SS-one星雲・星団撮影セットの開発・販売
昨日、ちょっとだけ出した望遠鏡セットですが、ここで詳しく説明したいと思います。
その前に、なぜこの望遠鏡セットを開発・販売するに至ったか、それは私の極めて個人的な、ビジネス無視の2つのこだわりがあったからです。
1 小型でスリムな望遠鏡セットへのあこがれ。
最近は、小さな赤道儀が減ったなぁと思います。ポタ赤はあるのですが。最近はエントリーモデルでもけっこう大きいというか、ごつごつした感じのが多いです。モーター内蔵が増えたのもあるし、小さいのは、ポタ赤の範疇になるからでしょうか。
だけと昔はけっこうあったんです。タカハシのP2赤道儀+FC65とか、ペンタのMS-3n+75SDHFとか。こういったものにあこがれていました。かっこいいし、使わなくても部屋においておくだけで絵になる。
今でもあこがれていますが、でも、ヤフオクとがで買う気にはなれないです。赤緯が全周微動でないから。
現代仕様でもこういった望遠鏡セットがあればいいな、と思ってました。
2 完全な天体写真撮影セットの提示
天体望遠鏡セット、特に撮影セットになると、買ってすぐ使えるものは皆無です。いろいろ買い足したり、調整したり、交換したり。もちろん、趣味の世界なので、それが楽しいし、私もむしろ、そちら側の人間。
だけど、みんながみんなそうとは限らないし。機械音痴な人、女性だっているし、あるいは無駄は一切省いて、最短で到達したい人。けっこう多いです。
私は、メーカーとか、販売店とかは、目的を達成するための、完全なセットというのを、ユーザがそれを全て選択するかどうかは別にして、提示(用意)できないとおかしいと思うんです。だって、車を買って、納品日に車を取りにいけば、そのまま乗って帰ってこられるじゃないですか。バッテリーは別で買ってください、とかワイパーも別ね、すべて揃ったら始めて乗れますよ。ていうことはないでしょ。
まぁ、そういった観点からはビクセンさんとかは頑張っているとは思いますが、まだ完全ではないです。販売店も全部揃うところは少なく、Tリングさえ売ってない販売店もあります。
まぁ、そんな思いもあって、完全な望遠鏡セットというのを組んでみたかったところがあります。残念ながら、電源だけは、いろいろあって、私は販売できないのですが、それ以外はカメラも含めて、買えば、もうその日の夜に使える望遠鏡セットを考えたわけです。
もっとも、既に持ってる部品もあると思うので、そこはマイナスオプションという方式で行きたいと思います。
つまり、完全なフルセットを基本として、必要ないものはどんどん外していくという方式です。
まぁ、能書きはこれくらいにして、それでは「SS-one星雲星団撮影セット」の紹介です。
ベースの赤道儀はSkyWatcherのEQ3(ノーマル)です。
鏡筒は、SkyWatcherのEvoStar 72EDです。日本では未発売です。鏡筒径がφ80より細く、すごくスリムです。なにかPentax75SDHFを思わせます。完全に私のツボにハマりました。性能の方はこれから検証です。
SkyWatcherのEQ3GOTO仕様のモーターは凄く出っ張っていて、せっかくの小型の赤道儀が台無しです。そこでモーターはSS-oneオリジナル仕様にしました。また電子極望内蔵です。
こちらは、赤緯のモーター。
EQ3はEQM35もそうですが、赤緯のウォーム歯数が65枚しかなく径が小さいので、剛性的に不足ですね。手でぎゅーと回してみると、歪みます。あまり重い鏡筒やリーチの長い筒は不向きと思います。EvoStar72EDくらいの鏡筒がちょうどいいと思います。
EQ3の標準のウエイトはやたらデカイので、小型のウエイトに変えました。
EvoStar72EDのような小型の鏡筒はどうしても、ボトムヘビーになりますが、EvoStar72ED標準のアリガタプレートは短く、バランスがとれません。そこで長いものに変えました。
このように、このセットは、単に、これとこれを合わせましたというだけでなく実際の使用にそくして調整をしてあります。
ヒーター付きのオートガイドカメラ。
カメラは、Eos Kiss Xxか、FujiのX-Axで考えていますが、もちろん、マイナスオプション。
プラスオプションのカメラ三脚アダプターも開発中。
プラスオプションはもうひとつあって、レデューサー。
あと、写真にはありませんが、「SS-one Power」も標準で付きます。
このように、電源さえ買えば、ほんと、もうこのまま撮影に行けるセットです。
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このブログを見ていてくれる方は経験者が多いので、このようなセットは不要でしょう。したがって、開発までの、たとえば光学系の検証などの記事はこちらのブログに掲載しますが、開発完了後は、「入門者向けブログ」の方で、紹介や説明をしていきたと思います。
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コメント
EQ3がベースということは、極軸の最低仰角はやはり28度なのでしょうか。
こちらでは使いづらいですね。一応、国内なんですが。
投稿: sirius | 2018年10月27日 (土) 22時21分
siriusさんは
このセット本当に欲しいのでしょうか
もしそうなら siriusさんのために別の赤道儀で
組んでみますが
投稿: ほんまか | 2018年10月27日 (土) 22時49分
ほんまかさん、ごめんなさい。今のところ、赤道儀を購入する予定はありません。
ただ、いろいろと画期的な製品を開発しているほんまかさんに、28度以南が置き去りにされてしまわないかと、不安を感じたもので。
投稿: sirius | 2018年10月27日 (土) 23時09分
siriusさん、
なるほど、そんな根深い問題を提示されていたんですね。
現実問題、難しいところがあるな。
でも、もう分かったので、今後、私が赤道儀を設計するなら十分考慮しますけど。
トラベラーみたいなのは、一台一台設計変えることもできるし。
EQ3に関しては、ウエイトシャフトが三脚のN脚にぶつかるのです。だから、シャフトを短くするとか、オフセットさせれば、0度までOKなんですよ。
そんな難しい話でもないので、だから、置き去りとかではなく、ご要望があれば言って頂ければと思います。
投稿: ほんまか | 2018年10月28日 (日) 00時33分
ほんまかさん すばらしいシステムです、感動しました。
いつも精力的に天文に特化した商品開発されていて感銘を受けます。
サブ機で出番の少なくなった、GPD、SS2000PCを同じようなシステムにしたいと思っています。
問題なのは、ガイド、と極軸です、先日のオールインワンガイドが最適だと思いました、外にでて厄介なのは、パソコンです、(永遠の初心者なものですから)
私のような高齢者には、環境を軽く、スマートに整備することだと考えています。(個人的希望です)
GPDの場合、SSONEオートガイダーproを導入すれば一揆解決するのですが、ss2000pcに愛着があり、とりあえず先日のオールインワンガイダーを整備するのがいいのかなあと思っているところです。価格的には回り道ですかね、、、。
このシステムは初心者のみならず高齢者には最適と思います。
長文ですみませんでした。
投稿: 夜空の通行人 | 2018年10月28日 (日) 09時23分
夜空の通行人さん、
ありがとうございます。
でも、古いシステムにいつまでも、しがみついていてはダメですよ。
気持ちは分かりますが。私もスカイキャンサーをなかなか手放せなくて、7年も使ってしまった。今から思えば、なんて狭い範囲でやっていたかと。
投稿: ほんまか | 2018年10月28日 (日) 10時41分
ほんまかさん、察してくださってありがとうございます。
バランスウェイトがひっかかるのは、低緯度での宿命みたいなものですね。
ハーフピラーで避けられそうですが、運搬時にかさばるし、コストもかかるかな。
投稿: sirius | 2018年10月28日 (日) 19時10分
凄く良い企画だと思います
一旦始めれば、あれが良いこれが良いなど言い始めれるけど
誰しも始めるまでのハードルが高い
この様なセットがある事は非常に有意義で他の人に勧めやすくて良いです
あと気になるのはお値段ですね
投稿: vint | 2018年10月28日 (日) 22時42分
ハーフピラーは一番スマートな解決策ですね。
でも、私が作るとなるとやっぱりコスト高ですね。
SkyWatcherにハーフピラーのオプションあるのかな?
SkyWatcherも、もう大きい会社なんだから、ハーフピラーくらい用意してほしいな。
投稿: ほんまか | 2018年10月28日 (日) 23時46分
vintさん、
ありがとうございます。
価格はなるだけ安くしたいのですが、フルセットとなると、高くなってしまうのはどうしようもないですね。
ただ、実際にこれだけかかるのは事実だし、バラで買うよりは安いのも事実なので、あと、下手に安いもの買って、挫折するよりは、全然いいと思うので、そのへんをアピールできればと思います。
投稿: ほんまか | 2018年10月28日 (日) 23時49分
ほんまかさん、こんにちは。
sky watcher eq5 と auto guider pro
をベースに後屈折式望遠鏡、カメラ装着アダプター、ポーラー2 等々 全てを含めてお見積もり依頼できますでしょうか?
投稿: ハヤブサ | 2018年11月 6日 (火) 11時36分
ハヤブサさん、
メールにて送信しました。
投稿: ほんまか | 2018年11月 6日 (火) 16時42分