基板のサイリスタにスパークの跡があり、壊れていました。これではPCから制御できないはずです。問題はどうして、サイリスタが飛んだかですが、モーターが開放型なので、おそらくモーター内に切りくずは入ったと思われます。ヒューズがたびたび飛ぶようになった症状とも符合します。

ということは、基板交換しても、結局また同じことです。ということで、モーターを密閉型に交換することにしました。また制御基板もフライス盤本体から切り離し、切りくずの影響を受けないようにしたいと思います。

モーターはオリエンタルモーターに頼んだのですが、お盆休みのためか、通常より遅く、くるのが下旬になります。何はともあれ、これで、安定的に運用できるようになれば良いのですが、それまでは量産できない状態でいます。

トラベラーの一般販売に関して。
今回、仮注文分の10台の生産を終えたら、一般販売も考えていますが、値段はやはり高くなります。モーターだけでも純粋に12万円もします。コントローラ内蔵で30万円くらいになると思います。コントローラなしで、27万円(その場合SS-one AutoGuider Proが必要)くらい。高くて申し訳ありませんが、同じモーターを使った製品が他で、47万円ですから。。。
もう少し安く買いたい人は、ウオームギア版を待つしかないのですが、ウオームギア版は、ラズパイ内蔵できません。また完成はだいぶ先になりそうです。

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コメント

完成おめでとうございます
待ちに待った赤道儀が完成したことに心躍っています
早く手元に届く事を心待ちにしています

ところで
今回の仮注文者はコントローラーの内蔵は間に合わない為
オートガイダープロを使用してくださいとの事でしたが
追加料金等の対応でコントローラー内蔵型にアップデートする事は可能と考えてよろあいいのでしょうか?

投稿: | 2018年8月15日 (水) 23時58分

素晴らしい完成度ですね。一般販売するなら購入したいです。
仕事の関係で胎内には行けそうもありませんが、完成が楽しみです。
福島のスターライトフェスティバルに参加していただけると嬉しいです。そちらならなんとか行けそうなので。

投稿: きみ | 2018年8月16日 (木) 07時28分

みなさん、ありがとうございます。
コントローラ内蔵型のアップデートは可能です。

投稿: ほんまか | 2018年8月17日 (金) 19時52分

とても美しい赤道儀ですね✨
市販化されたら自分も一つ欲しいです。
まずは予算を工面しないと…(^_^;)

今回は塗装仕上げということですが、
サンドブラスト(ウォーターブラスト)の後に
アルマイト処理するとかなり美しい仕上がりに
なるのではないでしょうか。
工数的にもどっこい こいどっこいな気がします。

投稿: やまね | 2018年8月21日 (火) 11時33分

やまねさん、
ぜひお金貯めて、一本お願いします。

アルマイトはアルミ表面の状態がそのまま出るから無理ですね。
サンドブラストで研磨できるレベルまでの精度で加工するのが難しいのです。フライス盤の精度もあるし、加工途中で傷を付けてしまうと、かなり削らないとこの傷は、消えません、その都度、寸法が0.1mmずれてしまいます。
結局、傷が目立たないというか、傷を埋めてしまうような塗装が一番いいということになりました。

投稿: ほんまか | 2018年8月21日 (火) 11時55分

製作はイロイロと難しいものですね。

ところで、美しいデザインの赤道儀、
電子極望は内蔵でしょうか?
後付けだとどう付くのかなと思いました。
また、内蔵 ディスプレイの照度は調整可能でしょうか?
撮影時に消灯すると嬉しいです。
また場合によってはSSnOneオートガイダー Proと
両方を使い分けられるといいのではないかと思います。

投稿: やまね | 2018年8月22日 (水) 12時46分

やまね さん、

電子極望は内蔵です。

内蔵ディスプレイおよび内蔵のコントローラに関しては
まだ、まったく手を付けていません。これから考えます。
輝度調整と、消灯に関しては考慮します。

両方使い分けるのは難しいですね。
転向は可能ですが、現場で即座に切り替えみたいなのは
無理と思います。

投稿: ほんまか | 2018年8月23日 (木) 16時38分

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