新企画、経緯台で天体写真の2回目。今日はこれからどんなことをやるのか、簡単に説明していきたいと思います。
はじめは理論的な話が中心になります。また、思いついたアイデアなど、理論も含めて、このブログで発表していきたいと思います。理論的な話はつまらないかもしれません。ただ、それでもここに詳細に、ときにはうんざりするほど書きたいと思います。
それには、理由があります。特許の問題です。私はこの企画で特許を取ろうとは思いません。また、自分と同じアイデアを他者が特許取得するのもまったくかまいません。ただ、私のアイデアなのに、私自身が使えなくなるのだけは避けなければいけません。
それには、特許を出願するのが一番です。いわゆる防衛特許です。しかし、特許文書を書くのは面倒ですし、お金もかかります。それよりもインターネットで発表するのが手っ取り早いです。インターネットで発表すれば、特許の要件である新規性はなくなり、自分自身でさえ、特許取得ができなくなります。
まぁ、そんなことなので、理論的な話に興味のない人はどんどんスルーしてもらってかまいません。
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さて、経緯台で天体写真を撮るための方法、つまり追尾方法ですが、以下の2通りの方法が考えられます。
1 望遠鏡の向きから、星の移動速度、方向、および写野の回転方向を計算で出し、追尾する。いわゆる、経緯台のノータチガイドです。これに2台のガイドカメラによる実写によりずれを補正する
2 2台のカメラにより、星の動きをリアルタイムに検出し、追尾する。
1の方法の方が、技術的には簡単そうです。ただ、これをするには経緯台を少なくとも2星でアライメントしなければなりません。これは面倒です。
私が目指すのは2の方法です。これをFTS(フリー・トラッキング・システム)と呼ぶことにします。
FTSなら、経緯台を置けばすぐ撮れることになります。水平を出す必要もありません。また、応用範囲も広く、経緯台でなくてもかまいません。極軸を適当に合わせた赤道儀や、極軸を合わせにくいフォーク式赤道儀などにも応用できます。
とにかくどんな架台であっても置けばすぐ撮れる。これが理想です。
ただ、実際は1と2の中間の方式になると思います。
つまり、最初はFTSで追尾を始めるのですが、星の動きを学習させるのです。そしてある程度動きを予測しながら、誤差の分だけ修正していくことになります。
で、リアルタイムで星の動きを追尾できるのでしょうか?実現可能かどうかちょっと見積もってみます。
焦点距離500mmでEOS6Dで南の星を撮るとします。そうすると、星は画角の端から端まで16分で横切ることになります。これは1秒あたり6ピクセルになります。仮に1/10でガイドカメラをキャプチャし、修正信号を出せば、1ピクセル以内に収めることができます。
露出1/10でどの方向に向けてもガイド星を見つけるのは以前は無理でした。しかし、現在なら可能です。すでにSS-oneオートガイダーで実証済みです。SS-oneオートガイダーでは1/8秒でもガイド星が十分写ることを確認しています。
今後、もっと感度の高いCMOSセンサーも出てくるでしょう。そうすれば、さらに1/20とか1/30でガイド信号を出すことも可能になります。もちろん学習機能も働きますので、なおさら余裕です。現在の技術ならFTSも十分可能なのです。
今日は、このあたりで終わりにしておきます。次回はローテーターについてお話します。
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