イメージシフト奮闘記

2007年12月20日 (木)

イメージシフト奮闘記 その15

画像処理も一段落したので、奮闘記また続けます。最近ネタ切れですが。。。今回はモザイクするうえでのコツみたいなものを、生意気にも伝授したいと思います。大したことないですが。とにかく私モザイクばっかやってるので、失敗もいろいろあるわけで、その中から、注意点をいくつか、まとめて見ます。

モザイクの基本的なやり方は(正しい方法かどうかは知りませんが)、「イメージシフト奮闘記」の過去の記事にありますから、参考にしてください。

その1 モザイクするときは、調整レイヤーでコントラストや彩度を上げておくと分かりやすいと過去の記事で紹介しました。この際、カラーバランスを整えておくことが重要です。カラーバランスが極端にずれていると、たとえばGが極端に強いと他の色の微妙な違いが分かりません。

また、コントラストが低いほうが微妙な違いが分かりやすい場合もあるので、調整レイヤーのパラメータをいろいろ変えて、いろんな状態で調整具合を確認するのが良いと思います。

その2 過去記事でも述べましたが、モザイクの初期の段階では、つなぎ目だけに注目しないで画像全体でバランスをとることが大事です。画像全体のバランスを優先させて明るさや色を合わせていきます。つなぎ目は最後に処理します。

とは言っても、どうしてもつなぎ目に目がいってしまいます。これを避けるいい方法があります。画像をなるだけ小さく表示します。こうすると全体像が分かります。そこで、具体例として、私の失敗例の紹介をします。まず、次の画像を見てください。

Moz1

私、この状態で完璧と思って、レイヤーを結合してしまったのです。つなぎ目は多少わかりますが、コントラストをかなり上げていますので、通常ならこれで完璧です。その後、確認もしないで、画像処理をどんどん進め、最後にプリントしてやっと間違いに気づきました。これを修正するのは大変でした。結合してからの修正は大変です。

どこが、おかしいかというと左側の一番上のコマです。この画像ではまったく分かりません。そこで画像を小さくしてみると分かりました。

Moz2

左一番上のコマが明るいです。またB成分が強くG成分が足りないです。明るさは真ん中のコマと同じように見えますが、同じだと不自然です。下側のコマはカブリで明るいので、その上のコマは下のコマより若干暗くないとおかしいです。この差はプリントするとはっきり分かります。そこで修正したのが次の画像です。

Moz3

分かりにくいので、並べて表示して見ます。左側が修正前、右側が修正後です。

Moz4_4 

右側の方が、上部に続くグラデーションが滑らかにつながっています。

このようなことがあるので、つなぎ目にこだわらず、画像全体でバランスをとることが重要です。その場合、画像を小さく表示させてみたり、実際にプリントして確認する作業が必要です。

その3 これも具体例で示します。まず、次の画像を見てください。

Moz5

右側一番上のコマに注目してください。左側は隣のコマと良くあってます。下側は左部分はあっていますが、右部分はずれています。この場合は輪投げツールで範囲指定して、部分的に調整するしかありません。

この場合、暗いほうを明るくするか、明るい方を暗くするか、どちらか選択しなければなりません。私の今までの経験から言うと、

暗い方を明るくした方が結果は良いです。

その理由は、まず、画像の端は周辺減光やケラレ等で暗くなりやすいです。ですから、明るい方を暗くすると、さらに暗くしてしまうことになります。この結果、つなぎ目部分が黒く落ち込んでしまうのです。これは目立ちます。それに、明るい部分に暗い筋があるより、明るくもりあがっているほうが目立ちません。

もう一つの理由は明暗の差がカブリによる場合です。上の例の画像では、真ん中のコマがカブっています。上のコマのカブリが少ないです。真ん中のコマを暗くすると、一番下のコマのカブリとのバランスが不自然です。ですから下のコマのカブリも修正しなければなりません。カブリ補正は結合してからやった方が楽ですし、自然です。ですから、最初はカブリも被写体のうちと思って、カブリも綺麗につなげるように補正した方が結果が良いです。ですから明るい方を暗くしてしまうとカブリの中に一部分だけ暗い落ち込みができてしまうのです。ただ、これに関しては場所や状況にもよりますので、その都度、全体のバランスを考えてどちらを修正するか見極めなければなりません。

今回はここまで。次回はあるのかぁ。

| | コメント (2)

2007年12月 3日 (月)

イメージシフト奮闘記 その14

奮闘記、しばらくお休みしていてすみません。今日はフラット処理です。

前回までの処理で、モザイク合成は完成しました。ここで一度、レイヤーを統合します。強調のための調整レイヤーはもちろんはずしておきます。次は、カブリや周辺減光の補正です。私の写真の場合は絞り込んでいますので周辺減光は補正するほどでません。それでカブリ補正が主な作業になります。まず、新規に「レベル補正」の調整レイヤーを作成します。右側のレイヤーウインドウで、この調整レイヤーの白い四角の部分を[Alt]キーを押しながらクリックします。そうするとこの白い画面が編集ウインドウに現われます。ここにマスクを作成します。マスクは白い部分だけ「レベル補正」が効きます。黒い部分は効きません。

マスクの作成ですが、グラデーションツールを使います。左側のツールパレットからグラデーションツールを選択し、マウスで下図のようにドラッグします。そうすると、グラデーションマスクが出来上がります。ドラッグの方向、長さを変えて、ちょうどカブリの部分が白くなるようにします。

Mask1_2

Mask2

マスクができたらレイヤーウインドウの背景をクリックし、後は、調整レイヤーの「レベル調整」でカブリを補正していきます。カブリは単純に一方向ではなく、いろいろな方向、色、明るさが重なっていますから、一度にカブリを補正しようとせず、いろいろなマスクの調整レイヤーをいっぱい作って少しずつ修正していきます。

この作業中も、コントラスト、彩度を上げるための仮の調整レイヤーを作成しておくと効果がはっきり分かって便利です。納得のいくまでフラットにしたら、後はレイヤーを合成して終了です。最後に好みに応じて色合いや明るさなどを調整します。

Mask3

| | コメント (0)

2007年11月15日 (木)

イメージシフト奮闘記 その13

前回までの処理でもまだつなぎ目が分かる場合があります。特に広角系の場合はカブリがあると、画像の片方は合っているが、片方が合っていない状態になります。このような場合は投げ縄ツールで直接範囲指定して修正します。

Moz6

上の例では左中段の一枚がカブリのため合っていません。そこで範囲指定して、明るさをプラス1にしています。このとき明るさの調整は±1で行います。一度に明るさを変化させると修正跡が残ってしまいます。ですから1ずつ、少しずつ選択範囲を変えながら調整していきます。色合いの場合は[レベル調整]で行いますが、このときも0.99か1.01のどちらかで調整します。一度に変えると絶対にわかってしまいます。選択範囲を変えながら少しずつ調整していきます。

範囲指定して、右クリックで[境界をぼかす]を選択し、明るさや色合いを一度に調整する方法もありますが、私がやった限りでは、印刷するとやっぱり修正跡が残ってしまいます。ですから1ステップずつ慎重に範囲を選択して調整していくのが良いと思います。

次回はレイヤー合成とカブリ補正です。

| | コメント (0)

2007年11月13日 (火)

イメージシフト奮闘記 その12

位置合わせが終了したら、今度は色、明るさを合わせです。その前に元画像の明るさが暗かったら明るくしておくことが重要です。ヒストグラムの山が中央付近にくるように明るさを調整します。暗いままだと修正跡が目立ってしまいますが、明るい画像を暗くすると修正跡が目立ちません。(そのため私は現像、コンポジットの段階で明るくしておきます)

さて、合わせ作業に入る前に、調整レイヤーで画像のコントラストや彩度を上げておきます。メニューの[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[明るさ・コントラスト]を選んで調整レイヤーを作ります。もしこのレイヤーがレイヤー画面の一番上にない場合はドラッグして上にもっています。同様に[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[色相・彩度]を選んで、彩度を上げておきます。これでコントラスト、彩度を上げておくと色の微妙な違いがはっきりわかるようになります。

Moz5

新規調整レイヤーを作成したら、[画質調整]の[明るさ・コントラスト]または[レベル調整]で丹念に合わせこんでいきます。ほんとはこの作業もそれぞれの画像で調整レイヤーを作成した方が良いのですが、私は面倒なので直接元画像に処理を加えています。しかし、イメージシフト方式の場合はそれほど修正が入らないので問題ないと思います。

合わせ込み作業で重要な点は、つなぎ目だけを見て判断しないことです。あくまでも画像全体を見てバランスをとることです。つなぎ目を分からなくしようと、つなぎ目だけ見て調整すると場所によって色合いが異なる変なモザイクができてしまいます。つなぎ目は後から処理すればよいので、最初は画像全体のバランスを考えて色合わせ、明るさ合わせをします。

この段階でだいぶフラットな画像になりますが、まだつなぎ目が分かる状態にあります。なぜ、つなぎ目が分かるかというと、それはケラレや周辺減光、色滲みや熱かぶりの跡が残っているからです。ですからそれらの影響を排除するために画像の周辺を適当にカットします。たとえば、イメージシフト方式の場合は、上側2枚はミラーケラレの影響で下部が少し暗くなりますのでそこをカットします。カットする画像を選択し、カットする部分をなげなわツールで囲みます。そして[編集]→[カット]でカットします。カットするときは直線的にしないで適当に曲げます。

Moz6

続きはまた今度。

| | コメント (0)

2007年11月 9日 (金)

イメージシフト奮闘記 その11

奮闘記も、いよいよモザイク編です。そもそも、なんで「奮闘記」というタイトルを付けたかというと、まったく何も知らないところから、あーでもない、こーでもないと、試行錯誤を繰り返してやっと今の手法にたどりついたからです。特にモザイクの方法とか詳しく説明している本もないし、ネットでもあまり見ないし。。。

さて、コンポジットが終わったら、モザイクですが、イメージシフト方式でない場合は前もって周辺減光などのフラット補正をしておかなければなりません。

最初はフォトショップエレメンツで、モザイクする画像すべてを開きます。そしてメニューの[新規]→[Photomerge Panorama]を開きます。そうすると、次のようなメッセージが出ます。

Moz1

この悲しいメッセージが出ます。CSを買えないむなしさを噛み締めてOKをクリックします。そうすると、Photomergeの画面が開きます。

Moz2 

運が良いとすべて合成された状態で開きます。しかし、合成できない場合もたまにあります。この場合は手作業で画像をドラッグします。だいたい近い所にもってくれば後は自動で合わせてくれます。多少ずれていても、どうせ後で修正しますので、気にしません。

ここで右側の「レイヤーとして保存」をチェックします。これが重要です。そして[OK]ボタンをクリックします。そうすると、6つのレイヤーが自動で作られます。Photomergeの合成はそれほど正確ではありません。そこで最初に位置の修正を行います。まず修正するレイヤーを一番上に持ってきます。マウスでドラッグすると上に移動できます。下の図の赤丸のところです。そして不透明度を50%くらいにします。そうすると重なりが良く見えます。大概はずれています。そこで、メニューの[イメージ]→[回転]→[レイヤーを自由に回転]を選ぶと移動できます。矢印キーで上下左右に移動できます。また角の部分をマウスでずらすと回転もできます。これで合わせて込んでいきます。合致したらリターンキーを押すと確定です。[ESC]キーで破棄されます。

Moz3

イメージシフト方式の場合はこれで完璧に合いますが、そうでない場合はレンズの湾曲収差がありますから、完全には合わないと思います。あまりひどい時は湾曲も補正しないといけません。

すべてのレイヤーの位置合わせが完了したら、レイヤーを並べ替えます。私のニコンD50は左上にアンプノイズが出ます。もちろんダーク減算で取り除いていますが、それでも少し残ってしまいます。そこで左上が隠れるようにレイヤーを重ねていきます。下図の赤丸のようにレイヤーをドラッグして並べ替えます。

Moz4

本日はここまで、次回は色、明るさ合わせです。

。。。この後遠征に行く予定。。。晴れれば。。

| | コメント (0)

2007年11月 8日 (木)

イメージシフト奮闘記 その10

コンポジット編です。コンポジットはステライメージでやっています。ステラのコンポジットは2通りの方法があります。メニューの[合成]→[コンポジット]と、[バッチ]→[コンポジット]です。前者の方は2枚づつ手作業でやるのですが、後者の方は複数枚自動で位置あわせして合成してくれます。私は、どうもバッチの方の自動処理が苦手です。処理が遅いのと、正確性に欠ける気がします。(使い方がまずいだけかも知れませんが)そこで、いつも[合成]の方のコンポジットを利用しています。

[合成]コンポジットは一度に2枚のコンポジットしかできません。この場合、加算コンポジットなら問題ないのですが、加算平均コンポジットの場合は問題がひとつあります。たとえばすでに2枚コンポジットしたものと、コンポジットしていないものの加算平均はできません。これをやってしまうと、一枚画像の方が比重が大きくなってしまいます。ですから、通常は加算コンポジットで次々足していき、最後にレベル調整をするのですが、私は最後のレベル調整が面倒なのでレベルオーバーしそうになったら加算平均に切り替えます。このため、以下のようなトーナメント方式を使ってコンポジットしています。この方式ではコンポジット枚数は2枚、4枚、8枚、。。。に限られますが、特に不便を感じたことはありません。

Comp1

つまり、2枚づつどんどん加算していきます。そしてヒストグラムの山がだいたい中央付近にきたら今度は加算平均をするようにしています。これならレベル調整する必要はありません。もしレベル調整する方法を選択するなら、モザイク枚数すべて同じ条件でレベル調整しなくてはなりません。(大した手間ではありませんが、私はこれが面倒なのです。)

実際のコンポジット作業は次のようにしています。コンポジットしたい2枚の画像を開き、メニュー[合成]→[コンポジット]を開きます。

Comp2

最初は同じ画像が2枚コンポジットされた状態で表示されます。そこで[ウインドウ]をもう一方の画像にします。そして、[合成方法]を最初は「差の絶対値」にします。差の絶対値にするとずれ具合が良く分かります。[Ctrl]キーを押しながら、矢印ボタンをクリックすると0.1ピクセルづつ移動しますので、画面が真っ黒になるまで合わせ込みします。画像が合ったら、[合成方法]を「加算」または「加算平均」にします。

Comp3

これでコンポジット完了です。

ところで、私はいつも次のようなことで悩んでいます。

「コントラスト」が先か、「コンポジット」が先か

天体写真では、コントラストを上げたり、ヒストグラムを切り詰めたり、あるいはトーンカーブで傾斜を上げるなどの操作を普通にします。すべて階調を引き伸ばす操作に違いはありません。私は最初、「コントラスト」を上げてから「コンポジット」した方がいいと思っていました。次のように考えたわけです。

2枚の画像で、ある点のレベルが1と2だとします。これを加算平均すると1.5になります。小数点は切り捨てられますから、1になります。これをコントラストを上げて2倍に引き伸ばすと2になります。ですから階調は増えません。ところがコントラストを上げてから、加算平均すると2と4の加算平均ですから3になり、階調が豊富になります。ですから最初に加算平均してしまうとノイズは低くなりますが、階調は増えないと思いました。(加算の場合も後でレベルを切り詰めるなら同じことです。)しかし、すぐにこの考え方は間違いだと分かりました。

RAW画像の諧調は12ビットです。一方現像後の諧調は16ビットです。ですから4ビット分の余裕があります。どうゆうことかというと、最初からレベルは16段階ごとにしかないのです。つまり1,2というレベルはなく、16、32、48...という飛び飛びの値なのです。ですから、最初に加算平均をしても小数点が切り捨てられることはありません。結果的にどちらを先にしても良いのです。

ところが、これは画像処理を16ビットで最後までやるという前提です。私が今、使っているフォトショップはエレメンツです。CSではありません。そう8ビットしかないのです。そうすると最初の考え方が正解のような気がします。コントラストを上げると、確実に階調は飛び飛びの値になります。その後、加算平均をすれば、離れた間を埋めてくれると思うからです。

結論的には、コンポジットする前にある程度、レベルを整えておく方が良いのではないかと思います。私は、階調を引き伸ばすような処理はほとんどしないのですが、もしするなら、なるべく現像の段階でやるようにしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月 7日 (水)

イメージシフト奮闘記 その9

次は現像です。フォトショップを開き、メニューの[ファイル]→[開く]でダーク減算したRAWファイルを開きます。

Raw1

最初は[設定]を「カスタム」にします。[色温度]と[色かぶり補正]のスライダーを動かして、三色の山がだいたい重なるようにします。だいたいでいいです。

下の[露光量]以下のパラメータは0が基本です。ただし、ヒストグラムの山がグラフの中央にない場合は、[明るさ]を調整して中央にもってきます。ただ、2枚コンポジットの場合は、中央ではなく左側1/4のところにもってきます。つまりコンポジットした結果、中央にくるようにします。また4枚コンポジットの場合は[明るさ]は0のままにします。4枚コンポジットでも中央にこないようであれば、そもそも露出不足です。。。と私は勝手に判断しています。

[コントラスト]はやはり0が基本ですが、山の幅が狭い場合は多少プラスにします。これもコンポジットが前提です。後でコンポジットしないのにコントラストを上げると画像が荒れます。最後に左下の[ビット数]を「16ビット」にします。これを忘れないようにします。

一枚現像したら2枚目を開きますが、今度は[設定]を「前回と同じ設定」にしておきます。こうすることによってモザイクが格段に楽になります。

Raw2

すべてのファイルの現像が終わったら、メニューの[ファイル]→[別名で保存]を開き、[ファイル形式]を「TIFF」にして保存します。これで現像は終了です。

次回はコンポジット編です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イメージシフト奮闘記 その8

奮闘記、今日はダーク減算です。ダーク減算など、基本中の基本かも知れませんが、もしかしてこれから初めて天体写真を撮る方もいるかも知れないので、やはり説明させてもらいます。

まず、ダークフレームの撮影ですが、私は、メインフレームの撮影が終わった後に撮影しています。撮影時間が長い場合は、撮影の合間に撮ったりすることもあります。また雲の通過で撮影を中断している場合はダークを撮るチャンスです。レンズキャップをして、同じISO感度、露出時間で撮影します。もちろんRAWで撮影します。撮影枚数はコンポジット枚数と同じが私の基本です。

<RAP>はダーク減算ソフトで、天文ショップなどで購入できます。RAPを起動したら、まずメニューの[ノイズ処理]→[ダーク作成]を開きます。[追加]ボタンでダークフレームのRAWファイルを選択します。[作成]ボタンをクリックすればダークファイルが出来上がります。

Rap1_2

次にメニューの[ファイル]→[一括処理]を開きます。

Rap2_2

[追加]ボタンでダーク減算したいメインファイルを選択します。ダイアログが出てきますが、複数ある場合は、シフトキーを押しながらマウスをクリックすると複数のファイルが一度に選択できます。[ダーク画像]のところを先に作成したダークファイルにします。[出力フォルダ]を指定し、[書き戻し]をチェックします。最後に[実行]をクリックすればダーク減算完了です。簡単ですね。

次回は現像編です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月 5日 (月)

イメージシフト奮闘記 その7

先週の土曜日は川上村に遠征してきました。二度の雲の通過に中断されましたが、なんとかとり終えることができました。完成したらまたアップします。

さて、イメージシフト奮闘記は画像処理編ですが、最初は私が使っているソフトを紹介します。

<RAP>

ダーク減算ソフトの定番ですね。機能がシンプルで扱いやすく高性能です。特に一括処理ができるようになって、とても便利になりました。

<ステライメージ5>

画像処理を始めたころは、天体専用ソフトということで、ほとんどの処理をステラで行っていました。しかし、フォトショップの技術を覚えるにしたがって、だんだんフォトショップの比重が高まり、現在はコンポジットしか使用していません。コンポジットは便利ですね。またレベルオーバーの心配もなくどんどん加算できるのもいいです。

しかし、処理が重い。またレイヤーを使えないのは痛すぎる。特にモザイクの場合はレイヤーは必須。そのほか、プレビュー画面が粗いだとか、ダイアログを開いているときに、画面操作ができないなど、使い勝手が悪いです。現在のデジタル天体写真の進歩についていけてないソフトという感じがします。

<フォトショップ エレメンツ4>

現像も含め、ほとんどすべての処理をこれでやっています。いつかフォトショップCSを買おうと思っているのですが、結局レンズを買ってしまって、CSは未だに買えていません。(笑)。逆に言えば、エレメンツでも何とかなるものです。CSとの違いはレイヤーで16ビット処理ができないこと。それとトーンカーブがないことでしょうか。トーンカーブについてフリーのプラグインでSmartCurveというものを使っています。

Blogsc

16ビット処理についてはあきらめるしかないですね。画像処理に頼るのではなく、撮影ですばらしい画像が得られるように割り切っています。そのほうが結果もいいですし。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月26日 (金)

イメージシフト奮闘記 その6

今回は、イメージシフトとケラレの問題について、いろいろ書きたいと思います。

ケラレはミラーやミラーボックスで起きますが、主に2つの要因でおきます。ひとつは、F値の小さいことによるケラレです。これは、直焦点撮影でも問題になることがあり、イメージシフトに限った話ではありません。

今、光学系のF値が2.8として、ミラーボックスの深さを3cmとします。そうするとミラーボックス開口部での光束の直径は約1cmになります。ですから、CCDの端から少なくとも0.5cmはミラーやミラーボックスが離れていないとケラレます。しかし、実際はカメラレンズではケラレません。なぜなら後玉が小さいので、光が中心から広がるようにCCDに当たるからです。内側から広がるように光線が当たるのでケラレません。
しかし、望遠鏡の場合は後玉が大きいので、光が外側から中心に集まるようにCCDに当たるので、ケラレの可能性が出てきます。

イメージシフトの場合は、この種のケラレはあまり問題ではありません。中判レンズと言えどもレンズの後玉はイメージサークルより小さいので、光が中心から広がるようにイメージサークルが作られるので、ケラレないのです。

イメージシフトで問題となるのは、光がCCDに斜めに当たることによるケラレです。この種のケラレは、後玉が小さいほど大きくなります。ですから、広角系の方が問題になります。なぜ、後玉が小さいとケラレるのか下の写真を見てください。

Photo31
カメラを左下方向にシフトした状態の写真です。右上にレンズの後玉が見えています。赤い四角がミラーボックスです。CCDが左下にシフトしていますので、後玉の左下部分から出た光がCCDにあたります。それが青い○です。この図のように、上側が少しケラレてしまいます。ところが後玉が大きいとすると、白い○の部分から光が出るので、ケラレません。
つまり、後玉が小さい方が光が斜めから当たるのです。後玉が大きい方が、極端な話、イメージサークルと同じ直径なら、CCDに光が直角にあたります。
このことは、輝星で発生するローパスフィルターのハレーションからもよくわかります。広角の方がよりハレーションが大きいからです。

ケラレが発生しているかどうか、確かめるのは簡単です。ピンボケで撮ってみればいいのです。下の写真がそれです。近接側にぼかしているので、光がクロスし、正立像になります。つまり上側のミラーでケラレていることが分かります。これは広角レンズの写真で、望遠レンズではこのようなケラレは見られません。

Photo30

ミラーケラレは、CCDのミラー側一部だけではなく、CCD全面に影響する可能性があります。下の写真を見ていただければわかるように上側2枚が全体的に暗くなっています。

Photo33

私のイメージシフト装置はミラーケラレを軽減するために、カメラマウントの中心を光軸より2mm上にシフトしています。それでも、これだけ暗くなります。この対策をしていない場合は、もっと暗くなります。たぶん半分くらいになってしまうと思います。

レンズやカメラを選択する上での注意点としては
カメラは、CCDの大きさに比べて、ミラーボックスの広いものを選ぶことです。キャノンのカメラはミラーボックスが狭く、かつミラーがCCDのすぐ上にあります。私はキャノンのカメラを使ったことがないので、どれくらいケラレるかわかりませんが、たぶん、ミラーの影響は相当でるのではないかと思います。
レンズを選ぶ場合は、なるだけ後玉の大きいものを選びます。またバックフォーカスの長い方が有利です。ただ、カメラマウントを光軸よりシフトして取り付けるなど、対策を施せばケラレに関しては、それほど心配する必要はないです。また今までの話は6分割シフトの話であって、4分割シフトの場合でかつカメラレンズの場合は、ケラレはそれほど気にしなくてもいいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)