画像処理講座

2009年11月12日 (木)

入選作品の画像処理過程を全公開、最終回

前回までで、ほぼ完成なのですが。。。ここから先は完全に自己満足の世界です。

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まず、ハイライト部の赤を強調するために、ハイライト部だけ選択するマスクを作ります。

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作り方は、背景画像を複写して、レベル補正で下のスライダーをぐーっと右に寄せて作ります。マスクができたらコピーして、トーンカーブの調整レイヤーに貼り付けます。

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で、トーンカーブで赤のレベルを持ち上げてやります。

ここで、画像処理になれた人なら疑問に思うかもしれません。トーンカーブでハイライト部だけ持ち上げているのですから、わざわざハイライト部だけ選択するマスクは不要なのでは?

まったくその通りです。画像処理過程を単純化するなら、領域の選択と輝度のコントロールだと思います。トーンカーブはそれを同時にできますが、マスクを使うことによって、それぞれ独立に扱うことができます。つまり、やりやすいからです。ただそれだけです。

次に、天の川ですが、IR改造デジカメで撮るとどうしても赤によってしまいます。そこで、天の川のグリーン成分を増やして、透明感を持たせます。

そこで、やはり次のようなマスクを作ります。

0911124

そして、レベル補正でグリーンを少し上げてやります。

0911125

これで完成です!

3回にわたって全過程を公開してきましたがいかだだったでしょうか?

そんな難しいことではないと思うのですが、、、どうでしょう。

ただ、この作品の良さは、画像処理にあるのではなく、絞りを十分絞ったこと、8枚コンポジットしたこと、フルサイズカメラであること、空が暗いこと、これに尽きると思います。画像処理でできることは限られています。

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2009年11月11日 (水)

入選作品の画像処理過程を全公開その2

続いて、トーンカーブによる強調処理です。

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このようなS字が基本です。さらにトーンカーブかけます。

09111010

強調処理は一度にしないで、何回かに分けて慎重にやります。

次に、ヒストグラムを見ると、カブリ補正でグリーンが弱くなったのが分かります。そこでレベル補正で、カラーバランスを整えます。

09111011

ヒストグラムの左傾斜が一致するようにそろえるのがコツです。

ここでステップ1終了です。ファイルを保存して、レイヤーを統合します。そしてステップ2へ続きます。

ステップ2: まだ、眠たいので、またまたトーンカーブで調整

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これでよし、次に背景の色ムラやカブリをとるため、背景だけ選択するマスクを作ります。このようなマスクです。

09111013

作り方は元画像を複写して、レベル補正の下のスライダーを上げてヒストグラムの下部を切り詰めます。そしてそれを反転させます。

マスクができたら、それをコピーして、調整レイヤーのマスク画面に貼り付けます。

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色相。彩度の調整レイヤーを作りマスクを貼り付けます。そして、彩度を落とします。

次にマスク画像を選択し、マスク画像に対してレベル補正をかけます。上のスライダーを下げると、マスクの白い部分が増えます。あまり増やすと、天の川の彩度がなくなってしまいます。

09111015_3 

天の川の彩度を落とさないで、背景の彩度だけを落とすぎりぎりのところを見つけます。上の例では背景だけではなく天の川の彩度まで落ちてしまっています。

これでステップ2は終了です。レイヤーを結合してステップ3へいきますが、また今度。

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2009年11月10日 (火)

入選作品の画像処理過程を全公開

私ね~、、、

「ほんまかさんの記事で画像処理を勉強しています。。。。更新楽しみにしています。。。」

なんて言われると、弱いのですよ、つい調子にのってなんかしたくなります。といっても画像処理ネタは既に、「デジタル星野写真入門」で言ったことが全てで、他に何もありません。う~ん、引き出しが小さい!

そこで、タイトルの通りとなったわけです。全公開というのがいいでしょ?包み隠さずすべて出します。といっても大した処理じゃないけど。

お題はこれ「天文ガイド10月号」入選作です。直近の題材であること、モザイクなしであることから、これにしました。

0911101

露出7分の8枚コンポジットです。

コンポジット直後の元画像がこれです。

0911102

淡い。。。コントラスト低いですね~。天体写真ってみんなこんなもんです。

まず、最初のステップとして、周辺減光補正と、カブリ補正をします。そこで調整レイヤーで、画像の明るさとコントラストを上げて、周辺減光とカブリの度合いを調べてみます。

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F1.4のレンズをF4.5まで絞っているので、周辺減光は僅かです。画面右側、それから左下部分が若干緑色にカブっています。天頂付近とはいえ、湯沢の空の暗さがよく分かってもらえる写真です。

まず、周辺減光補正です。

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「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーで、円形グラデーションマスクを作り、周辺を明るくしてやります。これで、周辺減光補正は完了です。

フラットフレームによるフラット補正などしません。カメラレンズは絞りが付いているので、絞ればいいんです。

次に右側の緑色カブリを補正します。

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線形グラデーションマスクで緑のレベルをちょっと下げます。続いて、右下のカブリを補正します。

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これでカブリ補正は完了です。低空の対象の場合はカブリがもっと激しいですが、調整レイヤーの枚数としては3~4枚もあれば十分補正できます。

ここで、一時的に上げている「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーを解除します。

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元画像と比べてみて、大して変わっていませんね。ただ、このちょっとの差が後々の強調処理で効いてくるのですよ。強烈な強調処理をする「星雲・星団」写真の場合は、もっと厳しいフラット補正が要求されます。 「星雲・星団」写真で美しく仕上げられないと悩んでいる方はこのフラット処理やカブリ補正が十分でないかも知れませんね。

今日はここまで。次回はトーンカーブによる強調処理です。

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2009年11月 9日 (月)

真蒼さんのご質問にお答えして

前の記事「今年もやりますR64フィルター」にて真蒼さんからご質問がありました。このご質問のような感想はみんなもっているんではないでしょうか。

そこで、話すと長くなるので、ここで新たな記事として回答を書いておきたいと思います。

>画像処理はどこで勉強されたのでしょう。

ネットからの情報と試行錯誤です。

>天体写真の画像処理に関しては、あまり参考になる本も出版されてないようですが・・・。参考書等などあれば後教授ください。

天文ガイドと星ナビにそれぞれ画像処理の連載があります。実は私は読んでません。だからいいか悪いかも判断できないですが、私が今、天体写真はじめたら、たぶん読むと思います。

最初の質問ですが、参考になるかも知れませんので、私が画像処理を覚えた過程を詳細に書いてみたいと思います。

1 最初の一年は何も分からず悪戦苦闘していました。特にカブリの除去方法がまったくわかりませんでした。

2 こんな何も知らない状態でモザイクやり始めました。もちろん、綺麗につながるわけありません。

3 そこで考えたのが短時間露出。これならカブリが少ないのでなんとかなります。モザイクも運任せで、うまくつながれば完成みたいな状態でした。このころ初入選しました。

4 とにかくネットを検索して、少しでも情報収集しました。

5 確かコーチさんのホームページだったと思います。調整レイヤーとグラデーションマスクを覚えて、カブリ補正がやっとできるようになりました。

6 やはり、コーチさんだったと思いますが、モザイクするときに、調整レイヤーで画像を強調しておくとモザイクをしやすくなることを覚えました。

7 調整レイヤーを覚えたことで、カブリ補正と、モザイクに関しては問題なくなりました。作品レベルは格段に向上しました。

8 よっちゃんさんのブログで、カラーバランスの重要性を勉強しました。背景はニュートラルにすること、背景レベルは60くらいにすることを覚えました。

9 カラーバランスを意識するようになり、同時にヒストグラムを見ながら画像処理するようになりました。今までは感覚で処理していましたが、ヒストグラム見ながらやるようになり、作品レベルがまた向上しました。

10 よっちゃんさんのブログで、マスクについて勉強しました。また星マスクの作り方を教えてもらいましたが、このころになると他人の方法は真似してもうまくいかなくなりました。自分で試行錯誤して、自分なりの手法を身につけないと悟り、今は他人の方法は参考にしますが、そのまま真似することはなくなりました。

こうして振り返ってみると、作品レベルは少しずつ向上するのではなく、何かきっかけがあってそれを転機に飛躍的に向上すると思います。

私の場合、転機になったのは

1 調整レイヤーを覚えた
 カラーバランスを覚えた
3 ヒストグラムを見ながら処理できるようになった

この3点に尽きると思います。意外なことに「マスク」は作品レベル向上にそれほど貢献していないと思います。確かに使えばそれなりに利益はありますが、それほど重要でもないと思います。

あと、星野写真に限って言えば、以下のことをマスターしなければなかなか綺麗な作品ができません。これらを一つ一つクリアしていけば、いいんじゃないでしょうか。

1 カブリを補正できる ⇒調整レイヤーを覚える
2 背景をニュートラルにできる ⇒ヒストグラム&レベル調整
3 背景を荒らさないで、コントラストアップできる ⇒トーンカーブ
4 天の川だけ、星だけを強調できる⇒マスク
5 色が偏った天の川、星のカラーバランスを補正できる⇒マスク

どうでしょうか、参考になりました?

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2009年4月10日 (金)

祝!10万アクセス

えぇ~、10万アクセス突破しました。

happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01 happy01

これもひとえに皆様のおかげです。

ほとんどの内容がつまらんブログですが、よう来て頂きました。

なるべく有意義な情報を発信できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いしますだぁ。sunmoon3sunmoon3sunmoon3sunmoon3

Photo272

E-30

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2009年1月28日 (水)

かんたん人工衛星消し講座

いゃ~、オリオンあたりを通る人工衛星の数は半端じゃないですね~。ひっきりなしに通過します。困ったもんです。

そこで、自称「人工衛星消しの達人」ほんまかが、簡単な人工衛星消し方法を伝授しま~す。やっぱりCS系限定ね。それと、フォトショップでのコンポジットが前提です。

フォトショップによるコンポジットは「デジタル星野写真入門」で紹介しました。まず、2枚の画像をレイヤーで重ねます。衛星が写っている方を上にします。そして不透明度を50%にします。位置を合わせた後、

Esamp1_2

上のレイヤーにレイヤーマスクを作ります。そして、描画色を真っ黒にしてください。R:G:B=0:0:0

Esamp2

次にブラシツールを選択し、大きさを数~数十ピクセル、硬さ=0にします。

Esamp3

レイヤーマスクが選択状態にあることを確認し、ブラシツールで人工衛星をなぞります。

Esamp4

あら、不思議、見る見る消えていきます。

Esamp5

完成!

ちなみにこのときのマスク画面はこれ、

Esamp6

注意1 マスクの部分は加算平均されません。ですから、ブラシツールはなるべく小さくしてください。

注意2 2つの画像のレベル(輝度や色)が合っていないと、あとで強調処理したときにブラシの跡が見えます。2つの画像のレベルをなるべく合わせてから行います。一番上に調整レイヤーを作り、コントラストや彩度を上げておくと、わかりやすいです。

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2009年1月27日 (火)

かんたんモザイク講座

この冬モザイクに挑戦したいという方、だけど何度やってもつなぎ目がうまく行かないという方、フォトマージはうまく行くときはいいが、フォトマージでもつながらないという方、でもなんとかモザイクやりたいという方に、ていうか、そんなT_Fixさんに。(笑)

自称「モザイクの達人」ほんまかが誰でもできる簡単モザイク方法を伝授しま~す。でもフォトショCS系限定ね。

お題はこれ、あえて難しい画像を選びました。

Reidai1

まずは、フォトマージでレイヤーだけ作ってもらいましょう。下のようにパラメータを設定してね。

Reidai2

これが最初の状態です。フラット補正がいい加減だから全然合っていませんね。大丈夫、こんなんでも簡単につながりますよ。

Reidai3

まずは、位置あわせ。(編集)→(変形)→(回転)で位置を合わせます。(追記、移動する画像の不透明度を50%にしてください)

Reidai4

あまりにも二つの画像が違い過ぎますので、簡単に調整します。下の画像の馬頭あたりが明るいのと、左側が赤が強く暗いので、グラデーションマスクで調整します。適当でいいです。フラットがばっちり決まっていれば、こんな調整も不要です。(上の画像を修正する場合は調整レイヤーでクリッピングマスクを作成をチェックします)

Reidai5

だいぶ良くなりました。次に重なり部分の真ん中を通るように、くねくね範囲選択します。

Reidai6

次に、(レイヤー)→(レイヤーマスク)→(選択範囲以外をマスク)ですね。

Reidai7

お~、なんとなくつながってきましたね。次にこのマスクを選択して階調を反転してください。(重なり部分が良く分かるようにマスクを反転させました。実際は不要です。)

Reidai8

重なり部分をはみ出さないように四角で範囲選択してください。

Reidai9

分かりやすいように、マスク画面を表示させます。(実際は不要)

そして、ここからが味噌です。境界部分をぼかします。

Reidai10

そして、マスクをもう一回、反転すれば出来上がり。

Reidai11

つなぎ目わかりませんね~。

(反省。。。馬頭付近は上の画像の方を明るくするべきだった。。。真ん中が落ち込んでしまった。まぁ、いっか)

後は、それぞれの画像にレイヤーかまして色合いとか明るさとか調整しましょう。元画像はそのままですから、何度でもやり直し可能です。

注意1

この方法は、重なり部分の星があまりにもずれているとできません。その場合はぼかし量を少なくするとか、部分的にぼかすとか工夫しましょう。私の場合はイメージシフト方式なので、重なり部分が完全に一致します。ですから重なり部分を完全にぼかしています。重なり部分は加算平均されるのでS/N比も向上します。

注意2

モザイクはつなぎ目が分からなければ良いというものではありません。あくまでも全体のバランスが重要です。画像を小さくしたり、遠くから見ると全体のバランスが良く分かります。おかしい場合は調整レイヤーで補正しましょう。

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2008年9月 1日 (月)

夏休みの自由研究その3

次は彩度アップ、ダウンです。

まず、レイヤーを複製します。

M31fig6

ここで彩度を上げたい、下げたい場所を、「色の置き換え」コマンドで指定して、彩度を上げたり、下げたりします。そして、レイヤーの合成方法を「比較明」にします。この時点で輝度もアップします。彩度は上げても、下げても、輝度は上がります。なぜ輝度が上がるのか説明します。

まず、次のようなカラーグラデーションをつくり、レイヤーをコピーして彩度を上げて見ます。

Color1

Color2

左が元の画像のヒストグラム、右が彩度を上げた画像のヒストグラムです。青の山が全体的に暗いほうへ寄っています。黄色の山が全体的に明るい方に寄っています。なお、エレメンツ3の場合は山の形が変わることなく山が平行移動します。エレメンツ3の方が分かりやすいです。つまり明るい色はより明るく、暗い色はより暗くなるわけです。彩度アップですから当然ですね。しかし、青色が暗くなるので全体の輝度はあまり変わりありません。

Color3

次にこれを元画像と比較明合成したのが、右のヒストグラムです。青い山はそのままに、黄色の山が明るい方へ移動してます。つまり彩度をあげつつ、全体の輝度も上がっています。

それでは彩度ダウンの場合はどうでしょう。

Color4

元画像に対して、青い山が明るい方へ、黄色の山が暗い方へ移動しています。つまり明るい色は暗く、暗い色は明るくなります。

Color5

次にこれを比較明合成すると、黄色の山は元画像のまま、青い山が明るい方へ移動します。つまり、彩度を下げつつ、全体の輝度がアップすることになります。

このように彩度と比較明(暗)組み合わせで次の4通りの画像コントロールが可能です。

1 彩度を上げつつ輝度を上げる → 彩度アップ+比較明合成

2 彩度を下げつつ輝度を上げる → 彩度ダウン+比較明合成

3 彩度を上げつつ輝度を下げる → 彩度アップ+比較暗合成

4 彩度を下げつつ輝度を下げる → 彩度ダウン+比較暗合成

この4種類の方法を使って、画像にメリハリをつけていきます。ただ、彩度上げたり輝度を上げたりするだけではだめです。落とすところはしっかり落とします。

ここまでくればほぼ完成で後は仕上げです。

まず、M31の青カブリを補正します。レイヤーをコピーして、Bの成分をレベル調整で落とします。こうするとM31はちょうど良くなりますが、背景がニュートラルでなくなってしまいます。そこで

M31fig7

レイヤーの合成方法を比較明にして、コントラストを少しだけアップさせます。そうすると背景がちょっと暗くなりますので、背景だけ、明るい元画像の色合いになります。このへんの調整は微妙です。

M31fig8

最後にアンシャープマスクをかけます。レイヤーを複製して、ちょっと強めにアンシャープマスクをかけます。

M31fig9

アンシャープマスクをかけると、画像が少し荒れます。特にエッジ部分が暗く落ち込みます。しかし、元画像と比較明合成すると、多少改善されます。この方法はぼかしでも有効で、星の中心の輝度を保ったままぼかしをかけることができます。

以上で画像は完成です。

この次はアイリス星雲の予定ですが、ちょっと息切れ。

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2008年8月29日 (金)

夏休みの自由研究その2

よっちゃんさんから、自由研究用にM31とアイリス星雲の元画像頂きました。アイリス星雲を先にやろうと思ったのですが、難しい。。。トーンカーブもマスクも使わないで、できるのかぁ。というか、トーンカーブやマスク使っても難しい。。。

とりあえず、先にできたM31から公開です。元画像。

M311

で、ほんまかの新画像処理法によってできた画像が。これ、

M312

なかなかいいと思いませんか。これが、トーンカーブもマスクも使わないでできるのですよ。

手順

1 コントラストアップ

2 彩度アップ・ダウン

3 シャープフィルター

4 M31の青カブリ補正

使ったコマンドは、

「明るさ・コントラスト」、「色の置き換え」、「レイヤー複製」、「レイヤー合成」、「アンシャープマスク」、「レベル調整」だけです。

1 コントラストアップ

 普通に「明るさ・コントラスト」でコントラストアップするとこうなります。

M31fig1

ヒストグラムの山に注目して欲しいのですが、山の幅が広がります。つまり明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなります。M31の中心部は十分明るいので、ここがさらに明るくなったら困りますね。つまり、ヒストグラムの山を左側、暗い方に伸ばしたいのです。

そこで、まず、元画像のレイヤーを複製して、合成方法を「比較暗」にします。

M31fig2

そして「明るさ・コントラスト」コマンドをすると

M31fig3

ヒストグラムの山が、明るい部分はそのままに暗い方へ伸びていることが分かります。逆に明るい方に伸ばしたい場合は、比較明で合成します。淡い散光星雲などは比較明で処理します。

しかし、この方法には、落とし穴があります。トーンジャンプを起こしやすいのです。トーンジャンプの例はこちら。

M31fig4

トーンジャンプを起こさないためには

1 ヒストグラムを表示させ、常に見ながら行う。

2 一度にたくさんコントラストアップしないで、細かく何度も行う。

この2点に尽きます。

一度強調作業をしたら、画像を合成します。そして再度レイヤーを複製して同じことを何度も繰り返します。

基本的にこの画像処理法は以下の方法を繰り返し行います。

[レイヤー複製]→[強調、フィルターなどの処理]→[比較明(暗)合成]

ちゃんと作品に仕上げようと思ったら数十ステップから100ステップくらい繰り返します。一見、面倒そうですが、そんなことはありません。ほとんど機械的な作業です。

トーンンカーブやマスク処理は基本的に2次元パラメータの処理です。それに比べ、[明るさ・コントラスト]や彩度アップは1次元パラメータです。微妙な調整がやりやすいのです。それに比較明(暗)合成によって、常に強調処理の荒れを修復しながら少しずつ進みますので大きく失敗することはありません。

さて、コントラストアップを繰り返していくと画像はこのようになります。

M31fig5

やりすぎです。背景が暗くなりすぎました。こんな場合は最初の元画像と比較明合成すれば背景だけ元の画像の明るさに戻ります。

今日はここまで。

次回は彩度アップ、ダウンです。彩度アップダウンによって、彩度のコントロールだけではなく輝度もコントロールできるのです。ここをもっと明るくしたいとか、暗くしたいとか。画像の微調整ができます。

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2008年8月27日 (水)

夏休みの自由研究発表

夏休みも終わりに近づいてきましたので、これから、私の夏休みの自由研究の発表を連載でしたいと思います。

自由研究のテーマは「比較明(暗)合成を使った新しい画像処理法」です。

従来の画像処理法のトーンカーブやマスク処理といった微妙な調整を必要としない、簡単なコマンドでだれでもできる画像処理法です。

従来法を駆逐するような画期的な画像処理法と意気込みましたが、結果から言うと、かなり限定的で、またやはり微妙な調整は必要です。それに従来法のほうが逆に簡単な場合もあり、これだけですべてまかなえるものではありません。

しかし、一部の方式について、従来法より良い結果を得ています。特に、「彩度アップ、ダウンによる輝度アップ」は非常に良い結果を得ていいて、先日のアンタレス付近の写真もほとんどこれで仕上げました。彩度をアップすることによって、特定領域とりわけ淡い領域の輝度をアップさせるのです。不思議なことに彩度ダウンでも輝度をアップさせることができます。

ですから、従来法の補完として、またトーンカーブやマスク処理が苦手な人、フォトショップエレメンツで画像処理している人など限定的に使うには良いと思います。それにこれからの研究しだいではさらに応用範囲が広がるかも知れません。

とりあえず、私が試したことは以下の通りです。これから少しずつ、やっていきたいと思います。

1 ハイライトを飛ばさないで、コントラストアップ

2 シャドーをつぶさないで、コントラストアップ

3 彩度アップ、ダウンによる淡い部分の輝度アップ

4 バックグランドだけぼかしをかけ滑らかにする。

5 アンシャープマスクの荒れを緩和する。

6 微光星の輝度を落とす。

ところで、これらの記事にサンプル画像載せたいのですが、わたし、星雲星団の画像もっていません。以前ミニボーグで撮ったひどい画像ならあるのですが、どうせなら良い画像を使いたいのですが、だれかいただけませんか。

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2008年8月21日 (木)

新しい画像処理法模索中

満月期ということで画像処理の勉強をしているおり、GENTAさんが、素晴らしい元画像を公開してくださいました。そこで早速処理。

見やすいサイズ

Take72

オリジナルサイズ

Take62

実はこの処理、強調処理するにあたって、トーンカーブもマスク処理も使っていません。(最後の仕上げの段階で一部マスクを使いました。)

今、トーンカーブやマスク処理など微妙なさじ加減が要求される手法を使わないで、だれでも簡単にできる画像処理法を研究中です。ある程度ものになりましたら公開したいと思います。

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2008年7月 2日 (水)

検定画像の処理過程公開

せっかくなので、画像処理過程を大公開! ほんとは恥ずかしくてやりたくないのだが。。。

マスク処理を躊躇されてる方、これを見て「そろそろやってみようか」なんて思っていただければ。

ほんとは全過程を公開したいのだが、それは無理。あまりにもレイヤーがたくさんありすぎて。。最初のワンステップのみです。でも今見るとこの最初の段階の画像が自然でいい感じ。この後、シャープだ、ダスト&スクラッチだの下手糞なくせにやってしまったため、ちょっとおかしくなってしまった。

それじゃ、スタート。

Ami1

まず、レイヤーの説明。レイヤーは下から効果が表れるので、下から見ていく。最初の3レイヤーは、星雲の青い部分の強調レイヤー。これを一番最初にもってくることによって、赤と青のバランスを整えます。

次の3レイヤーは星雲全体の強調レイヤー。以上6つのレイヤーをグループにして、グループ全体に星マスクをかけています。残りの2つのレイヤーは最後の微調整です。

これ以外に効果を見るための強調レイヤーがありますが、ここではカットしています。次はマスクの説明。

Ami2

星雲の青い部分を選択するマスクです。色域指定、レベル調整、ぼかしを組み合わせて作りました。

Ami3

これは星雲全体を選択するマスク。レベル調整、ぼかしで作りました。

Ami4

最後は星マスク。星マスクの作り方は良く分からないのですが、私は最近、フィルターの輪郭抽出、ぼかしで作っています。星野写真の場合はこれが一番うまくいっています。

Ami5

まずは元画像です。ほんと淡いですね~。

Ami6

順番が逆になってしまいましたが、星雲全体の強調処理です。星野写真ではここまでトーンカーブを持ち上げることはありません。こんなにしてしまっていいのでしょうか。そんな不安になる処理です。ポイントは青丸の部分です。この部分に星雲が出ないとこの作品は寂しいので、ここに星雲がほんの少し出る、ぎりぎりのところまで強調します。

Ami7

トーンカーブだけの強調では物足りないので、彩度を上げます。さらにカラーバランスを調整。

Ami8

上の処理と順番が逆ですが、星雲の青い部分の強調。ほんのちょっと持ち上げてやります。

Ami9

さらに彩度アップ。ポイントは青丸の部分。ここが一番輝度が高いのですが、ここがつぶれてしまうと、みっともなくなります。ここがつぶれないギリギリのところまで強調します。

そして、星雲部分がG不足になるので、少しオーバー気味にカラーバランスでGを強調。(ヒストグラム見るとGオーバーがわかります) この崩れは最終段階で調整することにします。とにかく今は星雲中心に処理します。

Ami10

最後に各マスクのマスク加工を行います。マスク処理の肝はこのマスク加工だと思います。上の例は星マスクの加工ですが、悪い例です。マスクが悪いと、上の矢印のように星雲と星が重なった部分で、星の周りにくぼみができてしまいます。このくぼみが出ないように、マスクを加工します。レベル調整やぼかし、シャープ、ありとあらゆる手段を使って調整します。

こんな感じです。参考になりました?

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2008年5月20日 (火)

広角モザイクって簡単にできるんだよ。その3

今回は撮影編。づばり、写野の切り替え。実は、広角モザイクをちゃんとやろうとすると、このような縦方向のパノラマ雲台が必要なのです。

Photo1331

(ピンボケなのはローパスはずしたD40で撮影したから。。。)

しかし、売ってないんですよね~。私のは以前から紹介している米国「Really Right Stuff」社のものですが、高いんですよね。カメラのL型ブラケットも含めて7万円近くかかっちゃいます。パノラマヘッド部だけでも手に入れば自作はできると思うのですが、パノラマヘッドも安くても丈夫なものが、なかなか売ってません。

そこで簡単に写野が切り替える方法としてお勧めなのが、赤道儀の赤緯軸を使う方法です。こんな感じです。

Photo1332

(こちらは奇跡的にピントが合った。)

これでもL型ブラケットが必要になりますが、これだけなら自作できるでしょう。市販品もあるようです。

ちなみに、赤道儀の赤経軸を使って写野をシフトすることは、広角ではできません。天の赤道付近でないとこんな風に傾いてしまいます。(望遠レンズ、望遠鏡の場合は写野が狭いので何とかなります。)

Widem5_2 

 よって、モザイクは赤緯方向に限られますが、夏や冬の対象なら困らないでしょう。秋の天の川が赤経方向に伸びているのでちょっと困ってしまいますがね。

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2008年5月16日 (金)

広角モザイクって簡単にできるんだよ。その2

前回の記事で広角モザイクが簡単にできると思っていただけたでしょうか。特にカッティングだけで合わせることができることについては不思議に思われるかもしれませんね。しかし、同じ条件で撮影し、同じ条件で現像するれば合うのは当然です。

それでも明るさとかずれるのでは?

はい、ずれる場合もあります。実は前回の写真、やはり上側が少し暗いです。+5くらいがちょうどいいです。(あの写真は上下で時間差がありすぎるのです。)でもそのままでも十分です。ではなぜ、明るさの調整をしないで合わせることができたのか。その答えは。。。

背景に明るさの傾斜、ムラ、周辺減光があるためです。

Widem21

完全にフラットな画像な場合、明るさが、色合いが完全に一致していないと、どこにつなぎ目を持ってきても合いません。

ところが、背景に傾斜、周辺減光がある場合、

Widem22

よほど、違いがない限り、どこかに一致する部分があります。ですからこの一致する部分をつなぎ目にすればよいのです。

つまり、カブリや周辺減光を逆手にとって、合わせこんでいるのです。

強調処理のため、極限までフラットにしないといけない星雲星団の写真は無理です。ある程度背景のムラを許容できる「広角系星野写真」ならではの手法です。

結論は、周辺減光補正やカブリ補正など気にせず、現像したらすぐつなげればよいのです。下手な処理は不要です。即モザイク。

しかし、このようにうまく結合させるためには条件があります。(やっぱりあったのね)

簡単に言うと。。。

「絞り込んで短時間で撮る」

絞りは思い切ってF5.6まで絞っちゃいましょう。露出時間は、長くても5分程度。できれば保険の意味で2枚コンポジットがいいですね。

それでは、淡い星雲が写らないのではという疑問もあると思います。でも、

「写らなくていいんです」

星野写真の主役は「星」です。まず星を美しく表現することが第一です。よく淡いHαとか天の川の淡い部分を出そうとして強引にコントラストを上げている星野写真を見ますが(かつての私。。。)  とても美しい写真とは言えません。

星中心に考えるなら短時間露出で十分です。それにモザイクするとノイズが目立ちませんので高感度撮影、強調処理ができますので、短時間でもそれなりに写ります。

まとめ

 モザイクを困難にしている要因は3つあります。

モザイク3悪→ 時間差、周辺減光、カブリ

時間差、カブリに関しては、短時間露出でクリアです。周辺減光に関しては絞り込んで対処しましょう。もちろん腕に自身のある方はある程度絞りを開けて、フラット補正するのも良いでしょう。でもちゃんとやらないと、かえってムラになり、合わなくなります。どうしても絞りを開けたい人は、フォトショップの「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」の周辺減光補正が簡単便利です。星野写真の場合、それほど強調処理するわけではないのでこれで十分です。

それから、これも重要ですが、画像の重なり部分を多くとりましょう。周辺減光やケラレは重なり部分を多くするとほとんど影響を受けません。

最後に、これは当たり前のことですが、天体写真の基本として次のようなことを注意すると完成度が上がります。

1 なるべく暗い場所で撮影する。

2 対象が南中するのを待って撮る。

3 ピントはちゃんと合わせる。

4 構図は試写を繰り返して念入りに合わせる。

5 機材にある程度お金をかける。良いレンズは周辺減光も歪みも少ないです。

ワンポイントアドバイス

どうしてもつなぎ目が分かる場合は、輪投げツールで範囲指定し、部分的にあわせこみましょう。

PS3のフォトマージで「画像を合成」をチェックするとカッティングもちゃんとやってくれます。この機能はかなり正確で使えます。面倒ならフォトマージに任せちゃいましょう。(PS2以前にはないのが残念)

明るさや色合いがあまりに違う場合はやはり、ある程度の合わせこみが必要です。その場合、つなぎ目だけに注意しないで全体のバランスを大切にします。画像を小さくして見るのが有効です。

明るさや色合いが、ちゃんと合っているか見るには、調整レイヤーを作って、コントラストや彩度をアップしてみると楽です。必ず調整レイヤーで行ってください。元画像はそのままです。

現像はすべてのコマで同じ条件で現像しましょう。現像時、ヒストグラムの山を中央付近にもってきましょう。星野写真としては明すぎますが、画像が明るい方がモザイクしやすいです。

次回は(えっ、まだあるの)、写野の切り替え方法です。

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2008年5月15日 (木)

広角モザイクって簡単にできるんだよ。(続きあり)

先日アップした天の川の写真が好評で浮かれているほんまかです。気を良くした勢いで、だれでも簡単にできる広角モザイク手法を紹介しちゃいます。

私がやっているイメージシフト方式は敷居が高いので、普通のカメラで普通の広角レンズでできる3枚モザイクを想定したいと思います。こんな感じです。

Widem01

レンズの焦点距離は20mm~35mmくらいでしょうか、3枚モザイクで天の川のおいしいところがちょうど入ります。

その前に、モザイクって難しいと躊躇されている方が多いようです。しかし、これは完全に誤解です。そこで最初にモザイクにまつわる誤解を解いておきたいと思います。ただし、あくまでも広角系です。望遠鏡のモザイクとかは私の範疇外ですので、あまり大きいことは言えません。

1 モザイクって難しい。

 全然難しくありません。

2 モザイクって、各コマの色合せとか難しいんでしょ。

 先日アップした天の川の8枚モザイク。色合せなんて全然してませんよ~。ただつなげただけ。

3 つなぎ目は消しゴムツールで小まめに消すんでしょ。

 そんなことしません。

4 広角系は、湾曲があるから、つながらないのでは。

 変形すればつながりますよ。

5 でも難しいんでしょ。

 簡単です。

6 フォトショップのフォトマージを使えば簡単ですか?

 フォトマージはあまり賢くありません。こんなおばかさんな事をします。

Widem4

7 フォトマージは湾曲も補正してくれる?

 残念ながらしてくれません。でもマニュアルでも簡単にできます。

8 遠近法とか、円筒法を使わないとだめ?

 遠近法や円筒法は直線を含む景色を自然につなげるパノラマ合成の手段で、天体写真では逆にひずみが大きくなるので使ってはいけません。

9 フォトマージの合成前に、色合いとか、ある程度合せこんでいたほうがいい?

 そんな事したら、余計合わなくなります。

結合方法

 「モザイクって簡単にできるんだ」と分かったところで、順番からすると撮影方法の説明ですが、ほんとに簡単にできることをアピールするために、モザイク結合の話を先にします。

 広角系モザイクで一番やっかいなのは、「湾曲」です。広角レンズの場合、たる型に湾曲します。フォトショップの「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」である程度補正できます。天体写真の場合、写野に直線がないので、レンズ補正でどの程度補正すればよいか分かりません。そこで事前に建物などを撮っておいて、レンズ補正で補正して見ましょう。そのときの湾曲率を使えばオーケーです。

 しかし、これで補正してもなかなか合いません。広角レンズの湾曲は実は複雑なのです。そこで、湾曲を完全に補正するのはあきらめ、とりあえず合成できれば良いとします。

 さらに、接合面の面全体で合わせるのは事実上不可能です。そこでつなぎ目あたりの直線に沿って合わせる方法を紹介します。面全体で合わせる必要はまったくありません。つなぎ目だけ合っていればいいのです。

 とは言っても、つなぎ目だけで合わせるのもかなりやっかいです。そこで、つなぎ目あたりの3点で合わせる超簡易方法を紹介します。実はこれでも鑑賞写真と割り切れば十分なのです。とりあえず、最初は3点だけで合わせるようにしてみてください。慣れてくれば4点、5点と増やしていけばよいのです。(3点で十分と思いますけどね~)

まずは、原理の説明。

Widem02

 上の絵は、たる型に湾曲した写真の合成の様子です。直線はつなぎ目です。つなぎ目が、接合面のちょうど中央なら、両方の歪みが一致しますので、これで難なくつながります。でもそんな都合よく行きませんよね。現実は、つなぎ目が下図のようにづれます。

Widem03

 上の図の場合、青い写真をつなぎ目付近で横に広げるか、赤い写真をつなぎ目付近で狭めれば良いことが分かります。(あるいは両方)これで両端は合います。しかし、中央付近はずれます。そこで、中央付近を歪ませて無理やり合わせるのです。これが「ほんまかの3点合成法」の理屈です。

実例

 実例を紹介します。下の写真は、先日の天の川の写真です。これを結合しましょう。各写真はそれぞれ4枚モザイクなのですが、今はそれは重要ではありません。APS-Cサイズで言えば28mmくらいの画角に相当します。当然湾曲も周辺減光もありますが、つなげて見ましょう。

Widem11

[ファイル]→[自動処理]→[Photomerge]を開きます。

Widem12

上のように設定してください。自動や、円筒法、遠近法は使ってはいけません。「画像合成」をチェックすると、うまく結合してくれます。ただし、湾曲は補正されませんから当然ずれます。ここでは、モザイクがマニュアルでも簡単にできることを示すため、あえて「画像合成」のチェックをはずします。

Widem13

 このようにレイヤーが作成されます。レイヤーの順番を分かりやすいように入れ替えています。上のレイヤーが上の写真になるようにです。

 接合面の重なり具合を見るために、上のレイヤーの「不透明度」を50%にしてください。

Widem14

 結構、ずれていますね~。

 次に合わせる3点にマークします。なるべく、中央付近の直線状になるように3点を選んでください。もちろんほんとにマークしませんよ。頭の中でマークするんですよ。

Widem15

 次に、位置や傾きも多少ずれていますので、最初に位置と傾きを大まかに合わせます。

 [編集]→[変形]→[回転]で、縦横移動、回転が自由にできますのでだいたい合わせます。リターンキーで決定です。

Widem16

 次に両端の2点をあわせます。上下どちらの画像でもいいです。[編集]→[変形]→[遠近法]で台形に変形できますので、この機能を使って両端の2点を合わせます。真ん中の点は虫です。

Widem17

 次に真ん中の点を合わせるため、[編集]→[変形]→[ワープ]を使います。丸い点や中の線をマウスでドラッグすると画像が歪みますので、それでなかば強引にあわせこみます。

Widem18

 このワープですが、これは大きな変形には向きません。真ん中の点が大きくずれている場合は、レンズの湾曲がかなり大きいです。あらかじめ「フィルター」→「変形」→「レンズ補正」で補正しておきましょう。

 さて、これで結合は終わり。不透明度を100%に戻します。上の写真が暗いですね。明るくしきゃと思ってはだめです。「モザイク=色合わせ、明るさ合わせ」と思っている人、間違えです。そもそも、同じ条件で撮影して、同じ条件で現像しているんだから、そんなこと必要ないのです。

 そこで合成のために選んだ3点をなるべく通るようにして、下の図のように上側の画像を[編集]→[カット]してください。だいたいでいいです。

Widem3

 あら、不思議。だいぶ合ってきました。でも両脇が少しずれていますね。

Widem32

それでは両脇をもうちょっとカットして見ましょう。

Widem2

あらら、完全に合ってしまいました。モザイク完成です。

Widem1

ということで、あっけなくモザイク完成!

ほんまかが、実は高度の画像処理技術があるのではないことがバレてしまった。。(汗)

何で、こんなに簡単にできるのか、次回少し詳しく説明して見たいと思います、実は撮影に秘密があるのですよ。

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2008年4月23日 (水)

モザイクの欠点

昨日はモザイクの利点についてぐだぐだ書いたので今日は欠点をぐだぐだ書きたいと思います。

1 撮影も画像処理も面倒

 確かに撮影は面倒ですね。単純に撮影枚数増えるし。私の場合はイメージシフト方式なので、写野の切り替えはあっという間ですが、それでも自動シフト装置を作りたくなってしまいますね。これさえあれば車の中で寝ていられます。

 画像処理に関してはモザイク結合しなくてはならないので余計な作業が増えますが、慣れてくればコンポジット同様、ルーチンワークなので無心で手を(マウスを)動かすだけです。

2 画像がなんかへん

 抽象的な表現ですが、一枚画像に比べると何かへんです。まず、なんか硬調というかハイトーンというか、細部が失われやすいのかも知れません。でもこれは、ほんまかの画像処理方法に問題があるんだろうな。きっと。

 確実に言えるのは必要以上にフラットすぎちゃうんです。これはつなげるためには仕方がありません。夜空には、カブリや背景の明るさに傾斜があります。それらをすべてフラットにしないとつながりません。特に広角系の場合は、これらの傾斜を残しておいた方が自然なんです。ですが、モザイクの宿命でフラットにしなければならないのです。

 これを避けるには、極めて短時間で撮影するしかないです。ほんまかの入選作品のほとんどは露出時間2分です。

3 倫理的な問題

 モザイクは果たして、写真なのか。極端な例を一つ。モザイク写真の2つのコマにそれぞれ小惑星が写っているとします。2つのコマには当然時間差がありますから、そうするとこの小惑星の相対位置関係は絶対ありえない位置関係にあります。これは写真としての価値があるのかどうか。

 もちろん一夜の撮影ならそれほど違いはないでしょう。でも複数夜の撮影だったらとか、小惑星ならそもそも分かるわけないからいいけど、惑星でしかも複数夜の撮影なら明らかにまずいですよね。

 まぁ、そんなひっかかりがあるので、ほんまかはモザイクは一夜で撮影するようにしています。それほど強い信念でもないのですが、何か引っかかるので、将来は破るかも知れません。

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2008年4月22日 (火)

モザイクの利点

「モザイク」という言葉をタイトルに使うと一般社会では、あれを連想しますのでちょっとちゅうちょしますが、もちろん天体写真の話です。風景撮影では「パノラマ合成」ですね。私はパノラマ合成の方が好きですが、パノラマというと横方向だけのようにも思われるので、天体写真の世界では「モザイク」というんでしょうか。

それはさておき、タイトルのモザイクの利点です。ほんまかがモザイク始めたのはもちろん、解像度、シャープさの向上です。もちろんこれが一番です。しかし、最近はシャープすぎていかに星を太らせるかいろいろ考えている有様で、当初の目的からはだいぶずれてきました。こないだのさそり座上部の写真では4方向に2ピクセルずつずらした4枚をコンポジットして星を太らせています。

むしろ最近はそれ以外の利点がけっこう重要になってきています。それをいくつか列挙してみます。

1 ノイズが目立たない

 ノイズを減らすには、ISO感度を下げる、コンポジットする、冷却するなどいろいろありますが、ほんまかが思うにはたぶん、モザイクが一番効果あるんではないかとひそかに思ってます、もっとも何と比べるか、モザイク枚数などにもよりますが、いずれにせよ効果は大きいです。特に高感度時のあのザラザラ感はモザイクするとほんと滑らかになります。

2 見た目の感度が上がる

 これは最近思い始めているのですが、モザイク枚数が増えると、なぜか淡い星雲とかはっきり見えてくるのです。一枚のときは気づかない淡い部分がはっきりしてくるのです。たぶん、モザイクで画素密度が上がっても人間の目は解像できませんので、数ピクセルを1ピクセルと判断してるためと思います。これはビニングと同じ効果だと思います。圧縮効果とでもいいましょうか。

3 画像処理で強処理ができる

 これはノイズの話とダブりますが、画像処理による荒れが目立たないのでかなりの強調処理ができます。ある意味モザイクは画像処理が楽です。

4 光害を避けながら撮影できる

 モザイクは分割して撮影できるので、各コマを常に最適な状態で撮影できます。例えば広角一枚撮りで撮影すると、よほど空が暗くない限り、必ずどこかしらカブリます。しかし、モザイクだと分割して撮影できますので、各コマが南中するのを狙って撮影することが可能です。ほんまかは広角星野写真が好きなのでこれはけっこう助かっています。

まぁこんなところでしょうか。モザイクは撮影枚数が増えますから、撮影時間が長くかかるように思われますが、ノイズは目立たない、見た目の感度が上がる、強調処理ができるなどの利点で、一枚あたりの撮影時間がとても短くできます。ですからトータルでは一枚撮りとそう変わらないと思います。もちろん露出をいっぱいかければいい作品ができることは間違えありません。

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2008年1月29日 (火)

PhotoShopCS3のPhotomergeは使えるか?上級編

前回に続いて、今度は上級編です。魚眼レンズによる超広角モザイク、地上風景も、カブリもあり、非常に難しいモザイクです。

次の6枚の画像を合成します。

Cs310

まず、Photomergeを開き、[位置あわせのみ]にチェックして合成開始!

Cs312

結果は。。。

Cs311

あれ、3枚がどっか行っちゃった。と思ったら左下に3枚重なっていました。左上の一枚も全然場所違うし。ここから修復するには、カンバス広げて、手動で合わせなければなりませんね。

それでは、最初から手動にした方が良いので[手動設定]にチェックを入れてやり直し。

Cs313

結果は。。。

真っ白な画面。。。

Photomergeがフリーズしたようです。

その後、いろいろな画像でやって見ましたが。すべてフリーズ。

結果報告

まったく使えません。

adobeさん。早く直してね。

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2008年1月25日 (金)

PhotoShopCS3のPhotomergeは使えるか?初級編

PhotoShopCS3がリリースされました。その目玉に、より賢くなったPhotomergeがあります。Photomergeはご存知の通りパノラマ合成ソフト、天文的にはモザイク合成ソフトです。Photomergeは以前のバージョンやエレメンツにもありましたが、CS3ではより高度になったそうです。

そこで、モザイクの熟練(自信過剰モード)ほんまかが、CS3のPhotomergeを厳しい目で検証してみようという企画です。第1回目は初級編ということで、簡単な画像で検証です。望遠レンズに光害カットフィルターで、癖のない比較的やさしい画像です。手動でもそれほど大変ではありません。

まず、元の画像です。

Cs31

最初にエレメンツ4のPhotomergeで合成して見ます。

Pse1

位置あわせだけで、ほとんど何もしていません。その位置あわせも微妙にずれています。しかし、レイヤーを作成してくれるだけでもありがたいです。

さて、それではCS3です。メニューの[ファイル]→[自動処理]→[Photomerge]で起動します。

Cs32

まずは[自動設定]をチェックし、[画像合成]もチェックします。(上図ではチェックされていませんがチェックします。) [開いているファイル]をクリックして(OK)ボタンです。約1分で合成してくれます。結果はご覧の通り。

Cs33

最初この結果を見たときはうぉ~~と思いました。すばらしい。以前はほとんど何もしませんでしたからね。レイヤーマスクを作って画像に切れ込みを入れているところがポイントです。元画像はそのままです。

最初に位置あわせができているか、見てみます。レイヤーマスクを解除し、不透明度を50%にして重なり部分を拡大して見ます。

Cs34

あれ、おかしい。イメージサークル分割撮影の画像なのでぴったり合うはずですが。。。これはレンズの歪補正をやっていますね。まったく必要ないのですが。そこで、最初の設定にもどり、[位置の変更のみ]にチェックを入れ再度挑戦。

Cs35

うん。これはすばらしい。上側は合っていますが、右側は少しずれています。しかし、手動でも必ずずれます。理論的にはイメージサークルをそのまま分割撮影していますのでぴったり合うはずです。しかし実際には6枚をぴったり合わせることは手動でも難しいんです。ここまで合っていれば合格でしょう。

次に、明るさや色合いが合っているか見てみます。調整レイヤーを追加して、明るさ、コントラスト、彩度を上げて見ます。

Cs36

まず全体のバランスですが、だいたいいいようです。ほんまかの厳しい目で見ると、上側2枚の明るさが足りないです。それぞれ+2すればちょうどいいと思います。これは上側2枚はミラーケラレが出るのでつなぎ目部分が暗くなるためです。それで全体が暗くなってしまったと思われます。色あいもだいたいいいようです。右上の一枚がGが弱いようです。これはLPS-P2による色むらで、それにつられたようです。ただここまで合っていれば十分だと思います。

次につなぎ目ですが、赤丸をつけた部分が不完全です。ここは手動で修正しないといけないようです。最後に画像を小さくして見て見ます。

Cs37

つなぎ目部分が暗く落ち込んでいるのが、はっきり分かります。これはミラーボックスケラレの影響で、そもそも元画像がフラットでないので、Photomergeに責任はないです。

ほんまかがPhotomergeで凄いと思ったのはつなぎ目です。単純につなげると、右部分は合ってるが、左部分が合わないということが必ずおきます。これはカブリや色むらなどの影響です。ところが、Photomergeで合成された画像を見ると、そのようなつなぎ目の不連続性が、よほどひどい部分除いてまったく見られないです。その秘密は下の画像です。

Cs38 

明るさや、色合いが一致する部分を選んでつなぎ目部分を絶妙にカットしています。手動で合成する場合もつなぎ目部分のカットは当然やります。しかし、手動ではここまで細かくはできません。明るさや色合いの調整は手動でもできます。しかし、この処理は手動でやろうとすると大変です。まさに自動処理の恩恵です。

さて、まとめですが、一言で言えば、すばらしいです。特にモザイク苦手な人はここまでやってもらえれば、それなりに仕上がるのではないでしょうか。(最初にフラット補正しておくことが前提です。)

その一方で、ここまでの合わせこみは手動でもそう難しくないので、あまり恩恵がないようにも見えます。難しいのはこの後の微調整です。基本的にPhotomergeの処理はつなぎ目が目立たないようにするのが第一目的のようなので全体のバランスが崩れる心配があります。上側2枚が暗くなったのもそのためです。私はどちらかというと全体のバランスを自動でやってもらって、つなぎ目の処理を手動でやる方が恩恵はあります。というのは全体のバランスは狂っていても完成してプリントするまで気付かないんですよね。で、最初から戻ってやり直すのが面倒で。

とりあえず、初級編、点数を付けるとすれば90点。すばらしい。

次回は、いきなり上級編です。魚眼レンズのモザイクです。カブリはあるわ、地上風景はあるわの超上級モザイクです。どうなるかお楽しみに。

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2008年1月22日 (火)

デジタルディフュージョンフィルター

ほんまかの最近の星野写真は、輝星をディフュージョンフィルターで滲ませているのですが、大犬座の写真では、撮影時間の制約もあって、ディフュージョンフィルターは使いませんでした。しかし、これではちょっとさびしいので、画像処理でほんの少し滲ませています。普通にぼかしをかけると、微光星までぼけて、画像全体がぼやけてしまうので、輝星だけ滲ませる必要があります。その方法を紹介したいと思います。

要は、輝星だけのマスクを作ればいいだけなのですが。

Diff1

元画像です。青ハロも醜いです。

Diff2

まず、マスクを作るため、レイヤーを複製し、[フィルター]→[ガウスぼかし]で適当にぼかします。

Diff3

次に、ここが味噌ですが。[フィルター]→[表現手法]→[輪郭トレース]で、一定レベルの大きさの輝星だけの輪郭を抽出します。

Diff4

次に塗りつぶしツールで輪郭の外を黒く塗りつぶします。

Diff5

次に、再度ぼかしをかけ、さらに[レベル調整]で階調を圧縮し、黒白をはっきりさせていきます。このぼかしと[レベル調整]を繰り返して、程よい大きさにしていきます。

Diff6

これでマスクが完成したので、新規調整レイヤーの[レベル調整]または[明るさコントラスト]または[トーンカーブ]を作ります。

そして、マスクをコピーして、新規調整レイヤーのマスク部にコピーします。

Diff7

明るさやコントラスト、またはトーンカーブをいじって輝星の周りを明るくします。これで完成です。エレメンツでもここまではできます。ディフュージョンフィルターより自然な感じがします。

Diff8

上記処理だけでは星の芯が残ってしまいますが、もっとソフトにしたいなら、レイヤーマスクを同様に作ってぼかしをかける方法もあります。私は今回、ここまではしませんでした。ちょっとあまりにも作為的な感じがしたからです。ただディフュージョンフィルターを使うよりは、はるかに自然です。ディフはちょっと効果が大きすぎます。上の例のようにいい感じにぼけてくれます。

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