デジタル星野写真入門

2009年1月21日 (水)

「デジタル星野写真入門25」まとめ

え~、長らく続けてきた「デジタル星野写真入門」ですが、ここでお開きにしたいと思います。え~、というかもう、疲れた。。。

24回にわたって、長々書きましたが、いいたいことは唯一つです。

「基本を大切にしよう」

です。もっと分かりやすく言えば、、、

「階調とかダイナミックレンジとか、ノイズとか、難しい話しはいいから、せめて、構図とピントぐらいはちゃんと合わせなさい!」

身にしみますね~、最後にもくじを書いておきます。それでは、おぇ。

[デジタル星写真入門]もくじ

●機材編

1 スタート
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-0299.html

2 赤道儀買おうよ
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-ed90.html

3 他に何が必要なの
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-f06f.html

4 ソフトも揃えなきゃ
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-7882.html

5 購入シミュレーション
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-1a2b.html

●撮影編

6 撮影計画を立てよう
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-b223.html

7 カメラ、レンズの設定
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-b3d1.html

8 ピント合わせだよ
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-6c37.html

9 撮影に行こう
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-8f6a.html

●画像処理編

10 作例画像紹介
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-eb4f.html

11 ダーク減算ってなんだ
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-a63b.html

12 コンポジットしよう
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-cf0c.html

13 階調とヒストグラムだよ
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-e3ba.html

14 レベル調整の真実
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-37c4.html

15 夏の天の川の処理
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-0cdd.html

16 夏の天の川の処理2
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-c70b.html

17 はくちょう座付近の処理
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/17-febe.html

18 はくちょう座付近の処理その2
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/17-5f9e.html

19 はくちょう座付近の処理その3
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-228b.html

20 美しい星野写真の法則
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/20-02cd.html

21 青ハロについて
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/21-e2f4.html

●応用編

22 複雑なカブリ処理
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/22-bf4a.html

23 赤い星雲の強調
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/23-0bed.html

24 ソフトフィルターを使おう
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/24-2a80.html

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2009年1月20日 (火)

「デジタル星野写真入門24」ソフトフィルターを使おう

久々の「星野入門」です。今日が本編最後になります。次回はまとめ。

今日はソフトフィルターについてお話しします。

デジタルは解像度が高いのは良いのですが、どうも星が唯の点になってしまい、つまらないです。特に輝星が唯の点になってしまうのは、許せないですし、星座の形もはっきりしません。

それで、お勧めなのがソフトフィルターです。星を滲ませてくれる拡散系のフィルターです。お勧めなのがケンコーのソフトンAです。普通の丸いフィルターで扱いやすいです。

Photo2371

ここで注意しなければならないことがあります。ソフトフィルターの効果は焦点距離が長くなると大きくなります。

(正確にいうと、拡散量は焦点距離に依存しなく一定です。しかし、焦点距離が長くなると拡大効果があるので、相対的に効果が大きくなります。)

すなわち、広角レンズでちょうど良いからと言って、標準レンズでちょうど良い訳ではありません。これは、焦点距離に応じてソフトフィルターを使い分けなければならないことを意味します。

最初に紹介したソフトンは、超広角向きで、好みの問題もありますが、広角レンズでさえ、効果が大きいと思います。もう少し、効果の小さいソフトフィルターとして、コッキンのデフューザーライトがあります。

Photo2372

板状のフィルターです。扱いが難しい。アダプターリングを介して専用のホルダーがあるのですが、熱の伝導性が悪く結露に悩まされました。そこで、考えたのがアダプターリングに洗濯ばさみで直付け。

Photo2373

実際これで一年くらいやっていたからすごい。作例を一つ出しておきます。

Photo2374

まだ効果が大きいですね。これはこれでいいのですが、微光星まで潤んでいます。解像感がありません。実はこの写真、4枚モザイクなのですが、まったくモザイク写真の解像感がありません。そこで、フィルター「あり」の写真と「なし」の写真を撮って合成するという方法があります。しばらく、私はこの方法にはまりました。作例はこれ。

Photo2375

もうちょっと効果の弱いソフトフィルターとして、LEEのソフト1があります。

Photo2376

これも板状ですが、ペラペラなので、丸く切ってプロテクトフィルターに貼り付ける手があります。

Photo2377

このフィルターは極めて効果が弱く、広角レンズではちょうど良いと思います。作例はこれ、

Photo2378

見事に輝星だけ潤んでいます。

ただ、これも広角レンズまでで、標準画角になると、好みの問題もありますが、やはり効果が大きいと思います。標準画角でちょうど良いソフトフィルターは、もう市販品ではないです。ですから作るしかありません。

Photo2379

プロテクトフィルターにクリアラッカーを拭きつけて作りました。作例はこれ。

Photo23710

ソフトフィルター、そんな高価なものではありませんので、いろいろ買ってあれこれ試してみるのが良いと思います。

次回は最終回、まとめです。

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2009年1月16日 (金)

「デジタル星野写真入門23」赤い星雲の強調

今日のお題はこれ

Red1

カブリ補正など、下処理はだいたい終わっています。あと、星マスク作って、微光星を強調すればオーケーかな。私はそれで十分と思いますが、でも、もうちょっと赤い星雲を強調してみたいと思うのが天文屋の常。

そこで、まず、レイヤーを複製。いつもこのパターンです。

Red2

赤チャンネルだけ取り出します。前回の説明わかっていれば簡単ですね。そう、レベル補正で緑、青のチャンネルをつぶせばよいのです。

Red3

微光星を消すために、(フィルター)→(その他)→(明るさの最小値)を起動し、「半径」を1ピクセルにします。

Red4

微光星が消えましたね~。

次に、レイヤーの合成方法を「比較明」にします。下の赤丸の部分です。そして赤チャンネルの画像に対して、「明るさ・コントラスト」を調整して赤い星雲を強調して見ましょう。

Red5

ヒストグラムを見ながら、山の形が不自然にならないようにするのがコツです。

シリウスなど輝星の周りのハロが赤くなってしまいました。このような場合は、赤チャネルの画像の輝星の周りを選択し、色の置き換えコマンドど明度を低くすればオーケーです。

Red6

これでおしまい。応用として赤チャンネルの画像に「ぼかし」や「シャープ」をかけてみるのもいいです。お好きなようにどうぞ。

次回はソフトフィルターを使おうです。

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2009年1月15日 (木)

「デジタル星野写真入門22」複雑なカブリ処理

今日からこの「入門」も応用編です。

最初のお題は複雑なカブリ処理です。一方向の単純なカブリは、調整レイヤー+グラデーションマスクで除去できることは以前お話しましたね。今回はこれ、

Kaburi1

カブリの様子が分かるように「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーを作ってみます。

Kaburi2

カブリというよりは周辺減光が補正しきれていないです。でもこの緑色のふわぁ~としたやつ、いやなんですね。緑色って、天体写真ではほんと目に付くのです。今回はこの緑色を緩和する処理です。そこで、まずレイヤーを複製します。

Kaburi3 

次に複製したレイヤーの彩度を最大に上げてみます。

Kaburi4

緑成分だけを取り出すために、「レベル補正」で、青チャンネルを選択し、一番左のスライダーを右にめいいっぱい寄せます。

Kaburi5

同様に赤チャネルもスライダーを右に寄せて、赤成分をなくします。

Kaburi6

残った緑以外の部分は、(画質調整)→(カラー)→(色の置き換え)を使って、明度を下げ、消していきます。星雲の部分などは範囲指定して塗りつぶしなどで消していきます。完成画像がこれ。

Kaburi7

これをコピーして、新規調整レイヤーの「レベル補正」を作り、マスク画面にペーストします。

Kaburi8

後は、レベル補正の調整レイヤーで、緑のレベルを落とせば完成です。(背景のコピーレイヤーはもう不要なので非表示にします。)

Kaburi9

いやな緑色がなくなりました。

次回は赤い星雲の強調方法です。

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2009年1月13日 (火)

「デジタル星野写真入門21」青ハロについて

お待たせしました。長いことお休みしていた「星野写真入門」再開します。まだまだ続きますよ。

今日のお題はこれ。

Photo2321

青ハロです。

恒星の周りにできる青いわっかです。これはレンズの色収差といって、青い光と他の色の光との屈折率の違いによるものです。簡単に言ってしまえば、「青だけピンボケ」

これが良いという人もいますが、一般的には嫌われものです。ですから、何らかの方法で青ハロを除去するか、あるいは軽減する策を講じなければなりません。

1 高価なレンズを買う

 色収差は、一般にレンズの焦点距離が長いほど目立ちます。ですから、カメラメーカやレンズメーカは望遠レンズほど色収差に対して、いろいろ対策をしていて、特殊なガラス(EDレンズとか、SDレンズ)を使用して色収差を小さくしています。これらのレンズは普通のレンズより高いです。

 ただ、どんな高価なレンズを買っても多少は色収差はあります。色収差は屈折光学系の宿命みたいなものです。なお、最近のデジタル専用レンズは広角系でもEDレンズなどを使用しているようです。デジタルは色収差に対して敏感なため、広角レンズでも普通に使われるようになりました。

2 絞る

 青ハロは絞れば軽減されます。私の経験では、どんなレンズでもF5.6まで絞れば、画像処理で目立たなくなるレベルまで軽減できます。

 結論から言えば、絞るのが一番いいと思います。絞れば、周辺減光も減るし、星もシャープに写るし、どんどん絞りましょう。

3 フィルターを使う

 紫外線をカットするフィルターを使えば、多少軽減できます。ただ、それほど効果は大きくありません。一番有名なのはケンコーのL41フィルターです。これは波長410nm以下の紫外線をカットします。カラーバランスは崩れませんのでプロテクターフィルターの代わりにつけておいて良いと思います。

 このL41フィルターにさらに、光害カットフィルターのアイダスLPS-P2を重ねると、さらに青ハロが軽減されます。これはびっくりの相乗効果です。ただ、LPS-P2は干渉フィルターで光の入射角で効果が変わるため、広角レンズで使うと色ムラが出ます。200mm以上の望遠レンズでない限りあまりお勧めできません。

4 画像処理で消す

 それほど酷い青ハロでなければ画像処理で目立たなくすることができます。いろんな方法がありますが、簡単なのはフォトショップエレメンツの(フィルター)→(ノイズ)→(ノイズを低減)を使うことです。

Photo2322

5 本当は画像処理に問題がある

 最初の青ハロの写真ですが、これはまだ私が初心者のころの写真です。青ハロが盛大に出ていますね。これを見て、「なんだこのレンズは馬鹿レンズ」と言ってはレンズが可哀想です。

 実は私が悪いのです。まず、ピントが合ってません。それから、画像全体に強調処理をしてしまっています。ノイズも酷いでしょ。

 画像全体に強調処理をしてしまえば、青ハロや、ノイズまで強調されるのは当たり前の話しです。

 前回までの画像処理講座で話したとおり、ヒストグラムの右側だけ強調するような処理をすれば、このように酷くはなりません。それから星を強調したければ、星マスクを使って星だけ強調処理すればいいのです。それなのに、画像全体に対して、コントラストを上げてしまうのでこのようなことになってしまいます。

 昔の私もそうですが、私たちはすぐ、機材のせいにしてしまいがちです。青ハロが大きいのはレンズのせい、ノイズが多いのはカメラのせい。でも星野写真なんて、星雲写真と違ってそれほど強力な強調処理をするわけではないので、青ハロやノイズなんて大した問題じゃないんですよ。

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2008年12月29日 (月)

「デジタル星野写真入門20」美しい星野写真の法則

忙しい、なんで年末はこんな忙しいんでしょう。「星野写真入門」年内には完結したかったのですが、無理そうです。

今日はヒストグラムの話です。美しい星野写真のヒストグラムを見ているとある共通点があります。

これはある美しい銀塩星野写真のヒストグラムです。

Hist1_2

見てすぐ思うのは、各色の山の形がほとんど一致していることです。星野写真は、ニュートラルな背景に、これまたニュートラルな星が散らばっているわけですから、当たり前といえば当たり前です。ですから、ヒストグラムだけから見ると、モノクロ写真に非常に近いといえます。しかし、だからと言って、けして彩度が低いわけではありません。星だって赤い星もあれば、青い星、黄色い星があります。平均すればニュートラルということです。星野写真は色のバラつきが極めて小さいのです。

もう一つの特徴として、山の左側の傾斜が急で、右側がなだらかに落ちていく特長があります。山の左側の彩度はほとんど0で、傾斜が緩やかなのは、背景のコントラストが低く滑らかであることを意味します。

この傾向は銀塩ほど顕著で、光量に対してリニアに反応するデジタルの場合は、こうはならないで、山が左右対称になるはずです。ですから、デジタルの場合は画像処理によって、このようなヒストグラムを作らないといけないことがわかります。デジタルはシャドー部のコントラストが非常に高いのです。

左側が急で右側がなだらかなのは星野写真だけではありません。天体写真全般に言える特長です。下のヒストグラムはあるお方の非常に美しいM31の写真のヒストグラムです。

Hist2

完璧なまでに滑らかな背景の上に、色が微妙な交わりを繰り返しながら、高輝度部までなだらかに続いています。右側の斜面の下降も一様ではなく微妙に波打っています。これは細部にわたって画像処理をした痕跡です。何もしなければもっと一様に下降するはずです。そして中間調あたりの階調がぐーと引き伸ばされて強調されています。写真の一番見せ所です。とにかくこんな凄いヒストグラムは私には到底無理です。

ちなみに私が昔処理したM31の写真がこれです。

Hist22

淡白ですね。それと良くないのが赤の山が細いです。赤だけコントラストが低くこれは失敗です。山の幅が一致していないのは明らかにミスです。

次は、また別のあるお方の赤い散光星雲の写真です。これまた美しい写真で、赤い星雲部分以外は非常に色のバランスが良いです。

Hist3

次は悪い例です。

赤だけやたら山が太いです。このように山の幅が異なるのは、フィルターを使った場合や、トーンカーブで色別に処理をした場合などです。いずれにせよ、こうなると美しい写真とはいえません。

Hist4 

続いてもうひとつ。

Hist5_3

この写真はいい線いってるのですが、赤が強いです。それと、山が輝度0から立ち上がっていて、中間で早くも山が終わっています。階調の暗い左半分しか使っておらず、実にもったいないです。もう少し全体を明るくすると淡い部分が見えるようになりますので、全然違う写真になります。

いかがでしょうか、ヒストグラムは画像処理の痕跡です。ヒストグラムだけでも写真の特徴が良く分かるものなのです。

次回は。。。来年になってしまうかも知れません。。。青ハロ対策について話します。

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2008年12月24日 (水)

「デジタル星野写真入門19」はくちょう座付近の処理その3

前回までで、コントラストアップと星マスクによる星の輝度アップが終わりました。ここでいったんレイヤーを統合します。

Photo2181

デジタルの特性ですが、星の輝度をアップすると星のエッジがたって、カリカリした印象の写真になります。これを緩和するには、星マスクにぼかしをかけることです。しかし、ぼかし系による星の軟化は星の芯が残らないという欠点があります。星の芯を残し、周辺だけぼかすことが必要になります。

そこで、ほんまかがいつもやっている方法を紹介します。簡単です。元画像をコピーして上下に1または2ピクセルずつ、ずらした4枚の画像を加算平均コンポジットするのです。↓こんな感じ。

Sample42

これをフォトショップでやるのは簡単です。背景レイヤーをコピーして、不透明度を50%にします。

Photo2182

(イメージ)→(回転)→(レイヤーを自由に回転)をします。ビューをピクセル等倍にします。矢印キーで右に1ピクセルまたは2ピクセルずらします。リターンキーで確定です。

Photo2183

レイヤーを統合します。これと同じことを今度は下に1ピクセルまたは2ピクセルずらしてやります。これで完成です。

Photo2184

これで少しはカリカリ感が緩和されたはずです。

次に赤い散光星雲を強調するため彩度をちょっと上げてみましょう。(画質調整)→(カラー)→(色の置き換え)を選択します。

Photo2185

北アメリカ星雲あたりをクリックし、許容量を調整し、彩度を上げて見ましょう。あまりやり過ぎないように。

最後に天の川の色が赤に寄っていますので、補正します。これは「夏の天の川の処理」で説明しましたね。下のように元画像をコピーしてレベルを切り詰めてマスクを作ります。

Photo2186

後は、レベル補正で色合いを調整して終わりです。

Photo2187

完成です。記事には書きませんでしたが、(フィルター)→(ノイズ)→(ノイズを低減)も前回同様行っています。

次回は。。。「美しい星野写真の法則」です。美しいかどうか、ヒストグラムを見れば分かっちゃうんです。

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2008年12月23日 (火)

「デジタル星野写真入門18」はくちょう座付近の処理その2

お待たせしました。はくちょう座付近の処理、やってみましょう。

手順1 コントラストアップ

 まずは、コントラストアップしましょう。背景を荒らさないようにするには、ヒストグラムの山の右側だけ伸ばせばよいのでした。トーンカーブもしくは、前々回説明した比較明にるコントラストアップをしましょう。比較明コントラストアップを3回ほどこした状態がこれです。

Photo2171

まだ、天の川の微光星が淡いですが、大丈夫です。あとで強調します。

手順2 カブリ補正

 下側にカブリがあるのでレベル補正の調整レイヤーで補正します。私の場合、2つの調整レイヤーで補正できました。

Photo2172

 カブリの様子をはっきりさせるには、明るさコントラストまたは色相彩度の調整レイヤーを一番上に作っておくとカブリの様子がはっきりします。

手順3 微光星を明るくしよう。

 さて、まだ天の川が眠たい感じですね。微光星の明るさが足りないのです。ここで、ほとんどの人がコントラストアップなど強調処理をしてしまって、背景を荒らしてしまいます。星だけを強調すればよいのです。画像全体を強調すると背景のムラやノイズまで強調されてしまいます。

 星だけを強調するには、星だけを選択するマスクを作ればいいのです。 では、どうやって作るか説明します。まず、背景画像をコピーします。そして、(フィルター)→(その他)→(ハイパス)を選択します。

Photo2173

半径を2~4ピクセルぐらいで調整します。微光星だけが選択されるくらいの値にします。

次にコントラストを上げるため、レベルの切り詰めを行います。(画質調整)→(ライティング)→(レベル補正)を出します。

Photo2174

ここで上図のように3つのスライダーでレベルを切り詰め微光星がはっきりして、かつ背景が真っ黒になるようにします。

これで、星マスク完成です。(正確には星除外マスク)この星マスクがあれば、星だけ明るくすることや、星だけの色を変えるなんてこともできます。星野写真においては最強のツールです。

できた星マスクは、(選択範囲)→(すべて選択)、(編集)→(コピー)でコピーしておいてください。

星マスクを作るために作った背景のコピーレイヤーは用なしですから非表示にします。

星を明るくするために、明るさコントラストの調整レイヤーを作ってください。マスク画面を[Alt]キーを押しながらクリックするとマスク画面が出ます。

Photo2175

ここで(編集)→(ペースト)で星マスクを貼り付けます。

次に明るさコントラストのダイアログをダブルクリックして開き、明るさをアップしてください。

Photo2176

星がカリカリしすぎる場合はコントラストを下げてください。

明るさを最大にしてもまだ暗い場合は、この調整レイヤーを(レイヤー)→(レイヤーを複製)でコピーして2段がまえにします。

手順4 背景を暗くする

 最後に背景が明るいので背景を暗くするため、レベル補正の調整レイヤーを作り調整してください。(背景だけ暗くするには明るさではなく、レベル補正を使うのでしたね。)

Photo2177

これで、完成ですが、星がカリカリして目に痛いです。次回、星を柔らかくする方法と、赤い散光星雲の彩度を上げる方法を説明します。

補足

●星の色が白ではなく偏っている場合は星の色も調整しましょう。方法は、

星マスクの「明るさコントラスト」の調整レイヤーをコピーします。次に、このコピーしたレイヤーを(レイヤー)→(レイヤー内容の変更)→(レベル補正)で変更します。そしてレベル補正で色合いを変えてください。

●星マスクをさらに加工すると、星の表現が変わり面白いです、試してみましょう。星マスクの部分をクリック(Altキーは押さないで)して選択状態にした後、以下のことを試してみてください。

  • レベル補正でさらにレベルの切り詰める、つまりコントラストアップする。
  • 星マスクにぼかしをかける。
  • 星マスクにシャープ、ダストアンドスクラッチなどのフィルター処理をする。

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2008年12月20日 (土)

「デジタル星野写真入門17」はくちょう座付近の処理

前回の夏の天の川の処理いかがでしたか。一番最初に夏の天の川をもってきたのは、実は夏の天の川は簡単だからです。夏の天の川はガス状で広がりがあり明るさも十分なので、星野写真としては処理しやすいです。

天の川が小さな星の集まりになるはくちょう座あたりからちょっとレベルが上がります。今回のお題はこれ。

Photo2161

オリジナル画像はこちら。「sample2.jpg」をダウンロード

前回のお題からちょうど一年後に撮った写真です。改造したので赤い散光星雲が良く写っています。しかし、相変わらずコンポジットなしです。で、そのとき処理した画像がこれです。

Photo2162

へたくそですね~。まったく進歩がないです。ほんまか、この一年何をやっていたのでしょう?

でも、こんな画像でもちょっと手を加えれば見栄えが良くなるのです。ちょっとやってみましょう。

まず、フォトショップで開いて、ヒストグラムを見てみましょう。

Photo2164

ヒストグラムの山の左端が切れています。そしてブルーが強い。おそらくカブリを目立たせなくするためブルーを強めたのでしょう。そこで、天の川の色が最適になるようにブルーを弱めてみます。

Photo2165

天の川の色は良くなりましたが背景のカブリや色むら、ノイズなどが目立つようになりました。そこで、必殺技です。背景のカブリをとると同時にニュートラルにしてみます。

(画質調整)→(カラー)→(色の置き換え)を開きます。

Photo2166

カブリの部分(赤丸)をクリックして、彩度を-100にします。そして、許容量でかかり具合を調整してください。

これで完了です。僅か2ステップでこれだけ良くなりました。

Photo2167

カラーバランスの重要性を分かっていただけたでしょうか。

でも背景のザラザラはどうにもなりません。この画像はA4プリントには耐えられません。不用意にコントラストアップしてしまった代償です。

そこで、今回新たに処理しなおしました。その画像がこれ、

Photo2163_2

小さい画像では良く分かりませんね。大きくしてみましょう。

Photo2168

右側が再処理です。背景の滑らかさが全然違いますね。

では、この処理方法を次回説明します。

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2008年12月19日 (金)

「デジタル星野写真入門16」夏の天の川の処理2

前回の続きです。カブリ補正からです。

手順3 カブリ補正

カブリ補正の主役は調整レイヤーです。レイヤーは今まで何度か出てきましたね。レイヤーとは背景の上に重ねる画像です。コンポジットや、比較明コントラストアップで使いましたね。

調整レイヤーは、上に重ねるのが画像ではなく、「明るさ・コントラスト」や「レベル補正」などのアクションです。面白いですね。元画像そのものにアクションを加えるのではなく、レイヤーという形で積み重ねるのです。調整レイヤーを使えば、過去のアクションをキャンセルしたり、再調整したり、アクションの順番を入れ替えたりできます。素晴らしいです。これができるからフォトショップはいいのです。

それだけではありません。後で説明しましが、調整レイヤーはマスクを使えるのです。

それでは、やって見ましょう。まず、(レイヤー)→(新規調整レイヤー)→(レベル補正)を選択してください。((レベル補正)のダイアログが出ますが、いったん閉じてください。)下図のように背景画像の上に、(レベル補正)の調整レイヤーができます。ここで行った(レベル補正)は、これより下のレイヤーまたは背景画像に影響を与えます。

Sample16

そして、矢印の白い部分を見てください。ここをマスク画面と言います。最初は全面白ですね。マスクとは、白い部分だけに影響させることで、黒い部分に影響を与えないことを意味します。中間の灰色の場合は、中間の影響を与えます。最初は白一色ですから、画像全体に影響を与えます。

つまり、マスク画面にカブリに添って白黒のグラデーションを与えてやればカブリ補正ができるのです。。

それではグラデーションを作って見ましょう。まず、マスク画面をクリックして、選択状態にします。

左端のツールパレットのグラデーション①をクリックし、画面上の線形グラデーション②をクリックしてください。

そして、カブリは下方向に向かって大きくなりますから、画面上でマウスを矢印③のようにドラッグしてください。

Sample17

上図赤丸のようにグラデーションができました。(白黒のグラデーションではない場合は、(編集)ボタンで白黒のグラデーションを選択してからやり直してください)

下側が白くなるようにしてください。もし逆だったら、マウスをドラッグする方向を逆にしてください。

ドラッグする長さを短くするとグラデーションの勾配が急になります。長くすると緩やかになります。何度でもやり直しが効きますので、カブリの勾配にあうように何度も繰り返してみてください。

グラデーションがばっちり決まったら、実際にカブリ補正します。矢印のところをダブルクリックしてください。

Sample18

おなじみの(レベル補正)のダイアログが出てきましたね。カブリ部分を暗くするため中間の三角を右側に寄せてください。一度にカブリ補正はできません。最初はほどほどにしてください。

次に色を補正するためにチャンネルをグリーンにして、同様に中間の三角を右に寄せてください。

Sample19

同様に赤が強くなりますので、今度は、チャンネルをレッドにして、赤を弱くしてください。

できましたか。カブリ補正は一枚の調整レイヤーでは補正しきれません。同じことを何度も繰り返して、調整レイヤーを増やしていきます。

ちょっとずつ少しずつ補正していくのがコツです。

次は円形グラデーションを試して見ましょう。画面上の、線形グラデーション②のとなりに円形グラデーションがあります。ここをクリックしてマウスでドラッグすると円形のグラデーーションができます。しかし、円が黒くなるとまずいです。円が白くなるようにした方がやりやすいので、(編集)ボタンをクリックします。

Sample110

そして、赤丸の矢印アイコンを左右で入れ替えてください。そして再度マウスでドラッグします。

そうすると今度は白い円のグラデーションができます。

これで円形のカブリを補正できます。

ある程度やったら、補正効果を確認するために彩度を上げて見ましょう。彩度を上げるにも調整レイヤーを使います。まず、一番上のレイヤーをクリックして選択状態にした後に(レイヤー)→(新規調整レイヤー)→(色相・彩度)を選択します。そして、色相・彩度のダイアログが出ますので、彩度を上げてみてください。

Sample111

色相彩度の調整レイヤーが一番上にあることが大事です。なぜならレイヤーは常にその下にあるレイヤー全部に作用するからです。

レイヤーを新規に作る場合は、現在選択状態にあるレイヤーのすぐ上に作られることに注意してください。レイヤーの順番がおかしいときは、マウスのドラッグで順番を入れ替えることができます。

さて、彩度を上げてみると、まだまだ不十分ですね。

さらに新規調整レイヤーを作り補正を続けてください。私の場合、8個目の調整レイヤーでやっとカブリがとれました。

なお、色彩・彩度の調整レイヤーをOFFするには、目のアイコン部分をクリックすればOFFすることができます。色彩彩度のレイヤーは削除しないで、ここでON/OFFをするようにしてください。

Sample112

とりあえず、この状態でファイルを保存し、レイヤーをいったん結合しましょう。(レイヤー)→(画像を統合)してください。

カブリ補正が終了した段階の画像です。

Sample113

手順4 青ハロ、ノイズとり

 カブリ補正をしたら、バックがしまったのか、恒星の青ハロが目立つようになりました。これを目立たなくします。青ハロはレンズの色収差からくるもので恒星の周りに青い輪ができます。天体写真では嫌われものです。なお、青ハロ低減については別の回に説明します。ここでは簡単にとる方法を紹介します。

 (フィルター)→(ノイズ)→(ノイズを低減)を選択します。「カラーノイズを低減」を30%~70%くらいでずらして青ハロが目立たない最小の値にしてみてください。あまり高くすると恒星の色がなくなります。

Sample114

手順6 天の川の色補正

 さぁ、いよいよ最後の仕上げです。天の川の色を補正しましょう。デジカメで天の川を撮ると少し赤っぽくなるようです。

 天の川の色はどのようにすれば良いか悩むところです。好みの問題もありますし。ほんまかが思う綺麗な天の川の色は、

天の川の周辺から背景にかけてはやや青白、天の川の端は黄緑色。中心部分はアンバーで赤が強いかんじ。光のスペクトルに似ていますので、これを「ほんまかの天の川スペクトル理論」といいます。また、天の川を直線上に切ってその上の色をすべて混ぜると私はニュートラルになるんではないかと思っていますので「ほんまかの天の川ニュートラル理論」ともいいます。これは綺麗な銀塩写真を研究した結果で、まんざら間違っていないように思いますがどうでしょう。まぁ人それぞれの天の川の色があっていいと思います。

 天の川の色を調整するには、調整レイヤーを使いますが、その前に天の川だけを選択して背景を排除するマスクを作る必要があります。

 まず、背景画像をコピーしてください。そして、コピーしたレイヤーに対して、(画質調整)→(ライティング)→(レベル補正)をします。

 下図のように三角スライダーをぐっと引き寄せて、天の川以外が真っ暗になるようにします。この操作をレベルの切り詰めとよびます。天の川の端の淡い部分まで暗くならないようにしてください。

 Sample116

これでマスクができました。このマスクをコピーします。(選択範囲)→(すべて選択)をし、(編集)→(コピー)でコピーできます。

次に(レベル補正)の新規調整レイヤーを作ってください。そして下図の矢印のマスク画面を[Alt]キーを押しながらクリックしてください。

Sample117

真っ白なマスク画面が現われますので、Photo214

先ほどコピーしたマスク画像を(編集)→(ペースト)します。

Photo215 

そして、背景のコピーレイヤーはマスクを作るためだけのものですからもう、用なしです。目のアイコンをクリックして非表示にしておきます。

Sample118

これで天の川だけ(レベル補正)できる状態になりました。下図の赤丸の部分をダブルクリックしてください。レベル補正のダイアログが開きます。まず、全体的にもうちょっとコントラストを上げられそうなので、下図のように3つのスライダーを動かしてコントラストを上げます。あまりやり過ぎないように注意してください。下図の例ではヒストグラムの山が2つに割れてあまりいい状態ではないです。

Sample119

コントラストをちょっと上げたら、次に色の補正です。チャンネルを各色に合わせて好みの色にしてください。ほんまか理論に従うなら、天の川の周辺がやや黄緑になるぐらいに調整すると良いです。

手順7 天の川の彩度アップ

 ちょっと彩度がたりないので、天の川の彩度を上げてみましょう。まず、先ほどの(レベル補正)の調整レイヤーをコピーします。(レイヤー)→(レイヤーを複製)でコピーできます。

 次に、(レイヤー)→(レイヤー内容の変更)→(色相・彩度)を選択します。

Sample120

ここで彩度のダイアログが出ますので、彩度をちょっと上げてください。

手順8 最後のレベル調整

 これで最後の処理です。背景が明るいですね。背景を暗くしましょう。ここで「明るさ、コントラスト」コマンドで暗くしてはいけません。これをすると画像全体が暗くなります。せっかく天の川の輝度がちょうどよくなるように調整したのに台無しになってしまいます。(レベル補正)を使います。これを使えば階調が引き伸ばされるので、明るい部分は明るいままです。(ただし、コントラストが上がります。)

 (レベル補正)の新規調整レイヤーを作成し、レベルの左のスライダーを上げ、背景を暗くします。

Sample121

ヒストグラムの山の左斜面が揃っていない場合はそろえましょう。

これで完成です。

Sample123

完成!

あぁ~長かった。

次回は、白鳥座付近の処理です。星マスクが登場します。

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